2012年12月01日

獅子の時代 最終回 獅子の叫び

まずは当日の中日新聞あらすじ。

明治十七年十一月、政府に対する秩父農民の武装ほう起が始まった。その勢力は一万人を超え、各地の政府機関が襲撃された。銑次(菅原文太)は鎮圧に当たった軍隊の前に浮足だつ農民たちを鎮めるため奔走。
明治二十二年二月、帝国憲法発布の式典に出席しようとした文部大臣森有礼(中山仁)が、国粋主義者に暗殺される。


森有礼の暗殺は放送される予定だった?
リアルタイムで見たときは期待した記憶がある。
実際「大河ドラマ・ストーリー」にも記載はある。さらにそのとき、嘉顕はまだ生きていた。

嘉顕もひとつの到達点にいた。
二月十一日、憲法が発布されるのである。
終局は、しかし静かに近づいていた。
それは友人森有礼をきっかけにした。有礼は文部大臣である。憲法発布の式典は、彼にとっても長年の努力の結実の日であった。
官邸の二階から降り、玄関で馬車の用意を待つ森に、一人の訪問者があった。西野文太郎と称した。
西野は、森に慇懃(いんぎん)に一礼し、間、髪を入れずとびついてその腹部を刺した。
あっという間の悲劇であった。
それは嘉顕に激しい衝撃であった。
暗殺によって歴史が動いていいはずがない!しかし、身近の敬愛する二人の人物、大久保利通、森有礼を暗殺で失ったのである。
蹌踉(そうろう)として嘉顕は、式典に向かった。
花火が鳴り、国民は歓呼していた。
しかし、日本は一体何処へ行くのか?

NHK大河ドラマ・ストーリー 獅子の時代 ドラマ・ストーリー 13 憲法発布、そして――)

最終回での憲法発布はそんなに時間を取っていなくて、なんといってもメインは秩父事件。

山田太一氏は
「秩父事件はテレビではあまり取り上げていなかったはずですよ」と振り返る。
大河ドラマの50年 中央公論新社 鈴木嘉一

秩父事件といえば2004年の映画『草の乱』があるが、見ようと思いつつ未だ見ていない。

明治17年11月1日午後7時、目印の白木綿をつけた農民たちは吉田村向く神社境内に集まった。

午後11時大隊がなだれのように小鹿野へ攻め入った。
3百余丁の鉄砲を発射し7軒の高利貸を襲い、警察署、役場を瞬く間に占拠した。


など、ナレーションと映像で秩父事件を見せてくれる。

松本英吉親分は警察に斬られて死亡。
1万人以上に膨れ上がった農民だが、軍隊の出動に次々と脱落。

銑次たちは上州、信州への道は手薄とふんで北へ向かったが、すでに軍隊によって閉鎖されていた。

銑次と伊河は二人での突破を試みるが伊河は鉄砲に撃たれて即死。

ナレ
2日後、鉱造は降伏した農民兵から会津の先生という男のことを聞き銑次に相違ないと思った。
しかし一人だけの突撃をしたという峠近くの場所にはいくら探しても兄の遺体はなかった。
ただ銃弾を浴び泥にまみれた白い旗の自由自治元年という文字に兄の筆跡を見るのみであった


放送が始まってからも、四月以外は一〇月まで毎月、ロケに出かけた。毎週のスタジオ収録の合間を縫ってのロケだけに、出演者とスタッフの苦労は想像を絶する。

制作デスクを担当した小林由紀子の著書『ドラマを愛した女のドラマ』によると、(略)ロケーション一一〇日、(略)大河ドラマの歴史では突出している。特に、ロケは年間を通じて四、五〇日が平均的だったので、倍以上となった。

小林は「(略)休まない眠らないという非情な条件のもとに」と生々しく書いている。

大河ドラマの50年 中央公論新社 鈴木嘉一

いや、ホントご苦労様でした。
今そんな条件でドラマ作ったらあちこちから叩かれるだろうなぁ。

千代は鹿児島へ帰る。
鉱造「苅谷さんの育った土地だ。悪かろうはずはない
かつては敵同士だった会津と薩摩。
鉱造の口からこんなセリフが出るとは。。。

凌雲「貧乏人から金なんかとらねぇ病院だ、パリで見たろう。自由、平等博愛だ

リアルタイムで見たときはこの凌雲のセリフに感動した記憶があるが、今見るとそうでもなかった。
自分が汚れてしまったからだろうか。。。(笑)

そのころパリに向かう汽車に一人の娘が乗っていた。
凌雲に支えられ医学校に留学することになった保子である。
銑次がパリに来てから23年がたっていた。

やがて日本は日清戦争に突入、さらに日露戦争への道を歩いてゆく。
そのような歳月の中で幾度か銑次の姿を見たという人があった。
例えば栃木県足尾銅山鉱毒事件の弾圧のさなかで、例えば北海道幌内炭鉱の暴動弾圧のさなかで激しく抵抗する銑次を見たという人がいた。

そして噂の銑次はいつも戦い抗う銑次であった。


足尾銅山や幌内炭鉱の暴動は明治40年(1907)、銑次はもう60歳過ぎてるだろうし、体力的にもきついんじゃないの、という野暮な突っ込みはしないように。

そして、our history againで終了。

架空の人物を主人公にしたからこその終り方でした。


posted by 大河 at 00:00| Comment(2) | TrackBack(1) | 大河ドラマ>獅子の時代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。私も獅子の時代をNHKオンデマンドデ見たばかりです。制作した年代が1980年。今と時代が違っていますね。菅原文太さん加藤剛さん、見ていると引き込まれます。そして、もっと歴史を知りたくなります。その人々への共感,過ぎ去ったことなのに。応援したくなります。私は会津にとっても関心があるので、次の大河は見るかもしれませんが、ほかは、天地人以外見ていません。
Posted by hiroko at 2012年12月05日 22:00
hirokoさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。

おぉ~、『獅子の時代』を見たばかりですか。
仲間(?)が増えてうれしいです。

今とは映像技術もセットも違いますね。
当然ハイビジョンじゃないし。(笑)
でも俳優の演技力は(以下自粛)。

来年は私も一応見ます。
どれだけ会津の歴史をしっかりと描いてくれるのでしょうか。
期待はしていませんが。。。
Posted by 大河 at 2012年12月06日 02:29
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック

NHK大河ドラマ 『獅子の時代』
Excerpt: NHK大河ドラマ 『獅子の時代』 DVD 完全版 第一巻 菅原文太さんというと、もうかれこれ30年くらい前のNHK大河ドラマ 『獅子の時代』 が思い出されます。  数年前に..
Weblog: Anthony's CAFE 
Tracked: 2015-01-22 16:35
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。