日本人の特徴のひとつに「やめる判断が遅い」というのがあります。
「石の上にも三年」という諺がありますが、実は多くの日本人は「途中でやめる」という決断がなかなかできません。
途中でやめる事は悪い事だと思っていたりもするので、本当はやめるべき時でもやめようとしないのです。
しかし何かをやめる決断ができる人は新たに何かを始める事が出来る人でもあります。
だから「やめる勇気」も大事なのです。
物事を継続していくというのは素晴らしい一面も持っていますが、時には成長の妨げとなる事がある。
たとえば「一度決めた事だから」という理由だけでそれが時代に合わない事でもやり続けたり、良い状況を生みださないとわかっているのにやり続けてしまうような「継続」です。
本当はやめたいと思っていたり、本当は楽しくないと思っているのに途中で投げ出すのは悪い事だという思い込みから、「やめる」という決断ができない人も多いでしょう。
日本は我慢の文化とも言われ、とにかく耐える事で続けようとしますが、その結果「過労死」や「過労自殺」も増えています。
欧米では変化させる人がリーダーとなりますが、日本では出来るだけ混乱を起こさず、当たり障りのない人がリーダーと言われるのでイノベーションも起こりづらいのです。
そして多くの人が「一度始めた事はとにかく頑張ってやり遂げるべきだ」と考え、途中でやめるとなると悩みだし、「もっと頑張ればなんとかなるかも」と考えます。
一度就職した仕事をやめようか悩んでいることを誰かに相談しても「即断すべきじゃないよ」といって制止されたり、やめる事は逃げる事だと言ってプレッシャーをかけたりする人もいます。
しかし退くも勇気なのです。
人は何かを始める事の大切さを重視しすぎて、やめる大切さを軽視しがちです。
そして有終の美を飾ろうとして終わりに美しさを求めたりもします。
しかし「これは違う」と感じたなら、さっさとやめてしまえばいいし、やめる勇気や終わらせる勇気を持つのが大切なのです。
人生の時間を無駄にしながら、不必要な事をやり続ける必要なんてどこにもありません。
だから主体的に終わらせる人であろう。
何かをやめる決断ができる人こそが、新たに何かを始める事が出来る人でもあるのだから。