にもかかわらず、現状が続くなら、ビジネスで来日しようとする外国人は簡単に入国できず、逆に、日本人も外国に入国しにくい状況が続いてしまう。
外務省は「有効な『出国前検査証明』フォーマット」をホームページに掲載し、周知を図っているが、来日する外国人がみな、厚労省のホームページから書類をダウンロードして、日本独自の様式に合わせる、とは考えにくい(https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/fna/page25_001994.html)。もちろん必要書類は他にもある。
来日希望のビジネスマンは今後、増えるだろう。だが、日本自身がハードルを高くしている限り、先に紹介した日本人2人のように、日本の空港に到着した後、書類不備を理由に、出国地に送還される事態が起きかねない。そんな話が広まったら大変だ。
日本政府は4月22日現在、日本上陸前14日以内に米国やカナダを含めて152カ国・地域に滞在歴がある外国人は当分の間、特段の事情がない限り、上陸を拒否する措置を発動している(http://www.moj.go.jp/isa/content/001347330.pdf)。
経済学者の野口悠紀雄氏は5月9日公開コラムで、英国などが入国者にワクチン・パスポートを要求するようになれば「日本人は国際社会から締め出されることになる」と指摘した(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/82841)。私は逆に、感染抑止に成功した国の外国人を日本が締め出す事態も心配になる。それもこれも、日本が感染を抑えきれていないからだ。