・【映像】元厚労官僚「良い政策を作るための官邸主導というように進化させるのが良いのでは」
2012年に出版した著書『政治家の覚悟』(文藝春秋企画出版)では、「真の政治主導とは官僚を使いこなしながら国民の声を国会に反映させ、国益を最大限、増大させること」と持論を述べている。
「政治主導とは、政治が責任を取るということ。ストレートに言えば、支持率を気にするということとイコールだ。結果的としてそれが正解か不正解だったのかということは別にして、判断の基礎が特定の団体の利益などではなく、一般の人がどう思うかというところになると思う。私の場合、重要な政策は厚生労働大臣に相談していたわけだが、それだけでなく、総理や官房長官がどう思っているのかをちゃんと聞きなさいということで政策を作り、幹部たちはその意向通りに動くことがほとんどだったと思う。その結果、政策が早く、大きく動く。省庁によってミッションが違うので、その調整にはどうしても時間がかかる。しかし官邸が方針をはっきり示せば、各省庁はそこに向かって政策を作っていく。私は19年くらい役人をやっていたが、安倍政権の時代が最も動いたと思う。その中にあって、菅さんは強いリーダーシップを発揮されたと思う」。
■「問題点を指摘すれば“人事で飛ばされる”」との告白も
元総務官僚の平嶋彰英氏は、菅総理が自身の実績として繰り返しアピールした「ふるさと納税」に関して、自治体からの“返礼品合戦”が過熱する懸念から、法律で一定の歯止めをかけるべきだと主張。しかし待っていたのは、自治大学校町への転出という、異例の人事異動だったというのだ。平嶋氏はインタビューで「問題点を指摘すれば“人事で飛ばされる”と恐怖を感じている。霞が関は萎縮している」と告白している。
この点について千正氏は「官僚の苦しさも実はそこにある。しかし官邸主導を後戻りさせるというよりも、良い政策を作るための官邸主導に進化させたほうが良い」と指摘する。
■「優秀な人材が霞が関から逃げ出さない仕組み作りを」
リディラバ代表の安部敏樹氏は「若手官僚の中には、“理不尽なことを言われたら辞めてやろう”と心の中で考えている人が結構いる。それは健全な考えだと思うし、政治の側も、優秀な人材が霞が関から逃げ出してしまうのは良くないと思っているはずだ。議論のプロセスを担保し、幹部も含めて優秀な官僚を抱え込むことも政治家の力だという形にしていかなければならない」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)