企画の進行について

2021年 05月20日 (木) 07:04

読者さま、および作家のみなさま、いつも当方と楽しい交流をしていただきありがとうございます。

以前より告知をし、先日に開催を始動いたしました『超美少年企画』について、お知らせを致します。

まず結論から申し上げます。
企画発案者である当方は遡って先日より、そして以後イベント終了の五月末日に至るまで、当企画についての関与を一切致しません。
『私が関与をしない』というだけで、企画の中止ではありません。すでに投稿された作品への取り下げや企画タグの使用を禁止することはありませんので、参加者様はそのままイベントをお楽しみください。


これで終わり、とするのも不誠実だと思いますので、理由と経緯をお話いたします。
企画参加者様以外には何のことやらだし、長く鬱々としているだけなので、読み飛ばして頂ければ幸いです。


もともとこの企画は、「今回わたしは企画の発案だけ。これまでの企画のように、『全作品をしっかり読み込み批評をし、全力で宣伝をお手伝いする』、ということはしない。いち読者としてユルく参加する」と再三にわたり公言してから始めました。
なぜわざわざそんな突き放すようなことを言ったかというと、以前までやってきた『』の部分が、今のわたしに大きな負担があるためです。

負担とは、単純に時間です。ただ面白そーなものを読み、好きなように感想をつけるならさほどの時間はかかりません。しかし「ちゃんとした批評」をするには一作ごと何度も読み返し、印刷をして赤を入れながら読み込む必要がありました。感想欄には必ず良い点・気になる点を書き込み、本来はマナー違反であろう「こうするとより良くなるかも」の提案も添えています。そうすると、一作当たり最低でも数時間はかかります。

それと同時に、Twitterでは「初見の感想」を呟いてきました。これはあえて深読みなどはせず、1話ごとに初見の印象として、通りすがりのイチ読者に近い目線でやっています。むしろこちらのほうが「本気の批評」より参考になると考えていました。ほとんどの読者はそういった通行人であり、深読みなどせず勝手に誤読をしては容赦なくブラバしていくのですから。

また企画主はそれらをブクマリスト、Twitterスレッドにまとめて管理をし、頻繁にサーチして方々の読了ツイートをRTでアゲて、宣伝拡散に努めました。
イベント終了後には「授賞式」と称し、各タイトルに栄誉をつけて、ツイキャスラジオなどでまた広く宣伝しました。
それらが確実に参加作品のPVを伸ばしていることをこの目で確認しています。

なんだか恩着せがましいようにつらつら書いてますが、もちろん私自身が望んでやっていたことです。

いまでこそ書籍化もし多くの感想をいただけている私ですが、旧知のかたはご存じの通りマイナージャンルの出身で、いわゆる『底辺』歴も長いです。
ゆえに『批判すらされない、感想が一件もこない、そもそもワンクリックすらされない』作品が、この世に山ほどあること。それにより何が悪いのか自覚ができないこと。これから前に進むにも、当座の道しるべすらない苦しさをよくよく知っています。
もともとはそうしたひとたち(わたし自身含む)で集まっての切磋琢磨、どこが読みにくかったのかなぜブラバしたのか忌憚なく言い合おう、そしてどうにか読まれる機会を作ろう、から始めた企画でした。

読了をTwitterに流そう。無名作家の自主宣伝RTでは人は呼べない、だけど口コミなら目に留まる。たとえクソミソボロカスな感想でも、ならばこそ「どんだけひどいんだ?」とクリックしにくるひとが絶対にいる。そしてその批評が見当違いなら、「私は好きですよ!こういうのも良いと思います」という人も来る。そうしてたくさんの意見をもらおうと。

こうした企画はやはり多くの作家に需要があり、今まで見たことないPVがついたというひとも多くいて、リピーターで企画は賑わっていきました。

同時にわたし自身がポイントを取れるようになってきたのも相まって、創作相談のDMが毎日のようにくるようになりました。
そのほとんどの作家さんは、ごくごく基本的なところで躓いていました。それでいて誰からも指摘を受けたことがなく、本当に何が悪いのかわかっていない状態。少しでも人目につけばすぐにでも指摘がもらえただろうと考えると、批評企画を続けたいと思っていました。

ですがこの数回は、企画参加作・相談ともに数が増えすぎ、物理的に捌ききれなくなってきました。
私生活や商業でもやらなくてはいけないことが重なり、心身ともに無理。Twitterや活動報告も商業の告知に使わなくてはいけない。
しばらくは『企画主=批評家』は降りる、それでも場所だけは提供し、自分は『イチ読者』として参加するだけにしよう――と始めたのが今回の企画でした。


ところが企画開始そうそう、その感想呟きが『侮辱的』として、参加者さんを傷つけてしまう事態になりました。
内容に関しては、退きません。間違った指摘では無いと思っているし、そもそも『イチ読者の初見の感想』であれば、それがもしも見当違いであっても『間違い』ではないからです。
またそれをTwitterで呟き人目にさらすと言うことも、もとより企画主旨としてずっとやってきたこと。
丁寧に読み込んで批評したりしませんよ、と企画概要にも書いている。
軽い気持ちで誤字脱字だらけの作品を寄稿してきたならそのまま指摘されて当たり前です。事前に「メンタル弱いので指摘は無しでお願いします」と言ってくるでもなく、事後に修正もしくは「こういう意図があってあえてやった」と感想返信で弁明をするでもなく、指摘が厳しかったから、Twitterで晒されたからと作品を削除し、それを企画主(読者)のせいにされ、「晒し返し」されても困惑しかありません。

これに日和って撤回したならば、「ちゃんとした批評or忌憚の無い感想」を期待してやってきた他参加者様に対し不誠実になると考えます。なのでこれは、退きません。


ですが、前述した通りもともと厳しい批評企画だとか、Twitterで呟くとか、それがPVを増やし否定意見をもらえるからという意図は、今回の企画概要に書き込んではいませんでした。
その募集だけを見てやってきた飛び込みの参加者さんにとっては寝耳に水で当たり前ですよね。
今までずっとそうやってきて、リピーターが多いし、開催前にもあちこちで明言していたからみんな分かっているだろう……と考えていたのは、完全にわたしの落ち度です。
気を抜いて甘えてしまい、申し訳なかったと、心からお詫び申し上げます。


長くなりましたが、こういったことがあり。
それでは、この動き出してしまっている企画をさてどうするかと考えていました。その結論が、冒頭の通りです。


わたしが今までやってきた企画は、わたしひとりではなく、求める他人があってこそ賑わってきたものです。
企画の存在価値を決めるのは、わたしではなく参加者さんです。
部外者からの、エラソーにひとの作品を批評するな、企画主の資格なしといった批判は、聞きません。
そのひとたちはわたしが黙っても、その作品を読み感想や評価をいれて宣伝してはあげないのですから。

わたしは作家さん当人から求められる限り(そして時間の許す限り)、批評企画や相談会を続けていこうと思います。

ですが今回は、企画主旨の明記を怠ったのは事実。
次からは概要に注意書きの文言を追記するとして、今回はどうしようか。
すでに寄稿されている作者さんは、どこまで理解してくれていたのか確認が出来ないし、そもそも私は周知の事実と思っていたことが伝わってなかった、同意したけどいざ言われたらやっぱり嫌だったというひとが出たことが発端です。
「以前から仲が良く、確実に理解者であるひとの作品だけを読み評価する」というのも倫理上よろしくなく、やはり企画概要には書いていないので参加者の同意を得ていない。

ならば、企画概要に確実に書き込んだ言葉の通り、「気が乗らなければ読まない、感想も書かない」というスタンスを取ることにしよう。実際に、気乗りはできかねる心境と状況ですから。

こういう顛末での選択です。

本当に長くなりました……
くだんの作者さま、参加者のみなさま、および、これらやりとりを目にして不愉快になられた方、大変申し訳ありません。
以上わたしにできる範囲のことで、最良と考える手段をもって、完了とさせて頂きます。

以降しばらくは自身の創作活動に専念し、次回企画開催のさいには無為に傷つくひとが出ないよう、最大の配慮をしていこうと思います。
賛同して頂ける方であれば、ひき続きのお付き合いをよろしくお願い致します。


とびらの拝

コメント

そのようなことが起こってたんですね。
やっぱ企画を運営するって大変ですね。
お疲れ様でございます!
暮伊豆  [ 2021/05/20 10:40 ]
辛いお話ですね
最初は善意、相手の気持ちに寄り添った形の感想で、
すっごく丁寧に、かつしっかりとした形で読んで感想を伝えていらっしゃたのに、
こういう形になってしまうとは……
お気持ち、お察しいたします

以前、とびらのさんの企画に参加させていただいた身としましては、
毎回、「おぉ~こういう視点もあるんだな」という他者様の作品で見解も深めつつ、
とびらのさんの感想で「こういう感想になってしまうのか~、言われてみればそうだな~」と感じて、すごく参考になりました

感想を貰えることを真摯に、尊い行為として受け止めて、
これからも機会がありましたら、参加させていただきたく思います

どうか、お疲れに、負担になりすぎないように、ご自愛ください。
アッキ@瓶の蓋。  [ 2021/05/20 10:26 ]
企画に参加させて頂いております、衣谷強と申します。
大変な心労の中、企画を運営してくださっている事、心より感謝申し上げます。
この企画がなければ書けなかった作品でしたので。
どうぞお疲れの出ませんように、ご自愛ください。
衣谷強  [ 2021/05/20 08:11 ]
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