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ワクチン「裏口接種」、30代経営者が盲腸を口実に入院し接種のケースも

ワクチン「裏口接種」が後を絶たず 医師が医療従事者用をほかに回すケースも

記事まとめ

  • コネを駆使し、ワクチンをこっそり接種する人たちが後を絶たないという
  • 埼玉県ふじみ野市では、高畑博市長と共に妻や公用車運転手が接種して批判を浴びた
  • 茨城の主婦によると、ある医師は東京に住む子供を里帰りさせ、接種させていたとも

ワクチン「裏口接種」、30代経営者が盲腸を口実に入院し接種のケースも

ワクチン「裏口接種」、30代経営者が盲腸を口実に入院し接種のケースも

“裏口”から接種する人が続々(時事通信フォト)

 5月24日から東京と大阪の「大規模接種センター」2か所で新型コロナワクチンの接種が始まった。宮城、群馬、愛知でも独自の大規模接種が始まるなど、ワクチン接種が一気に加速している。

 そんななか、コネを駆使して、コッソリとワクチンを接種する人たちが後を絶たない。

 埼玉県ふじみ野市では高畑博市長(59才)とともに妻(59才)、公用車運転手(54才)がワクチンを接種して批判を浴びた。市長は「コロナ対策の陣頭指揮をとっているなか、市長は医療従事者に準ずると考えており、先行接種は適切だったと思う」と開き直るが、それならば事前に市民に説明すべきだし、なぜ妻と運転手も打ったのかは理解できない。

 埼玉県寄居町では花輪利一郎町長(76才)をはじめ町職員約100人を「医療従事者とみなして」接種を実施。いずれも事前に説明がなかったことが波紋を広げ、田村憲久厚労相は会見で「住民のかたがたに説明がつく対応をしていただきたい」とクギを刺した。

 それらはあくまで氷山の一角である。

 関東近郊に住む女性看護師(35才)が、不満気な表情でこう話す。

「ワクチンの数が足りず、うちの病院のスタッフでさえ接種できていないのに、なぜか町内のスーパーの店員さんが打てているんです。理由は明白。スーパーの経営の関係者に市議がいるからです。そこで働くママ友に“議員さんのコネがあれば優先的に打てるみたいよ”と上から目線で言われたときは、本当に悔しくて…。就職もそうですが、地方では“議員のコネ”がものを言うんですよね」

 それ以上に多かったのが、医師が医療従事者用をほかに回すケースだ。茨城県在住の主婦(56才)はこう話す。

「友人が働いている病院でのことです。院長先生と同居している夫人がワクチンを打つのは、まぁ許容範囲。でも、東京でひとり暮らししている20代の息子や娘をわざわざ里帰りさせて、ワクチンを打ったことにはどうにも納得いきません。緊急事態宣言中で“移動しないで”って呼びかけている最中ですからね」

 家族が恩恵にあずかることはよくあるようだ。神奈川県内のクリニックで働く女性看護師(35才)の場合はこうだ。

 女性は4月末、夫と一緒にワクチンを接種した。夫はメーカー勤務で医療従事者でもなんでもない。しかし女性は、勤務するクリニックのワクチン接種名簿に夫の職業を「病院勤務」として記入した。病院から内々に「各家族1人まで接種可能」という通達があったため、職場の仲間はみな同じことをしたという。彼女は「こんなことは、結構どこの病院でもやっているんじゃないかな」と説明する。

 東証一部上場のシステム関連会社「オービック」の野田順弘会長(82才)と妻で相談役のみづき氏(86才)が、医療従事者用のワクチンを4月に接種していたことが報じられて話題になった。しかし、もっと若い経営者が便宜を図ってもらったケースもある。

 愛媛県で起きたことだ。4月上旬、地元企業の30代の若社長が盲腸で入院。手術せずに薬で処置し、2日後に退院したという。しかし、実態は違った。

「後で聞いた話によると盲腸はワクチンを打つための口実で、病院と若社長の会社が業務提携をしている関係で便宜を図ったようです。夫婦でワクチンを打って帰ったと聞きました」(同病院に勤務する30代女性看護師)

 5月27日発売の『女性セブン』では、医師が自ら通うキャバクラのNo.1嬢に“先行接種”させたケースなど裏口接種の呆れる実態や、日本から会社経営者らが参加しているアメリカのワクチンツアーなどについてレポートする。

ニューヨークでは市内主要駅8か所に ワクチンを無料で受けられる接種会場がある(写真/AFLO)

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