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        令和3年5月28日改訂


Q1 差別されるべきは誰なのか?
A
 「ワクチンは受けない」と決めてみたものの、勤務先やサークル仲間、あるいは通所リハビリなどで差別を受けたり、拒否されたりするのではないか心配だ・・・と考えている人が少なくありません。

世界各国の「ワクチン接種率」が米紙に掲載され、日々更新されています。この数値を眺めていて気づくのは、最近、どの国でもほぼ60パーセントで停滞してしまっていることです。

つまり、4割以上の人たちは最初から受けないと決めているか、あるいは受けたくとも受けられない状況がずっと続いているということです。

ワクチン接種がひと通り終わったあと、心配されることのひとつは変異ウイルスの発生です。たとえばインフルエンザではタミフルという特効薬があります。この薬が効かない変異ウイルスが蔓延しているのですが、実はその原因が「日本人がタミフルを乱用したため」と諸外国から非難を受けています。

新型コロナの場合、変異ウイルスの発生は
「強力すぎるワクチン」の乱用が原因だと考えられます。したがって、日本でワクチン接種が集団で密に行われ、もしそこでクラスターが発生したりすると、そのときこそウイルスにとって、ワクチンに負けない変異を遂げるチャンスとなります(理由はQ7で)。

ワクチン接種を受けた人たちには、ウイルスを変異させないよう最大限の注意を払う、つまり自身が絶対感染しないという責任が生じたのです。

「集団接種が行われた町には怖くて行けない」、「職員の全員が接種を受けた病院は嫌だ」、「一家全員が接種を受けた親戚とは縁を切りたい」・・・。そんなことを考える人も出てくるのではないでしょうか。

少なくとも「受けなかった人」が差別されるいわれは何もありません。


【参考文献】
1) Tracking coronavirus vaccinations around the world. New York Times, May 26, 2021.



Q2 フェイクニュースを見抜くには?
A
 ワクチンを促進したい人たちにとって、いわゆるフェイクニュースは「ワクチン反対意見」を封じるための格好の攻撃材料となっています。そのような情報に振り回されないためのポイントをまずまとめておくことにします。

1. ワクチンにはマイクロチップが入っている?
→ ファイザー社やモデルナ社のワクチンに含まれる脂質微粒子は、直径が100ナノメートル以下で、赤血球の100分の1以下くらいの小ささです。そんな小さなマイクロチップを大量生産する技術は、この世にまだありません。もし現代の技術で作ったとしたら、赤血球よりは遙かに大きなものになり、たちまち血管に詰まってしまうことでしょう。

2. ワクチンに金属片が入っていて金属探知機で容易に識別される?
→ 金属探知機に反応するような重い金属は、薬瓶の中で沈んでしまい注射器の中に入ってきません。ヒトの体内には、鉄などの「金属イオンが何かに結合した形」で存在しています。もしワクチンに鉄イオンが含まれているなら、貧血の治療になって有難いことです。もちろん、ワクチンメーカーにとっては余計な手間とコストがかかるだけですから、あり得ない話です。

3. ワクチンを接種すると他人にコロナを感染させる?
→ ワクチンに含まれているメッセンジャーRNAはウィルスのトゲトゲ部分を再生するだけですから、もちろん感染力はありません。

4. メッセンジャーRNAがDNAに逆変換され自分の遺伝子に組み込まれる?
→ メッセンジャーRNAは消耗品ですから、早晩、分解されます。また生物の大原則として、RNAは核内(DNAが格納されている)には決して戻っていかないようになっています。したがって逆変換は起こらず、組み込まれることもありません。なお、つい最近の研究で、新型コロナの遺伝子がヒトのDNAに組み込まれることが判明しましたが、だからといってワクチンでも起こることにはなりません。

一見して荒唐無稽な話はすべてフェークニュースです。ただし、ときに専門家も騙されてしまうような話もあり、この欄で随時、解説していくことにします。


【参考文献】
1) Zhang L, et al., Reverse-transcribed SARS-CoV-2 RNA can integrate into the genome of cultured human cells and can be expressed in pattient-derived tissues. PNAS 118, 21, 2021.



Q3 ワクチンは本当に効いているのか?
A
 ファイザー社ワクチンが世界でもっとも多く使われています。効果が高く、副作用も少ないと説明されていますが、本当でしょうか?

有効性の根拠とされているのは、昨年12月31日に発表された
1編の論文でした。そこで示された「有効率95パーセント」との情報が世界を駆け巡り、ワクチンを推進する人たちの根拠となっています。この論文を掲載した専門誌も、よほど自慢であったとみえ、同誌会員となっている私の手元にも、繰り返し「掲載のお知らせ」が届きます。

同論文に掲載されたデータを、著作権に触れないよう形を変えて以下にまとめてみました。



このデータから、論文の著者は「接種したグループでは重症化した人が1名しかおらず、ワクチンは重症化を防いだ」と書いています。

この記述はあきらかな間違いです。なぜなら、「重症化した人/感染した人」という計算をすべきであり、その結果は最下段「感染して重症化した割合」に示したようになります。この計算結果は、もちろん論文には記載されていません。

しかも論文に記載された人数には、たとえば年齢別人数を足し算しても総人数と一致しないなど、単純ミスも多く、この点でも信頼性に疑問が残るのです。

もっと重大な疑問は、有効率95パーセントという数値そのもにあります。上の表に示したとおり総人数が大きい点は評価できるのですが、高熱などあきらなか症状を呈した人だけにしかPCR検査が行われていなかった点です。

米国の政府機関FDAに会社から提出された400頁に及ぶ資料によれば、3,410人の疑い例があったにもかかわれず、PCR検査が行われていませんでした。これらを合算すると、有効率は95%でなく、わずか19%となってしまいます。

この論文の掲載を決めた編集長エリック・J・ルービン氏(ハーバード大学非常勤教授)は、「全人類」の未来永劫にわたる健康被害(?)に対する責任を負ったことになりますが、どのように考えているのか、聞いてみたい気がします。

私自身、米国のある専門誌の編集長をしていたことがあります。不適切な論文を掲載してしまうリスク、あるいは歴史を変えるかもしれない重要論文を却下してしまうリスクを背負い、日々、胃がキリキリ痛む思いをしていました。そんな覚悟があったのかどうかを・・・。

【参考文献】
1) Polack FP, et al., Safety and efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 vaccine. N Engl J Med, Dec 31, 2020.

2) Pharm XW, Correspondence to 'Safety and efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 vaccine.' N Engl J Med, Feb 17, 2021.
3) Doshi P, Pfeizer and Moderna's "95% effective" vaccines -- we need more details and the raw data. thebmjopinion, Jan 4, 2021.



Q4 アストラゼネ社ワクチンはなぜ各国で中止になっているのか?
A 
この会社のワクチンは、ファイザー社やモデルナ社のそれとは中身がまったく異なっています。まずメッセンジャーRNAではなく、DNAが使われている点です。理由は、DNAが遺伝子の本体であり圧倒的に壊れにくい物質であることと、メッセンジャーRNAワクチンに関する他社の特許を避けるためです。

もうひとつ、重大な相違点があります。遺伝子を細胞まで送り込む方法として、メッセンジャーRNAは石鹸の泡粒のような微粒子で包み込まれているのに対し、DNAのほうは運び屋ウイルスが使われていることです。

では、なぜ危険かもしれないウイルスをわざわざ利用する必要があったのでしょうか?

理由は2つあります。ひとつは昔から「遺伝子治療」に広く使われてきた方法で、技術がすでに確立していたことです。もうひとつは、ウイルスがヒトの細胞に勝手にもぐり込む能力をもっているからです。

実は、その遺伝子治療には暗い過去がありました。死亡した人、白血病などになった人が大勢いて、研究が一時停止させられていたのです。ウイルスの多くは、ヒトのDNA(染色体)に自分の遺伝子を勝手に組み込んでしまう性質があり、かつどこに組み込むのかが予測不能だからなのです。一度、組み込まれてしまうと半永久的に残ってしまうことも実験的に証明されていて、だからこそ遺伝子治療として有望視されていたわけです。

冒頭で紹介したyoutube動画に、ひとつ訂正があります。AAVと呼ばれるウイルスが「運び屋として使われていると思われる」と述べたのですが、その後、正しくは「チンパンジーのアデノウイルス」であることがわかりました。

アデノウイルスというのは、どこにでもいて風邪の原因のひとつとなっています。ほとんどの人がすでに罹っているはずで、ある程度の免疫もできているとされます。したがって普通のアデノウイルスを運び屋として使っても、免疫によって阻止されてしまうのです。そこで目をつけたのが動物専門のウイルスだったというわけです。

専門家は「アデノウイルスは遺伝子組み込みをしない」と考えていて、米国感染症対策の元締めCDCのホームページにも、そのような記述があります。しかし、この知識は、最近の動物実験で間違っていたことが証明されました。医学の常識はどんどん変わっていきます。

その実験結果からすると、アストラゼネ社カワクチン2回の接種で、たとえばヒトの肝臓だけでも平均
96か所に組み込みが起こる計算になります。

【参考文献】
1) Stephen SL, et al., Chromosomal integration of adenoviral vector DNA in vivo. J Virol 84: 9987-9994, 2010.
2) Drake JW, et al., Rates of spontaneous mutation. Genetics 148: 1667-1686, 1998.
3) Schagen FHE, et al., Editorial, insertion vectors for gene therapy. Gene Ther 7: 271-272, 2000.



Q5 「ワクチン接種で感染者が減少」との研究発表は正しいのか?
A
英国のスコットランド地方で行われた、ある調査の結果発表がありました。スコットランド地方は英国北部にあり、面積が全土の1/3を占め、人口は8.4%です。その住民を対象に、ワクチンを受けた人と受けなかった人を追跡調査したものです。

英国では「全国民にまず1回ずつ接種を」という方針をとっていますので、以下は、すべて1回接種するとどうなるのかという話です。対象が4百万人と、大人数でした。

結果をわかりやすくまとめると、「感染して入院した人」が未接種グループで仮に
100人いたとすると、ファイザーワクチンを接種したグループでは割合で9人、アストラゼネカワクチンを接種したグループで12人と大幅に少なくなっていたというのです。ただし接種後28日~34日の間に限ってのことです。

さて、この結果はどう見ればいいでしょうか。実は、この調査、ツッコミどころ満載です。なにしろ、「自主的にワクチンを受けた人たち」と「受けなかった人たち」をあとになって比べただけなのですから。

論文に掲載されたデータを見ただけでも両グループには大きな違いがあり、たとえば接種を受けた人たちの多くは高齢者で、かつ女性が中心でした(未接種グループはその逆 )。もともと健康に重大な関心があり、日頃から感染予防もしっかり行っていた人たちであろうことは、容易に想像できるところです。

だとすればワクチン接種とは無関係に、感染も重症化も少なかったはずです。このような調査方法は、コンピュータ内のデータを計算するだけですむため、手軽で費用もかからず、昔からよく用いられてきました。しかし、常に誤った結論を出してしまうことから、医学を混乱させる原因ともなってきたのです。

まだまだ問題はあります。ワクチンを1回しか接種していないことに加え、接種後28日~34日目に限り認められた結果だということです。「ワクチンは2回接種しないと効果がない」、「接種さえすればパスポートがもらえる(有効期限??)」という話は、どこへ行ってしまったのでしょうか。

【参考文献】
1) Vasileiou E, et al., Interim findings from first-dose mass COVID-19 vaccination roll-out and COVID-19 hopspital admissions in Scotland: a national prospective cohort study. Lancet, Apr 23,2011.
2) Makowski M, et al., Antibody persistence through 6 months after the second dose of mRNA-1273 vaccine for Covid-19. N Engl J Med, Apr 6,2021.



Q6 ファイザーワクチンで体調を崩す人がなぜ多いのか?
A
ワクチン接種のあと数日以内に生じる体の不調は、高齢者ほど少ないことをご存知でしょうか。この点は、すでに昨年の夏に発表された論文(I+II相試験の報告)であきらかにされています。高齢者ほど免疫反応が起こりにくいためで、これは当然のことです。

深刻なのは、むしろ
45歳以下の若い人たちのほうなのです。現在、日本で接種を受けている若い人は、ほぼ医療関係者ですが、その人たちの個人的な体験談から、2回目の接種を受けた翌日に高熱を出し、その後も数週間にわたって何らかの体調不良を訴える人が少なくないことがわかってきました。

日本では摂取後、長期にわたる健康状態の調査が行われていないため見過ごされ、統計データとして表面化していないのですが、無視できない重大問題と考えます。

ファイザー社とモデルナ社のワクチンの基礎をつくった2人の研究者(ワイズマンとカリコ)の動物実験から、筋肉注射したメッセンジャーRNAは、ほぼすべてが「脾臓(ひぞう)」と「網状赤血球」に集まることがわかっています。

米国では、ファーザー社のワクチン接種を受けたあと高熱を出して入院した女性について、PET‐CTという画像検査で全身を調べたところ、「注射を受けた部位」と「脾臓」の2か所に激しい炎症が起こっていることがわかった、という論文発表がなされています。実際の画像も掲載されていますが、かなりショッキングです。

脾臓は、お腹の左側、横隔膜の下にある鶏卵大の臓器です。小児期では赤血球、白血球、血小板をつくっていますが、成人ではウイルスに侵された細胞や、老化した赤血球を除去する役割を担っています。わりやすく言えば、免疫機能によって破壊された細胞や微生物の残骸を血中から取り除いてくれているのです。

その脾臓がダメージを受けているかもしれません。とくに「接種を2回受けてしまった医師の皆様」には、今後、ご自身の免疫機能などに異常が生じていないか、十分な経過観察を行い、検査データなどを公開していただくようお願いします。当初の国の説明で、「医療関係者に先に接種をうけてもらうのはデータ収集の意味もある」とされていましたので・・・。

蛇足ですが、オリンピック・パラリンピックの選手がこの時期に接種を受けると、競技どころでなくなってしまうことでしょう。いや、その前に、45歳以下の国会議員にまず接種を受けていただき、そのつらい体験談を語ってほしいというが、私の提案です。

【参考文献】
1) Karikó K, et al., Incorporation of pseudouridine into mRNA yields superior nonimmunogenic vector with increased translational capacity and biological stability. Mol Ther 16: 1833-1840, 2008.
2)Anderson BR, et al., Nucleoside modifications in RNA limit activation of 2'-5'-oligoadenylate synthetase and increase resistance to cleavage by RNase L. Nucleic Acids Res 39: 9329-9338, 2011.
3) Steinberg J, et al., 18Fluorodeoxyglucose PET/CT findings in a systemic inflammatory response syndrome after COVID-19 vaccine. Lancet , Mar 8, 2021.


Q7 なぜウイルスは変異するのか?
A
数年前、ダーウインの進化論の現代語訳が『種の起源(上下巻)』という邦題で出版されました。それを読んで、進化論の奥深さに触れると同時に、この説を否定する声が高まっていることも知りました。

否定意見というのは、たとえば「キリンの首が長いのは、高い木になっている実を食べることができ生存競争に打ち勝ったから、というのであれば地球上の生き物はすべて首が長くなっているはず」といったツッコミです。しかし自然淘汰説が根本から間違いなのではなく、生物の種ごとに何か固有の力も一緒に働いてきた、ということではないでしょうか。

そう考えると、ウイルスが変異を遂げてきた理由もわかってきます。インフルエンザ・ウイルスがよく研究されていてますので、これで見ていきましょう。まず、ウイルスの変異には以下の3つの様式があります。
・遺伝情報1個単位の突然変異
・まとまった遺伝情報の大幅な組み換え
・性質が異なるウイルスに同時感染した場合の相互組み換え

この順番に変異は大きくなり、ときに困ったことが起こります。以前、大きな問題となった新型インフルエンザや鳥インフルエンザは最後のタイプで発生したと考えられています。

人間のDNAは、ファスナーのように2本で1組のひも状となっています。その片方に変異が生じると、部分的に壊れたファスナーのように凹凸が生じるため、酵素がそれを見つけ自動的に修復するようになっています。

しかし、コロナもインフルエンザも1本のRNAしか持たないため、自動修復機能が効きません。そのため、絶えずランダムに生じている変異がそのまま残り、溜まってっていくことになります。

そこで自然淘汰が働き、ワクチン接種による中和抗体、あるいはタミフルのような 特効薬から逃れることができた変異を有するウイルスだけが生き残って いく、ということではないかと推測されるのです。

以上の考察から、ウイルスの変異を促す要因はあきらかです。「感染が濃厚に発生している」か、あるいは「ワクチン接種が大集団で密に行われている」ことです。幸い、まだ日本はどちらの条件も満たしていませんので、日本固有の変異は生じていないはずです。

【参考文献】
1) Antigenic drift vs antigenic shift. Immunology & Microbilogy, Oct 25, 2018.
2) How the flu virus can change: "drift" and "shift". CDC, Oct 15, 2019.



Q8 ファイザー社のワクチンで何が起こっているのか?

A 同社のワクチン摂取後、出血が止まらなくなるという異常が米国で相次いでいます。ケガをして出血したという経験は誰にもあると思います。血管が傷つくと、出血を最小限にくい止めるため、体内では複雑な反応が次々に起こり、破れた箇所を塞いでくれるようになっています。

そのとき活躍する物質のひとつが「血小板」です。細胞の抜け殻のような微粒子で、血液1μL当たり20万個ほど含まれていて、日々、血管内をパトロールしています。これがないと人間は生きていくことができません。

その血小板が突然、血管内から消えてしまった人が、全米で36人いるという報道がありました。すべてファイザー社かモデルナ社のワクチン接種を受け、数日したあとの出来事です。皮膚や歯ぐきに多数の出血斑が出たり、膣から出血が止まらなくなったりした人たちでした。そのうち1人は、56歳の働き盛りの男性医師で、脳出血を起こし亡くなっています。

同国では、この時点で3千万人を超す人たちが1回以上の接種を受けていましたので、割合からすれば、ごくわずかということになります。早速、ワクチンメーカーは「このような病状は自然にも起こりうるもので、因果関係は認められない」との声明を発表しました。

しかし、そうでしょうか? 長年、診療に当たってきた私の経験によれば、脳出血など重大な病気には、予兆のような症状が事前にあるか、なかったとしても何らかの危険因子の存在があとで確認され、原因がおおよそ推測できるものです。

思い当たる理由がまったくなく、全員が数日前にワクチン接種を受けていたとすれば、両者に因果関係があると考えるのは自然なことです。

さまざまな分析から、被害者の体内に何が起こったのかがわかってきました。ワクチンによって生じた「過剰な抗体」が、誤って自分自身の血小板を攻撃してしまったのです。私がもっとも恐れていた「自己免疫病」のひとつが早くも起こってしまったことになります。

【参考文献】
1) Helms JM, et al., Severe, refractory immune thrombocytopenia occurring after SARS-CoV-2 vaccine. J Blood Med 12: 221-224, 2021.



Q9 ワクチン接種後死亡の85例に因果関係はないのか?
A 厚生労働省の発表によれば、ファイザーワクチン接種後、5月26日までに85名が死亡しています。同省は、いずれも「情報不足により評価不能、または関連なし」としています。

ファイザーワクチンで現在、問題となっているのは「免疫性血小板減少症」です。これは副反応ではなく、youtubeで述べたようにメッセンジャーRNAが原因の新しい自己免疫疾患です。

この病態を判断するには、病歴、服薬歴、それに血小板数など詳細なデータが必要です。しかし厚生労働省発表の資料にはほとんど見当たらず、この意味では「情報不足」という言い訳も正しいことになります。

85例中、詳細な検査データが提示されていたのは1例だけで、それを見る限り免疫性血小板減少症には当てはまりません。残りの84例のうち71例は、発症の経緯からやはり否定的です。あとの13例にはついては疑いが残るため、至急、検査データ、とくに血小板数を確認し公表すべきです。

それより気になるのは、全国民の命がかかる重大時でありながら、情報収集の仕組みができていなかった、という点です。私の勤務先でも、地方自治体の指示で職員の接種が始まっていますが(当然、私は関与を拒否している)、摂取後の健康状態に関する調査が一切なされていません。



Q10 ワクチン接種が進んだ国は、本当に感染者が減少しているのか?
「ワクチン接種が進んでいる英国で感染者が激減!」とのニュースが繰り返し報じられています。テレビ番組で河野太郎担当大臣は「英国の状況からワクチンに効果があるのはあきらか」と述べていました。

本当にそうなのか、検証してみましょう。5月11日時点で、ワクチン接種を1回以上受けた人が、国民の4割を超えているのは以下の14ヵ国です。カッコ内は全人口に対する割合です。
 セーシェル共和国(70%)
 サンマリノ(63%)
 ブータン(63%)
 イスラエル(60%)
 モルディブ(57%)
 英国(53%)
 モンゴル(51%)
 マルタ(49%)
 バーレイン(49%)
 米国(46%)
 チリ(45%)
 ハンガリー(44%)
 カタール(40%)
 カナダ(40%)

このうちワクチン接種後、新規感染者数に減少傾向が認められるのは5ヵ国に過ぎず、8ヵ国はむしろ大幅に増えてしまっています。残りの1つは米国ですが、途中で減少が止まっているのです。

次のグラフは、英国における「新規感染者数の推移(黒)」と「ワクチン接種率(赤)」との関係を示したものです。昨年12月以降の第3波を拡大したグラフに、1回接種を受けた人の全国民に対する割合(%)を赤のグラフにして重ねてみました(英国では国民にまず1回ずつ接種を受けさせるという方針をとっている)。

ただしワクチン接種後、かりにQ4で紹介したスコットランドのデータが正しかったとすれば、効果が発揮されるまでに4週間かかることになりますから、赤のグラフを実際の接種日より4週分だけ右方にずらしてあります。

 


1月5日以降、新規感染者数が激減しており、とくに顕著なのは1月(網掛け部分)です。この間、英国国民が「ワクチン接種」を受けたのはわずか数パーセントにすぎず、しかも1回だけです。

一方、1月5日には「ロックダウン」が始まりました。外出は原則禁止、大学も含め学校はすべて閉鎖など、日本とは比べものにならないほど厳しい行動制限です。

新規感染者数の減少はワクチンの効果によるものだと、あなたは思いますか?

ちなみに、このランキングで言えば日本は堂々の第156位。日本は「ワクチンの被害から国民を守った唯一の先進国として歴史にその名を留める」のではないでしょうか。

【参考文献】
1) Vasileiou E, aet al., Interim findings from first-dose mass COVID-19 vaccination roll-out and COVID-19 hospital admissions in Scotland: a national prospective cohort study. Lancet, Apr 23, 2021.
2) Coronavirus (COVID-19) in the UK, GOV.UK, May 2, 2021.
3) Holder J, Tracking coronavirus vaccinations around the world. New York Times, May 11, 2021.



Q11 なぜ医師はワクチンについて正しい知識を持てないのか?
A
 冒頭で紹介したyoutubeで、多かった感想のひとつが、これでした。以下、その理由を箇条書きで説明します。この考察は、私が30年ほどの歳月をかけて集めた国内外の確かな資料、および自身の体験に基づくものです。

1. 医師は、医学部を卒業したあと附属病院で研鑽を積む。しかし、そこは製薬企業からの莫大な寄付金が集まる場所であり、若手の指導に当たる教授、準教授、医局長などの肩書を持つ人たちは、常に製薬企業に忖度せざるをえない状況となっている。

2. そこで指導を受けた若い医師たちは、製薬企業からもたらされる情報で洗脳を受けた状態で市中病院に就職し、あるいは自身のクリニックを開設し、同じ発想で医療を実践していくことになる。

3. 市中病院やクリニックでは、MRと呼ばれる製薬企業の営業マンから新薬の情報や論文のコピーをもらい、勉強したように気にさせられてしまう。病院内で開催される勉強会で、製薬企業のMRが講師を務めることもしばしば。

4. ほとんどの医師は、医師免許のほかに専門医の資格を取得していくが、その資格を継続するには、定期的に開催される学会主催の講演会などに参加しなければならない。講演会では大学教授など有名医師が演壇に立つが、彼らは製薬企業から高額な謝礼と旅費を受け取り、豪華なホテルでの宿泊が約束されている。もちろん研究費と称する寄付金も受け取っている。

5. つまり医師たちの耳には、製薬企業に不利な情報はいっさい入ってこない仕組みが出来上がっている。医師たちは「製薬企業の手のひらで踊らされている」と言っても過言ではないだろう。

6. では正しい情報はどこにあるのか。これは、海外で日々発表される膨大な論文を読みこんでいくしかないが、当然、英文で書かれており、しかも高度な統計学が駆使された内容であるため、簡単に理解することはできない。

7. というよりも学術論文には、巨大製薬企業が雇った数学のプロによる巧みな修飾が施されていて、医師たちはその罠から逃れることができないのである。『歪められた現代医療のエビデンス』に、その一端を記した。


【参考文献】
1) Becker C, Relationships between academic medicine leaders and industry - time for another look? JAMA, Nov 10, 2020.
2) Justice department annouces largest health care fraud settlement in its history - Pfeizer to pay $2.3 billion for fraudulent marketing. The United States Department of Justice, Sept 2, 2009.



Q12 東京23区における感染者数の消長から見えてくるものとは?

次の図は、東京23区内における区ごとにまとめた新規感染者数の推移です。区によって人口が大きく異なりますから、人口10万人当たりの人数に換算してあります。棒グラフが8本ずつありますが、左から8週前~先週までの各1週間の合計数となっています。

さて先週は、北区と品川区を除く21区で新規感染者数が減少に転ました。その要因については、後日、改めて分析することにします。

いま最大の課題は入国検疫の徹底ですが、明らかに対策が不十分です。変異ウイルスは、すべて海外でのワクチン接種によって生じたものですから、国内で見つかっている株はすべて海外から持ち込まれたもの、と考えなければなりません。

最大の脅威は、やはりオリピック・パラリンピックの開催です。選手以外に9万人もの関係者が海外から入国すると報じられていますので、世界中のあらゆる変異ウイルスがほぼ確実に持ち込まれ、「変異ウイルスの祭典」となることでしょう。

政府は「PCRが陰性であれば2週間の隔離を免除する」としています。しかしPCR検査は40パーセントほどの見落としがあり、また唾液で行う検査は本人が検体を提出するため意図的に隠ぺいすることもできてしまいます。


【参考文献】
1) Flam F, Asymptomatic spread has become bizarrely contorversial. the japantimes. lul 22, 2020.



Q13 そもそも、なぜ新型コロナウイルスは蔓延したのか?

A 新型コロナウイルスは、中国・雲南省の大洞窟に生息するキクガシラ・コウモリが、ホストとして抱え込んでいる数千種類の微生物のひとつです。このコウモリは人間社会と隔絶された地域に生息しており、長い間、「野生生物-人間社会バランス」が保たれていました。

では、なぜ今回、このバランスが崩れたのか? そのシナリオは以下のように考えられます。

 大洞窟に生息するコウモリ→ 赤や緑の光を好む性質があり、強い照明に
 引き寄せられ1000kmを飛び越えた→ 浙江省・舟山市の食用ネズミに感染→
 同時に湖北省・武漢市にある海鮮市場の小動物や虫の死骸にコウモリが
 集まり→ その糞などから人間に感染した

つまり人間の傲慢さが自然界の掟を破った、・・・というのが真相です。

1918年に大流行したスペイン風邪は、現在の人口に換算して2億人が死亡したとされ、新型コロナウイルス感染症としばしば比較されます。当時、3年間にわたって再発が繰り返され、その後、自然消滅しています。新型コロナウイルスも同じ運命をたどるのかもしれません。ちなみに新型コロナウイルスによる死者数は、5月22日現在、全世界で約340万人です。

次の2枚の写真は、浙江省・舟山市と河北省・武漢市を流れる大河・長江(その下流が揚子江)にかかる橋の夜景です。コウモリが好む「赤」と「緑」の照明に煌々と照らし出されていました。

東京タワーが、東京スカイツリーが、そして隅田川にかかる橋が、今日も同じ光景を見せています。コウモリは1,000kmを軽々と飛び越えます・・・。都知事殿、これらを赤くライトアップしないようにお願いします。


問題はコウモリの始末です。不思議なことに世界のメディアには、「コウモリに罪はないので殺さないで!」という論調の記事が少なくありません。理由は、コウモリが500種類以上の植物の授粉に寄与しているからとか、デング熱など恐ろしいウイルス病を媒介する蚊を食べてくれるからだというのです。

絶滅危惧種とも言われていますが、しかし、そんな話を認めるわけにはいきません。雲南省の大洞窟に生息するキクガシラ・コウモリを、一匹残らず駆除することが急務です。簡な話ではありませんが、すでに海外では研究者たちの取り組みが始まっています。

【参考文献】
1) Sun Z, et al., Potential factors influencing repeated SARS outbreaks in China. Int J Environ Res Public Health 17: 1633, 2020.
2) Ma W, et al., The pig as a mixing vessel for influenza viruses: human and veterinary implications. J Mol Genet Med 3: 158-166, 2009.
3) Gorman J, U.S. and Chinese scientists trace evolution of coronaviruses in bats. New York Times, June 1, 2020.
4) Ives M, Scientists say new strain of swine flu virus is spreading to humans in China. June 30, 2020.
5) Alagona P, It's wrong to blame bats for the coronavirus epidemic. The Conversation, online.




          《執筆者紹介》

現代医療は、世界の巨大医療企業によって操作された偽りのエビデンスによって、間違った方向に誘導されている。その実態を明らかにするため、長年、医薬品やがん検診などに関する捏造データの科学的検証を行っている

著 書

 『治療は大成功
,でも患者さんは早死にした』(講談社+α新書),2001 (2刷)
 『人はなぜ太るのか-肥満を科学する』(岩波新書),2006 (11刷)
 『がんは8割防げる』(祥伝社新書),
2007
 『ほどほど養生訓』(日本評論社),2007 (5刷)
 『がん検診の大罪』(新潮社選書),2008 (5刷)
 『薬なしで生きる それでも処方薬に頼りますか』(技術評論社),2009(2刷)
 『放射能と健康障害 20のエビデンス』 (日本評論社),2011
 『医者の私が、がん検診を受けない9つの理由』 (三五館),2016(4刷)
 『医者が教える「家族に飲ませない薬」』(PHP),2019年(9刷)      ほか多数


 研究論文
  1. Abe T, et al., Sleep duration is significantly associatedwith carotid
  artery atherosclerosis incidence in aJapanese population.
  Atherosclerosis 217: 509-513,2011 (corresponding author: Okada M).

  2. Okada M, et al., Low-density lipoprotein cholesterol canbe chemically
  measured: a new superior method. J LabClin Med 132: 195-201, 1998.

  3. Okada M: A method for clinical data reduction based on"weighted
  entropy", IEEE Trans Biomed Eng BME-25: 462-467, 1978.

                                   ほか全574編

 
 京都府舞鶴市生まれ
 1972年 新潟大学医学部卒業
 1990年 同大医学部教授
診 療
 肥満・高脂血症・高血圧症・糖尿病などの予防治療
 
・新潟日報文化賞,1981
・臨床病理学研究振興基金「小酒井望賞」,2001
主な発明・発見・特
・低密度リポ蛋白中のコレステロ―ルの定量方法(特許3058602
・超低比重リポ蛋白及び中間比重リポ蛋白のトリグリセライド定量方法(特許4070958
・LDLコレステロール測定法を世界で最初に開発
・重み付きエントロピー計算法の確立
・Bツリーによる重複情報カウント・アルゴリズムの発見
 
・医学博士
・日本循環器学会認定循環器専門医,~2010
・日本医師会認定産業医
AHA BLS Healthcare Provider
AHA Professional Member(米国心臓学会・上級会員)
IEEE Senior Memeber(米国電子工学学会・上級会員)
主な学会・社会活動
IEEE T-BME(米国電子工学専門誌,共同編集長), 1986
・文部省大学設置・学校法人審議会,専門委員,1997
・日本エム・イー学会誌「生体医工学」,編集長,1999
Frontiers Med Biol Engng(学会誌),編集長,1999
・公益信託臨床病理学研究振興基金,審査委員長,2000
・文部科学省科学研究費補助金,審査委員,2002
・全国国立大学法人病院検査部会議,議長,2005
・第32回医療情報学連合大会,大会長,2012
Arch Prev Med(米国医学専門誌),副編集長,2015


                 
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