ガスライティングとは、ターゲットに対して誤った情報の伝達や些細な嫌がらせを繰り返し精神的に追い込む集団ストーカー行為の1種です。
あまり馴染みのない言葉ではありますが、近年ではネットの普及により個人情報の取得が容易になり、ガスライティングの被害を自覚する人は増えてきていると言われています。
この記事ではそのガスライティングの特長・手口と対処法について紹介していきますので、「自分は被害にあっているのでは?」と不安を感じる状況にいる場合はぜひ参考にしてみて下さい。
目次
ガスライティングの特長
被害者を自滅させるのが目的
ガスライティングの目的は、社会的信用の喪失や精神状態を悪化させるなどターゲットを自滅に追い込むことです。具体的な例を出すと、以下のような動機で実行されることが多いでしょう。
- 精神を病ませて自殺に追い込みたい
- 立場を悪くしてコミュニティ内から追い出したい
- 逆上させて犯罪を犯すように仕向けたい
- 周囲から孤立をさせ社会的に抹殺したい
- 虐げることで満足感を得たい
上記例を見てお分かり頂けると思いますが、ガスライティングは基本的に特定の誰かを貶めるために実行されます。
一般的なストーカー行為との違い
一般的なストーカーは相手に行為があり気を引くために実行されますが、ガスライティングは相手を貶めることが目的なので、なるべくターゲットに悟られないように実行されるのが大きな違いと言えるでしょう。
ガスライティングは被害者が「周囲が何かおかしいかも?」と確証はなくとも違和感を抱くような状況を与え続け追い詰める手法のため、自分の存在を被害者に誇示しようとする一般的なストーカーとは根本的に異なります。
その特性のせいで被害者は自分が被害にあっていると自覚するのが難しく、また恋愛感情を起点として定められたストーカー規制法にも該当しません。
ガスライティングの手口
小さな迷惑行為を続ける
- 職場や部屋の物の配置を移動させる
- 椅子の高さを微妙に変化させておく
- 自転車の駐車位置を移動させる
- 自動車のガソリンを勝手につぎたす
- PCの設定をいじっておく
- 上着などのサイズを少し変えておく
- モノを被害者の周囲に隠しておく
- 整髪料など日用品の中身を入れ替える
上記のような被害者にしか気が付けないようなちょっとした迷惑行為を長期間繰り返し、周囲がおかしいのか自分の感覚がおかしいのかと疑心暗鬼にさせる手口です。
本人にしか気が付けない微妙な変化は周囲に相談をしても理解されづらく、被害者は自分もしくは周囲を信じられない状態に陥っていき、ガスライティングの目的が達成されてしまいます…。
嘘の情報で惑わせようとしてくる
「みんなから苦手って思われているよ」「飲み会での態度に課長が怒ってたぞ」など、事実無根な嘘の情報で被害者を惑わせるのはガスライティングの代表的な手口です。
また、確かに指示を受けたのに「そんなことは言っていない!」と叱責されたり、周囲に根も葉もない噂を流れているような明らかにおかしい状況が多発するようであれば、ガスライティングの被害にあっている可能性があるかもしれません。
周囲の人に被害者をおかしい人間だと思わせ、被害者が周囲の人間を信じられない状況を作り出し、被害者がその環境から居場所を失ってしまえば、加害者の目的は達成されたと言えるでしょう。
移動や行動の邪魔をする
集団ストーカーにはゴジョリンキャンペーンと言って、被害者の行動や移動を邪魔する迷惑行為があります。
例えば被害者が移動する際に自転車や自動車でわざと前を横切ったり、道路を集団で広がって歩行して進行を妨げたり、前からよける素振りを見せずに歩行してそのままぶつかろうとするなど、加害者をそれらの行為を意図的に行います。
単体で見ればどれも日常生活で珍しいことではありませんが、あまりにも自分の周りで多発し続けるようであれば、ガスライティング被害の可能性が疑えるでしょう。
大人数で付きまといをする
ガスライティングでは、不特定多数の人物が加害者の前に意味もなく現れるつきまとい行為が行われます。休日の外出先で必ず会社の知り合いがいるなどの状況です。
加害者はあくまで偶然を装って被害者の行先に集まり、場合によってはただ同じ空間にいるだけではなく、行動を邪魔して薄ら笑いをするなどの侮辱と捉えられる行為をすることもあります。
1~2回程度であれば偶然で済ませられますが、ガスライティングではそのような場面に頻繁に遭遇するので、明らかに頻度が異常だと感じる場合はご注意ください。
音で不快感を与え続ける
家の壁を叩いたり近所で深夜に大声で名前を呼んだりなど、集団ストーカーには被害者に音でストレスを与えるノイズキャンペーンと言う手口があります。
また上記のような直接的なものだけでなく、被害者が何か行動をする度にわざと咳払いをしたり、被害者の周囲で車のドアを思いっきり閉め大きなエンジン音を立て驚かすなど、間接的な行為でも度を過ぎればガスライティング被害として判断可能です。
ガスライティングが起きやすい場
家族間などの生活間
家族や親族など生活を共同する者の間でガスライティングが起きることは多いです。ちなみに、ガスライティングという名称の由来は『ガス燈』という夫が妻を陥れようとするストーリーの海外映画が元になっています。
家族間でのガスライティングは主に離婚をするために実行されるケースが多く、被害者が離婚を認めざるを得ない状況に持ち込むことが目的とされます。
家族間でのガスライティングは身近な人間で疑われる可能性も低く実行が容易なため、被害者が被害を自覚するのが難しい特に厄介な状況であると言えるでしょう。
職場などの閉鎖的グループ内
企業が社員を自発的に退職させるため、ガスライティングが利用されるケースも少なくありません。悪徳なコンサルティング会社が人事部にこの手法を提案することも珍しいことではないようです。
- 職場の椅子の高さがいつも微妙に変わっている
- 身に覚えのない上司の所有物が自分の机に入っている
- 会社の専用アドレスに迷惑メールが届くようになった
上記のような加害者が分からない間接的な嫌がらせならパワハラで訴えられるリスクが少ないため、悪質な企業だと社員を追い出すのに打ってつけの手段と判断してしまいます。
地域・宗教などの社会コミュニティ
住民同士の関わりが深い田舎地域の在住者や厳しい規定が設けられている宗教団体への加入者は、そのコミュニティ内で揉め事が発生したら見せしめとして、ガスライティングの被害者になってしまうケースがあります。
これらの状況は被害者がきっかけを認識しているので被害を自覚しやすいですが、加害者が大人数になりやすい傾向にあるため、解決が最も難しい状況であるかもしれません…。
ガスライティングの対策
徹底的に無視をする
ガスライティングの手法は不信感を与え加害者を精神的に追い込むことです。直接的に危害を加える行為はしてこないので、徹底的に無視ができれば何も問題は生じません。
ただ、身近な人に被害を相談してしまうとその人が加害者とつながっていた場合、被害妄想の激しいおかしな人とレッテルを張られてしまう恐れがあるので、なるべく誰にも話さずに自分の胸の内にしまっておくようにして下さい。
また、音でストレスを与えようとしてくる場合はイヤホンを常用し、外出先で他人の視線が気になる場合はサングラスをかける対策もおすすめです。
物理的な証拠を突きつける
映像や音声など、物理的にガスライティングを証明できる証拠を入手しそれを加害者に突きつければ、嫌がらせを止めるように忠告することができます。
少し手間と費用はかかりますが、異変を感じている周囲に盗聴器や小型カメラを設置して、被害者に気が付かれないように証拠を確保しておきましょう。
あと、どのような嫌がらせにあっているかをメモしておけば、外部に被害を相談する際の有力な証拠の1つとなるので、被害を実感したらその日時と詳細を記録しておくこともおすすめします。
外部機関に調査・相談を依頼する
ガスライティングの被害を自分で証明できるのならば警察か弁護士へ、証拠がなく被害の証明が難しい場合は探偵に相談すれば力になってもらえます。
ガスライティングはストーカー規制法に該当しませんが、迷惑行為の事実を証明してそれが悪質なものだと認められれば、法的処置で対応してもらえる可能性が高いです。
ただし、警察と弁護士は被害の事実を証明できないと動いてくれないので、もし自分の力だけで証拠を集めるのが難しいのであれば、探偵に依頼をして被害の証拠を入手してから相談へ向かうと良いでしょう。
まとめ
ガスライティングは不特定多数の加害者が分かりにくい間接的な嫌がらせを継続する手口のため、被害者が被害を自覚しにくい陰湿で厄介な迷惑行為です。
しかし、いくら些細な嫌がらせ行為だとしても歴としたストーカー行為ですので、もし被害にあっている可能性がある場合は決して加害者の目的に沿うような行動はとらず、冷静に対処して頂ければ幸いです。