みなさん、元気ですか?

元気があれば、何でもできる!!


【1】
さて、6月1日発行の半田市議会便りに、22名の議員の中で、私だけが政治倫理に関する条例の誓約書を提出していない旨の記載がありました。


議会便りには、その理由を掲載させてもらえないので、しょうがなく、私のブログでその理由を説明する次第です。


誓約書を提出しない理由は次のとおりです。



【2】
政治倫理審査会は市議会内にある、政治的機関です。

裁判所のように法律と正義に基づく、公正で公平な機関とは異なります。

そこに市議会議員を辞めさせる、というような権力を与えることは、

多数派の横暴を招く危険があるし(実際には招いている)、

市議会議員を選んだ有権者をバカにしている、と考えるからです。



【3】
少し詳しく説明をしましょう。


まず経緯からです。実は条例自体に問題があると考えています。


平成23年3月議会で政治倫理に関する条例の修正案が議案として提出されました。


理由は、榊原久美子市議が、政治倫理審査会で、議員辞職勧告が出ても議員を辞めない、だから、政治倫理審査会の勧告に強制力をつけたい、とのことのようです。。


しかし、地方自治法などで、市議会議員の身分保障が法律で決められており、議場での無礼な発言


(地方自治法第132条  普通地方公共団体の議会の会議又は委員会においては、議員は、無礼の言葉を使用し、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない。 )


以外は、議会としては議員を強制的に辞めさせることができません。


従って、改正をする条例では、政治的意味合いしか持たせることができません。


そこで、今の半田市議会の多数派の諸君は、それぞれの議員に政治倫理に関する条例を守る、という誓約書を書かせて、擬似的な強制力を発揮しよう、とした訳です。


条例の修正案自体は、賛成多数で可決されました。

ちなみに、反対票を投じたのは私と弁護士出身の加藤豊市議の二人でした。


【4】
私の反対理由は次のとおりです。条例改正の一番の目的とされた第21条の2項に問題点があると考えていたからです。


(審査結果の尊重)
第21条 対象議員は、・・・(省略)
2 対象議員は、議会の名誉と品位を守り、市政に対する市民の信頼を回復するため、審査会の結果を尊重し、その結果が議員辞職勧告の場合、辞職手続きをとらなければならない。
冒頭でも述べましたが、政治倫理審査会は、裁判所ではなく、ましてや法と基づく公平公正な判断を下すことができる機関ではありません。


警察のように事件の調査能力がある訳でもなく、弁護士が弁護してくれる訳でもありません。


あくまでも議会の中の政治的機関に過ぎません。


過去の事例も場当たり的な判断しかしていません。(このことは後ほど説明します。)


そのような政治的な機関に、市議会議員を辞める、というような重要な判断を任せることはできません。


このことが条例の改正案に反対票を投じ、誓約書を提出しなかった理由です。


【5】
最後に、この政治倫理審査会がいかに裁判所とはかけ離れた党派的行動しかしていない機関であるか説明をします。



平成18年7月に起こったいわゆる半田市議会議員のラベンダー事件では、


政治倫理審査会は議員辞職勧告を出すことができませんでした。


【半田市議会ラベンダー事件】
保守系会派の市民クラブ9名の市議会議員と公明党3名の市議会議員が政務調査費を使用して札幌市で行われた都市問題会議に出席をしたが、途中で会議を抜け出し、富良野のラベンダー畑を観光していた政務調査費の不正使用、条例違反事件。詳細は加藤市議のブログを参照
http://www.blessyou-i.jp/KatoYutaka/gikaihoukoku1.pdf#search='半田市議会ラベンダー事件'


この時の政治倫理審査会では、共産党と民主クラブ・清風クラブは「議員辞職勧告」を求めましたが、市民クラブの2名の反対で、決議に必要な3分の2に至らず、「なんらかの勧告」をおこなうこと終わりました。

なぜか?

ラベンダー畑で遊んでいた議員のグループ(市民クラブ)が議会で多数であったから、議員辞職勧告ができなかった、だけの話です。

事件の正しい、間違っている、という観点での判断では無かったのです。


一方で、平成22年に榊原久美子議員が本会議をさぼって、中国旅行をしていた件です。


政治倫理審査会の審議結果、議員辞職勧告が決議されました。


議会をさぼって中国旅行をしていたのと、政務調査費で遊んでいたのとどちらの罪が重いでしょうか?


どっちもどっちですが、政務調査費で遊んでいた方が公金横領の疑いもあり、罪は重いのではないかと私は思っています。


なのに、政務調査費の不正使用は、反省文の提出だけで、議会をさぼって中国旅行は、議員辞職勧告決議とは、あまりにも公平感に欠きます。


このような政治的判断をする機関に議員の辞職を委ねること自体が可笑しなことだと思います。


逆に、誓約書を書いた議員たちは何を考えて誓約書を書いたのか、興味があります。


以上が私が政治倫理に関する条例の改正案へ反対をし、


誓約書を提出しなかった理由です。



【6】
ご参考までに、下記に誓約書と政治倫理に関する条例を添付致します。


では、今週も頑張って行きましょう!!


半田市にて  中川健一




① 誓約書

   私は、半田市議会議員の政治倫理に関する条例を遵守し、公正で誠実な政治活動を行うことを固く誓約します。

      年  月  日


  半田市議会議長 様


半田市議会議員          印  




② 半田市議会議員の政治倫理に関する条例
平成15年12月24日
条例第41号

(目的)
第1条 この条例は、半田市議会議員(以下「議員」という。)が市民の厳粛な信託を受けた立場にあることを認識し、市民の代表としてその人格と倫理の向上に努め、誠実かつ公正に職務を行うことを基本とし、もって民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。
(議員の責務)
第2条 議員は、市民の代表者として、市政に携わる権能と責務を深く自覚し、地方自治の本旨に従って、その使命の達成に努めなければならない。
(政治倫理基準)
第3条 議員は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。
 一 市職員の公正な職務執行を妨げ、又は当該職員の権限若しくは地位による影響力を不正に利用するよう働きかけないこと。
 二 市が行う委託及び請負の契約に関し、特定の企業、個人、団体等に対し、有利又は不利な取り計らいをしないこと。
 三 政治活動に関し、企業その他の団体から、政治的・道義的批判を受けるおそれのある寄付を受けないこと。
 四 前各号に定めるもののほか、市民の代表として、その品位と名誉を損なう行為をしないこと。
(議員の協力義務)
第4条 議員は、前条に規定する政治倫理基準(以下「政治倫理基準」という。)に違反する事実があるとの疑惑を持たれたときは、自ら誠実な態度を持って疑惑の解明にあたるとともに、その責任を明確にするように努めなければならない。
(政治倫理審査会の設置)
第5条 政治倫理に関する事項を審査するため、議会に政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を置く。
(委員の定数、任期及び選任)
第6条 審査会の委員(以下「委員」という。)の定数は、八人とする。
2 委員の任期は、一年とする。ただし、後任者が選任されるまで在任する。
3 委員に欠員が生じた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 委員は、議員のうちから議長が指名する。
5 委員は、各会派から一人以上を選出する。
(委員長及び副委員長)
第7条 審査会に委員長及び副委員長一人を置く。
2 委員長及び副委員長は、審査会において互選する。
3 委員長及び副委員長の任期は、委員の任期による。
(委員長の職務)
第8条 委員長は、審査会の議事を整理し、秩序を保持する。
(委員長の職務代行)
第9条 委員長に事故があるとき又は委員長が欠けたときは、副委員長が委員長の職務を行う。
2 委員長及び副委員長にともに事故があるとき又は委員長及び副委員長がともにないときは、年長の委員が委員長の職務を行う。
(委員長等の辞任)
第10条 委員長及び副委員長が辞任しようとするときは、審査会の許可を得なければならない。
(審査の請求)
第11条 議員が政治倫理基準に違反する行為をした疑いがあると認められるときは、これを証する資料を添付し、議員三人以上の者の連署をもって、議長に審査の請求をすることができる。ただし、審査の請求は、二会派以上の異なる会派の議員により行うことを要する。
2 審査を請求しようとする議員は、政治倫理審査請求書(別記様式1)を議長に提出しなければならない。
3 議長は、前項の規定による審査の請求がなされたときは、速やかに審査会に審査を求めなければならない。
(市民の審査請求権)
第12条 市民は、議員が政治倫理基準に違反する行為をした疑いがあると認められるときは、これを証する資料を添付し、議員定数の10倍以上の有権者(請求を行う時点において、半田市の選挙人名簿に登録されている者をいう。)の連署をもって、議長に審査の請求をすることができる。
2 審査を請求しようとする市民は、政治倫理審査請求書(別記様式2)を議長に提出しなければならない。
3 議長は、前項の規定による審査の請求がなされたときは、選挙管理委員会で連署の確認のうえ、速やかに審査会に審査を求めなければならない。
(審査会の招集)
第13条 審査会は、委員長が召集する。
(定足数)
第14条 審査会は、委員定数の半数以上の委員が出席しなければ会議を開くことができない。ただし、次条に規定する除斥のため半数に達しないときは、この限りでない。
(委員長及び委員の除斥)
第15条 委員長及び委員は、自己又は父母、祖父母、配偶者、子、孫若しくは兄弟姉妹が関係する事件については、その審査に参与することができない。ただし、委員会の同意があったときは、会議に出席し、発言をすることができる。
(審査会の審査)
第16条 審査会は、議長から審査の求めがあった事件の審査を行う。
2 審査会は、審査を請求した議員及び審査を請求した市民の代表者並びに審査の対象となった議員(以下「対象議員」という。)の意見又は事情を聴取するため、これらの者の出席を求めることができる。
3 審査会は、審査のため必要があるときは、議長を経て関係者から意見又は事情を聴取し、資料の提出を求めることができる。
4 審査会は、政治倫理基準に違反する事実があると認めるときは、対象議員に対し、必要な措置を勧告することができる。
5 審査の該当及び勧告の決定は、出席委員の三分の二以上の同意を要する。
6 第四項に規定する勧告は、文書で行い、かつ、理由を付さなければならない。
(弁明の機会の付与)
第17条 審査会は、対象議員から請求があったときは、弁明の機会を与えなければならない。
(会議の公開)
第18条 審査会の会議は公開とする。ただし、出席委員の過半数の同意を得たときは非公開とすることができる。
(市民の参加)
第19条 審査会は、審査のため、公聴会・参考人制度等を活用し、市民の意見を求めなければならない。
(審査の結果)
第20条 審査会は、審査の結果について、審査結果報告書(別記様式3)により議長に報告しなければならない。
2 議長は、審査会からの報告を受けたときは、審査を請求した議員及び審査を請求した市民の代表者並びに対象議員に、審査結果回答書(別記様式4)を通知しなければならない。
(審査結果の尊重)
第21条 対象議員は、前条第二項の通知において、自らの行為が政治倫理基準に違反している旨の指摘がなされたときは、これを尊重し、政治倫理の確保のために必要な措置を講じなければならない。
2 対象議員は、議会の名誉と品位を守り、市政に対する市民の信頼を回復するため、審査会の結果を尊重し、その結果が議員辞職勧告の場合、辞職手続きをとらなければならない。(委任)
第22条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、議長が定める。

   附 則
 この条例は、公布の日から施行する。