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百音が生まれたのは海沿いの町 気仙沼です。
(サヤカ)モネ!けれど今は 登米の大山主新田サヤカさんの家に下宿し…。
(百音)おはようございます。おはようございます。
森林組合の見習いとして 働いています。
とにかく 私は… この島を離れたい…。
あの日… 何もできなかった。
<「わたしは、 ここにいます」>
(翔洋)はい! 樹高15メートルの…。
(川久保)植林どいえばスギですがスギが多いわげは?
木目がまっすぐ通直で丸太の中心部分である赤太は耐久性もあるからです。
木の名前を 言っでください。
アカマツ ヒノキ コナラ ヤマザクラ…。
(里乃)おはようございます。昨日 頼んだお盆って…。
どしたんですか?(山崎)最終試験。本採用になっかどうがの。
最後 林道北とざわ線は どごですか?
え~っと… こごですね。
林道に接している こちらの山はどういう山ですか?
再造林のために植樹をさせてもらってます。
山岡共有山です。
どうですか?全問正解です。
全問!? えっ 本当ですか?
いやいや 大したもんだ。よぐ勉強したね。
これだけ答えられれば基礎知識は問題ないでしょう。
あどは実地で 仕事を覚えでいげば。 ね?んですね。
な~んだが つまんないね。えっ?
教えられたごど丸暗記してるだげではこれがらの時代生ぎ残っていけないでしょ。
ああ。 あれ使って 何がグッズ作って。グッズ?
要するに 商品開発。
最初の担当だね。
えっ つまり… 正式採用?
しっかり働がないど 島に帰すよ!
頑張ります!困ります!
えっ!
(耕治)父です。
♪~
♪「闇雲にでも信じたよ」
♪「きちんと前に進んでいるって」
♪「よく晴れた朝には時々」
♪「一人ぼっちにされちゃうから」
♪「ヤジロベエみたいな正しさだ」
♪「今この景色の全てが」
♪「笑ってくれるわけじゃないけど」
♪「それでもいい これは僕の旅」
♪「昨夜の雨の事なんか覚えていないようなお日様を」
♪「昨夜出来た水たまりが映して キラキラ キラキラ」
♪「息をしている」
♪「高く遠く広すぎる空の下」
♪「おはよう 僕は昨日からやってきたよ」
♪「失くせない記憶は傘のように」
♪「鞄の中で出番を待つ」
♪「手探りで今日を歩く今日の僕が」
♪「あの日見た虹を探すこの道を」
♪「疑ってしまう時は 教えるよ」
♪「あの時の心の色」
♪「いつか また会うよ」
♪「戻れないあの日の 七色」
何度伺っても驚ぐなあ。
立派なお宅ですねえ!
あれ今日 泊まる気満々だね。すいません…。
すみません 突然。
行ぐって言ったら 絶対 来るなって言われると思ったものですから…。
まあ いいですよ。
で どうしたんですか?
やはり 娘は うぢに戻したいと思っております。え?
こちらにお願いするごどになってしまいましたが実は ちゃんと話し合いをしてないままで…。
話はしたよ。お父さんだって いいって言ったよ。
あん時は。でも 少し落ち着いて考えまして…。
やっぱし こういう中途半端はよぐねえと。
中途半端に雇ってるつもりはないですよ。
百音 悪がった!
島にいろって 俺が あん時止めでやりゃあ よがったんだよな…。
何でがなあ…。
モネのごどは お父さんが一番よく分がってだはずなのに。 なあ。
ん?(サヤカ)娘の気持ぢを自分が一番分がってるって言う父親ほど愚がなものはないよ。ですよね…。
え…。(サヤカ)とりあえず お昼にしましょ。おながすいだ。
あっ 一緒に作ります。(サヤカ)うんうん。
いいところだなあ 静がで。
海の静がなのとは ちょっと違うな。
波の音じゃなくて 木の音だがらね。
俺 こっちの方が好きかもなぁ。
お父さんは 大学から ずっと仙台だったんだよね?
ああ。 向こうで そのまま就職しちゃったしな。
どうして 漁師継がながったの?
うん…。飲まい。
ああ どうも。 頂きます。
お父さんが モネぐらいの年の頃ってバブルの最後の方でね世の中は こう 全体が 右肩上がりで。
何やっても 昨日より明日の方がよぐなるって時代でね。いいね。
でも そういう時代の流れとは逆行して水産業は 目に見えて 衰退してで。
そもそも 漁師なんてダサいって空気だったし。
でも 島じゃ 遠洋の漁師は憧れの的でしょ。
ダンデーでモテまくりだったっておばあちゃん言ってだよ?
アハハハハ。
大昔の話だよ。
今どうよ漁師なんて 全然モテねえだろ?
(亮)あれ? みーちゃん?
(未知)りょーちん… さん。
りょーちんさんって…りょーちんでいいよ。
この青年は モネの島の幼なじみです。
この春 水産高校を卒業しました。
みーちゃん 土曜も学校?
あっ せ… 生産実習のホ… ホ… ホヤに餌やんなぎゃいけなくて…。
ああ ホヤね。
あの りょ… りょーちんさんは何で こごに?
ああ 俺 4月から漁師やってんだよね。
一進丸って船で。 明日 まだ海出っから。ああ。
すごぐ大変な仕事で今 なる人 少ないし…。
なのに… すごいです。
そうかなぁ。
本当はね 今 行ぎだぐねえやっぱ 漁師きっついわ~って思ってだんだよね。え…。
でも みーちゃんのおかげでちょっと元気出だ。
ありがと。えっ…。
どうした?あっ いや…。
あっ そうだ お姉ちゃん全然 連絡よこさないんですよ。
ああ モネな。そういうどごあるよな。
(アナウンス)「亀島行き 出航します」。
ほら 出るよ。
じゃあ…。 あの 気を付けで。
やっぱり 船危ないし…。
うん。 みーちゃんも気を付けで帰れよ。
じゃあ。
ああいい感じだな。
死ぬがらね 漁師は。
何の仕事してだってそりゃ 明日のごどなんか分がんないよ。
でも 少なくとも 普通に仕事してで命落とすような そんなの…納得いがないじゃない。
便利で都会的な生活だって浮かれてんの横目に見ながら自然相手にきつい仕事して下手したら あっという間に死ぬ。
友達のおやじさんが 海で死んだりすんの普通にあったしね。
それより 科学とか 経済とかさそういうもんで世の中よぐしていぐっていいなって。
そっちの方が 俺は 合ってるなって。
海が嫌いとか 漁師が嫌とかじゃなくて?
嫌いなわげねえだろ。
俺は こっちだって思うもんがほかにあった。
それだげだよ。
モネさ 一度 聞きたがったんだげど…。何?
音楽のごどは 今どう思ってる?
♪~
(耕治)この3年一度もケース開げでねえだろ。
高校の音楽コース落ちて 目が覚めた。
ほかのごども やってみたかったし。
ほかか…。
高校で何が やってみたいごどってあったが?
あっ… いや… 責めてるわけじゃねえよ。
ただ急に…。
分がんなぐなってさ。
モネの好きなもんとか 喜ぶもんとか…。
音楽は 今でも好きだよ。
お父さんと同じぐらいにね。
お父さんだって 音楽は好きだけど趣味でしょ?
仕事は 銀行員でしょ?
ああ… 分がってんだげどな。
あっ そうだ。 お米とがなぎゃ。え? ちょ… モネ。
えっ。
ん。
ああ… ああ これはどうも。
おっ うま!
あんまり突ぎ詰めなさんな。
肝心なことを娘に何一つ聞けない 父親なのでした。