韓国国防部も、遅ればせながら改善に乗り出しているが、いかにも「その場しのぎ」な対策ばかりだ。これまでに「食事の量を20g増量する」「ブランチやビュッフェ形式を導入する」といった発表がなされているが、その実現性と効果を信じている人間は誰もいないだろう。徴兵された経験がある韓国人男性であれば、軍隊の中でゆったりとブランチやビュッフェを楽しめるはずがないことなど、誰でもわかる。
過去にも、鳥インフルエンザが流行して国内の鶏肉消費量が減った時には、軍では数か月にわたって鶏肉料理ばかりが出された。みかんが豊作で価格が暴落した年には1人に30kgものみかんが「強制的に支給」されこともある。国を守る仕事であるにもかかわらず、この通り軍人の食生活は悲惨の限りだ。
筆者が軍に服務をしていた時代も酷かったが、いまだに改善されていないどころか、一部はより劣悪になっているとも言えるのだ。
問題は「食」だけでなく「住」の分野にも及び、軍に入隊して最初に生活する訓練所の環境にも批判が高まっている。
特にコロナ防疫の一環として進められた「予防的防疫措置」は、人権蹂躙のレベルを越えた暴虐ぶりだ。招集された訓練兵は「防疫」という名目で3日間、歯磨きや洗面を禁止され、トイレの使用まで制限された。また入所後に複数回行われるPCR検査の結果が出るまでの約10日間、シャワーの使用が禁止された例もある。これが、文在寅大統領が自賛した「K防疫」なのだろうか。
この惨状が明らかになってから、国防部は改善策を打ち出したが、全く信用できないというのが徴兵経験者の共通見解である。