仲谷 あの回の槙君について、本当はあの態度はあまり褒められるものではなかったなと、実は思っていて。あそこで、侑は「もう人を好きにならなくてもいいや」という気持ちになっているのですが。本人がそう言っているのだったら、別にそれでも良いはずなんですよね。
──先ほどのお話だと、そういうことになりますね。
仲谷 その時、君は好きになれるはずだ、みたいなことを言うのは、正しいか間違っているかで言えば、間違っていると私は思うんです。でも、槙君も怒るときには怒るんだ、みたいなところを見せるというか。正しいかどうかよりも、あまり表に見せる機会のない槙君のエゴを出す方を優先して描きました。
──最終巻の軽いネタバレになってしまうのですが、それが後々の槙から侑への謝罪につながるのですね。
仲谷 あそこは、私の言い訳的な気持ちも少し入っているというか(笑)。本当は良く無かったんだけどね、という感じで描きました。
──理子と都については、侑と燈子の未来の姿というか、女性同士のカップルの幸せな理想像として読んでいました。
仲谷 侑と燈子は、二人の関係を最後まで知らないのですが、仰った通り、こういう未来も有り得るんだよ、みたいなことを(読者に)示すような役割だと思って描いていました。結果的に、都は沙弥香の助けにもなってくれたので良かったと思います。
(12・4公開予定の後編に続く)
(丸本大輔)
インタビューを記事にしてくれてありがとうございます。 ワンページマン案件