「兄の死無駄にしないで」 フロイドさん弟が議会証言

涙ぐみながら証言したジョージ・フロイドさんの弟=AP

【ワシントン=芦塚智子】米中西部ミネソタ州ミネアポリスで白人警官の暴行により死亡した黒人男性ジョージ・フロイドさんの弟、フィロニスさんが10日、米議会の下院司法委員会の警察・司法改革に関する公聴会で証言した。議会に対し「(兄の)死を無駄にしないようにするのは、あなた方にかかっている」と改革の必要性を訴えた。

フィロニスさんは、フロイドさんが20ドル(約2千円)のにせ札を使った疑いで逮捕される際に殺されたことについて「ジョージは誰にも危害を与えていなかった。黒人の命の価値は20ドルなのか」と声を詰まらせた。「理由なく黒人が殺されるたびに受ける苦痛にうんざりだ。警察を問題ではなく解決策にする変革が必要だ」と主張した。

抗議デモの警備中に射殺された黒人警官の家族も証言し、略奪や破壊行為は問題の解決にはならないと強調。警察予算の削減を求める声について「ばかげた解決策」と批判した。

公聴会では、共和党議員が左派を中心とする警察予算削減案を繰り返し取り上げて攻撃するなど、党派対立も目立った。民主党は事件を受け、不正行為をした警官の起訴を容易にすることを柱とした警察改革法案を発表している。

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