現在韓国政府が海洋保護生物として指定している鯨はミナミハンドウイルカなど10種類だ。韓国海洋水産部(省に相当)はシャチとオキゴンドウの2種を今年6月に保護種として新たに指定する。来年以降もミンククジラ、ハンドウイルカ、マイルカなどを順次指定する方向で検討中だ。その中で長生浦の住民らが最も問題視するのはミンククジラの保護種指定だ。特区周辺の商店は主に混獲されたミンククジラを仲買人に入札を通じて販売しているからだ。ミンククジラは1頭当たり4000万ウォン(約390万円)から1億ウォン(約960万円)の値が付くこともあり、「海のロト」とも呼ばれている。海洋警察などによると、一般に取引されるミンククジラは毎年80頭ほどだという。
韓国政府はこれまで鯨について捕獲と販売の禁止を引き続き強化してきた。海洋水産部は昨年11月に「鯨資源の保存と管理に関する告示」の改正案を施行したが、これは死んだ状態で流されてきたとか、不法に捕獲された鯨の委託販売や公売を禁止するという内容だ。これまで海岸などに打ち上げられた鯨は委託販売が可能で、不法に捕獲された鯨も海洋警察の捜査が終われば公売できた。それが上記の措置によってこれらの鯨も今後は全量廃棄しなければならず、その上今回保護種にまで指定するというのだ。保護種となれば捕獲や保管、委託販売、流通などが全て禁止となる。海洋水産部の関係者は「国際社会では鯨を保護する規制を強化する流れにある」とした上で「混獲された鯨の流通を今後も続ければ、米国や欧州向けの水産物輸出に悪影響が出る恐れがある」と説明した。動物保護団体も鯨の流通禁止を訴えている。