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はじめに
こんにちは。punisisyouといいます。
少なくとも打ち込み始めたての頃は絶望的なまでに音感が無かった私が、最低限の簡単な打ち込みでとりあえずメドレーを完成させる方法を解説してみます。
※この記事ではあくまで打ち込み(主に耳コピ)の内容に限ります。ニコニコメドレーの構成等についての内容は含みません。また、音楽的センスが元々あったり楽器経験があったりする方には冗長に思われる部分があると思われます、ご了承ください。
さて、構成が思いついて打ち込みをしてみようとするとある大きな壁が立ちはだかります。
それは・・・「耳コピの壁」です。
メドレーを作るには楽曲の耳コピをしないとどうしようもありませんが、最初のうちは何回も聴いたことのある曲のメロディーを打ち込むだけでも案外苦労すると思います。
26Kさんの
ニコニコメドレーの作り方【音楽 / DTM技術編】
では、耳コピ部分のフォローが不十分であると思ったために筆を執らせていただいた次第です。
この記事では扱っていない内容も上記事にはありますので併せてご覧いただければよいかなと思います。
耳コピへの準備
まず、以下のソフトを準備します。
・Domino (or スマホ用DAWアプリ)
MIDI音楽編集ソフト「Domino(ドミノ)」 | TAKABO SOFT
ダウンロードして起動させたら、「表示」メニューから「トラックセレクトペイン」を選択して「トラックセレクトペイン」を表示させておいてください。
・WaveTone
採譜支援ソフト WaveTone ver.2.61
初期状態のDominoでは、Microsoft GS Wavetable SW Synth(通称MSGS, Windows内蔵のMIDI音源)しか鳴りません。MSGSの音が気に入らない場合は、適当なサウンドフォントを拾ってきて導入することができます(ググれば導入方法が見つかると思います)。
また、PCを持っていない人やDominoがどうしても嫌な人(?)は、スマホやタブレット端末向けのDAW(GarageBand、FL Studio Mobile、KORG Gadget 2等)を利用するのもアリだと思います。PC向けのDAWよりも操作が分かりやすく、既にある程度イイ感じの音源が揃っていることも多いのでモチベを保ちやすいかもしれません。
※ある程度打ち込みに慣れてきたらDominoからDAWに移行することをオススメします。
実際、私はDominoに慣れすぎてDAWに移行するときに少し苦労したので、早めにDAWを触っていたほうがお得です。とはいえ、単純に打ち込みを習得するだけなら、Dominoを使うほうが効率が良い(Dominoは直感的に扱いやすい上に動作も軽く、DAWだと必要な音選びやミックスのことをほとんど考えることなく打ち込みに集中することができる)ので、そろそろある程度打ち込みできるようになったな、と思えるまではDominoを使うのが良いかなと思っています。
※一般的に最初に勧められることの多いフリーDAWとしては、Studio One PrimeやREAPER(REAPER IS NOT FREE)が挙げられますが、正直なところスタワンPrimeの初期音源はかなりショボい音でなかなかに苦しい(Artist以上だとシンセMaiTaiやサンプラーImpactが付いてくるので良くなります)のと、REAPERはVSTが使えるので音源面の心配はありませんが個人的に操作がしにくい印象があるので結局Dominoから入るルートが万人受けするのではないかという結論になりました。お金を出せるならば有償版スタワンやCubase、FL等の他DAWをいきなり買っちゃってもいいと思います。
メロディーの耳コピ
まずは1曲目を耳コピしていきます。
1.WaveToneを起動します。
2.楽曲の音源(wav, mp3等)をWaveToneに読み込ませます。
3.Shiftキーを押しながら曲に合わせてSpaceキーを押し、BPM(テンポ)とスタート位置を決定します。
すると、この楽曲のBPMは172であると分かります。
さらに、画面上部の虹色と白黒のバーで調整すると上図のようになります。
今回だと54-55小節付近は割と綺麗にメロディが浮かび上がってきていると思います。
これを参考にしつつDominoで打ち込みをしていきます。
(打ち込みをする前にDomino側のBPM設定もしておきましょう)
※あくまでWaveToneは耳コピ補助ツールなので、最終的には自分の耳に頼るしかありません。なお、WaveTone上の再生速度を遅くすることで格段に耳コピしやすくなりますのでぜひ試してみてください。
こんな感じになりました。
※単純なメロディーの耳コピではWaveToneの価値はあまりないかもしれませんが、複雑な曲を耳コピするときには非常に有用です!
コード打ち込みの前に
キーとコードについての理解が必要になります・・・
音楽の3要素はメロディー、ハーモニー、リズムであり、これらがあることで曲が曲として聞こえます。仮にメロディーとリズムだけだと、歌をアカペラで歌っているようなものになってしまいます。そこで、ハーモニーが必要となるわけですが、ハーモニーを作るための目安が「コード」という記号で表されます。
詳細な説明はここでは割愛させていただきます(ググれば優秀な音楽理論解説サイトが多数あるので)。
キーとコード(とりあえずコードの名称とその構成音が分かればOK)についてなんとなくは理解した上で、以下に進んでください。
(一応補足)
C=ド、 D=レ、 E=ミ、 F=ファ、 G=ソ、 A=ラ、 B=シ
のようにCDEFGABがドレミファソラシに対応します。以下、このアルファベット表記を説明に使用します。
コード/ベースの打ち込み
グーグル先生で「( 曲 名 ) コード」などと検索すると、曲のコード進行の情報を得ることができます(ほぼほぼ有名曲しかコード情報は見つからないですが・・・)。
今回は、ネット上でコード情報が見つかりました。
また、この曲のキーがF♯majであるという情報もコード情報とともに得られました。という設定にしておきます
得たコード情報をもとに、打ち込みます。
こんな感じになります。(すみませんちょっとだけ改変しました)
そして、ベースは基本的にコードのルート音(一番下の音)をなぞっておけばとりあえず大丈夫です。
※CtrlキーまたはShiftキーを押しながら「トラックセレクトペイン」上をクリックすることでピアノロールオニオンスキンを使用することができます。
ドラムの打ち込み
こちらが非常に参考になると思います。
【medly】いろんなドラムパターンまとめてみた【DTM超初心者向け(ワイ含む)】
今回は、上記事の「1、8ビート」をそのまま打ち込んでみたいと思います。
できました。
DominoではデフォルトでCh.10(上から10番目のトラック)がドラム専用のトラックになっています。
Bass Drum 1とAcou Bass Drum、Electoric SnareとAcoustic Snareはどちらを選んでも問題ないです。お好みで。
これで1曲目の打ち込みは終了です。2曲目の打ち込みに移りたいと思います。
キー特定とコードの耳コピ
2曲目のメロディーも1曲目と同様に打ち込んでみました。
しかし、コード情報が探しても出てきません・・・・・・
さて、自分が入れたい曲のコード情報が見つからなかったときはどうすればよいのでしょう。ネットの情報に頼るだけだとコードが打ち込めないですね。つらいですね。
まず、キーの特定を試みます。
今回はファにだけシャープが付いているので、五度圏(下図)を見れば一目瞭然、G/Emですね。(この曲のキーはGmajである、と思われますが現代のポピュラー音楽では長調と短調の区別が曖昧な曲も多いため、長短の区別はしないという考え方もあります)
「調」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%BF)
☆この方法でキーの特定が可能なものが多いですが、コードの知識がないとキーの特定ができないものもあります。。。(むしろ慣れてくればコードからキーを特定するほうが早い場合が多かったりします)
次に、ベースを聞き取ります。
WaveToneでみてみると、見事にベースラインが可視化されています。
(綺麗に出てこないことも多いですが・・・)
早速打ち込んでみましょう。
※ベースが聞き取りにくいときは、WaveTone上で音程を+12にしてEQ(イコライザー)で調整すると聞こえやすくなります。
今度は裏打ちで打ち込んでみました。
では、このベースラインをルート音とするメジャーコードをとりあえずおいてみましょう。
原曲と聴き比べて、違和感のある部分を修正します。
上図赤丸の3箇所をマイナーコードにすることで今回は正解です。
(とりあえずmajとminのどちらかで考えてみて、合わなかったらdim、sus4、分数コードなどを試してみれば大体は解決します。最初のうちは3和音だけで考えてもいいと思います。)
正直この部分は慣れるまでよく分からないことが多いと思いますが、コードwikiをパクって打ち込むだけでもいいのでとにかくコードに触れて経験を積むことが大切だと思います。
(補足)
この曲のコード進行を書き出してみると、
C-D-Bm-Em-Am-Am-D-D-
となります。
度数表記(ディグリーネーム)にすると
IV-V-IIIm-VIm-IIm-IIm-V-V-
となって、これはGmajのダイアトニックコードのみで構成されているわけですね。
ダイアトニックコードを意識することで耳コピが楽になりますのでぜひ。
また、頻出のコード進行(王道進行、小室進行、カノン進行など)を知っていると更に楽できます。
☆コード進行がどうしてもわからないときの対処法
1.コードの耳コピができる人にきいてみる
これが一番ラクですね。
2.Chord Trackerの利用
Chord Tracker - アプリ - 概要 - ヤマハ
自分が使ったことのある中では一番精度が高いと思われるフリーアプリです。
PC版もあれば便利なのですが・・・。
キーを合わせる
さて、2曲目の打ち込みができたので繋げて聴いてみましょう。
(ドラムは1曲目のものをそのままコピペしてクラッシュシンバルを足してみました)
ちょっと何か違和感がありますね・・・!
はい、1曲目のキーはF♯majですが、2曲目のキーはGmajでしたね。
基本的にキーは合わせる必要があります。(転調はむずかしいのでここでは触れません)
今回はF♯majに合わせてみたいと思います。(必ずしも1曲目のキーに合わせる必要はありません)
2曲目全体を-1する(半音下に下げる)必要があります。
キーボードのTABキーを押して「トラックリストの表示切り替え」をします。
範囲を選択して右クリック→「トランスポーズ」で「-1」してください。
すると
こうなります。2曲目を-1した(半音下に下げた)ことでGmajがF♯majになり、1曲目と同じキーになりました。
以上で説明してきたように、
曲を打ち込む→キーをそろえる→曲を打ち込む→キーをそろえる→…の繰り返しでとりあえずメドレーを完成させることができます。やったね。
最後に
説明が足りないところはあると思いますが、大体これでなんとかなると思います。
さて、打ち込みに慣れるにはアウトプットの機会を増やすことが重要だと思います。
不定期で突発開催であることが多いですが「一日合作」もぜひご活用ください。
直近だと今年のGWに開催を予定しています。
クオリティでの足切りは極力避ける方針でやっておりますので、打ち込み始めたての方でもお気軽にご参加ください!
というわけで、以上一日合作の宣伝記事でした。
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