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- 1 回答:よほどの理由がない限りは、接種することをお勧めします
- 2 回答の根拠①:mRNAワクチンの効果
- 3 回答の根拠②:mRNAワクチンの安全性
- 4 薬剤師としてのアドバイス:よほどの理由がない限りは、接種することをお勧め
- 5 ◆よくある誤解①:mRNAワクチンは、ちゃんと臨床試験をしていない
- 6 ◆よくある誤解②:ワクチンを接種すれば、もう感染対策しなくて良い
- 7 ◆よくある誤解③:mRNAワクチンの長期的な影響はわからないので、接種しない方が良い
- 8 ◆よくある誤解④:mRNAワクチンで、自分の遺伝子が改変される
- 9 ◆よくある誤解⑤:ワクチン接種後に亡くなった人が居る、これはワクチンが原因だ
- 10 ◆よくある誤解⑥:ニュースで副反応がいっぱい報道されているのに「因果関係は不明」で逃げている
- 11 ◆よくある誤解⑦:ワクチンを接種すると、血栓ができやすくなる?
- 12 ◆よくある誤解⑧:ワクチンには水銀や胎児の細胞が入っているから危険
- 13 ◆よくある誤解⑨:妊娠中はワクチンを接種してはいけない
- 14 ◆よくある誤解⑩:ワクチンを接種すると不妊になる
- 15 ◆よくある誤解⑪:ワクチンには新型コロナウイルスが入っているので、接種すると感染する
- 16 ◆よくある誤解⑫:持病がある人は、ワクチンを打たない方が良い
- 17 ◆よくある誤解⑬:ワクチンの効果は2ヶ月しかもたない
- 18 ◆よくある誤解⑭:アジア人は感染・重症化しにくいから、ワクチン接種のメリットが低い
- 19 ◆よくある誤解⑮:1回接種した状況では、むしろ感染リスクが高くなる
- 20 ◆よくある誤解⑯:ワクチンを接種すると”無症状”が増えるので、むしろ感染が拡大する
- 21 ◆よくある誤解⑰:変異株にはワクチンが効かない
- 22 ◆その他、よくあるデマについて
回答:よほどの理由がない限りは、接種することをお勧めします
日本で承認されているmRNAワクチンには、新型コロナウイルスへの感染・発症・重症化・死亡リスクを大幅に減らす効果が示されています。実際に新型コロナウイルス感染症に罹ってしまうよりも、遙かに小さなリスクで免疫を獲得できます。
そのため、よほどの理由がない限りは、順番が回ってきた時点で接種することをお勧めします。
※なお、この記事内容は接種を強制するものではありません。接種するかどうかは個人の自由ですが、デマや事実誤認をもとに判断してしまうことがないよう、薬局でも行っている情報提供や対応を文書化したものです。
回答の根拠①:mRNAワクチンの効果
ファイザー社製のmRNAワクチン『コミナティ』は、新型コロナウイルス感染症の発症を大きく減らす(有効率:94.6%)ことが、臨床試験で示されています1)。
この臨床試験は、参加者を約18,000人ずつランダムに2つのグループに分け、片方のグループにはワクチンを接種、もう片方のグループにはプラセボ(偽薬)を接種して追跡したものです。その結果、プラセボ接種群では169例が発症、9例が重症化したのに対し、ワクチン接種群では発症は8例、重症化は1例に抑えられています1)。
つまり、ワクチンを接種することによって、新型コロナウイルス感染症を発症するリスク(と重症化するリスク)は大きく減らせた、ということです。
1) N Engl J Med.383(27):2603-2615,(2020) PMID:33301246
※モデルナ社製のワクチンもほぼ同じです。
重症化・入院・死亡や、感染そのものを減らす効果も示されている
また、mRNAワクチンを接種すると発症を減らせるだけでなく、重症化を92%、入院を87%、死亡を72%、感染そのものを92%減らす効果も既に報告されています2)。
2) N Engl J Med . 2021 Feb 24. doi: 10.1056/NEJMoa2101765. Online ahead of print PMID:33626250
これは、mRNAワクチンの接種が進むイスラエルで、「ワクチンを接種した人」と「そのワクチンを接種した人と年齢や居住地域などが似ているけれどもワクチンを接種していない人」とを1:1でマッチングさせて得られたデータです。つまり、ワクチンは個人を守るだけでなく、社会として感染を抑えるのに重要な鍵となることを示しています。
事実確認のPOINT
・mRNAワクチンの効果や安全性は、4万人規模の臨床試験できちんと実証されている
・mRNAワクチン接種で、感染・発症・重症化・死亡が大幅に減るというデータも既に報告されている
回答の根拠②:mRNAワクチンの安全性
どんな薬も、得られるメリットと負うべきリスクを天秤にかけて、メリットが上回る場合に使うのが基本です。これはワクチンでも同じです。
ワクチンを接種すると、少なからず好ましくない反応「副反応」が現れます。つまり、このワクチン接種で起きる副反応のリスクと、新型コロナウイルス感染症に感染・発症してしまった際に負わなければならないリスクとを天秤にかけて考える、ということです。
この「ワクチン接種のリスク」と「感染・発症した際のリスク」を比較すると、圧倒的に「ワクチン接種のリスク」の方が小さいため、ワクチン接種で免疫を獲得した方が安全、というのが基本的な考え方になります。
「ただの風邪」とは大きく異なる新型コロナウイルス感染症
新型コロナウイルス感染症は、下記のような点で「ただの風邪」とは大きく異なります。
・若い人でも約1.0%、高齢者では約10.0%と、致死率が高い
・3~6割の人に疲労感や呼吸困難、関節痛などの後遺症が現れる3)
・QOLの低下が44.1%の感染者で起こり、味覚・嗅覚障害も10%ほど残る4)
・一度退院できても、再入院/死亡するリスクが高くなる5)
3) Nat Med . 2021 Mar 22. doi: 10.1038/s41591-021-01283-z. Online ahead of print. PMID:33753937
4) JAMA.324(6):603-605,(2020) PMID:32644129
5) JAMA.325(3):304-306,(2021) PMID:33315057
つまり、「発症すると死ぬ確率がわりと高い」上に、もし回復しても「数週間~数ヶ月以上続くような厄介な後遺症が色々とある」ため、生活に大きな支障を来たす恐れがあるということです。この後遺症には、あまり効果的な治療法が確立していない、という要素も大きいです。
ワクチン接種で起こる「副反応」のリスク
mRNAワクチンを接種すると、60%以上の人が接種した部分に1~2日ほど痛みを感じたり、他にも倦怠感や頭痛、発熱といった症状を感じたりすることが報告されています6)。
いずれも重篤なものではなく、時間経過で自然に治りますが、注意してもらいたいのは、2回目の接種の後には、倦怠感が47.8%、頭痛が40.4%、発熱が21.5%とかなり高い頻度で現れるということです6)。そのため、2回目接種の翌日は、仕事を休む、大事な用事を入れないなどの対応をしておくことをお勧めします。
6) JAMA . 2021 Apr 5. doi: 10.1001/jama.2021.5374. Online ahead of print. PMID:33818592
「アナフィラキシー」の頻度について
最も話題になっている「アナフィラキシー」に関しては、ファイザー社製のmRNAワクチンでは190万回の接種で21例(0.0011%)起きたことが報告されています7)。
7) CDC:Allergic Reactions Including Anaphylaxis After Receipt of the First Dose of Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine
大事なのは、万が一この「アナフィラキシー」が起きてしまっても適切な対応ができるよう、ワクチン接種会場ではしっかりと準備が整えられているため、死亡してしまったような事例はない、つまり制御できる副反応だということです。
(※スズメバチに刺された時に危険なのは、山奥など適切な対応ができない場所でこのアナフィラキシーを起こす恐れがあるからです)
なお、「アナフィラキシー」はドラッグストア等で購入できる風邪薬や痛み止めでも起こります。190万回で21例(0.0011%)という数字は、風邪薬や痛み止めと比べても大きな数字ではありません(むしろ小さいです)。
(参考:https://news.yahoo.co.jp/byline/horimukaikenta/20210310-00226836/)
※ただし、これまでに薬やワクチン接種で「アナフィラキシー」を起こしたことがある人は、必ずその旨を相談の上で判断するようにしてください。
事実確認のPOINT
・新型コロナウイルス感染症は、「ただの風邪」よりも致死率が高い
・新型コロナウイルス感染症は、「ただの風邪」と違って厄介な後遺症のリスクがある
・ワクチン接種でも「副反応」は起こるが、軽いものが多く、もしアナフィラキシーが起こってしまっても接種会場では適切に対応する準備が整っている
薬剤師としてのアドバイス:よほどの理由がない限りは、接種することをお勧め
新型コロナウイルス感染症は、「ただの風邪」に比べると死亡したり治療方法の確立していない後遺症に悩まされたりするリスクが高い感染症です。この点で、「ただの風邪」とは根本的に異なる対応が必要と言えます。
現在、日本で承認されているファイザー社製のmRNAワクチンは、重篤な副反応もなく、新型コロナウイルスへの感染・発症・重症化・死亡リスクを大きく減らせるという知見が、既に多くの研究結果から得られています。
こういった理由から、このワクチンの成分に対して重いアレルギーがあるなどの理由がない限りは、順番が回ってきた時点でワクチンを接種することをお勧めしています。
ワクチンを接種するかどうかの判断は、最終的には個人の自由ですが、明らかなデマや間違った情報をもとに行った判断では、接種する・しないどちらの選択をしたとしても、大きな問題です。インターネット等で出回るいい加減な情報に惑わされることなく、冷静な判断をしてもらえたらと思います。
なお、色々な情報があって判断に困るような際は、日頃からお世話になっている医師や薬剤師に相談することをお勧めします。
判断のPOINT
・mRNAワクチンの接種で、感染・発症・重症化・死亡するリスクを大きく減らせる、という事実をまず知る
・mRNAワクチンの副反応と、新型コロナウイルス感染症を発症したときのリスクを、きちんと知って比べる
・インターネットやSNSにはデマや事実を誤認した情報も多いため、悩んだときはいつもお世話になっている医師や薬剤師に相談する
◆よくある誤解①:mRNAワクチンは、ちゃんと臨床試験をしていない
mRNAワクチンは、新型コロナウイルス感染症が流行して1年も経たずに実用化されたため、「きちんと臨床試験で有効性や安全性を確認していないのでは?」と不安に感じられた方も多いと思います。
ですが、有効性や安全性を確認する臨床試験はきちんと何万人もの被験者を集めて行われています1)し、必要な手順はしっかりと踏んで承認されています。また、承認後のデータもきちんと蓄積・公開されています2)。
こんなにも早く実用化できたのは、臨床試験をすっ飛ばしたからではなく、①技術自体は既に確立されていたこと、②多額の投資によって迅速な生産・供給体制を整えられていたこと、③ウイルスを使わずに作れるワクチンであること、が主な理由です8)。
8) CDC:COVID-19 Vaccine Basics: What Healthcare Personnel Need to Know
① mRNAの技術を用いたワクチンの研究は、何十年も前から行われていた
承認されて実用化されたmRNAワクチンは今回が初めてですが、この技術自体は何十年も前からずっと研究が続けられてきたものです。そのため、新型コロナウイルス感染症が流行し始めた時点でゼロから基礎研究を始めたのではなく、既に基礎研究は十分に行われおり、すぐに臨床試験を行うだけの準備は整っている状態だった、と言えます。実際、ファイザー社は新型ウイルスが特定されてわずか19日後にワクチン開発のプロジェクトを立ち上げ、2020年4月にはもう臨床試験をスタートさせています。
※実際のスケジュール
(2019年12月29日:中国の海鮮市場で謎の肺炎が流行、というニュース)
(2020年1月8日:原因となるウイルスSARS-CoV-2が特定される)
(2020年1月16日:日本で最初の感染事例が確認される)
2020年1月27日:mRNAワクチンのプロジェクト始動
2020年4月23日:PhaseⅠ/Ⅱの臨床試験開始
2020年7月27日:PhaseⅢの臨床試験1)開始
2020年11月18日:mRNAワクチンで95%の発症予防効果が得られることを確認
(https://investors.biontech.de/static-files/53f0968a-279b-4f82-a2fc-d67dcb6e4e91 より)
② 国などの多額の投資により、経済的コストを無視した生産体制を整えられた
通常、医薬品は臨床試験で有効性や安全性が確認され、承認されてから生産体制を整えます。先に生産体制を整えていたら、もし承認されなかった場合に全てが無駄になってしまうからです。このような金銭的リスクや経済的コストの大きな選択は、普通はできません。
しかし今回のmRNAワクチンの開発では、国などが多額の投資を行い、承認された時点ですぐに生産・供給を始められるように準備を進めていました。これによって、臨床試験の結果が得られてから生産・供給までの時間を大幅に短縮することができています。
③ ウイルスを使わずに作れる
既存のワクチンは、感染症の原因となるウイルスを取り出し、培養して増やし、そのウイルスを使って作ります。そのため、たとえばウイルスを安定して増やす技術などをまず確立させる必要があります。
ところが、今回のmRNAワクチンはウイルスそのものを使わずに作ることができます。そのため、ウイルスを培養する技術や手間が要らず、またウイルスの遺伝情報を世界中で共有して一斉に研究・開発を進めることができました。
知っておけば惑わされない
・mRNAワクチンも、きちんと必要な手順や工程を踏んで承認されている
・これだけ早く実用化できたのは、技術が確立されていたこと、金銭的コスト度外視で開発できたこと、ウイルスを使わず作れたことが主な要因
◆よくある誤解②:ワクチンを接種すれば、もう感染対策しなくて良い
mRNAワクチンを接種して、十分に効果が得られるようになるのは、2回目の接種が終わってから2週間後です1,9)。それまでの間は、まだ十分に防御効果が発揮されていないため、感染・発症・重症化・死亡のリスクは高いままの状態であると考える必要があります(1回だけでもそれなりの効果はあるというデータもちらほらありますが、不確定です)。
9) CDC:When You’ve Been Fully Vaccinated
また、mRNAワクチンの効果は非常に高いことが数々のデータから示されてはいますが、2回目のワクチン接種から2週間が経っても100%感染・発症しない無敵状態になるわけではありません。そのため、ワクチン接種が終わってからも、感染が流行している間は三密回避・換気・手洗いといった基本的な対策を続けていく必要があります。
※「ワクチンを接種した後に感染・発症した事例があった」ということを理由にワクチンの効果を否定する人も居ますが、その主張はそもそもワクチンの効果を勘違いしている、ということです。
知っておけば惑わされない
・ワクチンの効果が十分に発揮されるのは「2回目接種から2週間」経ってから
・ワクチンの効果も100%ではないので、「接種したのに発症する」ことは当然起こり得る(だから感染対策は続ける)
◆よくある誤解③:mRNAワクチンの長期的な影響はわからないので、接種しない方が良い
確かに、mRNAワクチンを接種して10年後、20年後にどんな影響が出るかは、まだデータが存在しません。そういった意味で「わからない」というのは事実です。
しかし、mRNAというのは基本的にすぐに分解されてしまう(むしろ維持することが難しいため冷凍保管が必要)もので、長期的に体内に残るようなものではありません。こういったmRNAの特性上、長期的な影響は考えにくいというのが現段階での妥当な意見と思われます。
(既存のワクチンでも、2ヶ月以上が経過してから起こるような副反応はありません)
なお、長期的な影響がわからないという点では、新型コロナウイルスに感染して発症してしまった場合の影響もわかりません。むしろ、感染・発症してしまった場合には、疲労感や呼吸困難3)、味覚・嗅覚障害4)といった後遺症が残ること、こうした後遺症によって元の仕事に復帰できなかった人が少なくない10)ことも報告されているほか、血栓症などを起こして死亡・再入院するリスクが高くなる5)ことも報告されており、こちらは明確に長期的な悪影響がありそうです。
つまり、長期的な影響を本当にマジメに考えるのであれば、ワクチン接種よりも感染・発症してしまった場合の方が悪影響は大きいと予想されるため、むしろワクチンを接種した方が良いと考えられます。
10) Ann Intern Med.174(4):576-578,(2021) PMID:33175566
※実際、麻疹(はしか)では感染・発症して数十年後に起こる致命的な合併症(SSPE:亜急性硬化性全脳炎)があります。
知っておけば惑わされない
・ワクチン接種の長期的な安全性のデータはまだ存在しないが、mRNAの特性から考えると「すぐに分解されてしまう」ので考えにくい
・新型コロナウイルス感染症を発症した際の長期的な影響もわからない(むしろこちらは短期的にも悪影響が大きいというデータがある)
※ちなみに、「空間除菌」や「サプリメント」「健康食品」なんかの長期的な安全性も、ほとんどはわかっていません。長期的な安全性・・・というものを物凄く気にするのであれば、そういったものにも慎重でなければ矛盾してしまいます。
◆よくある誤解④:mRNAワクチンで、自分の遺伝子が改変される
そんなことができるなら、今ごろ世の中は美男美女だらけで、がんや遺伝病はとっくになくなっています。
高校の生物で習う項目に「セントラルドグマ」というものがあります。簡単に言うと、「DNA」→「mRNA」→「タンパク質」という合成の流れの大原則です。
「DNA」は、いわば”生物の設計図”です。これはとても大事なものなので、核というものの中に大事に収納されていて、外から何かが入ってきて簡単に書き替えられたり、あるいは「DNA」が核の外にフラフラと出て行ったりすることはありません。
「タンパク質」を合成する際には、この「DNA」の必要な部分だけがコピーされて、外に出されます。この”一部コピーされたもの”が、「mRNA(メッセンジャーRNA)」です。この「mRNA」は、核の外でタンパク質合成に関わります。
なお、この「mRNA」が核内に戻ることは基本的にありません。また、「mRNA」はタンパク質の合成が終わればすぐに分解されてしまいます(実験などで扱う際には、むしろ分解されないようにすることが難しい=ワクチンも冷凍保管が必要)。
そのため、接種したmRNAが体内に長く留まって、ヒトの細胞の核内に逆流してDNAに組み込まれ、その結果ヒトがウイルスになってしまう・・・!なんてことは、どう頑張っても起こり得ないということです。
なお、一部特殊なウイルスは「逆転写酵素」というものを持っていますが、それはごく一部の特殊なウイルスの話であって、mRNAワクチンの話には当てはまりません。
知っておけば惑わされない
・「mRNAが自分のDNAに組み込まれてウイルスになる」なんてことは、高校生物を習っていれば「起こり得ない」ことがわかる
・もしもDNA改変が可能なら、あらゆる遺伝病は既に撲滅済みで、整形手術ではなく「美男美女になるDNA改変ビジネス」が流行っていると思われる
◆よくある誤解⑤:ワクチン接種後に亡くなった人が居る、これはワクチンが原因だ
「ワクチンを接種した後に亡くなった」という時間的な前後関係だけで「ワクチンのせいだ」と因果関係を決めつけることは、「湖に生贄を捧げたら雨が降った、だからこれからも生贄を捧げる必要がある!」という思考と何ら変わりありません(前後関係と因果関係の違い)。
ワクチンを多くの人に接種すると、必ずワクチンを接種した後に亡くなる人は出てきます。日本では、1日に3,800人くらいの方が何らかの理由で亡くなっているからです。
大事なのは、ワクチンを接種した人と、ワクチンを接種していない人とで比較し、その数がどう異なるのか(回答の根拠①の臨床試験のような比較)を観察することです。因果関係を示しているわけではない「接種後に起きた〇〇」といった情報に飛びつくのは止めましょう。
(参考:https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20210221-00223746/)
なお、ワクチンに未知のリスクが潜んでいないかどうかは、きちんと細かな追跡調査が行われています。そのため、もし「ワクチン接種によって死亡者が増えているかもしれない」といった傾向が観察されれば、その時点でアナウンスがされます。
アストラゼネカ社やJohnson&Johnson社のワクチンがしばしば血栓症リスクの問題で「接種を一時停止」するのも、こういったセーフティが機能している証拠と言えます。
知っておけば惑わされない
・「湖に生贄を捧げたら雨が降った、だから日照りが続いたら生贄を捧げろ」という主張はどこかおかしい、ということを貴方は理解できる
・ワクチン接種がよく「一時停止」するのは、安全性のデータをきちんと追跡・監視しているから
◆よくある誤解⑥:ニュースで副反応がいっぱい報道されているのに「因果関係は不明」で逃げている
「副反応か」「副反応でないか」という二択で考えると話が極端になります。上記のような因果関係をしっかりと検証するまでは、「副反応だ」というのも早とちりで、「副反応でない」と断言するのも難しいからです。そのため、現時点では「因果関係は不明」としか表現が出来ません。むしろ、これが科学に誠実な表現です。
ただ、この表現が不安のタネになっているのも事実です。そこで、ニュースで報道された「接種後に起きた何か」は、「副反応かどうか」ではなく、「どの程度、副反応っぽいのか」という”程度の視点”で見てもらうのが良いと思います。
ニュースでは、「落雷に遭った」とか「トラックに轢かれた」に近い、相当に”ぽくないもの”まで一緒くたに報道されていますが、科学的に”ぽい”ものが見つかれば今後きちんと検証が行われますし、”ぽくないもの”は無視してOKです。
また、もし”ぽい”ものがいくつか見つかったとしても、それでワクチン接種の有益性(メリットがデメリットを上回ること)が変わるかどうかは、また別の問題です。
知っておけば惑わされない
・「副反応に決まってる」も「絶対に副反応ではない」も、どちらも早とちり
・”ぽくないもの”は無視する、”ぽいもの”は今後の検証を待つ
・”ぽいもの”が見つかった場合は、それで改めてメリットとデメリットを天秤にかける
◆よくある誤解⑦:ワクチンを接種すると、血栓ができやすくなる?
ワクチン接種後に、わずかながら血栓症のリスクが高くなるという報告があるのは、アストラゼネカ社製のアデノウイルスベクターワクチンです11)。日本で広く使われているファイザー社製/モデルナ社製のmRNAワクチンでは、血栓症のリスクが高くなるという報告はありません。
11) Engl J Med . 2021 Apr 9. doi: 10.1056/NEJMoa2104840. Online ahead of print. PMID:33835769
知っておけば惑わされない
・接種後に血栓リスクが報告されているのは「アストラゼネカ社製」のワクチン
・日本で使われている「ファイザー社製」や「モデルナ社製」のワクチンでは、現在のところ血栓リスクの報告はない
◆よくある誤解⑧:ワクチンには水銀や胎児の細胞が入っているから危険
mRNAワクチンは、mRNAとそれを運ぶ脂質で構成されています12)。水銀やアルミニウムなどの金属類は含まれていません。全ての医薬品の組成は添付文書として公開されていますので、簡単に確認することができます。
また、胎児の細胞や虫の細胞といった意味不明なものが入った医薬品は存在しません(そんなものは承認されません)。こういった事実無根のデマを流す人の話は、完全に無視して大丈夫です。
12) コミナティ筋注 添付文書
知っておけば惑わされない
・mRNAワクチンには、水銀やアルミなどの金属類は含まれていない
・胎児の細胞や虫の細胞といった意味不明なものが入った医薬品は存在しない
※一部、製造工程で水銀含有物を用いるワクチンはありますが、「残存する量」や「それの影響の程度」を考えれば無視できるものだ、という話はこちらにまとめています。
◆よくある誤解⑨:妊娠中はワクチンを接種してはいけない
妊婦さんにmRNAワクチンを接種して、流産や早産といった胎児への悪影響は増えないことが確認されています13)。こうした根拠から、日本の国立成育医療研究センターも「妊娠を理由に接種を控える必要はない」という立場を表明しています14)。
13) N Engl J Med . 2021 Apr 21. doi: 10.1056/NEJMoa2104983. Online ahead of print. PMID:33882218
14) 国立成育医療研究センター「妊婦さんの新型コロナウイルス感染症に関するFAQ」
なお、アメリカ15)やイギリス16)では、むしろ妊婦さんへの接種は「推奨」されるようになっています。
15) 朝日新聞 4月24日
16) Royal College of Obstetricians and Gynaecologists「Vaccine choice for pregnant women welcomed by maternity Royal Colleges」
知っておけば惑わされない
・妊娠を理由にワクチン接種を控える必要はない
・ただし、妊娠前に接種しておく、妊娠初期は避ける、産婦人科施設で接種するなどができれば◎
◆よくある誤解⑩:ワクチンを接種すると不妊になる
「ワクチン接種で不妊になる」という話は、新型コロナウイルスのワクチンに限らず、HPVワクチン、麻疹のワクチンなど様々なもので出回ります。しかし、これまでのワクチンでもそのようなリスクは発生していませんし、mRNAワクチンでも同様に心配する必要はありません17)。
少なくとも、これまでに何億人もの人に接種され、そのようなリスクを示唆するようなデータは観察されていませんので、「ワクチン接種で不妊になる」という「デマ」で不安を煽ってくる人は無視してOKです。
17) CDC「Myths and Facts about COVID-19 Vaccines」
※日本語の情報を参照したい方はこちら
知っておけば惑わされない
・「ワクチンで不妊になる」という話は、よく出回るデマ
・mRNAワクチンも何億人もの人に接種されているが、不妊リスクは発生していない
◆よくある誤解⑪:ワクチンには新型コロナウイルスが入っているので、接種すると感染する
ワクチン接種後に感染・発症した事例がニュースになると、「ワクチンでウイルスを体内に入れたからだ」と騒ぐ人が現れますが、これは間違いです。
まず、「よくある誤解①」で解説したとおり、このmRNAワクチンにはウイルスそのものは含まれていません。ウイルスの”ごく一部(スパイクタンパク)”の、それも”設計図(mRNA)だけ”を接種するタイプのワクチンです。そのため、ワクチンを接種したことで体内でウイルスそのものが増えることはありません。
なお、ワクチンを接種しても感染・発症する可能性があることは、「よくある誤解②」で説明したとおりです。ワクチンで100%感染・発症しない無敵状態になるわけではないので、たくさんの人にワクチン接種をすれば、接種後に感染・発症してしまう人が出てきても、何ら不思議ではありません(※重症化・死亡のリスクは減らせているので、この人にとっても”無駄打ち”だったわけではありません)。
知っておけば惑わされない
・mRNAワクチンに「ウイルスそのもの」は含まれない
・そのため、ワクチン接種したことで「ウイルスに感染する」「ウイルスが体内で増える」ことはない
◆よくある誤解⑫:持病がある人は、ワクチンを打たない方が良い
一部週刊誌などで、「持病がある人はまだワクチンを打たない方が良い」という情報が出回っています。確かに、病気の状態や行っている治療の内容によっては、薬やワクチンのタイミングを考えた方が良いケースはあります。しかし、持病がある人が一概に全てワクチン接種に慎重になる必要はなく、むしろ持病がある人は新型コロナウイルス感染症も重症化しやすいため、接種できるタイミングで積極的に接種した方が良い、というのが基本の考え方になります。
つまり、「持病がある人のうち、状況によっては薬や接種のタイミングを調整した方が良いこともある」が適切な表現になります。
接種のタイミングを考えた方が良いケースとしては、たとえば関節リウマチなどで「メトトレキサート」や「JAK阻害薬」を使っている人は、ワクチン接種後1週間は薬を一旦休むことが推奨されていたり、「リツキシマブ」を使っている人は、その薬を使う4週間前にワクチンを接種しておくことが推奨されていたり18)・・・と、疾患や薬の内容によって細かく考える必要があります。そのため、週刊誌ではなく自分の主治医に相談するようにしてください。
18) American College of Rheumatology「COVID-19-Vaccine-Clinical-Guidance-Rheumatic-Diseases-Summary」
知っておけば惑わされない
・持病がある人は、新型コロナウイルス感染症も重症化しやすいので、むしろワクチンは積極的に接種をした方が良い
・ただし、状況によっては薬や接種のタイミングを調整した方が良いこともあるので、週刊誌ではなく主治医に相談する
◆よくある誤解⑬:ワクチンの効果は2ヶ月しかもたない
ワクチンの効果が発表された当初は2ヶ月間のデータしかありませんでしたが、2ヶ月で効き目がゼロになるわけではありません。実際、2回接種をした人は6ヶ月後でも91%以上の有効性を維持しているというデータが出てきています19)。
1年後、2年後にどうか…というところはまだわかりませんが、少なくとも半年はしっかりと効果が続きますし、半年でいきなりゼロになるわけでもなさそうだということがわかります。
知っておけば惑わされない
・ワクチンの効果は2ヶ月で無くなるわけではなく、少なくとも半年は90%以上の効果が維持される
・それ以降の効果は、今後の情報を追っていく必要がある(まだデータがないだけで、効かないと決まっているわけではない)
◆よくある誤解⑭:アジア人は感染・重症化しにくいから、ワクチン接種のメリットが低い
新型コロナウイルス感染症の感染・重症化には、あまり人種差はないようです。「日本人は重症化しにくい」という期待はできないと思われます。
実際、イギリスの人口ベースのコホート研究では、アジア人の死亡リスクは白人に比べてむしろやや高め20)です。これには生活環境や経済的状況なども関係するため、遺伝的要因があるかどうかはわかりませんが、少なくとも「重症化しにくい」というような兆候は見られません。
流行状況が全く異なる地域の、死者の数字だけを見て比較したような主張には注意が必要です。
20) BMJ.371:m3731,(2020) PMID:33082154
知っておけば惑わされない
・新型コロナウイルス感染症の感染、重症化などに目立った人種差はない
・「日本人は重症化しにくい」という間違った情報で対策を緩めるのは危険
◆よくある誤解⑮:1回接種した状況では、むしろ感染リスクが高くなる
確かに、mRNAワクチンは1回の接種では本来の高い効果(回答の根拠①)を得られないため、ワクチン接種後にも感染対策を続ける(よくある誤解②)必要があります。
しかし、初回接種の21日後には70%程度の効果が得られているという報告があります21)。そのため、「感染リスクが高くなる」ということはありません。
ただし、2回接種よりも効果はかなり劣るため、2回のワクチン接種を完遂することを強くお勧めします。
21) Lancet.S0140-6736(21):00790-X,(2021) PMID:33901423
知っておけば惑わされない
・初回投与でも、3週間後には70%くらいの効果は得られる
・1回接種は2回接種よりも大きく効果が劣る可能性があるので、しっかり2回の接種を完遂することが大事
◆よくある誤解⑯:ワクチンを接種すると”無症状”が増えるので、むしろ感染が拡大する
ワクチンには発症や重症化だけでなく、感染を減らす効果が実証されています2)(回答の根拠①)。また、ワクチン接種で「無症状」の感染者を5分の1に減らせる可能性も示されています22)。
そのため、ワクチンを接種すると無症状の感染者が増えて、むしろ感染が拡大するのでは・・・といったことは心配しなくて良いです。
22) JAMA . 2021 May 6. doi: 10.1001/jama.2021.7152. Online ahead of print.PMID:33956048
知っておけば惑わされない
・ワクチンの「感染を減らす」効果は既に実証されている
・ワクチン接種で「無症状」の感染者も大きく減らせそう
◆よくある誤解⑰:変異株にはワクチンが効かない
現在のところ、日本で使われているファイザー社製のmRNAワクチンは、南アフリカ型、イギリス型の変異株にそれぞれ効果があることが確認されています23)。ワクチンが無意味になってしまっているわけではありませんので、従来同様にワクチン接種が重要になります。
一方で、アストラゼネカ社製のワクチンでは一部の変異株に対して防御効果が得られない可能性24)も示されており、今後の情報には注意する必要があります。
23) N Engl J Med . 2021 May 5. doi: 10.1056/NEJMc2104974. Online ahead of print. PMID:33951357
24) N Engl J Med . 2021 Mar 16;NEJMoa2102214. doi: 10.1056/NEJMoa2102214. Online ahead of print. PMID:33725432
知っておけば惑わされない
・ファイザー社製のmRNAワクチンは、南アフリカ型、イギリス型の変異株に対しても防御効果がある
・新たな変異に対しては、今後の情報に注意しておく必要がある(変異を多発させないためには流行させないこと=ワクチン接種することが大切)
◆その他、よくあるデマについて
・ワクチンを接種したら5年後に死ぬ
→ワクチンが完成したのは2020年の秋頃なのに、どうやって「5年後に死ぬ」ことを2021年春の時点で確認したのでしょうか。時空が歪んでいます。
・ワクチンを接種したマウスは2年後に全て死んだ
→マウスの寿命は2年くらいです。天寿を全うされたようです。
・ワクチンを接種すると5Gに接続される
→意味がわかりません。もし本当に接続されたらWi-Fiは要らなくなって便利ですね。
・ワクチンには思考を奪い取るマイクロチップが入っている
→入っていません。まずシリンジに入りません、針も通りません。
・「デマだという根拠」を示してください
→根拠がない誤情報をデマと呼びます。議論の順序として、まずはそちらが自説の裏付けとして信頼に足る根拠(例:公的機関の情報、査読済みの学術論文など)を示すのが先です。本記事では各所、公的機関の情報や査読済みの学術論文を根拠として明示しております。
・ワクチンを推奨している人は製薬企業からお金をもらっている
→私は1円ももらっておりません。お金で主張が変わると思う方は、ぜひ一度Amazonギフトカード等でも良いのでお送りください。それで私の主張が変わるかどうかを確認できると思います。
【加筆修正】
mRNAワクチンの臨床試験、PhaseⅠ/Ⅱは2020年4月にスタートしていたというご指摘をいただいたため、その旨を加筆修正しています。
(参考)
https://investors.biontech.de/static-files/53f0968a-279b-4f82-a2fc-d67dcb6e4e91
これを書いた方、身分証明っぽいものはあるんですかね?
ワクチン反対派の人達が、身元を明かして動画作ったりしてるのに、こんなんで信用できると思ってるんですか?
これを書いている者ですが、実名も顔写真も公開していますし、薬剤師免許の有無も厚生労働省のデータベースで確認していただいて大丈夫です。
また、私の主張には全て公的機関の情報や査読済みの学術論文を根拠として添えておりますので、何か違うと思われる部分は同じように公的機関の情報や査読済みの学術論文を添えてご指摘いただければと思います。
以上、よろしくお願いいたします。
ページ下方には筆者のプロフィール書いてあるし、顔も出てますね。薬剤師免許があることは以下のURLから確認できます。
https://licenseif.mhlw.go.jp/search_iyaku/search.do
コメント欄からちょっと下に行けば筆者の方の実名含むプロフィールが載っているのに「身元を明かしてないのに信用できない」はないのでは…
調べる以前のレベルですよ
両親が反ワクチンを強く主張しており、大変困っていたところこの記事を発見しました。私では上手く説明できなかったワクチンのことを、細かく丁寧に説明してくださっていて大変読みやすいです。ありがとうございます。
副反応を気にして、2回目のワクチン接種を行わなかった知り合いがいます。3週間後に2回目の接種ができない場合、速やかに2回目接種を行うようにとの情報を目にしました。
2回目の接種が何ヶ月も先になったとしても2日目を摂取して2週間後には3週間後にすぐ接種した時とほぼ同様の有効性は期待できるのでしょうか?
また、そのようなデータはあるのでしょうか?
今のところ、しっかりとデータがあるのは「3週間後に2回目の接種をした」場合のものだけです。
そのため、これから外れた場合にどうなるのかは「わからない」というのが実情です。
ただ、やむを得ない事情によって12週間以上の間隔があいてしまった場合にも十分な抗体価が得られる(むしろ抗体価は高くなるかも)というデータも得られつつあり、もしかすると今後は「3週間間隔」という基準が変わってくる可能性はあると思います。
1回接種だけでは有効性は70%程度とかなり落ちる可能性があることも踏まえると、何らかの事情で3週間以上の間隔があいてしまったとしても、どこか良いタイミングで2回目の接種を受けた方が良いと思われます。
素晴らしいまとめありがとうございます!!
一点、セントラルドグマが絶対かどうかについてだけ、HBVのようにゲノムの組み込みが起こることもがある以上、逆転写酵素を持つウィルスとの共感染で絶対に起こる確率がゼロとまでは言生きれないかななんて思ったりはしますが。
コメントありがとうございます。そう言っていただけると励みになります。
逆転写酵素を持つウイルスに関しては確かにご指摘の通りなので、”そういうウイルスが居る”ことは一応の事実として記載しつつ、セントラルドグマに関しても「大原則」という表現をしています。
その、ごく一部分で逆方向に進み得ることは「天文学的な確率の偶然が重なった場合、理論上はゼロとは言えない」というレベルのもので絶対にゼロとは言えないですが、「ワクチンとして接種したmRNAがヒトのDNAに組み込まれて自分がウイルスというものになる」みたいなことは”ゼロ”と強めに否定しても差し支えないかなと考えて今の表現を選びましたm(__)m
私はワクチン接種反対派です。このように接種を進めるような記事を書いて、死亡者がでたらどうするつもりですか?
あなたはコロナウイルス及びワクチンの全てを理解していると言えるのですか?
記事には、接種は自己判断というような記載もありますが、あなたの記載からは接種を強く進めるような意図を感じます。
未だによくわからないコロナウイルスやワクチンに関して記事を書くなら中立を貫かれては如何ですか?
>反対派です
そうですか、それも別に構わないと思います。ただ、貴方と貴方が接する人の感染・発症・重症化・死亡・後遺症リスクは高いままの状態が続きますので、これからも感染症が流行している間は厳重な感染対策を続けられることをお勧めします。
>未だよくわからないワクチン
去年末には臨床試験のデータが公開され、今年には何十万人規模のリアルワールドでのデータも論文として発表されているワクチンが、なぜ”未だよくわからないワクチン”なのでしょうか。むしろ、何が判明すれば”よくわかったワクチン”となるのか、貴方の基準を教えていただければと思います。
>接種を強く勧めるような意図を感じる
最終的な判断は各々委ねられることになりますが、私は”よほどの理由がない限りは接種することをお勧め”しておりますので、そう感じていただければきちんと日本語が伝わったのだと思います。
中立とは、立場を曖昧にすることではありません。薬剤師としてワクチンが有益であると科学的に評価できれば、それを推奨するのが真の中立だと考えております。
>コロナウイルス及びコロナワクチンの全てを理解していると言えるのか
もちろん全てを理解しているとは言いませんが、世界で行われている主だった臨床試験の結果や査読済みの学術論文には多く目を通し続けておりますので、「現時点で確からしい情報」は広く確認できていると思います。逆にお聞きしますが、貴方は”全てを理解”した上で反対しておられるのでしょうか。
>死亡者が出たらどうするつもりか
これも逆にお聞きしますが、貴方のような反対意見によってワクチン接種の機会を逸し、それによって感染・発症・重症化・死亡したらどうするおつもりなのでしょうか。