政府は、職場や学校でのワクチン接種を、6月21日から始めると発表した。
その21日は、オリンピック開幕のおよそ1カ月前。
1日、海外からの選手団が、初めて日本に到着した。
午前7時50分ごろ、成田空港に姿を見せた緑の一団。
東京オリンピックの海外選手団第1号となる、オーストラリアのソフトボール女子代表ら29人。
すでにワクチンを接種している彼女たちだが、到着後、すぐに通路のパイプいすに座って、抗原検査を受けた。
その結果、全員の陰性が確認され、移動のバスに乗り込んだ。
そして、午後1時半ごろ、事前キャンプ地となる、群馬・太田市のホテルに到着。
華やかな歓迎セレモニーなどはなく、関係者が国旗を持つだけの静かな出迎えとなった。
滞在中の移動は、ホテルと練習場のみに限られ、毎日PCR検査を受けることになっている。
一方、迎え入れる側の太田市長は、国に、このような提案をしたことを明らかにした。
太田市・清水聖義市長「きのう言ったんだよ、国に。監獄みたいに入れといたってしょうがないじゃないかって電話したの。(ショッピングセンターなどに)開店前に行って、パンツ買ったりシャツ買ったり、1カ月半近く軟禁状態でいられる? 人間、いられないよな」
そのオリンピック本番に向け、東京都は、代々木公園に競技を中継で見ることができるパブリックビューイング会場を作る予定だった。
しかし、きょうになって一転。
小池都知事「代々木ライブサイト会場を、ワクチン接種の会場として転用する予定」
小池知事は、7月上旬以降、警察や消防関係者などへのワクチン接種会場に転用すると発表した。
接種のスピードアップが求められる中、福島・相馬市では、64歳以下の基礎疾患のない市民への接種が始まった。
相馬市民「きょうは半日、お休みわたしはいただいて、娘は大学生なんですけど、休んで受けに来ました。受けないよりは受けた方がいいのかな」
緊急事態宣言の再延長初日。
東京都で新たに確認された感染者は、471人で、19日連続で前の週の同じ曜日を下回った。
感染状況のさらなる改善に向け、政府は、ワクチン接種体制の新たな強化策を明らかにした。
加藤官房長官「6月21日から、企業や大学等において、職域・学校などを含みますが、単位でワクチンの接種を開始することを可能とする」
職場や大学での接種には、モデルナ製ワクチンを使用し、各自治体の接種券が手元に届いていない段階でも接種可能とする考え。
都内で働く人たちからは、歓迎の声が聞かれた。
20代(海運系企業)「今すぐにでも受けたいですね。これから夏休みにも入るので」
50代(商業系企業)「家族がいるので、受けさせていただけるのであればありがたい」
想定されるのは、社内の診療所での接種や、外部の委託機関が会議室などで行うケース。
また、提携先の医療機関で実施するなどのパターン。
東京・築地にある住友生命保険では、すでに社内接種の検討を進めている。
会議室を接種会場として使用する予定とのことで、かなり広いのがわかる。
住友生命保険・川口謙誠執行役員「(きょうは)就職活動の解禁日になります。そもそも面接会場として押さえていた会場がございましたので、ワクチンの接種ということで利用できるんじゃないかと」
社内には診療所もあるが、経過観察をするのに十分なスペースがないことなどから、会議室での接種を予定しているという。
また、ワクチン休暇を取り入れ、接種を受ける日は休んでも出勤扱いとする考え。
住友生命保険・川口執行役員「職場内で接種できる方が、精神的に楽に接種ができると思う。(ワクチンの)保管等にも気を使われるところがございますので、実際確保できた分を無駄にしない」
同じく、6月21日から可能となる大学などでの接種。
萩生田文科相は、接種率を高め、安心安全な2学期を目指したいとしている。
オンライン授業が1年以上続き、キャンパスへの通学が満足にできていない大学生。
日常を取り戻す大きな1歩に、期待の声が聞かれた。
大学2年生「ことし中には打てないかなと思っていたので。サークル活動とかも、今はできない状況なので、早く打ちたい」
大学3年生「つまらない。友達とかとも会えないので。早くリモートが終わってほしい」
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