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日本にラッコが8頭しかいないってホント?水族館に聞いてみた

ちょっとした行動が「ラッコ助け」になる

 ラッコは現在、絶滅危惧種*に指定されている動物。世界的に見ても、ラッコが置かれている状況は厳しいものだと言えます。  そもそもラッコはアメリカ西海岸に生息する「カリフォルニアラッコ」、ロシアから北海道に生息する「チシマラッコ」、アラスカに生息し、日本でも飼育されている「アラスカラッコ」の3種類に分けられます。
カリフォルニアラッコ

カリフォルニアラッコ
(写真はイメージです)

 石原さんいわく、カリフォルニアラッコとチシマラッコは増加傾向にあるものの頭打ち感があり、アラスカラッコに関しては増加している地域と減少している地域の両方があるのだとか。漁業に深刻な影響を与えることもあるため、害獣とみなしている地域もあるそうです。 「絶滅危惧種」という言葉はどこか遠く感じてしまうものですが、プラスチックごみを極力出さないようにするなど、私たちのちょっとした行動が希少動物の命を救うことに繋がることもあります。 「そのためにはまず、動物に興味を持ってほしいです。少しでも気になったら気軽に遊びに来てください。」そう語る石原さんは昨年、ラッコとの触れ合い動画がTwitterでバズったことも嬉しく感じておられるよう。「水族館や動物園では動物たちに色んな動きをさせていますが、あれは健康状態をチェックしているんです。それでお客様が喜んでくれたら一石二鳥ですし、その様子をSNSで見て興味を持ってもらえるなら、三鳥にも四鳥にも五鳥にもなると思っています。」

レア動物はパンダだけじゃない……

「かわいいから見てみたい」「この動物のことをもっと知りたい」という純粋なワクワクを大切にすることは希少動物を救う第一歩に。「上野動物園の動物は8割が絶滅危惧種だった~この地図で「一目瞭然」」(2018年4月29日「現代ビジネス」)という記事が出てしまうくらい、今や希少なのはパンダだけではないのです。  ちなみに、現在、日本国内でラッコに会えるのは鳥羽水族館(三重県)、アドベンチャーワールド(和歌山県)、神戸市立須磨海浜水族園(兵庫県)、マリンワールド海の中道(福岡県)、新潟市水族館マリンピア日本海(新潟県)、のとじま臨海公園水族館(石川県)の6施設です。近くに住んでいる人は、ぜひ会いに行ってみてください。  そうでなくても、この週末はお近くの水族館や動物園に出かけつつ、自分にもできる「動物助け」を考えてみてはいかがでしょうか。 *IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで、絶滅危惧IB類 (Endangered、EN:近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの)に指定されている。 <文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香、取材協力/鳥羽水族館> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
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