Underworld Born Slippy Live in Berlin 2016
今日最初の動画は、イギリスのテクノユニット アンダーワールドのヒット曲『ボーン・スリッピー』(原曲は1995年リリース) のライヴ演奏でした。
太鼓連打のようなビートが続き、そこに浮遊感あふれるシンセサイザーのハーモニーが響き、ラップのような声が乗っていく、そんな展開です。このハーモニーがなんとも気持ち良いのですが、じつはここで使われているのは予想外に古典的な手法なんですよ! そのカラクリは、また後ほど紹介するとしましょう。
目次
1. 調性
「調性」とは何でしょう。
大辞林には、こんな記述があります。
広義には、音楽において、あるひとつの音(主音)を中心に他の音が秩序づけられ従属的な関係をもつこと。狭義には、西洋近代音楽の長・短二種の調からなる和声的な調体系をいう。
前回は「音階」の仕組みについて解説しました。1オクターブを分割する、ピッチ(音の高さ)のレイアウトが「音階」である、と。
しかし、この定義によれば、音階の中の音は必ずしも平等ではないようです。「あるひとつの音」と「従属的な音」が存在するとは、どういうことでしょうか。
まずは「周波数」という物理現象について、ふりかえってみましょう。
前回、音は空気の振動という物理現象であり、周波数(1分間に何回振動するか)によってピッチが決まる、と解説しました。
ある周波数の2倍の周波数は、1オクターブ上の音になる、という話でした。
たとえば440Hzの音。オーケストラでチューニングの時に使う「ラ」の音です。(余談ですが、時刻案内の117番に電話すれば聞ける「時報音」も、この音です)
1オクターブ上の「ラ」の周波数は、880Hz。
その、さらにもう1オクターブ上は、1760Hz。
さて、この「オクターブ」の間を12等分したのが「半音階」で、そのうち7音を選んだのが「全音階」という話をしました。ある1オクターブの上下の周波数が決まれば、その間に位置するこれらの音階音についても、周波数を割り出すことができます。
西洋音楽では、この絶対値として定められたピッチを「音名」と呼びます。440Hzが「A」で、そこから全音階にBCDEFG……とアルファベットが割り当てられています。
実際には、この「A音」が440Hzに決まったのは、それほど古い話ではありません。現在も少し高く設定したり低く設定したりする場合がありますが、その場合はそれに合わせて他の音もピッチを変更することになります。
ちなみに日本語ではこの音名、 A音が「イ」で、そこから上に向かって「ロハニホヘト」と割り当てられています。クラシック音楽でよく聞く「ハ長調」だの「ト短調」だのといった言葉は、この日本独自の音名にまつわるのですが、話がややこしくなるので、ここでは忘れてください。
この講義では、ピッチの絶対値である「音名」は、英語表記に統一しておきます。(理由は、後半に説明する『コード・シンボル』も英語だからです)
前回出てきたドレミファソラシド=「階名」と、このABCDEFG という「音名」はどうちがうの? とちょっと混乱するかもしれませんね。
くどいようですが「音名」は絶対値です。これに対して「階名」は、図で示すような「音のレイアウト」のことを言っています。
たとえば「ド」を「C」音という絶対値に割り当てた場合、ドレミファソラシド=C D E F G A B Cとなります。
この音階を「C メジャー スケール」と呼びます。「Cから始まる長音階」という意味です。
この「ド」をもしも「D」音に割り当てたなら、レイアウトを変えないまま、この音階を全音(半音2つ分)高い方に平行移動するので、ドレミファソラシド=D E F# G A B C# Dとなります。
階名ドが音名Dにあたる長音階 (major scale) 。これを「D メジャー スケール」と呼びます。
同じように、短音階 (minor scale) の場合は「ラシドレミファソラ」という音のレイアウトで「ラ」がどの音名に位置するかによって、その音階の「調」が決まります。
短音階も同じです。階名ラ=音名Aの全音階は「A マイナー スケール」です。
階名ラ=音名Cの短音階は「C マイナー スケール」です。
このように、階名のレイアウトは変えないまま、音名だけ別の高さに割り当てることを「移調」と呼びます。
音の高さは変わっても音階のレイアウトは変わらない。メロディの形は変えずに、ピッチだけ上下に変更する。これが「移調」です。
そしてこのように、長音階なら「ド」、短音階なら「ラ」という階名が割り当られた音名を「主音」と呼び、これを、その音階が属する調(key)とします。
半音階には12の音名が存在するので、その中のどの音に選ぶかで12種類の「調」が存在します。さらに「長音階(長調)」と「短音階(短調)」があるので実質、24の「調」が存在することになります。
長音階 (メジャー・スケール)
短音階 (マイナー・スケール)
2. 三和音
さて、ここまでは音階の話でしたが、今度は和音 (chord) の話です。
西洋音楽の歴史をひもとけば、中世までの音楽は「単旋律」がメインでした。歌声でいえば「独唱」や「斉唱」です。
それがやがて、今で言う「ハモリ」、つまりちがったメロディを重ねて楽しむ文化が育ってきます。「重唱」や「合唱」ですね。そして、このようにメロディとメロディが重なると、そこに「和音」が発生します。
前回の、音階における「度数」を思い出してください。
5度(ド-ソ)の音程は耳に気持ちよく響く。なぜなら周波数比が2:3という単純な整数比だから、と説明しました。
この5度の間に、3度(ド-ミ)の音を入れて、3個の音が同時に鳴る「和音」を構成するのが、「三和音」です。
たとえば、基準になる音が「C」の場合、三和音を構成する音はC、E、Gの3つとなります。
この基準となる音を、楽理では「根音」(Root) と呼びます。
ある調の全音階(7音)を根音にすることで、7つの三和音が作られます。たとえばCメジャーの全音階なら、それぞれの音名を根音にして、このような7種類の三和音。
これらの和音には、根音から3度音までの半音の数が4のものと、3のものがあります。3度音が、高いか低いか。高いものを長三和音(メジャー・コード)と呼びます。
音名 C + e + g
階名 ド+ミ+ソ
音名 F + a + c
階名 ファ+ラ+ド
音名 G + b + d
階名 ソ+シ+レ
低いものを短三和音(マイナー・コード)と呼びます。
音名 D + f + a
階名 レ+ファ+ラ
音名 E + g + b
階名 ミ+ソ+シ
音名 A + c + e
階名 ラ+ド+ミ
残る1つの和音は、これらの和音よりも5度音が半音低くなっています。これを減和音(ディミニッシュ・コード)と呼びます。
音名 B + d + f
階名 シ+レ+ファ
これらの和音はコード・シンボル(コード・ネーム)で表すことができます。この記号には、和音は種類ごとに次のように表すという「お約束」があります。
● 長三和音 根音(大文字)
● 短三和音 根音(大文字)その横に m
● 減三和音 根音(大文字)その横に dim
一覧にしてみると、こうなります。
これが、Cメジャーという調性の基本的な構成になります。
この場合であれば、C音を基準にして「CDEFGAB」という音階が成立し、それに基づいて各種の和音が成立している。このように組織的な音の構成を、調性 (tonality) と呼ぶわけです。
最初に挙げた辞書的な定義に戻れば、「C」がこの調(Cメジャー)の主音であり、他の音や和音は、このC音およびC和音に従属する存在ということになります。
● コード・シンボル
ところで、この「コード・シンボル」の便利なところは、いちいち和音を構成する音を全部書き出さなくても、一目でどういう和音か判断できるところです。
たとえばクラシック音楽の譜面って、ふつうは演奏すべき音が、こんな風に全て書き込まれています。
一見、ゴチャゴチャと複雑な譜面ですよね。でもよく見ると、使われている和音は単純な三和音ばかりです。コード・シンボルに書き出してみると、こんな感じ。
さらに、このピアノで右手が弾いている主旋律(メインのメロディ)だけ書き出して、あとはコード・シンボルだけ書けば、譜面はグッとシンプルになります。
この譜面を見た演奏者は、右手のメロディは譜面通りに弾くとして、左手の伴奏は指定されている和音と同じでさえあれば、どう弾こうと自由です。たとえば、こんなふうに。
全ての音を作曲者が決めた通りに演奏しなければならないクラシック音楽とちがって、大事な部分だけ決めて他は演奏者の即興にまかされるジャズやロックのような音楽では、これぐらいシンプルな譜面の方が、演奏しやすかったりします。
そんなわけでコード・シンボルは、主にポピュラー音楽の世界で一般的に使われています。
3. 和音と和声
ここで、とりあえず音階の中の音や和音を、ランダムに並べてみましょう。どんな印象を受けますか?
うーん……。「この音楽は一体どこに向かっているの?」って気持ちになりません? 方向性というか方針というか、何がしたいのか、わからない。
では、次のような和音の連続ならどうでしょう?
「音が始まって、いろいろあったものの、また最初の音に戻って終わった」…… そんなストーリーのような「流れ」が感じられませんか。
和音 (chord) は、重なりあった音たちが同時に鳴る現象そのものです。いわば「縦」に積み重なった響き。
そんな和音を次々に鳴らしていき、時間の流れを生み出す。これが「和声」(harmony) です。いわば「横」に流れていく響き。ポップスでは「コード進行」とも言われます。
西洋音楽の世界では数百年にわたってこの「和声」が研究され、耳に心地よく感じる和声、あるいは巧みに「調性」を感じさせる和声が、学問として体系化されてきました。
和声学では、音階を階名や音名だけではなく「度数」で表現します。その「調」の音階における音程差のことです。これを使えば、ちがった調でも移調せずに和声を比較することができるからです。
この「度数」で、簡単な和声の法則を学んでみましょう。
4. 終止形
先ほど実験してみたように、ランダムに和音を並べたところで調性感(特定の調の雰囲気)を出すことはできません。
そこで開発されたのが「終止形」 (cadence) と呼ばれるコード進行パターン。この日本語が誤解を招きがちですが、べつに「曲を終わらせるための形」とは限りません。ある和音から別の和音に移る時の組み合わせパターンと考えてください。典型的な例を、Cメジャーの調性で譜面と音にしてみました。
終止形 ① 1 - 5 - 1
学校の朝礼なんかで、おじぎする時に先生がピアノで弾く、あのコード進行ですね。
Cメジャーという調性組織の中で見れば、こんな動きになります。基本の主和音から5度上の和音に動いて、また主和音に戻るだけ。
最初に挙げたアンダーワールド『ボーン・スリッピー』も、じつはこの終止形 ① のバリエーションだと言ったら驚きますか?
原曲の調性は「Ebメジャー」です。
わかりやすいよう「Cメジャー」に移調してみます。
でも、2つ目の和音が、ここまで説明してきた三和音とはちがった不思議な響きですよね。
じつはこれ、三和音のうち1つの音をわざと上げてハズしておき、それから全音下げて三和音に落ち着かせるヒネリ技。
(B-D-G という音の組み合わせになってますが、これは G-B-D すなわり”G”のという和音の、重ね方を変えただけ)
和声の意味合いとしては、こんなイメージです。
何のことはない、1→ 5 → 1 → 5 …… という 終止形① のパターンを反復しているだけだったんですね!
このように、移調というテクニックや、度数という基準を用いれば、和声=音楽の骨組みを分析することができます。
終止形 ② 1 - 4 - 1
これも、よく使われる基本的なコード進行です。主和音から5度上の和音に動いて、また主和音に戻るだけ。
俗に「アーメン終止」とも呼ばれます。(教会の賛美歌などで、最後に『♪ア〜〜〜メ〜ン』と歌ってシメるイメージ)
終止形 ③ 1 - 4 - 5 - 1
終止形①や②は、主和音から別の和音に進んで、また主和音に戻るだけでした。さすがに単純すぎる。ひとヒネリして、ちょっと時間を引き伸ばしたい……というわけで、①と②を合わせたワザが、この終止形になります。
さて、基本中の基本を理解したところで、ここからは様々な楽曲の実例を挙げて、「定番」のコード進行を紹介します。楽器演奏やバンドや作曲をやっている人なら、すぐにでも応用できる便利なパターンです。
5. 循環コード
俗に「循環コード」と呼ばれる和声があります。あるコード進行の最後の和音が、また最初の和音につながり、ループ状に延々とくりかえせるパターンです。
ここでは、J-POPにひんぱんに出現する定番の循環コードを、いくつか取り上げてみましょう。
循環コード ① 4 - 5 - 3 - 6
調性「Aマイナー」で譜面とコードシンボルを書けば、
上のようになります。実際には様々な調で使われます。
ドリームズ・カム・トゥルー 『MIDDLE OF NOWHERE』
0:28 からの、この部分です。
あるいは、この曲。
福山雅治 『はつ恋』
1:18 からの、この部分です。
雰囲気は全然ちがってますが、本当に同じコード進行でしょうか? 試しにコンピューターで移調して調性を合わせ、
テンポもシンクロさせて、同時演奏してみましょう。
同時演奏できる……!
確かに同じコード進行ですね!
循環コード ② 6 - 4 - 5 - 1
これも、J-POPではよく聴くコード進行です。たとえば……
ゆず 『遭いたい』
曲の開始部分に、このコード進行が使われています。
あるいは「声」の講義でも紹介した、こちらの曲。
cosMo@暴走P 『初音ミクの消失』
0:30 からの、この部分です。
試しに、この2曲も同時演奏してみましょう。
合う……!
確かに同じコード進行ですね!
循環コード ③ 6 - 5 - 1
R&B系の、ちょっとメロウな曲でよく使われる和声です。
Cheryl Lynn “GOT TO BE REAL”
曲の大半の部分、このコード進行を延々とくりかえします。
ここで、再びドリカム。
ドリームズ・カム・トゥルー 『決戦は金曜日』
0:26 からの、この部分です。(アルバムバージョン)
例によって調とテンポを合わせて同時演奏してみると……
完全に一致……!
循環コード ④ 1 - 5 - 6 - 3 - 4 - 1 - 2 - 5
動画でわかる通り、この曲は低音が下がっていく進行ではないのですが、ポップスの場合は同じコード進行で、なおかつ低音は下がっていくパターンが多いのです。
こんなふうに……
山下達郎『クリスマス・イヴ』
季節外れすぎて申し訳ありません。
AKB48『ギンガムチェック』
1:04 からの、この部分です。
これまた同時演奏を……
いや、もうイイっしょ!
6. 定番コードで作曲
とにかく、こんなふうに「同じコード進行の曲」っていうのは世の中、無数にあるんですよね。
メロディには著作権がありますが、コード進行には著作権がありません。作曲してみたいけど何から手をつけていいかわからない人は、こういった「定番のコード進行」を真似して、それを聴きながらオリジナルのメロディを考えてみるのも一つの方法。
ためしにやってみましょう。先ほどの定番コード進行で。
循環コード ② 6 - 4 - 5 - 1
音色をシンセサイザーに変え、リズミカルなフレーズにしてみます。
ビートも加えて、ダンサブルなサウンドにしてしまいます。
メロディが思いつかなければ、前回の「5音音階」を使ってみるのもいいでしょう。
5音音階から適当に音をみつくろって並べてみます。
先ほど作った伴奏に乗せて、適当にリズムも揺らしてみます。それっぽい曲ができてしまいました!
7. 無調
ここまで調性や和声について語ってきて、最後にひっくり返すようで申し訳ありませんが……
こうした和音や和声を使う限り、結局は似かよった古くさい音楽しか作れないではないか! と考える音楽家も、少なくありません。
とりわけ20世紀以降は、それまでの数百年で西洋音楽が構築してきた「和声」という理論体系に飽き足らず、和声や旋律を用いない前衛的な音楽をつくる作曲家が激増しました。
それはちょうど西洋美術でも19世紀末ぐらいから、長年の写実的な絵画技法に反発したアーティストが、全く新しい前衛的な芸術を生み出していったのと、よく似た現象です。
たとえば西洋の和声理論を学び尽くした作曲家、アルノルト・シェーンベルク は、調性や主音が感じられない音楽を作ろうとして「12音技法」という独自の理論を構築しました。
彼は、全ての音の出現回数が等しければ、どこにも「中心」は感じられなくなるだろうと考えたのです。
そこで、オクターブ内の半音階 12個の音をそれぞれ1回ずつ使い、全部の音が出そろうまでは同じ音を使わない、というルールでメロディを作ります。
このメロディを彼は「音列(セリー)」と呼びました。あとは、この音列を組み合わせて楽曲を作っていきます。その一つ、『ピアノ組曲』(1921-23) をお聴きください。
確かに、調性や主音のようなものは一切、感じられません。人によっては不気味な印象を受けるかもしれませんね……。こうした音楽は「無調音楽」と呼ばれます。
無調音楽には様々な手法があります。たとえば「三和音」や「メロディ」といった固定観念を捨て去り、「音程感」そのものをなくすために、こんな事を考えた作曲家もいます。
隣り合った音を全部鳴らして、グシャっとした音の塊を作る「トーン・クラスター(音塊)」という技法です。
楽譜には、こんなふうに記します。
この曲の楽譜は、こんなふうに書かれています。
こうした「作曲作品」以外にも、調性という「型」を破ろうとする企ては多種多様です。
たとえば1950年代後半から発生してきた「フリージャズ」と呼ばれるジャンルでは、それまでのジャズのように、あらかじめ決めたコード進行や定形的なスウィング・ビートに合わせて演奏することを止め、完全に自由な即興演奏をめざすプレイヤーたちが出現しました。
理屈ではなく身体のパワーによって、調性だろうと何だろうと打ち破ってしまう、こうした「演奏」のオーラについては、次回さらに考察を深めていきたいと思います。
調性も……、無調も……、例によって
奥が深い!
と言わざるをえません。
8. おわりに
Google Classroomに小テストを置くので、期限までに回答してください。このオンライン講義では出席をとりません。小テストの点数が平常点(対面授業における出席+小テストの合計)となるので、注意してください。
またコメントもClassroomで受け付けます。ご意見ご感想ご質問、提案、雑談その他なんでもかまいません。こちらは成績評価に関係ありませんので、お気軽にどうぞ。
個別の返信はしませんが、限定公開も含めて「サトルの部屋」で紹介します。変名(ここではレクチャーネームと呼んでいます)希望や、公開拒否したい場合などは、明記してください。
なお前回の小テストの正解は、以下に掲載しています。答え合わせにご活用ください。
次回配信は6月2日です。
それでは、またWEBでお会いしましょう!
参考文献
もっと知りたい人に
今回も、前回ご紹介した「楽典」の入門書が、理解を深めるのに役立つと思いますので、興味のある方はあらためて見返してください。さらに2冊ほど推薦しておきます。
1. 憂鬱と官能を教えた学校 (菊地成孔) 河出書房新社, 2004
ポピュラー音楽の理論化で有名なアメリカのバークリー音楽大学のいわゆる「バークリー・メソッド」を基に、ジャズミュージシャンの著者が様々なトピックを語った講義録。饒舌な語り口で、調性や和声についてもジャズ理論を中心に深く掘り下げられています。
2. すべてのJ-POPはパクリである (マキタスポーツ) 扶桑社文庫, 2018
ヒット曲にはどんな秘密があるのか?という視点で、Jポップからジャニーズ、V系、アイドル、アニソンまで様々な楽曲を分析。ヒット曲に含まれる歌詞のキーワードを大量に収集したり、AメロBメロサビといった構成を考察したり、内容がきわめて具体的。最終的には、ノベルティソングばかりがあふれる日本の音楽業界の「批評」としても読める一冊。
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