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プロジェクトを発案した宇賀村敏久さん(中)。松屋浅草の店長、竹林嘉明さん(左)は「入山煎餅製造所」の手焼き煎餅を浅草今半の会長、高岡修一さん(右)につないだ=東京都台東区で2021年5月26日、斉藤三奈子撮影 © 毎日新聞 提供 プロジェクトを発案した宇賀村敏久さん(中)。松屋浅草の店長、竹林嘉明さん(左)は「入山煎餅製造所」の手焼き煎餅を浅草今半の会長、高岡修一さん(右)につないだ=東京都台東区で2021年5月26日、斉藤三奈子撮影

 浅草の老舗や次代を担う若手職人がそれぞれの看板商品を次々に紹介していく「浅草もの繋(つな)ぎプロジェクト」が注目を集めている。発起人でカレー店「スパイス スペース ウガヤ」(東京都台東区)を経営する宇賀村敏久さん(42)は「浅草の魅力を知って応援の輪を広げてもらい、この町に再び活気を取り戻したい」と話している。【斉藤三奈子】

発起人・宇賀村さん「応援の輪で町に活気を」

 浅草は新型コロナウイルスの影響で「金龍の舞」や「三社祭」など伝統行事は無観客や規模を縮小して実施している。日に日に町から活気が失われ観光客も激減している。宇賀村さんによると、国や都の支援や補助の対象にならず、閉店や破綻に追い込まれた店も多い。一方で、昼は店を開け、夜は料理配達サービスの配達でしのぐ人もいるという。

 宇賀村さんは「先の見えない不安の中で何かできないか」と考えていたとき「銀座もの繋ぎプロジェクト」を知った。プロジェクトは、東銀座の老舗和菓子店「木挽(こびき)町よしや」の3代目、斉藤大地さんが2020年4月に発案。各店がリレー方式で自慢の品を紹介する様子をツイッターで紹介したところ、8月には参加者が100社を超えた。

 宇賀村さんは今年2月、斉藤さんを訪ね「プロジェクトを浅草につないでほしい」と頼んだところ、斉藤さんは快諾。銀座のプロジェクトに参加したデザイナーに頼んで無償で浅草のロゴを作ってくれたという。

 浅草のプロジェクトの対象エリアは三社祭のおみこしを担ぐ44町会。「もの繋ぎ」の対象に選ばれた伝統ある浅草の名店や町の将来を担う若手職人を宇賀村さんが取材し、写真共有アプリ「インスタグラム」やネット交流サービス「フェイスブック」などで紹介する。

 一つ目の「繋ぎ」相手は仲見世の和装専門履物店「履物さんえす」3代目、佐藤天翔(つばさ)さん(27)。佐藤さんは総重量の9割が土に返る天然素材を使用した、環境にも人の足にも優しい履物を開発している。

 今月26日には九つ目として「松屋浅草」の店長、竹林嘉明さん(53)が「入山煎餅製造所」(葛飾区)の手焼き煎餅を、「浅草今半」会長、高岡修一さん(66)につないだ。高岡さんは「老舗に選んでいただき感謝している。コロナ禍で外食もままならない中、店で作った『百年牛丼弁当』を家庭で味わってもらい、お客様の喜ぶ顔を見るのが望みです」と話した。

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