今回は、競争率の高いところへギリギリで滑り込むより、まずは小さいところで実績を積んだほうが、幸せへの道は近いかもしれないというお話です。
人間、レベルの高いところへギリギリでも良いから滑り込みたい、と高望みをしてしまうことが多いと思います。
なんというか、規模が大きいところへ入ったほうが箔がつくと、思ってしまいがちです。でも、大きな中の一部になったところで、果たして自分自身がパワーアップするのでしょうか?
まして、その中であまり芳しくない成績なら、それって、結局本質的には箔が付いているとは言えないのではないでしょうか?
以前の私なら間違いなく、高望みをして、ギリギリでもいいから高みを目指していたと思います。
しかし、ある時から、私は小さなところから頑張っていったほうが、結果として実績を積めるということに気付きました。
きっかけは挫折した経験からだったんですが、それはさておき、最近でも私の身近でこれを実感できることが有りました。
それは学会発表に関してのことです。
学会の中では、国際学会がやはり、国内学会に比べるとインパクトが大きく、目指すべきところです。また、国際学会の中にもレベルが有り、採択率が厳しいところはランクが高くなります。
ここまではいいのですが、そうすると、今度は国際学会ばかりに目が行ってしまい、国内学会を馬鹿にして、国際学会の、それもトップカンファレンスにしか投稿しないという方針の教授が出てきます。これ、よく聞く話ではなくて、実際に、うちは国内学会へはほぼ出さずに、少なくとも国際学会からしか発表を行わないという研究室があるのです。まして、国内の研究会となると、査読も無いため、一切投稿しないという場合も極端な話あります。しかし、私はこういった方針は、チャンスを失うことになると思うのです。
どういうチャンスかというと、小さい成果でも絶えず進捗を発表できるなど、研究会へ出すメリットは多々あると思いますが、とりわけ表彰に関してです。
これこそ、実績というものではないでしょうか。いきなり、大きなところで発表をして、良い評価を得ようとしてもなかなかうまく行かないかも知れませんが、小さいところで、頑張って成果を出せば、表彰される可能性も高くなります。
それに、少しずつ小さなところから受賞歴を重ねていくことで、それまで何もなかった人に比べて、大きなアドバンテージを持つことになります。表彰の実績が見られて、何かに抜擢されて、その経歴が見られて更にもっと大きな配役に付けるといったように、わらしべ長者的に、表彰が無かったときに比べて大きな躍進、すなわち幸せを勝ち取れる可能性がグッと高くなるのです。
私は国内の研究会で発表をして、幸運にも賞を取ることができました。実は、表彰は学会発表とは別の枠で評価されることが多いのです。よって、私は実績欄に書くことが増えたわけですが、もし国内の研究会を馬鹿にして出し渋りすれば、表彰という実績は得られなかったのです。
というわけで、目先の分かりやすいメリットだけを見て、見切りを付けるのではなく、より広い視野でどのようにしたら自分の活躍、幸せに近づけるのかということを考えたほうが良いのかなと思います。