消費税8%に 17年ぶり税率上げ、国民負担年間8兆円増
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消費税率が4月1日、5%から8%に上がった。税率の引き上げは17年ぶり。高齢化で増え続ける年金や医療などの社会保障費を賄う狙いがある。国民負担は年間で約8兆円重くなる見通し。第一生命経済研究所によると、年収500万~550万円の4人世帯の場合、年間の負担額が7万1千円増える。
消費税率の上げを受け、モノやサービスの価格が1日からほぼ一斉に上がる。コンビニエンスストアは原則、午前0時から新税率を適用。主な鉄道は始発から、タクシーは1日に営業所を出た車から新料金に替える。
2014年度の税収増は約5兆円の見込み。うち2.9兆円を基礎年金の国庫負担に、1.3兆円を赤字国債で賄っていた社会保障費の補填にあてる。0.5兆円は子育て支援充実などに使う。
一方で家計への影響が懸念される。日本経済研究センターによる民間エコノミストの予測集計では、4~6月の実質成長率(前期比年率)はマイナス4.1%に落ち込む。7~9月にはプラス2.2%に戻る見通しだが、政府は回復を確かにするため補正予算を組んで5.5兆円の経済対策を実施。14年度予算でも公共事業の執行を早める。
消費税率は来年10月に10%に引き上げると法律で決まっている。安倍晋三首相は年末までに経済状況を見極めた上で最終決断する。ただ税率10%でも社会保障費をすべて賄えるわけではなく、多額の財政赤字が残る。
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