土地規制法案、与党が採決強行 自衛隊基地周辺など規制

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 自衛隊基地の周辺や国境離島などの土地の利用を規制する法案をめぐり、自民、公明両党は28日午前、衆院内閣委員会で採決を強行し、賛成多数で可決した。与党は来月1日の衆院本会議で可決し、同月16日の会期末までの成立を目指す構え。

 立憲民主党などは「法案には問題点があるので慎重にやった方がいい」(安住淳国会対策委員長)と審議継続を求めたが、木原誠二・内閣委員長(自民)が職権で採決に踏み切った。日本維新の会国民民主党も賛成に回った。

 法案では、自衛隊や米軍基地原発などの敷地の周囲1キロ以内の地域について、政府が「注視区域」に指定すると、施設の機能を阻害する行為について中止を勧告・命令できるほか、特に重要な施設の周辺は「特別注視区域」とし、土地売買などの際に事前届け出も義務づけている。

 政府は、法案の狙いについて基地周辺や国境付近の離島などの土地が外国人らに買収される事例を念頭に、安全保障上のリスクがあると主張。これに対し、野党などから調査範囲や対象区域があいまいだとして、米軍基地が集中する沖縄や防衛省がある東京・市谷などで私権が制限されるとの懸念が出ている。