去る2月19日(土)に旭川市民文化会館小ホールを会場にして、今回で第9回となる高齢者障害者の権利擁護セミナーを、昨年同様、旭川弁護士会、旭川司法書士会((社)成年後見センター・リーガルサポート旭川支部)、日本司法支援センター旭川地方事務所(法テラス旭川)との計4団体による共催で開催いたしました。今回は、「地域で支える成年後見制度―いきいきと自分らしく生きるために―」をテーマとして開催し、約230名の方の参加があり大変盛況のうちにセミナーを終えることができました。
セミナーは、最初に旭川家庭裁判所訟廷管理官である須摩敬一氏から「成年後見事件申立の概況と制度の課題」と題して成年後見の制度説明を主体としたお話しをいただきました。続いて、昨年4月から開設された、北海道では初の地域の成年後見センターとなる「小樽・北しりべし成年後見センター」について、小樽市医療保険部介護保険課地域支援事業係長の菊地英人氏(北海道社会福祉士会会員)からその設立に至るまでの経過と運営のポイントや課題について、小樽市高齢者懇談会「杜のつどい」副会長・事業部長の若西カナ子氏からは「杜のつどい」の幅広い活動の中に位置づけられた市民後見人養成の取り組みについて、それぞれお話しをいただきました。
若干の休憩を挟み、きたあかり法律事務所の国分妙子弁護士からは「統合失調症の人の財産管理を中心とする保佐のケース」と題して、続いて木村司法書士事務所の木村幸一司法書士から「高齢者虐待に対する実務対応~経済的虐待事例を基にして」と題してそれぞれ講演していただきました。最後に、「地域で支える成年後見制度―いきいきと自分らしく生きる―」と題し、社団法人旭川手をつなぐ育成会会長の峰木光春氏、旭川市主任児童委員の佐藤洋美氏、そして杜のつどいの若西カナ子氏の3名による、鼎談を行いました。鼎談においては、身近な生活の中で成年後見制度について考えるとき、地域の方々と専門職がいかに連携して制度の普及を図っていくのか、それに市民後見の取り組みの必要性などについて意見が交わされました。
成年後見制度が施行されて10年を経て、制度の利用者は年々増えており、第三者後見の件数もそれに伴い増加しています。道内各地に受任者を増やして行くことも急がれますが、今後専門職だけでその需要をまかなっていくことは困難と思われます。身近な所で本人を支えていく市民後見人の意義と、そのサポートも私達の重要な支援の一つになっていくことに気づかされました。
セミナー終了後は、関係者を中心とした懇親会が開催され、約40名の参加者がありより交流が深められました。
司会進行は旭川弁護士会の山本直久弁護士に務めていただきました
(写真はその2に続きます。)