淡路島の「世界平和大観音像」、6月から解体工事へ

徳永猛城
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 財務省近畿財務局は21日、兵庫県淡路島にある「世界平和大観音像」(高さ約100メートル)の解体工事を今年6月に始めると発表した。観音像は所有者が死去して国の所有に変わり、老朽化で像の一部が落下するなど危険なため、解体が検討されていた。

 同局によると、解体業者を決める入札には4社が参加し、大阪市の建設会社が落札した。契約金額は8億8千万円。6月中旬から工事を始め、9月ごろから観音像本体を切り分けて撤去する。観音像の台座にあたるビルを撤去して工事が完了するのは、2023年2月ごろになるという。

 観音像は1982年、淡路市釜口の海に臨む高台に建てられた。観光スポットとして人気があったが、所有者が06年に死去して管理が行き届かなくなった。「建築物」である観音像を相続する人もいないため、11年に大阪家裁が相続財産管理人を選任。昨年3月に国の所有となっていた。解体後の約1万9千平方メートルの土地は、地元自治体などが公的に利用する意向がなければ、一般競争入札で売却する予定だ。(徳永猛城)