かつて筆者が幼かった頃、韓国の学校教育の中心には「反共」の思想があった。朝鮮戦争から60年以上経ったいまでも、朝鮮半島は休戦状態にある。半島情勢は昔も今も大きくは変わらないが、文在寅(ムン・ジェイン)政権の発足以後、韓国は何度も北朝鮮に振り回され、中国のご機嫌をうかがっていると言えよう。
地球上で最も緊張感に満ちたDMZ(非武装地帯)を挟んで北朝鮮と向かい合っている韓国で、軍人の役割は重要だ。幼い頃は、顔も知らない軍人に慰問の手紙を送らなければならなかったし、年に1度は軍部隊の見学があった。当時、軍人の待遇は今よりも良かったが、左派の文在寅政権は、「軍人は殺人機械だ」「奴らは潜在的な犯罪者だ」といった認識を植え付けようとしている。
そのため、血気盛んな20代を国家のために捧げた軍人に対して、当然その苦労に見合った補償などない。徴兵されて兵役を務める兵士か職業軍人かを問わず、韓国の軍人の待遇や人権は、途上国のそれ以下だ。韓国がいまだ「社会的な後進国」から脱することができない事例の一つが軍隊であろう。国民から「ペット以下」だと大批判されている、韓国軍の兵士の待遇について紹介したい。
軍隊では。常に兵士の人権が蹂躙されている。緊急事態を前提とした特殊な状況下で避けられない場合もあるだろうが、韓国軍では、21世紀とは思えないほどお粗末な事例が多い。文在寅大統領も、かつて地雷の爆発により足を切断した軍人の元を訪ねて、不謹慎にも「ジャージャー麺を食べたくないか」と質問して顰蹙を買ったことがある。