スイス・ジュネーブの国連事務所近くに設置された「台湾は力になれる」と書かれたオブジェ(2021年5月24日撮影)。(c)Fabrice COFFRINI / AFP

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【AFP=時事】台湾は24日、同日始まる世界保健機関(WHO)年次総会への参加がまたも認められなかったことをめぐり、中国を激しく非難した。

 第74回総会は、将来起こりうる感染症のパンデミック(世界的な大流行)の発生防止に焦点が置かれる。新型コロナウイルスの流行を受けて、WHO改革と世界全体での保健問題への取り組みの見直しを求める声が上がっており、今回の総会はWHO史上特に重要な会合になることは確実だ。

 台湾はコロナ対策で世界的に高い評価を受けており、総会参加への国際的な支持が高まっているにもかかわらず、5年連続で参加が認められなかった。

 背景には、台湾を領土の一部とみなし、将来的に統一を目指す中国が、台湾を国際社会で孤立させようと働き掛けを強めていることがある。

 台湾の呉釗燮(Joseph Wu)外交部長(外相)は24日、WHOに対し「専門機関として中立的な立場を維持し、中国の政治的干渉を退ける」よう訴え、WHOの会合や活動への台湾の参加を認めるよう強く求めた。

【翻訳編集】AFPBB News

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