《北海道・防衛省技官が“抗議の自殺”》妻の不貞、親権絶望で「持たないかも」…寝取った相手は自衛隊OBの市議(72)
文春オンライン / 2021年5月22日 6時0分
千歳市議の香月正氏(香月氏のインスタグラムより)
「アンタ何したのかわかってるのか?」
「夫の遺体に謝れ!」
「議員はどこにいる!」
5月12日、北海道の空の玄関口「新千歳空港」のある千歳市内の葬儀場で行われていた男性の通夜。本来は静かで厳かな空気が流れるはずのその場所で、喪主を務めるはずだった男性の妻に対して、参列した親族が次々に詰め寄った。豹変する家族の姿に子供たちが怯え声をあげるほどの騒動となり、地元警察のパトカーも駆け付けた。“やむを得ない理由”により、喪主は故人の母が務めた。
亡くなった男性は、陸上自衛隊東千歳駐屯地に勤める防衛省職員で、技官の鈴木康平さん(仮名・享年49)。同市内の林道で1週間前の5月6日明け方、首を吊り、命を絶った。
自殺現場となった林道は、康平さんが自ら調査を重ねて、自分の妻・A子さん(44)と、自衛隊OBで千歳市議会議長の経験もある香月(かつき)正市議(72)が度々逢瀬を重ねた“不倫現場”と分かった場所だった。
3つの駐屯地・基地を抱え、人口約9万7000人のうち自衛隊関係者が3分の1以上を占めると言われるこの千歳市で、自衛隊OBのベテラン議員と、1人の技官の間でなにがあったのか。そして、なぜ悲劇の結末を迎えてしまったのか――。
「誰もが羨むとても仲のいい家族でした」
「兄の家は、もともとは誰もが羨むとても仲のいい家族でした」
そう語るのは、生前に康平さんから相談を受けていた、関東地方で暮らす康平さんの7歳下の妹だ。康平さんは幼いころから歳が離れた妹を可愛がり、妹が成人になっても頻繁に電話やLINEで連絡をとる間柄だった。妹は肩を落としながら「文春オンライン」取材班に胸の内を告白した。
「兄が、当時居酒屋に勤めていたA子さんと結婚したのは約13年前。2010年には千歳市内に2階建てのマイホームを購入し、小学生の息子と娘に囲まれて、これまで幸せな家庭を築いていました」
自宅の広いリビングからは子供たちの笑い声が響き、どの部屋も家族写真や子供たちの絵で溢れていた。寝室にはベッドを2台並べ、4人仲良く川の字で寝ていたという。
「これまでA子さんは義姉として、とても尊敬できる存在でした。それがこうなったわけですから、もちろんA子さんに対しても怒りはあります。ただ、やはり家庭を壊した(義姉の不倫相手である)香月氏が一番許せません。兄が不倫に気付いて離婚調停となり、兄はずっと子供の親権を巡りA子さんと戦ってきました。その間、理由をつけられて子供にはほとんど会えず、兄は傷つき、疲れて、命を絶ちました」(同前)
康平さんの遺体は5月6日の明け方、その林道にバードウオッチングに来ていた夫婦が発見したという。
「兄が林道まで乗っていった車や自宅には、複数の遺書が残されていたと、警察から聞きました。遺書は妻のA子さん、職場の同僚、弁護士、警察、そして母親と妹の私に向けたものがあったそうです。ところが、私たちが兄の家に着いた時にはすでに母と私宛ての遺書はなく、未だに私たちはその遺書を見ることが出来ていない状況です」(同前)
「自衛隊家族会」道央地域の会長
では、妻・A子さんの不倫相手、香月氏とはどんな人物なのか。2005年に千歳市議に初当選し、現在4期目の議長経験もある大ベテラン。妻帯者で、成人になった子供が複数いる。
陸上自衛隊時代は、第1特科群第103大隊の大隊長、第1地対艦ミサイル連隊の副連隊長を歴任。自衛官OBの地元市議として、康平さんの勤務地である陸上自衛隊東千歳駐屯地にも影響力を持ち、技官の康平さんにとっては“雲上人”とも言える存在だったという。
「香月氏は、自衛隊の家族らによって構成される『自衛隊家族会』で、道央地域の会長を長年つとめている。自衛隊票をがっちり抑えていますから、市議選では毎回、上位当選しています。72歳ですが、毎朝ジョギングやジムで身体を鍛え、『あと2期はやる』と豪語しているとも聞きました。官房長官時代の菅総理に首相官邸で会って、自衛隊の基地の現状について説明したこともあったそうです」(地元紙記者)
自身のツイッターのプロフィール画像にも、菅総理とのツーショット写真を掲げる香月氏。地元・千歳の繁華街でも名の知られた存在だった。A子さんと一緒にいる姿を目撃した地元飲食店の店員が語る。
「昔から、居酒屋、小料理屋、スナックなどで“武勇伝”をいろいろ聞きました。最近ではA子さんが居酒屋に出勤していた頃はよく現れて、ラストまで残って口説いていました。2人の関係は有名で、A子さんも『パパ』と呼んで、2人で親しげに歩いているところも見ました」
妹にLINE「俺が持たないかも」
康平さんの妹によると、康平さんは、香月氏とA子さんが不倫関係となったのは、昨年2月ごろからとみていたという。
「兄は、妻のA子さんがスマホをコソコソとみていたり、服装やメイクが普段と違うことに気付き、心配になっていた。それで、兄は自分の仕事がオフの日に、何度かA子さんの後ろを付いていったそうです。そこで分かったのが、香月氏との密会だった。それも頻繁だったことから、信じていた妻の浮気に動揺していました。震えた声で、電話で『心配するから、まだ母には言わないでくれ』とも言っていました。
兄は昔から几帳面なところがありましたし、A子さんがそれを窮屈に感じていたかもしれません。最初に兄から相談を受けたときは、同じ女として、私がA子さんを庇うこともあったんです。
それでもA子さんと香月氏の関係は度を越えていました。仕事を理由にA子さんは子供たちを兄に預け、昼夜構わず香月氏と会うようになった。週2、3日のペースで、近所の大型ショッピングモールの駐車場や公園の駐車場などで待ち合わせをして密会を繰り返していたというのです。兄自身が、何度も密会を目撃しLINEで報告を受けました」
昨年7月には、A子さんは康平さんに断りもなく、子供たちを連れてマイホームを飛び出し、新たに同市内のマンションを借りて移り住んだ。康平さんは、A子さんや子供たちの生活費の援助をしながら、広い一軒家で1人、家族の帰りを待ったという。
「A子さんの心は完全に兄から離れてしまい、突然子供たちを連れ、家を出て行ってしまった。兄は『A子は駆け落ちも考えていたようだ』とまで、こぼしていました。もう離婚するしかないところまで、追い込まれてしまったのです。
ただ、兄としては、子供たちの親権だけは譲るつもりがなかった。親権獲得のために離婚調停を想定し、より確実な不倫の証拠を集めるため調査会社(探偵業者)にもお願いしました。調査会社の報告では、兄が子供と会っている日に、A子さんは香月氏を部屋に呼び入れています。もう、不倫関係は決定的でした」
康平さんは妹に宛てて、妻と香月氏の不倫について、調査会社の報告を受けてLINEで何度もメッセージを送ってきたという。
〈6時半に子供達をウチに降ろして、その後香月の家に行って香月乗せてマンションに行ったわ〉(2020年7月4日)
〈俺が持たないかも〉(同年7月4日)
〈もう少しだ あと一回押さえたら、慰謝料と親権獲得に行くぞ〉(同年8月2日)
死の前日に妹に託した「膨大な書類とパソコン」
不倫の証拠を集めた康平さんは9月、弁護士を通じA子さんに通知書を送った。
離婚の条件は、「(1)子供の親権」「(2)香月氏と連帯して慰謝料500万、調査費用、弁護士費用を払うこと」「(3)康平さんの一切の財産上の請求権を放棄すること」だった。しかし、A子さんは康平さんの要求を受け入れず、離婚調停へと発展した。
「A子さんは自分の素行が調査されているとは思わなかったようです。自身の不倫は認めたのですが、親権は譲りませんでした。兄としても慰謝料や損害賠償請求は二の次で、まずは親権を取りたかった。A子さんは、兄が『子供に暴力をふるっていた』と虐待を主張し始めた。そして、弁護士を通じて兄に対し、子供との接見禁止を通達してきたのです。
でも、私や家族、友人がみても、兄が子供を虐待することなどありえないんです。子供が悪さをしたとき、相手に怪我をさせたときは厳しく叱っていたときもありましたが、それは親として当たり前のこと。それは子供たちも理解していたし、何より子供たちはパパが大好きでした。調停は平行線でなかなか進展せず、子供と会えない日が続き、兄は苦しみ、どんどん弱っていきました」(康平さんの妹)
コロナ禍も影響していた。年末、正月、春休み、妹や親族は康平さんの様子を見に行こうと考えていたが、2度目の緊急事態宣言の影響で北海道行きは中止となった。自粛が続き、同僚や友人とも交流が減り、康平さんはマイホームに独りきりで過ごすという日が続いていた。
妻に裏切られただけでなく、不倫相手は自分と同じ自衛隊OBで、地元の有力者。疲れ果てた康平さんは「こどもの日」の翌日、5月6日明け方に首を吊り、命を絶ってしまった。
しかし、康平さんは自死する直前、これが“抗議の自殺”であるという遺志を明確にするため、“ある行動”に出ていた。
前日の5月5日、膨大な書類と自身のパソコンを、妹の自宅に宅配便で発送していたのだ。
( #2へ続く )
◆
5月22日(土)21時からの「 文春オンラインTV 」では、担当記者が本件について詳しく解説する。
死亡の防衛省技官が妹に送っていた「妻と市議の“不倫密会”記録」100ページ超《千歳“抗議の自殺”事件》 へ続く
(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
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