藁苞(読み)わらづと

精選版 日本国語大辞典「藁苞」の解説

わら‐づと【藁苞】

〘名〙
① 藁のつと。藁で編んだりたばねたりしたもので、中に物を入れるようにしたもの。また、そのつとで包んだみやげ物や贈り物。わらづつみ。つと。
※仮名草子・仁勢物語(1639‐40頃)上「わらづとなどに文やり、朔日・節句に通ひけり」
② 転じて、賄賂(わいろ)
※玉塵抄(1563)二一「人の礼などをうけてわらつとなどをとって家をけがさうずことではないぞ」

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デジタル大辞泉「藁苞」の解説

わら‐づと【××苞】

わらを束ね、中へ物を包むようにしたもの。また、そので包んだ土産物・贈り物。「藁苞に入った納豆

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世界大百科事典内の藁苞の言及

【包み】より

…〈包む〉という語は〈苞(つと)〉と語源を同じくするが,〈苞〉とはわらなどを束ねてその両端を縛り,中間部で物をくるむもの(藁苞(わらづと))であり,後には贈物や土産品の意味(家苞(いえづと))にも使われるようになった。また心理的方面においては〈包む〉は〈慎しむ〉に通じて〈隠す〉〈秘める〉〈はばかる〉といった意味合いを含み,ことに儀礼的局面におけるさまざまな〈包み〉の技法の心理的背景となってきた。…

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