2021-05-22

5年くらいセルフネグレクトしてたこ

弱者男性セルフケア云々の話をぼんやり読んでいて思い出したことを書く。

自分の話であって弱者男性の話というわけではないが。

たぶん年数にして5年くらい、セルフネグレクトをしていた。

きっかけは前の職場を鬼セクハラと鬼パワハラでやめたことだ。

鬱状態で1年間くらい動けず、生活費が尽きて派遣アルバイトをしていたが

遅刻したり休んだりで一つの職場で長く働けず金がなかった。

部屋は汚部屋で、服とゴミとが部屋中に散乱した上を踏んづけて暮らしていた。

洗濯機が壊れても買い替えられずにコインランドリーに通っていて、

毎日洗濯した清潔な服を着ることのハードル無意味に高かった。

歯をほとんど磨いていなかったので、虫歯で口の中がぼろぼろだった。

奥歯に穴が開いて食べ物がいちいち詰まるのが煩わしかった。

食生活適当で、たまにコンビニでアホみたいに買い込んで全部食べてしかも吐いたりしないので、大体30kg体重が増えた。

そんな状態だったけど、

部屋を掃除しなかったし、洗濯機を買わなかったし、食事に気を使いもしなかった。

虫歯は痛みがなかったかごまかしごまかしやっていたが、二回くらい前歯が欠けて、

さすがにそれはやばいなと思ってそのときだけ歯医者に駆け込んで治してもらってた。

他の歯はなんか適当なことを言って治療をしなかった。

あの当時自分が思っていたことを言語化すると、

あんなにつらい目に遭わされたのを贖われていないのに、なぜ私が自分のために動かなければならないのか」

だった。

鬱で辞めた後、1年くらいはただ無気力だった。

されたことを思い返して整理して、「あれは本当に理不尽で、侮辱的だった」と怒りを感じられるまで3年くらいかかった。

そうして怒れるようになってようやく、自分がどれだけ損なわれたかを知った。

ゴミにうずもれた薄暗い部屋を片付けないと、と思うことがなかったわけではないし

今まで着ていた服がどんどん入らなくなるのにショックを受けなかったわけでもない。

けれど、それをどうにかしないとな…と思うたび、湧き上がる感情は、なぜかクソ上司たちに対する怒りだった。

私は考えれば考えるほどおかしな目に遭わされていて、それを誰も私に詫びていなかった。

それは当たり前で、クソ企業を私は逃げるようにやめたし、一矢報いることもできなかった。

逃げたのだから詫びられるはずなどないのだ。

けれど、そのクソ企業理不尽に損なわれた部分を、自分努力で埋めなくてはならないなんて

それはクソ企業で受けたのとおなじくらい、理不尽仕打ちに思えた。

そんなことができるわけがない。だって私は被害者なのだから

そういう気持ちだった。

から、不潔で自堕落生活を続けた。

自分自身に対して、自分の傷を開いて見せつけるような行いだった。

妙なもので、人に対してはそういう風に自分がどれだけ辛い思いをさせられたか

どれだけ怒っていてどんな風に傷つけられたか、話すことができなかった。

人と会う約束があれば自分なりには身なりを整えようとしたし、

借金をしてでも旅行の誘いは断らなかった。

しかしたら察されていたかもしれないが、自分なりには、自分問題を人に見せないようにしたいと思っていた。

メンヘラかまってちゃんなんて言い方があるが、私はメンヘラだったがかまわれたくなかった。

辛い思いをしているなんて絶対に人に知られたくなかった。親であっても兄弟であっても友人であっても。

その結果親の心配の声には怒声を返し、友人からの連絡は気力が高まるまで放置し続けた。

セルフネグレクト状態を抜け出せたのは、たまたま就職がうまくいって、

収入が安定したこと抜きには成せなかったと思う。

まず洗濯機を買った。

それから歯医者に行った。1年くらい通った。口の中がぼろぼろで、半分入れ歯みたいになった。

汚部屋を片付けた。半年くらいかかった。

部屋の片づけ後にようやくダイエットにも取り組めて、どうにか15kgを落とした。

まだまだ自分想像する自分の姿からは程遠い太りようだが、

服や髪に気を配ることの楽しさを思い出しつつある。

そして最近覚悟を決めて、心療内科カウンセリングを受け始めた。

5年くらいセルフネグレクトをしていて、戻し始めてから今まで3年くらいかかった。

自分の窮状を他人に話すのも、窮した状態をある程度抜け出してはじめて取り組めた。

あの汚部屋で、ゴキブリの歩くかさこそ音におびえながら暮らしていた時、

私は何もかもを憎んでいた。何のためにも動きたくなかった。

自分のために、歯医者に行ったり、部屋を片付けたり、体重管理したり、見た目に気を使ったり、病院に行ったり、

そんなことをしたら、まるで自分が傷ついていないみたいで嫌だった。


あの時の自分に、今何か声をかけられるとしても、たぶん私には何も言えない。

自分を救えるのは自分だけだなんてこと、言われなくたってわかっていた。

それでもそれをするのは嫌だからしていなかった。傷つき続けることを自ら選択していた。

セルフネグレクトを今まさにしている人に、「自分を救えるのは自分だけだよ」といったところで、

たぶん彼らはただ反発するだけだと思う。

弱者男性周りの「丁寧な暮らし」云々に反発するコメント群の一部に、

その感情の名残を見つけたような気がしたので、とりあえず書き留めた。

解決策はとくに思いついていない。

  • おもろい

  • なんかリアリティがないと感じる。鬱でネグレクトだとご飯たべる気力もないから太らない。 ものを食べないと虫歯にならない。 虫歯より歯周炎で歯が抜けると思う。就職が決まるのも...

    • 「と思う」と自分でも使ってるように要はそれはあなたの思い込みですね

    • 実体験なのかもしれないが、うつ病だから痩せるのが正しいみたいな価値観はおかしいぞ

  • 壮絶だなあ。よくその状況から抜け出せたと思う。 きっとこれからの人生はいい事がたくさんあるよ。 あと、元気になったら元会社を訴えたらいいと思う。 ちょっとしたボーナス位に...

  • こんな人でもゴキブリは怖いんだね

  • そこまで弱るのって社会の価値観を内面化させられてるからでしょ セルフネグレクトで片付けてあー良かった良かったってフェミさん見ると反吐が出るんだよなぁ

  • 部屋は汚部屋で、服とゴミとが部屋中に散乱した上を踏んづけて暮らしていた。 洗濯機が壊れても買い替えられずにコインランドリーに通っていて、 毎日洗濯した清潔な服を着るこ...

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