炭酸の持つ作用は多岐にわたり、目的に応じた使い方をすればさまざまな健康効果が得られます。その1つに炭酸水の飲用による食欲の増進・減退効果があります。食欲を増すのと減らすのとでは相反しますが、飲み方を工夫することでいずれにも効果を発揮します。ここでは、炭酸水ダイエットのやり方から美容への活用法までをご紹介します。【解説】前田眞治(国際医療福祉大学大学院リハビリテーション学分野教授・医師)

解説者のプロフィール

画像1: 【炭酸水ダイエットの効果とやり方】ヘアケアや美顔まで炭酸水の活用法を大公開

前田眞治(まえだ・まさはる)
国際医療福祉大学大学院リハビリテーション学分野教授。医学博士。リハビリテーション専門医。脳卒中専門医。リウマチ科専門医。1974年、北里大学医学部卒業。神奈川県総合リハビリテーションセンター、北里大学東病院リハビリテーション科科長などを経て2005年より現職。著書に『炭酸パワーで健康になる!』(洋泉社)がある。

私の専門は、脳機能障害や関節リウマチなどのリハビリテーションです。リハビリに有効な手段の一つとして、治療目的で温泉に長逗留する「湯治」があります。

実は私は、三重県は榊原温泉の旅館に生まれました。幼いころ、湯治客が喜んで帰っていく姿を見ては、「温泉ってそんなにいいものなんだ」と興味を引かれ、温泉の研究を開始。これが、のちに医師の道を目指すことにもつながりました。

世界有数の火山国である日本は、たくさんの温泉に恵まれており、源泉の種類も豊富です。
研究のため、さまざまな温泉を訪れるうち、天然の二酸化炭素を含んだ「炭酸泉」に魅了されました。それが30年以上も前のことです。以来、炭酸の治療効果を臨床に生かすべく研究を続けています。

炭酸水は「飲み方」によってダイエット効果・食欲増進効果を発揮する!

炭酸の持つ作用は多岐にわたり、目的に応じた使い方をすることで、さまざまな健康効果が得られます。その一つが、炭酸水の飲用による、食欲の増進・減退効果です。

食欲を増すのと減らすのとでは、作用としては相反しますが飲み方を工夫することで、いずれにも効果を発揮します。

一般に、高齢者は、食が細くなりがちです。毎年夏バテをして困っている人も少なくないでしょう。
そんな人にお勧めなのが、炭酸水を食前と食中の2回に分けて飲む方法です。

【食欲増進に効く飲み方】

❶食事の前に、コップに軽く1杯(150㎖程度)の冷たい炭酸水を飲む。
❷食事開始後、20分ほど経過したら、再度、コップに軽く1杯の冷たい炭酸水を飲む。

こうした飲み方をすると、水の冷たさと炭酸が、胃壁を適度に刺激します。

また、炭酸は胃壁から吸収されて血管に入り、血管を拡張することで、血流を促進します。
胃壁への刺激と血流アップ効果により、胃のぜん動運動(内容物を先へ送ろうとする動き)が活性化(下の写真Aを参照)。すると、消化吸収が促され、よりたくさん食べることができるのです。

何も飲まない場合と比較して食事量が3~4割増になることが、これまでの実験でわかっています。

■炭酸水の飲用による胃の変化

画像: 【食欲増進に効く飲み方】

ダイエット効果・便秘解消に効く炭酸水の飲み方

毎食前に常温で飲めば2週間で1〜2kg減!

一方で、食欲を減退させる作用をうまく利用すれば、炭酸水をダイエットに活用できます。

【ダイエットに効く飲み方】

食事の前に、コップに2杯(300~500㎖程度)の常温の炭酸水を飲む。

こうすると、胃に膨満感がもたらされ、脳の満腹中枢に満腹を知らせる信号が送られます。普通の水を飲むよりも、炭酸ガスのおかげで胃が大きく膨張するので、より空腹感を抑えられます(上の写真Bを参照)。この実験では炭酸水を500㎖飲みましたが、人によっては300㎖ほどでも十分です。

炭酸水を飲んだあとは、物理的にも食べ物が胃に入らなくなるので、自然と食欲が減退。食事量が、3~4割は減ります。
私の調査では、毎食前に炭酸水を飲むと、2週間で体重が、1~2㎏減るようです。

この飲み方は空腹感を紛らわすことができるので、間食をしたくなったときにも有効です。
ダイエット目的に常温の炭酸水を勧めるのは、一度に飲む量が多いためです。しかし、食欲増進が目的なら、胃への刺激がより強い、冷たい炭酸水のほうが向いています。

ちなみに、冷たい炭酸水は、便秘の解消にも役立ちます。

【便秘解消に効く飲み方】

朝起きてすぐに、コップに半分から軽く1杯(100~150㎖程度)の冷たい炭酸水を飲む。

水の冷たさと炭酸が、起き抜けの胃を刺激し、ぜん動運動を活性化します。胃が、炭酸水を早く腸に送り出そうとするので快便につながります。

炭酸水にもいろいろな種類がありますが、特にヨーロッパ産の天然炭酸水には、マグネシウムなどのミネラルが豊富です。

マグネシウムは便秘薬として使われることもあるほど、便通を促す作用があるので、こうした商品を選んで飲むと、なお効果的でしょう。

炭酸水をヘアケアと美顔に活用する方法

炭酸水の3つの美容効果

前項では、目的に応じた炭酸水の飲み方をご紹介しました。
ここでは、炭酸水をヘアケアと美顔に活用する方法を紹介したいと思います。

「炭酸水を外からつけるだけで効果があるの?」と疑問に思う向きもあるかもしれません。炭酸水の優れたパワーについて、解説していきましょう。
炭酸水を外用することで、主に三つの作用が望めます。

❶血行・新陳代謝の促進作用
炭酸水を皮膚につけると、含まれている二酸化炭素が、皮膚から浸透していきます。肌の外側に当たる表皮を通り抜け、5分ほどかけて、表皮の奥の真皮層まで到達します。ここには、毛細血管がたくさんあります。

二酸化炭素が毛細血管に入り込むと、血液中の二酸化炭素の濃度が上昇。二酸化炭素は、本来、細胞内でたんぱく質が合成されたあとの老廃物です。そのため、体の組織はここでたんぱく質が合成されたと勘違いします。「もっと酸素と栄養が必要だ!」とばかりに、細胞に血液を送り込もうとするのです。

また、二酸化炭素には、独自の血管拡張物質を分泌する作用があります。この物質が血中で増加することで、さらに血管が広がり、血流がアップします。

このように炭酸水は、「体の勘違い」と、血管拡張物質のダブルの作用により、血行を促進します。毛細血管の血行がよくなると、真皮から表皮細胞にかけての細胞の再生が活発化。つまり、肌の新陳代謝が促されるというわけです。

❷皮脂や老廃物の除去作用
炭酸泉につかると、シュワシュワした気泡が肌に付着します。この気泡は、皮膚から浸透することはありませんが、皮膚の汚れを落とすのに有用です。
気泡は、核となる物、例えば古い角質などの汚れがあると、発生しやすくなります(下の写真を参照)。

画像: 左側はきれいなコップ。右側の汚れたコップはその汚れに気泡が多く付着している

左側はきれいなコップ。右側の汚れたコップはその汚れに気泡が多く付着している

汚れに付着した気泡は、この核を包み込んだまま、水面へと浮上します。水と油が混ざり合うことはありませんが、炭酸の気泡が油を包んで水面に浮かび上がることは、実験で確認済みです。

また、二酸化炭素の分子は小さいため、毛穴の奥まで入り込み汚れを吸着します。そのため、真水で洗うよりも、古い角質や皮脂などが、キレイさっぱりと取り除かれるのです。

❸肌の収れん作用
収れん作用というのは、たんぱく質を変性させることで組織や血管を収縮させる働きです。
炭酸水にはこの収れん作用があるので、皮膚の毛穴をキュッと引き締めます。

加えて、市販されている炭酸水は、たいてい弱酸性。皮膚と同じ性質なので、負担が少なく肌に優しいといえます。
このように、炭酸水は多くの作用により、健やかで美しい皮膚の形成に役立つのです。

炭酸水でヘアケアや顔のパックをするなら、入浴時の仕上げに行うのがお勧めです。
まず、石けんやシャンプーでふだんどおりに汚れを落とします。それから、頭にタオルを巻き、顔に市販のフェイスマスク用シートなどを当てたうえで、頭上から炭酸水を振りかけます(やり方は下項を参照)。

こうすると、500㎖のボトル1本で、頭皮と顔の炭酸水パックが同時にでき、経済的かつ効率的です。5分程度で、炭酸が皮膚の真皮層まで届き、血行促進効果を発揮。新陳代謝を活発にして、育毛を促し、キメの整った色白美肌へと導いてくれるでしょう。

ちなみに、炭酸水に含まれる二酸化炭素はもともと体内に存在するものなので、安全性も高く、毎日使っても安心です。
炭酸水の優れた特長を、健康づくりと美容に、もっと活用してください。

頭皮と顔の炭酸水パックのやり方

画像2: 【炭酸水ダイエットの効果とやり方】ヘアケアや美顔まで炭酸水の活用法を大公開

【用意する物】
・常温の炭酸水…500mlのペットボトル1本
・薄手のフェイスタオル…1枚
・フェイスマスク用シート…1枚

※フェイスマスク用シートは100円ショップなどで入手可能。
※炭酸水が冷たく感じられる場合は、湯船に浮かべ、温めてから使う。ヤカンに入れて沸かしたり、電子レンジにかけたりして加熱するのはNG。
※頭皮のみパックする場合は、シートは使わない。顔のみパックする場合は、タオルは使わない。
※刺激が強く感じられて肌に合わない場合は中止する。

画像3: 【炭酸水ダイエットの効果とやり方】ヘアケアや美顔まで炭酸水の活用法を大公開

【やり方】
❶入浴の際、洗髪や洗顔を終えてから頭にタオルを巻き、髪を包む。

❷顔にフェイスマスク用のシートを当てる。コイン状に固めてある場合は、炭酸水をかけて湿らせてから、顔に広げる。

❸頭の上から炭酸水をまんべんなくかける。頭皮や顔に炭酸水をつけたまま、5〜10分放置。この間、湯船につかっていてもよい。

❹タオルやシートを外し、浮いた汚れをシャワーで流して終了。

この記事では、ユニクロの人気商品を実際に購入して使用した感想をレポートしていきます。今回は、優しい肌触りの「プレミアムリネンスキッパーシャツ(7分袖)」をレビュー。スキッパーシャツの選び方、同商品の基本情報、実際に着てみた個人的な感想や評価もまとめました。ぜひ参考にしてみてください。(ユニクロ調査隊41)

評価者のプロフィール

画像: 評価者のプロフィール

2児の母として子育てに励むワーキングマザー。生活を快適にするグッズ、おしゃれな最新商品に常に目を光らせている。子どもの頃から釣りが好きで、アウトドア系の商品もリサーチ中。物欲を抑えるためにものすごいパワーを使っている。

スキッパーシャツの選び方

サラリと羽織れるスキッパーシャツ

初夏に着るならサラリとした着心地のシャツが理想的。うだるような暑さに備えて、爽やかな肌触りのシャツをチェックしておきたいですよね。そこで手頃なシャツはないかと探していたところ、「スキッパーシャツ」に関する情報を発見。きれいめの大人コーデに仕上げてくれるおしゃれなシャツの特徴や、気軽にできるコーデについて調査していきましょう。

深めのVネックできれい見えを目指せる?

そもそも“スキッパー”とは、Vネックに襟をつけたデザインのカットソーを指すファッション用語。元々はメンズファッションに用いられていたものの、現在はレディースでもたくさん取り入れられるようになりました。スキッパーシャツは基本的に春夏向けのデザインが多く、カジュアルからきれいめの着こなしまで幅広く実現可能。上から被るだけの簡単なアイテムで、深めのVネックがデコルテを美しく見せてくれます。

ちなみに今の季節に着るならリネン素材のスキッパーシャツが最適。ソフトな触り心地のリネンは吸水性&速乾性が期待できるので、汗をかきやすい春夏に着るのにうってつけです。

そんなリネン素材のスキッパーシャツに合わせるなら、シンプルなモノトーンのボトムスがおすすめ。ゴワつきにくい素材のため、いろいろなタイプのボトムスともマッチするでしょう。私が個人的に推したいのは、黒スキニーと合わせたコーデ。スニーカーやパンプスなど足元のアイテムを変えるだけで、様々なシーンに馴染むスタイリングに仕上がりますよ。

そこで今回は、ユニクロの「プレミアムリネンスキッパーシャツ(7分袖)」を購入。清涼感たっぷりのシャツの着心地を体感してみました。

画像: 深めのVネックできれい見えを目指せる?

「プレミアムリネンスキッパーシャツ(7分袖)」を買ってみた

価格は?

7分丈で上品なイメージを演出できる同商品は、軽くて薄い生地がポイント。パンツにもロングスカートにも合わせやすく、全体的にゆったりとしたシルエットを狙えます。気になるお値段は、2990円(税込)と手に取りやすいのが魅力的。カラーも全部で6色展開されているので、今季はいくつか購入して着回すのも良いかもしれませんね。

画像: www.uniqlo.com
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特徴は?

なめらかな手触りの「プレミアムリネンスキッパーシャツ」。清涼感のある“プレミアムリネン”を使っているだけに、一般的なカットソーよりもサラリとした肌触りが印象的です。またダボっと大きめのサイズ感もポイント。袖や胴回りがゆったりしているため、ストレスフリーで着用できますよ。

画像1: 特徴は?
画像2: 特徴は?

Mサイズを着てみた

160cmの私にはMサイズがピッタリ

6種類あるカラーのうち、今回は「BROWN」をセレクト。試しに着てみると、想像以上に風通しの良さを実感しました。落ち着いたカラーのおかげで、薄手のわりに透け感も気になりません。

画像: 身長160cm、体重50kgの女性が着用

身長160cm、体重50kgの女性が着用

画像1: 160cmの私にはMサイズがピッタリ

胸元がVラインになっているため、きれいめに着こなせるのも好印象。今回はパンツスタイルにスニーカーを合わせましたが、足元をパンプスでまとめてオフィスに着ていっても良さそうです。ただかなりゆったりとした着心地なので、もう少しピタッとフィットさせたい人はサイズをワンランク下げたほうがいいかも。

画像2: 160cmの私にはMサイズがピッタリ
画像3: 160cmの私にはMサイズがピッタリ

【ユニクロ調査隊㊶】
購入レビューまとめ

初夏にピッタリなスキッパーシャツ!

画像: 清涼感たっぷりの「プレミアムリネンスキッパーシャツ(7分袖)」

清涼感たっぷりの「プレミアムリネンスキッパーシャツ(7分袖)」

実際に購入した人からも「シルエットが可愛くてお気に入り!」「風通しが良いのでサラッと着れる」と反響が続出。初夏にピッタリの爽やかなトップスをお探しの方は、ぜひ同商品をチェックしてみてくださいね。

画像: 【ユニクロ】初夏にぴったり!通気性抜群の7分袖シャツ「プレミアムリネンスキッパーシャツ」購入レビュー
プレミアムリネン
スキッパーシャツ
(7分袖)
▼清涼感たっぷりで風合いは美しいプレミアムリネンを使用▼スキッパーネックで涼しげに▼幅広い着こなしができる、ゆったりした身幅と7分袖▼清涼感たっぷりのリネン100%▼100%麻

◆文・撮影=井上琴美(編集ライター)
※価格や情報は記事作成時のものです。

公式サイトにSNS、ブログにYouTube…一億総クリエイター時代の今。専業のプロでなくても、画像のレタッチ(修正・補正・合成などの編集作業)している人は多いのではないでしょうか。しかし、自分がレタッチ作業をしている「そのモニター」が、そもそも元データの色を正しく表示しているのだろうか、と疑問に思う人は少数派かもしれません。今回は、筆者が色を正しく観察するためのマスターモニターとして、ViewSonic(ビューソニック)の「VP2785-2K」を導入。このハードウェアキャリブレーションモニター「ViewSonic VP2785-2K」を使って「モニターで色を見るための設定」と「紙に印刷するための色を見る設定」を行う様子を紹介します。

モニターの色は基本的にバラバラ

ほとんどのモニターは色を正確に表示していない

フォトグラファーやデザイナー、印刷所の人など「色を扱う」ことを仕事にしている人であれば、PCモニター、ノートパソコンのディスプレイ、テレビなどに表示されている画像(データ)の色は、基本的に「バラバラ」だということは知っているはずです。

実際、下に掲載した写真のように、同じデータを表示させても、まったく違う色で表示されます。

画像: キャリブレーションなしでは、モニターの色はバラバラ。どれを信じてよいか、普通はわからないでしょう。

キャリブレーションなしでは、モニターの色はバラバラ。どれを信じてよいか、普通はわからないでしょう。

大抵のテレビやPCモニターに搭載されている「カラーモード」。それを「鮮やか」「ビビッド」、または「映画」「ゲーム」などに変更すれば、画像の色は簡単に変わるはずです。同じメーカーのテレビやPCモニターでさえ、設定を変更するだけで簡単に色が変わるのですから、異なるテレビやPCモニターではなおさらです。メーカーや機種によって設定基準も違うので、同じデータであっても表示される色がバラバラなのは当然といえるでしょう。

「色を扱う人」は、それらをわかったうえで、データの色彩を加工、調整しています。

データの色を正しく見るにはキャリブレーションが必須

色を扱う仕事をしている人は、データの「正しい色」を観察するための基準となる、キャリブレーション(校正・調整)された「マスターモニター」をもっているはずです。大航海時代なら方位磁針、現在ならGPSといったところでしょうか。これを持たずに、色の海にこぎ出していくのは自殺行為といえると思います。

SNSやYouTube、ネット印刷サービスの普及など、アプリケーションの進化で多くの人が日常的に色を加工しています。しかし、自分のモニターで見えている色を「なんとなく加工」するのは、トラブルの元です。そのため、色を扱う仕事をしている人は、少なくとも、自分が色を確認するための「マスターモニター」はキャリブレーションを行っているはずです。カラーマネージメント(CMS)なんて呼ばれ方もします。

モニターがデータの色を正しく表示するようにキャリブレーションを行うには、センサーを使うのが一般的で、筆者も愛用しているX-riteの「i1 DISPLAY PRO」やdatacolorの「SpyderX」などがよく使われている製品です。だいたい2〜3万程度で売られています。色を扱う仕事をしている人は、これらのセンサーでモニターをキャリブレーションしているケースがほとんどです。

画像: 筆者も愛用するX-riteの「i1 DISPLAY PRO」。画面上で色を扱う仕事をしているなら、最低限もっておきたいキャリブレーションツールです。

筆者も愛用するX-riteの「i1 DISPLAY PRO」。画面上で色を扱う仕事をしているなら、最低限もっておきたいキャリブレーションツールです。

正確に色をみるための「ViewSonic VP2785-2K」

「モニターをキャリブレーションするセンサーとソフトがあれば、データの色が正しく見られるのだから、モニターはなんでもよいのでは?」と思うのが普通でしょう。しかし、複数のモニターやテレビで画像データの加工などを行っている筆者は、色の加工や確認は、常に3台程度あるモニターのなかでMacBook Proのモニターでしか行いません。

メインパソコンはMac miniで、58インチの4Kテレビと26インチのフルHDテレビをつないで、センサーを使ってカラーマネージメントも行っていますが、色の確認や加工には使いません。そもそもテレビは、色を「美しく再現」するために進化したデバイスで、データの色を「正確に再現」するのに向いていないようです。そのため、テレビではカラーマネージメントの精度がアテにならないと感じています。そのため、3台のなかでは色の精度が高いと考えられる、MacBook Proをキャリブレーションして、マスターモニターとして使っていたわけです。

とはいえ、色の確認のために、いちいちほかのパソコン(MacBook Pro)でデータを開くのは面倒ではあります。また、色にシビアな仕事がメインの際には、モニターをパソコン用のものに変えて、ソフトウェアキャリブレーションして使っていました。

そこにハードウェアキャリブレーションが可能な「ViewSonic VP2785-2K」をテストする機会がやってきたのです。非常にうれしい。

画像: ハードウェアキャリブレーションに対応するViewSonic VP2785-2K。比較的低価格ながらWQHD(2,560×1,440)対応でAdobe RGBを100%カバーします。 www.viewsonic.com

ハードウェアキャリブレーションに対応するViewSonic VP2785-2K。比較的低価格ながらWQHD(2,560×1,440)対応でAdobe RGBを100%カバーします。

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ハードウェアキャリブレーションとは

モニターのキャリブレーションには、「ソフトウェアキャリブレーション」と「ハードウェアキャリブレーション」があります。

簡単にいうと、同じようにプロファイルというものを作って、モニターに表示する色を調整するのですが、ソフトウェアキャリブレーションは、モニターに伝える信号を補正して表示色をデータの本来の色に近似させるのに対して、ハードウェアキャリブレーションは、モニターの発光発色をコントロールして色を調整します。なので、ハードウェアキャリブレーションのほうが精度は高いのです。

これがどのくらい精度が高いかについては、表現がとても難しい。しかし、筆者の知っているキャリブレーションやカラーマネージメントのスペシャリストがいうには、「ソフトウェアキャリブレーションはカラーマネージメントに対する知識や習熟も必要。しかし、ハードウェアキャリブレーションなら、機材や環境の影響も小さく、ほとんど知識のない人でも、ほぼ正確な色を再現できる」といいます。

要は、特殊な知識や経験を持たない普通の人がキャリブレーションやカラーマネージメントを行う場合、ハードウェアキャリブレーションが必須ということです。

画像: ノートパソコンのなかでも正確な色の再現性が高いといわれるMacBook Pro。しかし、どのノートパソコンが色の再現性が高いかなど一般人にはわかりません。

ノートパソコンのなかでも正確な色の再現性が高いといわれるMacBook Pro。しかし、どのノートパソコンが色の再現性が高いかなど一般人にはわかりません。

データと印刷で色管理は別

基準が違うので設定をふたつ作る

ハードウェアキャリブレーション可能なモニターと、キャリブレーション用のセンサーを手に入れたら、後はキャリブレーションするだけです。しかし、おそらく設定画面で「白色点」「輝度」「ガンマ」「ADC」などといわれて、どうしていいかと悩んでしまう人が大部分でしょう。

これらは、最終的な成果物(印刷、WEB、動画ファイルなど)に合わせて設定を調整するのに必要なのですが、普通の人にはちょっとわかりにくいかもしれません。

そこで、筆者は基本的に「データ(WEB)用の色環境」と「印刷(紙)用の色環境」を作って、その仕事の最終成果物に合わせて使いわけています。この方法を解説していきます。

画像: ViewSonic VP2785-2Kのモニターキャリブレーションが可能な「Colorbration」。いきなり「白色点」は「CIEイルミナントD65」といわれても……。

ViewSonic VP2785-2Kのモニターキャリブレーションが可能な「Colorbration」。いきなり「白色点」は「CIEイルミナントD65」といわれても……。

「ViewSonic VP2785-2K」は「Cal」が複数保存でき便利

ハードウェアキャリブレーション可能な「ViewSonicVP2785-2K」には、ハードウェアキャリブレーションを行って調整した、ハードウェアの設定を保存しておける「CAL 1」「CAL 2」「CAL 3」が用意されています。

おかげで、複数の設定を簡単に変更して使うことができます。このあたりからも、色の加工や調整を仕事などで行う人向けモニターであることがよくわかります。要するに、最後にネット印刷に発注するデータの作成時には「紙用」、ブログで公開する写真の調整には「データ・WEB用」のモニター設定をそれぞれ保存しておき、変更できるのです。

この機能と、ViewSonicの専用ソフトを活用すると、「ViewSonic VP2785-2K」は、色を確認するためのマスターモニターとして非常に心強い存在になってくれます。

画像: www.viewsonic.com
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「CAL」でハードウェアの設定を変更したら、必ずそれに合わせて変更したモニター用のプロファイルも「システム環境設定」→「ディスプレイ」→「カラー」で変更しましょう。

画像: 簡単な操作で保存したハードウェアの設定を変更できる「CAL 1」「CAL 2」「CAL 3」は、とても便利です。

簡単な操作で保存したハードウェアの設定を変更できる「CAL 1」「CAL 2」「CAL 3」は、とても便利です。

データ用のキャリブレーション

「Colorbration+」をインストール

「ViewSonic VP2785-2K」でキャリブレーションを行うためのソフトは「Colorbration」と「Colorbration+(プラス)」の2つが用意されています。

どちらも、ViewSonicの公式サイトからダウンロード可能です。また、どちらのソフトもハードウェアキャリブレーションに対応しています。しかし、今回の「データ(WEB)用の色環境」と「印刷(紙)用の色環境」を作って、切り分けて使うには、「Colorbration+」が簡単で便利なので、この後は「Colorbration+」を使って解説をしていきます。

画像: 「Colorbration+_v1.0.0.22(Mac, English) download」を選択してダウンロード。Windows版は「Colorbration+_v1.0.0.31(Win, English) download」です。

「Colorbration+_v1.0.0.22(Mac, English) download」を選択してダウンロード。Windows版は「Colorbration+_v1.0.0.31(Win, English) download」です。

データ(WEB)用の色環境設定手順

「Colorbration+」でのデータ(WEB)用の色環境設定の手順を解説していきます。

画像: 「ViewSonic VP2785-2K」を接続したら「システム環境設定」→「ディスプレイ」→「配置」から「メニューバー」を移動してメインモニターを「ViewSonic VP2785-2K」に設定します。また、マルチモニターで使用する場合は、サブモニターの「カラー」から「Adobe RGB (1998)」もしくは「sRGB IEC61966-2.1」を指定します。

「ViewSonic VP2785-2K」を接続したら「システム環境設定」→「ディスプレイ」→「配置」から「メニューバー」を移動してメインモニターを「ViewSonic VP2785-2K」に設定します。また、マルチモニターで使用する場合は、サブモニターの「カラー」から「Adobe RGB (1998)」もしくは「sRGB IEC61966-2.1」を指定します。

画像: 「Colorbration+」を起動すると「基本モード」か「詳細モード」が選択できるので「基本モード」を選択します。表示が英語になっているときは「Basic mode」をクリック。

「Colorbration+」を起動すると「基本モード」か「詳細モード」が選択できるので「基本モード」を選択します。表示が英語になっているときは「Basic mode」をクリック。

画像: 言語環境などの影響なのでしょうが、はじめてインストールしたときは英語表記でした。日本語に変更する場合は「Application Infomation」をクリック。

言語環境などの影響なのでしょうが、はじめてインストールしたときは英語表記でした。日本語に変更する場合は「Application Infomation」をクリック。

画像: 「Language」から「日本語」を選択して「完了をクリック」

「Language」から「日本語」を選択して「完了をクリック」

画像: キャリブレーションしたいモニターを選択。ここでは「ViewSonic VP2785-2K」。

キャリブレーションしたいモニターを選択。ここでは「ViewSonic VP2785-2K」。

画像: 使用するモニターキャリブレーション用のセンサーを選択します。筆者は「i1 Display Pro」を使いました。

使用するモニターキャリブレーション用のセンサーを選択します。筆者は「i1 Display Pro」を使いました。

画像: もっとも重要なキャリブレーションの設定選択ですが「Adobe RGB」を選択します。続いて「輝度」は、そのまま「160cd/㎡」で問題ありません。重要なポイントは「目標」でデータ(WEB)用の色環境設定は普段からもっとも使うでしょうから「Cal 1」を選択して保存しましょう。選択が終了したら「キャリブレーションスタート」をクリックします。

もっとも重要なキャリブレーションの設定選択ですが「Adobe RGB」を選択します。続いて「輝度」は、そのまま「160cd/㎡」で問題ありません。重要なポイントは「目標」でデータ(WEB)用の色環境設定は普段からもっとも使うでしょうから「Cal 1」を選択して保存しましょう。選択が終了したら「キャリブレーションスタート」をクリックします。

画像: モニターにセンサーを装着して「次へ」をクリックします。センサーを装着する際にモニターを少し上向きに傾けておくのが、センサーと画面の間に隙間ができないコツです。

モニターにセンサーを装着して「次へ」をクリックします。センサーを装着する際にモニターを少し上向きに傾けておくのが、センサーと画面の間に隙間ができないコツです。

画像: センサーが色の計測をするので、その間は待つことになります。だいたい5分くらいでハードウェアキャリブレーションが行われます。

センサーが色の計測をするので、その間は待つことになります。だいたい5分くらいでハードウェアキャリブレーションが行われます。

画像: 測色が終わると概要が表示されます。いろいろ書いてあるのですが、とりあえずは「ICCプロファイルを保存」をクリックします。

測色が終わると概要が表示されます。いろいろ書いてあるのですが、とりあえずは「ICCプロファイルを保存」をクリックします。

画像: 「Save As」が表示されるのでファイル名を入力して保存します。保存場所は「Profiles」のままでいいです。ファイル名は作った日付、モニターの名前、設定値、筆者の場合は作ったソフトがわかるようにしておくので「20210419-VP2785-2K-AdobeRGB-ColorbrationPlus」などとなります。

「Save As」が表示されるのでファイル名を入力して保存します。保存場所は「Profiles」のままでいいです。ファイル名は作った日付、モニターの名前、設定値、筆者の場合は作ったソフトがわかるようにしておくので「20210419-VP2785-2K-AdobeRGB-ColorbrationPlus」などとなります。

画像: 「ICCプロファイルと記録の保存に成功しました。」が表示されるので「完了」をクリックして終わりです。

「ICCプロファイルと記録の保存に成功しました。」が表示されるので「完了」をクリックして終わりです。

ハードウェアキャリブレーションは専用ソフトで行うので、設定などが非常に簡単なのもうれしいところです。また、Adobe RGBの色域を100%カバーする「ViewSonic VP2785-2K」のメリットを活かすためにも「AdobeRGB」を選択するのがおすすめです。これでかなり正確にデータの色を観察できるはずです。

印刷用のキャリブレーション

印刷(紙)用の色環境設定

WEBと印刷物は基準となる色温度が違う、といった問題があります。そのため、最終的に印刷物になるデータの色を確認する設定は、データ(WEB)用の色環境設定とは別にしておくことをおすすめします。ここでは「Colorbration+」を使って「printing_AdobeRGB」でキャリブレーションを行います。

画像: 「Colorbration+」を立ち上げ、「ディスプレイ」と「測色センサー」を選択。さらに「キャリブレーション」の設定を「printing_AdobeRGB」、「輝度」「80cd/㎡」、「目標」はすでに「Cal 1」に「データ(WEB)用設定」を保存していると考え「Cal 2」とします。そして「キャリブレーションスタート」をクリックすれば、あとはデータ(WEB)用の色環境設定と同じです。

「Colorbration+」を立ち上げ、「ディスプレイ」と「測色センサー」を選択。さらに「キャリブレーション」の設定を「printing_AdobeRGB」、「輝度」「80cd/㎡」、「目標」はすでに「Cal 1」に「データ(WEB)用設定」を保存していると考え「Cal 2」とします。そして「キャリブレーションスタート」をクリックすれば、あとはデータ(WEB)用の色環境設定と同じです。

以上の設定で「Cal 1」にはデータ(WEB)用の色環境設定、「Cal 2」には印刷(紙)用の色環境設定が保存されました。最終成果物がデータのときには「Cal 1」、印刷物、すなわち紙のときには「Cal 2」を選択すれば、データの正確な色を確認しながらレタッチなどが行えます。

ただし、印刷用の設定として「printing_AdobeRGB」は非常によい設定なのですが、環境光などの影響でどうしても「赤すぎる」といった印象を受けるときは、「Cal 3」に「photography」で作った環境設定を保存して試してみるとよいでしょう。

ネット印刷をプロファイルで色確認

「ViewSonic VP2785-2K」のようなハードウェアキャリブレーションに対応するモニターを使ってキャリブレーションを行い、データの色が正確に観察できる環境でぜひ試してのほしいのが、Photoshopなどで使える「色校正」です。

ここでは、多くの印刷現場で使われており、ネット印刷などでも基準として使われていることの多い「JapanColor2011」のプロファイルを使った方法を紹介します。

画像: 日本印刷産業機械工業会のホームページから「JapanColor2011」をダウンロードします。同じWEBページにある「Japan Color認証制度ICCプロファイルに関する解説(PDF)」もダウンロードしてICCプロファイル「JapanColor2011」をインストールします。

日本印刷産業機械工業会のホームページから「JapanColor2011」をダウンロードします。同じWEBページにある「Japan Color認証制度ICCプロファイルに関する解説(PDF)」もダウンロードしてICCプロファイル「JapanColor2011」をインストールします。

画像: Photoshopを立ち上げて「編集」→「カラー設定」を選択します。すると「カラー設定」のウィンドウが開くので「作業スペース」の「CMYK」に「Japan Color 2011 Coated」を設定。「OK」をクリック。

Photoshopを立ち上げて「編集」→「カラー設定」を選択します。すると「カラー設定」のウィンドウが開くので「作業スペース」の「CMYK」に「Japan Color 2011 Coated」を設定。「OK」をクリック。

画像: 「表示」→「校正設定」→「作業用CMYK」を選択。「表示」メニュー内の「色校正」で現在の画像データを「JapanColor2011」のCMYKデータに変換した際の色彩(印刷時色彩)の変化が確認できます。また、「色域外警告」では「JapanColor2011」では再現できない色の部分が警告表示されます。

「表示」→「校正設定」→「作業用CMYK」を選択。「表示」メニュー内の「色校正」で現在の画像データを「JapanColor2011」のCMYKデータに変換した際の色彩(印刷時色彩)の変化が確認できます。また、「色域外警告」では「JapanColor2011」では再現できない色の部分が警告表示されます。

ハードウェアキャリブレーションを行い、モニターでデータの色を正確に観察できるように調整しておくと、再現できる色の広さが違うAdobeRGBやsRGBなどの「画像データ」から、CMYKなどの「印刷データ」などに変換される際の、色の変化も高精度で観察できます。

その結果、最終成果物がより美しくなるように調整することもできるのです。

印刷では再現できる色の範囲が狭く、sRGBやAdobeRGBの色彩を完全に再現できないこともあります。しかし、「印刷が上がってくるまでわからない」ではなく、それに合ったデータの調整が可能になるのもキャリブレーションのメリットです。ぜひ、試してみてください。

画像: 【ユニクロ】初夏にぴったり!通気性抜群の7分袖シャツ「プレミアムリネンスキッパーシャツ」購入レビュー
ViewSonic VP2785-2K ブラック [27型ワイド液晶ディスプレイ]
商品説明★ 27インチ面内スイッチング(IPS)ディスプレイ★ HDMI 1.4 | DisplayPort | USB Type-C★ 2560 x1440ネイティブ解像度★ 1000:1のコントラスト比★ 300cd /m2の明るさ★ 178°/ 178°の視野角★ 14ミリ秒の応答時間(GtG)★ 10億7000万色のサポート★ 3.5mmオーディオ出力ポート★ 内蔵USB3.1ハブスペック* 液晶パネル サイズ:27型ワイド パネルタイプ:AH-IPS / 非光沢 解像度:2560 x 1440 (WQHD) 表示面積:596.7 x 335.7mm 画素ピッチ:0.233 x ...
¥ 69,800
2021-05-16 16:46

まとめ

マスターモニターがないと「色の海」で遭難する

筆者の場合は、印刷の仕事が多いときには、さらにキャリブレーションを厳密に行います。しかし、最近はWEBの仕事が多く、経験的に比較的色が正確に再現されやすい、MacBook Proをソフトウェアキャリブレーションしてマスターモニターにしていました。作業は多少色が正確に再現されなくても、大きくて広い4Kのテレビで行っていたのです。

今回、「ViewSonic VP2785-2K」でハードウェアキャリブレーションを行ってみて感じたのは、専用ソフトということもありますが、「正確で簡単」ということです。そのためのハードウェアキャリブレーションなのだから、当然ではありますが、専門的な知識のない人でも簡単に使いこなせ、カラーマネージメントの恩恵が受けられるのが素晴らしいことだと思います。

実際のところ、自信をもってデータの色を正確に再現しているといえるモニターがないと、美しいデータを仕上げていくのは事実上不可能です。また、それに応えてくれるハードウェアキャリブレーションが可能で、Adobe RGBの色域を100%カバーする「ViewSonic VP2785-2K」は、すでに実勢価格は6万円台。筆者を含め、ブログやSNS、YouTube、さらにいうなら写真入りの企画書など、写真や動画を仕事で扱う人は、導入を真剣に検討すべきタイミングといえるのではないでしょうか。テレワークを考えると自宅にも検討したいところです。

執筆者のプロフィール

画像: 執筆者のプロフィール

齋藤千歳(さいとう・ちとせ)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在は昨年8月に生まれた息子と妻の3人、キャンピングカー生活にハマっており、約1カ月かけて北海道を一周するなどしている。

技術監修/小山壯二

ハイセンスジャパンの液晶テレビの新製品「A6Gシリーズ」は、4Kチューナーを内蔵した普及価格の4Kモデル。コンテンツやシーンに合わせた映像処理を行うことで、クラスを超えた高画質を実現している。「A30Gシリーズ」は、2台目テレビに最適なフルHDモデル。

ハイセンス 
A6G/A30Gシリーズ

●実売価格:A6Gシリーズ=7万円程度(50V型)、A30Gシリーズ=3万7000円程度(40V型)、2万8000円程度(32V型)

ハイセンスジャパンは、液晶テレビの新製品として、「A6Gシリーズ」と「A30Gシリーズ」を発売した。「A6Gシリーズ」は、4Kチューナーを内蔵した普及価格の4Kモデル。コンテンツやシーンに合わせた映像処理を行うことで、クラスを超えた高画質を実現している。地デジなどのHD映像も、4K解像度にアップコンバートすることが可能だ。サイズは50V型のみ(今後拡充予定)。

画像: 50A6G

50A6G

「A30Gシリーズ」は、2台目テレビに最適なフルHDモデル。エリア別の画質調整により、精細感の高い滑らかな映像が楽しめる。サイズは、40V型と32V型。

●問い合わせ先:ハイセンスジャパン 0120-835-111

※この記事は『特選街』2021年5月号に掲載されたものです。
※価格は記事作成当時のものです。

サブスクと最も相性がいいのは、動画や音楽配信などの「デジタルコンテンツ型」。ほかには、家電やカメラなどのモノを一定期間利用できる「レンタル型」や、食品や飲料などを店頭や配送で入手できる「頒布会・定期便型」も登場している。「支払い方法」や「解約方法」などは、しっかり確認しておこう。

購入する場合に比べ費用を抑えられる

近ごろ、テレビや雑誌など、各種メディアで「サブスク」という言葉を目にする。「サブスク=使い放題」と漠然と考える人も多いだろうが、それは当たらずとも遠からず。おさらいしておくと、そもそもサブスクとは英語の「subscription」の略で、「定期購読」や「予約購読」の意味合いを持つ。

かみ砕いていえば「定額を支払うことで、一定期間、商品やサービスを利用できるビジネスモデル」を示す。

一昔前は、新聞や雑誌の定期購読がサブスクの代表例だったように、サブスク自体は「使い放題」と同義ではない。さまざまなサブスクがある中で、定額を支払う対価が「使い放題」のタイプもあると考えたほうが正しいだろう。当然、サブスクの中には、食事券のような利用回数に制限のあるサービスも多数ある。

サブスク流行の理由はいくつもあるが、最たる原動力となっているのが「コスパの高さ」だ。例えば、動画配信サブスクの「Hulu」では、月額1026円で約7万本の作品が見放題となる。レンタル換算で7万本のコストと比べると、考えるまでもなく圧倒的に安価だ。

一定期間の利用権を得るだけなので所有はできないが、「いろいろな商品を試したいが、保管の手間はかけたくない」「モノやサービスは利用できれば十分」といった、現在のミニマリスト的な風潮とも合致する。

サブスクのメリット
購入する場合に比べて初期コストがかからない
豊富な品数の中から選んで利用できる
常に最新版の商品やデータを利用することができる
保管やメンテナンス、修理などのコストがかからない

サブスクのデメリット
基本的に解約すると手元に品物が残らない
利用頻度が低くても月々定額の料金がかかる
※サブスクで得られるのは原則「一定期間の所有権」のみ。そのため、料金は割安だが、解約すれば手元に商品は残らない。

こうしたサブスク人気を追い風に、現在はさまざまな分野でモノ・サービスのサブスク化が進行中だ。

サブスクと最も相性がいいのは、動画や音楽配信など、デジタルデータをオンデマンド配信できる「デジタルコンテンツ型」。ほかには、家電やカメラなどのモノを一定期間利用できる「レンタル型」や、食品や飲料などを店頭や配送で入手できる「頒布会・定期便型」も登場している。

レンタル型は従来のレンタルと変わらないように見えるかもしれないが、料金はあくまで「定額」という点が大きな違いといえるだろう。

サブスクの種類

画像: 主流は「デジタルコンテンツ型」だが、最近は「レンタル型」や「頒布会・定期便型」なども登場している。

主流は「デジタルコンテンツ型」だが、最近は「レンタル型」や「頒布会・定期便型」なども登場している。

支払いはクレジット、解約の方法も要確認

一方、サブスクを語るうえで外せないのが「支払い方法」についてだ。

実は、前述のコスパに加え、サブスクの普及にはクレジットカードをはじめとする「キャッシュレス決済」の存在も一役買っている。というのも、大半のサブスクはオンライン決済が基本のうえ、定期購入の支払い方法として現金払いや振り込みは煩わしいからだ。

したがって、サブスクを契約するなら、最低限でもクレジットカードやキャリア決済程度は利用できるように準備しておきたい。

画像: サブスクを活用すれば、さまざまな商品やサービスを比較的安価に利用可能。サブスク人気の高まりを受けて、現在は衣料品や飲食などにもサービス範囲が広がっている。

サブスクを活用すれば、さまざまな商品やサービスを比較的安価に利用可能。サブスク人気の高まりを受けて、現在は衣料品や飲食などにもサービス範囲が広がっている。

もっとも、キャッシュレス決済でサブスクを気軽に契約できるようになった半面、それにまつわる問題も増加している。

例えば、試用期間中の解約を忘れて課金されてしまったり、考えなしに高額なプランに加入してしまったり、解約したつもりのサブスクに料金を支払い続けていたりなど、金銭がらみのトラブルもある。

とはいえ本を正せば、いずれもユーザー側の不注意によるもの。契約内容をしっかり確認しておけば、問題になることはないだろう。

ほかに注意したい点としては、サブスクの「解約方法」がある。一口にサブスクといっても事業者はまちまちであり、解約方法も異なってくる。

基本的には各サービスの公式サイトから操作できる場合がほとんどだが、更新日ギリギリにいきなり手続きしようとすると要らぬ失敗を招くことになる。あらかじめサポートやヘルプなどで具体的な解約方法を調べておきたい。

また、サービスによっては解約後に「解約完了メール」を送付してくれる場合もあるので、そちらもしっかりと確認しよう。

サブスクにまつわるトラブル例
●「無料トライアル期間」を過ぎると自動的に有料サービスに移行するので、知らず知らずのうちに本契約となっていた。
●解約したつもりでも、実際には手続きが完了しておらず、支払いが継続されていた。
●自分にとって必要以上のプランやオプションを契約してしまった。
●サービスを利用するための端末や環境が手元にそろっていなかった。
●IDやパスワードを忘れてしまったためにサービスを利用できず、解約の手続きができなかった。

■解説/篠原義夫(ガジェットライター)

コシナの創業60年を記念して作られた「Voigtländer APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical」はマニアのなかで絶賛され非常に高い評価を受けています。これに続いて2021年4月に発売されたのが「Voigtländer(フォクトレンダー) APO-LANTHAR(アポランター) 35mm F2 Aspherical」。筆者は、このマニア注目の35mm単焦点レンズで「実写作例」や「解像力」「ぼけディスク」などの各種チャートを撮影しました。その結果からおすすめ&残念ポイント、結論、結論に至った理由を解説していきたいと思います。

執筆者のプロフィール

画像: 執筆者のプロフィール

齋藤千歳(さいとう・ちとせ)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在は昨年8月に生まれた息子と妻の3人、キャンピングカー生活にハマっており、約1カ月かけて北海道を一周するなどしている。
▼レンズデータベース(Voigtländer APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical)

なにを撮影してもうっとりできる圧倒的な描写力

画像: www.amazon.co.jp
www.amazon.co.jp

こだわり過ぎた絞り羽根は好みが別れるかも

今回は「Voigtländer APO-LANTHAR 35mm F2Aspherical」をレビューします。筆者は電子書籍を制作するために、すでに「解像力」「ぼけディスク」「軸上色収差」「最大撮影倍率」「周辺光量落ち」といった各種チャートやテスト、さらに実写作例も撮影済みなので、まず本レンズのおすすめポイントと結論からお伝えしたいと思います。

「Voigtländer APO-LANTHAR 35mm F2Aspherical」のおすすめポイントは

・チャートの撮影でもうっとりできるレベルの解像力
・解像力と相まって圧倒的な立体感を演出する独特のぼけ
・もはや工芸品レベルのコンパクトボディ
・実は意外と寄れる最短撮影距離と最大撮影倍率

の4つ。

逆に、もっとも残念なポイントは

・こだわり過ぎた絞り羽根の構造は好みが別れる点

です。

そのため、「高性能な35mmを探しているという方には非常におすすめ」、個人的にはVoigtländerAPO-LANTHARはぜひ一度、体験していただきたい素晴らしい描写のレンズになっています。ただし「手軽でそこそこの画質のAFの35mmレンズを探している」という方にはおすすめできません。

この結論に至った理由を各種チャートなどから解説していきます。

うっとりするような解像力

解像力が高すぎて、ピントはとてもシビア

画像: Voigtländer APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical/Sony α7R III/35mm/絞り優先AE(F2.0、1/160秒)/ISO 100/露出補正:−0.3EV/WB:晴天/クリエイティブスタイル:ビビッド

Voigtländer APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical/Sony α7R III/35mm/絞り優先AE(F2.0、1/160秒)/ISO 100/露出補正:−0.3EV/WB:晴天/クリエイティブスタイル:ビビッド

前作の「Voigtländer APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical」から、うっとりするほど解像力の高いレンズであるソニー Eマウント用のフォクトレンダー アポラインターシリーズ。今回の「Voigtländer APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical」も、素晴らしく解像力の高いレンズに仕上がっています。作例は開放のF2.0で撮影した函館山からの朝日の撮影ですが、画面左下の建物を拡大しても下のとおりです。

画像1: 解像力が高すぎて、ピントはとてもシビア

肉眼ではまったく識別できていませんが、病院らしい看板をなかば解像しています。これで開放のF2.0ですから、絞れば、さらに解像力はアップするはずです。その様子はチャートでみていきましょう。

画像2: 解像力が高すぎて、ピントはとてもシビア

今回のテストは「Voigtländer APO-LANTHAR 35mm F2Aspherical」をSony α7R III(有効画素数4,240万画素)に装着して行いました。そのため、基準となるチャートは0.8。

中央部分に関しては、絞り開放のF2.0から、とってもシャープです。基本的にF2.0からF11あたりまで同じような高い解像力を発揮します。素晴らしい結果です。

周辺部分については、開放F2.0から35mmの周辺部としては十分以上の解像力を発揮します。ただし、周辺光量落ちの影響でしょうか、やや暗くなるためF2.8あたりまで、解像はしていますが、コントラストが多少低く感じられます。それ以降は絞ると多少コントラストが上がる程度ですが、F8.0が解像力のピークになるようです。基準となるチャートの0.8よりも、さらに小さな0.7も一部解像する優秀な結果。

また、元々の収差も少ない傾向ですが、デジタルカメラ本体による「倍率色収差補正」や「歪曲収差補正」もしっかりと働き、歪みや色付きもほとんど感じません。

普段から、解像力チャート撮影して眺めている筆者としては、そのチャート描写の線の繊細さ、色付きのなさ、シャープネス、コントラスト、歪みのなさなど、等倍に拡大して、うっとりと眺めてしまうほど美しさです。

ただし、注意してほしい点もあります。恐ろしくシャープなレンズのためか、ピントが非常にシビアです。レンズがもつ本来の解像力を発揮したい場合は、F8.0あたりまで絞っての遠景の撮影でも、適当に無限遠にピントを合わせて撮影すると、きっちりピント合わせをした画像と明らかに解像感の異なる画像になることがあります。拡大しないとわからないレベルのこともありますが、比較すると明らかに解像力が低下するのです。そのため、ピント合わせを丁寧かつ正確に行うことが「Voigtländer APO-LANTHAR 35mm F2Aspherical」の使いこなしの第一歩といえるでしょう。

立体感を強調するぼけ

画像: Voigtländer APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical/Sony α7R III/35mm/シャッター速度優先AE(F2.0、1/200秒)/ISO 100/露出補正:+1.0EV/WB:オート/クリエイティブスタイル:スタンダード

Voigtländer APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical/Sony α7R III/35mm/シャッター速度優先AE(F2.0、1/200秒)/ISO 100/露出補正:+1.0EV/WB:オート/クリエイティブスタイル:スタンダード

独特のサラサラとしたぼけと解像感の共演

解像力の項目でも述べましたが、「Voigtländer APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical」は驚くほどピントにシビアなレンズです。正確に合焦した部分の解像力が際立つため、ちょっとピントが外れた部分が非常に目立つのです。上の写真のように開放近接のポートレートなどでは、本当に開放F2.0とやや暗めの被写界深度があるのか、疑いたくなります。そして、そのシャープな合焦部分を強調してくれるのが、独特のぼけでしょう。上の写真のピントが合っていない左側の目を拡大してみましょう。

画像1: 独特のサラサラとしたぼけと解像感の共演

8カ月の乳児の顔なので、ピントの合った右側の目からさほど距離があるとは思えないのですが、しっかりとぼけているのがわかります。そして、マニアックな言い方ですが、ぼけが少しモザイク状というか、サワサワしている印象を受けるのです。ちょっと独特なぼけなのですね。これをチャートで確認してみます。

画像2: 独特のサラサラとしたぼけと解像感の共演

画面内に極小のLEDを写し込んで玉ぼけを発生させ、その形や色つき、ザワつきからぼけの質と形を評価するぼけディスクチャート。基本的に形は真円に近く、質は色つきが少なく、ザワつきの少ない玉ぼけが発生するレンズほどぼけがきれいと考えられます。

その結果からいうと、「Voigtländer APO-LANTHAR 35mm F2Aspherical」は、開放の中央側のぼけを中心にみていくと、形はとてもきれいです。ただし、ぼけディスク(玉ぼけ)のフチには色つきなどはないものの、内部については細かなツブツブが同心円状に並んでいるようにもみえる独特の結果なのです。ツブが同心円状に並んでいるようにみえるのは、おそらく非球面レンズの影響といわれることの多い輪線ぼけが発生しているのでしょう。また、サワサワとしたモザイクのような独特のぼけもこのあたりに起因していると考えられます。筆者は実写の結果などをみる限り嫌いではないのですが、どうでしょうか。

ぼけを観察するために撮影したもうひとつのチャートと軸上色収差のチャートもみてみましょう。

画像3: 独特のサラサラとしたぼけと解像感の共演

カメラと45度角になるよう配置し撮影した軸上色収差チェック用のチャートです。当然、軸上色収差を確認するために撮影しているのですが、もうひとつの役割としてチャート下部で前後ぼけの傾向をチェックしています。

その結果からいうと、前後ぼけともに、サワサワとした感じはあるものの、大きなザワつきはなく、ぼけの汚さを感じる部分はありませんでした。そのため、独特のサワサワとしたぼけの好きか、嫌いかが好みをわけるでしょう。筆者は、このぼけ描写をプラスに評価しているので、問題を感じません。ただし、大きな玉ぼけが実写に発生するとぼけディスクチャートと同傾向になるので、これはあまりよい傾向ではないでしょう。

また、軸上色収差チャートの本来の役割である軸上色収差の発生も確認しておくと、軸上色収差は非常に軽微。F2.8あたりまで絞るとほぼ気にならないことをわかりました。このあたりの各種収差の少なさが絞り開放からの高い解像力に貢献していると考えられます。

所有欲を刺激する質感

愛でるレベルのビルドクオリティ

「Voigtländer APO-LANTHAR 35mm F2Aspherical」を製造するのは、コシナ(COSINA)です。知らないという方もいるでしょうが、レンズ好きにとってはカールツァイスレンズなどの製造も手がける、世界に名をはせる長野の名門、憧れの光学メーカーといえます。

「Voigtländer APO-LANTHAR 35mm F2Aspherical」は、レンズ本体はもちろん、なんとプラスチック製の前後レンズキャップに至るまで「Madein Japan」というこだわりようです。

スペック表でのサイズは最大径が約62.6mm、長さは約67.3mm、質量は約352g。また、実際に測定した大きさ、重さは下記のとおりです。

画像1: 愛でるレベルのビルドクオリティ

リアレンズキャップを装着した状態での実測となっています。本レンズはピント合わせ時にピントリングを回すと最大で約6mmレンズ長が変化するタイプのレンズです。さらにフードなどを装着したサイズも確認ください。

画像2: 愛でるレベルのビルドクオリティ

レンズフードを装着して無限遠側にピントを合わせた状態でレンズ長は約93mm。ちなみにねじ込み式のレンズフードを装着したときと装着しないときで、フィルター径が変化するので標準でふたつのサイズのフロントレンズキャップが付属します。写真右はフードなしで前後レンズキャップを装着した収納状態ですが、レンズフードが逆付けなどできない構造なので別途しまうことになります。

画像3: 愛でるレベルのビルドクオリティ

さほど手の大きくない筆者でも手の平の収まるサイズのレンズでかなりコンパクト。ただし、その大部分が金属パーツなので、ずっしりとした重量感はあります。

ピントリングのなめらかな動きや、絞りリングの動作感などは秀逸。工業製品というよりは、工芸品といった趣があるほどです。撮影をしないときでも、カメラに装着して、マニュアルフォーカスの感触などを愛でて楽しむことの出来るレンズといえるでしょう。

意外と寄れる最短撮影距離

実はソニー Eマウント用のアドバンテージ

「Voigtländer APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical」の最短撮影距離は35cm、最大撮影倍率は0.15倍です。

画像: 実はソニー Eマウント用のアドバンテージ

撮影したマクロチャートを掲載しましたが、約234mm×156mmの範囲を画面いっぱいに撮影できます。

このスペックは、一眼レフ用やミラーレス一眼用の35mm単焦点レンズを見慣れた筆者にとって平凡な数値です。しかし、「Voigtländer APO-LANTHAR 35mm F2Aspherical」は、今回のレビューで紹介しているソニー Eマウント用のほかにライカ Mマウント互換の VM マウント用の同モデルが用意されています。ただし、VMマウント用の最短撮影距離はライブビューを使って50cm(距離計連動最短撮影距離は70cm)となっているため、平凡なスペックながらソニーEマウント用ならではのアドバンテージといえるのです。

また、ライカMマウント互換のVMマウント用「Voigtländer APO-LANTHAR 35mm F2Aspherical」をマウントアダプターなどで各種ミラーレス一眼に装着した際の周辺部解像力などは、さまざまな問題によりソニーEマウント用に及ばないといいます。

ソニーのα系ユーザーなら、最短撮影距離や画質を含め
「Voigtländer APO-LANTHAR 35mm F2Aspherical」は、Eマウント用がおすすめというわけです。

こだわりの絞り羽根構造

見事な作りに感動するが、実用性は?

あらゆる部分に設計制作者のこだわりを感じる大好きなレンズである「Voigtländer APO-LANTHAR 35mm F2Aspherical」ですが、筆者が唯一、こだわり過ぎではと思ったのが、絞りの形です。

「VoigtländerAPO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical」のときには12枚絞りで開放F2.0とF2.8でほぼ真円なる特殊な形状の絞り羽根を採用しており、素直にすごいと感心しました。これをさらにパワーアップ、「Voigtländer APO-LANTHAR 35mm F2Aspherical」では、12枚羽根の絞りが開放F2.0、F2.8、F5.6、F16で真円になるそうです。

実際の様子は下記のチャートのとおりです。

画像1: 見事な作りに感動するが、実用性は?
画像2: 見事な作りに感動するが、実用性は?

実際にぼけディスクチャートを撮影しても、きちんとF2.0、F2.8、F5.6、F16でぼけの形がほぼ真円になっているのがわかります。

技術的にも、数学計算的にもすごいことをしているのだろうと、素人の筆者でも思うのです。しかし、F5.6やF16のぼけの形にこだわるなら、F2.2やF2.5の際にぼけの形がもっと真円に近づける方が実用的なのでは? と思ってしまうわけです。

そういった点では、こだわりが突き抜け過ぎて、少し違う方向に行っている印象を受けました。技術的にすごいことだと思いますし、チャートを撮影するのは楽しいですが……。

まとめ

レンズ好きなら一度は使ってほしい、大好きな1本

コシナの創業60年を記念して作られた「Voigtländer APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical」に続いて、発売されたのが「Voigtländer APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical」です。「Voigtländer APO-LANTHAR 50mmF2 Aspherical」が発売された際には、その高性能ぶりが多くのマニアの間で話題になりました。筆者も実際の各種チャートを撮影し評価、絶賛しています。そして、今回の「Voigtländer APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical」も実写やチャートの結果からも素晴らしい仕上がりといえるでしょう。

しっかりと合焦した部分の解像力の高さ、これと独特のぼけが織りなす立体感のある描写力。筆者の場合がチャートや実写の撮影結果をパソコンなどで100%表示にしてうっとりと眺めてしまうほどの美しさです。よいレンズというのは、こういうことなのか! が実感できるレンズなので、レンズ好きなら一度は使ってみてほしいレンズといえます。

また、いまどき、前後レンズキャップまで「Madein Japan」というレンズのビルドクオリティは、工芸品の趣を感じるレベル。撮影の道具だとわかっていても、撮らないのに夜な夜なピントリングの動きなどを愛でても楽しめるレベルの製品です。

注意してほしいのは、マニュアルフォーカスレンズである本レンズのピント合わせ。解像力が高すぎるためか、絞っても、遠景でもしっかりとピントを合わせないと、拡大時にピンぼけに気が付くことになるでしょう。丁寧で正確なピント合わせを心掛けてください。

実勢価格は115,000円前後と決して安くはありませんが、その描写を知ってしまうと決して高いレンズではないと思えてしまうのが恐ろしいところです。

「Voigtländer APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical」とともに、筆者にとって描写の好きなレンズのTOP10に入ってくるレンズに「VoigtländerAPO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical」は仕上がっています。大好きなレンズです。

画像: 【レビュー】うっとりする解像力、独特のぼけ、工芸品レベルのボディ「Voigtländer APO-LANTHAR 35mm F2Aspherical」実写チャート評価
フォクトレンダー Voigtlander APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical E-Mount [ソニーE ]
●焦点距離 35mm ●口径比 1 : 2 ●最小絞り F16 ●レンズ構成 9群11枚 ●画角 62.2° ●絞り羽根枚数 12 枚(開放、F2.8、F5.6、F16で円形絞り) ●最短撮影距離 0.35m ●最大撮影倍率 1 : 6.46 ●最大径×全長 φ62.6×67.3mm ●フィルターサイズ φ49mm ●重量 352g ●レンズフード 付属 ●電子接点 あり   ●フォーカス拡大機能 対応   ●Exif情報: 対応   ●レンズ補正選択 可能   ●5軸ボディー内手ブレ 対応(5軸対応ボディーに限る)  ●その他: 絞り切替え機構付
¥114,799
2021-05-16 6:33

●Voigtländer APO-LANTHAR 35mm F2 Asphericalの基本スペック

対応マウント:ソニー Eマウント
レンズ構成:9群11枚絞
り羽根枚数:12枚
フィルター径:49mm
大きさ:Φ約62.6×67.3mm
質量:約352g
実勢価格:115,000円前後

(技術監修:小山壮二)

今回のテストアイテムは、イギリスのルアークオーディオが送り出す、多機能な一体型オーディオ「R3」だ。実際に使ってみたが、質感の高い本体デザインと、聴き疲れしない音質が良好。プリセット機能を使って、ストリーミングサービスの多彩な音楽を便利に楽しめる。

今回のテストアイテムはこちら
ルアークオーディオ「R3」

実売価格例:13万2000円

●プロフィール
イギリスのルアークオーディオが送り出す、多機能な一体型オーディオ。「Spotify」「Amazon Music」などの音楽ストリーミングサービスが直接再生でき、CD、FM、ブルートゥースなどにも対応する。

画像: 木目を生かしたウォールナットカラーは高級感がある。前面がやや上向きになるように設置できるので、ナチュラルに音が広がる。

木目を生かしたウォールナットカラーは高級感がある。前面がやや上向きになるように設置できるので、ナチュラルに音が広がる。

SPEC
●スピーカー/75㎜フルレンジNS+スピーカーユニット×2●出力/30W●対応メディア/CD、インターネットラジオ、DAB、DAB+、FM(87.5~108.0MHz)、音楽ストリーミングサービス(Spotify、Amazon Music、Deezer、Tidal)●Bluetooth対応コーデック/SBC、AAC、aptX●接続端子/RCAアナログ入出力、光デジタル入力、USB Type-C、LAN●サイズ/幅420㎜×高さ167㎜×奥行き220㎜●重量/5.3kg

スピーカーは、75ミリフルレンジが2基

さまざまな音楽ストリーミングサービスが人気の現代だが、CDを聴きたいシーンもまだ多いものだ。このR3は、そんなニーズにこたえ、音質もデザインも大人向けに作られた一台といえる。

本体は幅42センチで、コンパクトとはいえないが、設置しやすいサイズ。また、天然木と上質なファブリックを生かした本体は、インテリアとしても上々だ。前面のディスプレイも見やすく、日本語表示にも対応。スピーカーは75ミリフルレンジユニットを2基搭載し、ABクラス・アナログアンプで駆動する。

端子類はすべて背面に配置されている

画像: 美しくシンプルな筐体デザインを実現するためか、ヘッドホンやUSB-Cを含め、端子類はすべて背面に配置。光デジタル入力も備えている。

美しくシンプルな筐体デザインを実現するためか、ヘッドホンやUSB-Cを含め、端子類はすべて背面に配置。光デジタル入力も備えている。

機能はかなり多いが、日常使いでメインとなるのは、Spotifyなどのストリーミングサービスだろう。本体では表示できる情報も限られるので、細かい操作や選曲は「UNDOK(アンドック)」というスマホアプリを使う。アプリの操作自体は難しくないが、日本語化されていないのが残念。

また、各サービスのプレイリストなどをプリセット登録できる機能があり、ボタン一つでお気に入りジャンルの最新曲をすぐに流したり、ダイヤル操作で次々と切り替えたりできるのは便利だ。

独自デザインのロトダイヤル

画像: 回して選曲、押して選択するダイヤルの周囲にボタンが集中。リモコンにはプリセットボタンがあり、各サービスごとにプレイリストなどを割り当て可能。

回して選曲、押して選択するダイヤルの周囲にボタンが集中。リモコンにはプリセットボタンがあり、各サービスごとにプレイリストなどを割り当て可能。

音量を上げても聴き疲れをしない

CDプレーヤーが搭載されているのもうれしい。サウンドは派手ではないが、抑制のきいた、じっくりと聴きたくなるタイプ。音量を上げても聴き疲れせず、好ましい。ネットワーク経由でパソコンやNAS上の音源を再生することもできるので、これ一台に音楽を集約することも可能だ。

インターネットラジオに加え、FMラジオも内蔵されているが、国内FM局の周波数には対応しておらず、「radiko」も非搭載。ただし、ブルートゥーススピーカーとしても使えるので、スマホの「radiko(ラジコ)」アプリを使って楽しむのもありだ。

おすすめ度…

ストリーミング、CD、ネットワーク再生など多彩に対応したオシャレな一体型

ココが〇

質感の高い本体デザインと、聴き疲れしない音質が良好。プリセット機能を使って、ストリーミングサービスの多彩な音楽を便利に楽しめる。

ココが✖️

FMラジオの受信周波数が、日本のラジオ局に対応していない。音量調節のステップが広く、もう少し細かく調整したいと感じるときがある。

※文中の「オススメ度」は、「A+」から「C−」までの9段階評価になっています。

※価格は記事作成時のものです。
●解説/大坪知樹 (フリーライター)

コロナ禍をきっかけに、空気の「質」が注目されています。高性能な空気清浄機のニーズがこれまでにないほど高まる中、ダイソンから2021年の新製品「Dyson Purifier Hot+Cool™空気清浄ファンヒーター」が発表されました。これまでの性能や独自性を継承しながら、「密閉性」をキーワードに、新たな価値基準を提案する新モデルです。ダイソンの新しい空気清浄機、その実力と使用感をレビューします。

ダイソンの新しい空気清浄機
Dyson Purifier Hot+Cool™空気清浄ファンヒーター

「おうち時間」の充実のため、暮らしを見つめる時間が増えた昨今、家電の「質」にこだわる人が多くなっています。性能面はもちろん、インテリア性も高く、持っていて満足度の高い製品が、これまで以上に求められるようになりました。

空気清浄機の中で、そのニーズを満たす製品として真っ先に名前が挙がるのが、ダイソンです。ウイルスを含む微細な粒子まで捕集する高いフィルター性能(*1、*2)と、スマートでスタイリッシュなデザイン、コンパクトながら、ヒーターや扇風機を兼任する多機能性。さらにメンテナンスの簡便性にも定評があり、オリジナリティや製品力に優れているのが特徴です。

2021年の最新モデル「Dyson Purifier Hot+Cool(ダイソン ピュリファイアー ホット アンド クール)」では、その圧倒的な製品力に加え、さらに新しい魅力が加わりました。それが「密閉性」の追求です。「Dyson Purifier Hot+Cool™空気清浄ファンヒーター」と、同時発表の空気清浄ファン「Dyson Purifier Cool™空気清浄ファン」について、ポイントを踏まえながらその実力を見てみましょう。

*1 実使用空間での実証結果ではありません。

ココがすごい①
微細なPM0.1までも99.95%キャッチする「空気清浄能力」

一般に、空気清浄機はフィルターの実力が清浄能力を大きく左右します。「Dyson Purifier Hot+Cool™空気清浄ファンヒーター」では、グラスHEPAフィルターを採用。9メートルのHEPAマイクログラスファイバーをプリーツ状に200回以上折ったという高密度のフィルターは、花粉やハウスダストよりもさらに微細な PM0.1 レベルの粒子を、99.95%(*3)キャッチする働きを持ちます。

ちなみに、日本のHEPA基準(JIS規格)は、「定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率」となっています。しかし、ダイソンが準拠しているのは、それよりもさらに条件が厳しい、「0.1μm(PM0.1)の粒子捕集率」を対象としたHEPA基準(欧州規格)です。ダイソンの高性能フィルターの捕集率は、HEPA基準(欧州規格)で「99.95%」だったといいます(*3)。つまり、より細かい微粒子までしっかり捕えているので、クリーンにすることに優れているということです。

画像: 欧州規格の高性能フィルターで、微細なPM0.1までも99.95%除去 (*3) 。

欧州規格の高性能フィルターで、微細なPM0.1までも99.95%除去(*3)

ココがすごい②
取り込んだ空気を閉じ込める「密閉性」

皆さんは、空気清浄機を買う時、または使用する時、空気清浄機本体の隙間から「汚れた空気が漏れている」と考えたことはありますか? 空気清浄機の基本は、汚れた空気を取り込み、それをフィルターで清浄してきれいな空気として送り出す、ということです。しかし、一度取り込んだはずの汚れた空気が、製品本体の隙間から漏れていたとしたら元も子もありません。

画像: 見過ごしがちな「本体の隙間からの空気の漏れ」に果敢にアプローチ。

見過ごしがちな「本体の隙間からの空気の漏れ」に果敢にアプローチ。

ダイソンはこの課題に取り組み、密閉性を高めることでフィルターだけではなく、製品本体でPM0.1を99.95%閉じ込めることに成功しました(*4)。高性能なフィルターの特長を生かしきるため、新製品では徹底的に「密閉性」にこだわったのです。具体的には、首振り機能の土台のつなぎ目や、送風口と本体のつなぎ目、本体内部の接着箇所など24ヵ所を見直し、高い圧力で密閉を行っています。これにより、汚れた空気を本体内にしっかり閉じ込めて、フィルターを通過した「清浄された風のみ」を送り出すことに成功したといいます。

一見すると地味な進化に思えますが、空気清浄機にとっては清浄機能の確実性を上げる、重要な改善ポイントといえます。空気清浄機の密閉性は、ポストコロナ時代における製品選びの新たなキーワードになりそうです。

画像: 製品を徹底的に「密閉」することで、吸い込んだ空気を閉じ込め、常に清浄された空気を送り出せる。

製品を徹底的に「密閉」することで、吸い込んだ空気を閉じ込め、常に清浄された空気を送り出せる。

ココがすごい③
汚染物質に素早く反応する「検知能力」

「Dyson Purifier Hot+Cool™空気清浄ファンヒーター」では、複数のセンサーが常に室内の空気をモニタリングしています。「微粒子(ホコリ)センサー」「有害ガス・ニオイセンサー」「温度・湿度センサー」の3つのセンサーが汚れを検知。オートモードに設定すると、自動で反応し、汚れ具合にあわせて風量を調整してしっかり除去します。

ハウスダストや花粉などの「PM10」、たばこの煙などの「PM2.5」、清掃用製品や塗料などに含まれる有害ガス「VOC(揮発性有機化合物)」、調理中に発生するガスや自動車の排気ガスなどに含まれる「NO₂(二酸化窒素)」など、空気中に浮遊している微粒子を検知し、ダイソン独自のアルゴリズムで素早く分析。わずかな汚染物質にも確実に反応して、部屋の空気の状態をモニターしてくれます。

画像: 複数のセンサーが常に室内の空気をモニタリング。

複数のセンサーが常に室内の空気をモニタリング。

画像: 視認性のよいカラフルなディスプレイが清浄状況を表示する。ハウスダストや花粉などの「PM10」、たばこの煙などの「PM2.5」を検知。

視認性のよいカラフルなディスプレイが清浄状況を表示する。ハウスダストや花粉などの「PM10」、たばこの煙などの「PM2.5」を検知。

画像: 揮発性有機化合物などの「VOC」、二酸化窒素などの「NO₂」も自動で検知。

揮発性有機化合物などの「VOC」、二酸化窒素などの「NO₂」も自動で検知。

ココがすごい④
部屋全体を清浄する「循環能力」

部屋全体の空気をきちんと清浄するために、空気を循環させることも空気清浄機の性能の大きなポイントとなります。そのために必要なのが「部屋の空気を動かす循環力」です。

「Dyson Purifier Hot+Cool™空気清浄ファンヒーター」は、送風口から空気が出る際に、まわりの空気を引き込むことで増幅させる「Air Multiplier™テクノロジー」を搭載。毎秒290Lの風を送り出して(*5)、清浄された空気を遠くまで届けることができます。また、350度の首振りを行う機能と合わせ、部屋のすみずみまで空気の循環を促すことが可能です。空機清浄機や扇風機としてだけではなく、ファンヒーターとして使う場合も、部屋の隅まで暖かい空気が行き渡り、部屋の効率的な暖房に役立ちます(*6)

画像: スムーズでパワフルな風+350度の首振り機能で、部屋のすみずみまで空気を循環 (*6) 。

スムーズでパワフルな風+350度の首振り機能で、部屋のすみずみまで空気を循環(*6)

ココがすごい⑤
フィルター掃除不要「メンテナンスの簡便性」

羽根がないシンプルなデザインは、スタイリッシュであると同時に、「拭き掃除が簡単」というメリットがあります。フィルターは1年ごとの交換(*7)となるため、フィルターについたホコリを掃除機で吸ったり水洗いしたりといったメンテナンスも不要です。

また、扇風機とヒーター機能を持っている「Dyson Purifier Hot+Cool™空気清浄ファンヒーター」は、通年での使用が可能なため、別途扇風機やヒーターを購入する必要がなく、使わないときの収納場所に困ることがありません。花粉の多い春はもちろん、夏や冬にも活躍して、一年中快適な暮らしを保ってくれるでしょう。

ダイソンの新しい空気清浄機
「Dyson Purifier Hot+Cool™空気清浄ファンヒーター」レビュー

大きさや質感は?

今回私が使ってみたのは、ダイソンの新しい空気清浄機「Dyson Purifier Hot+Cool™空気清浄ファンヒーター」。空機清浄機といえば四角く、重厚感があるイメージですが、スマートなボディの本機は圧迫感がほとんどありません。高さは腰下くらいで、設置スペースもA4程度の広さがあれば置くことができます。

画像: スマートでコンパクトなボディの「Dyson Purifier Hot+Cool™空気清浄ファンヒーター」。圧迫感はほとんどない。設置スペースもA4程度の広さがあれば十分。

スマートでコンパクトなボディの「Dyson Purifier Hot+Cool™空気清浄ファンヒーター」。圧迫感はほとんどない。設置スペースもA4程度の広さがあれば十分。

また、一般的な空気清浄機は、空気の吸入口が限定されている場合が多いのですが、「Dyson Purifier Hot+Cool™空気清浄ファンヒーター」は、360度から空気を吸引する構造で、置き場所を選ばず、部屋の隅でも真ん中でも、柔軟に設置が可能です。高級感がありインテリア性も高いので、リビングの目立つ場所でも違和感なく置けるのもいいですね。

画像: ボディの外周360度から空気を吸引。部屋のどこに置いてもパワフル&効果的に機能を発揮する。高級感がありインテリア性も高い。

ボディの外周360度から空気を吸引。部屋のどこに置いてもパワフル&効果的に機能を発揮する。高級感がありインテリア性も高い。

ディスプレイの見やすさは?

本体正面に搭載された「LCDディスプレイ」では、リアルタイムで空気の状態が表示されます。部屋の空気質をグラフで表示するほか、それぞれの汚染物質であるPM2.5、PM10、VOC(揮発性有機化合物)、NO₂(二酸化窒素)の状況も確認できます。

画像: 汚れのレベルを色で示すので直感的にわかりやすい。実際に「数値」が表示されるところはさすが。

汚れのレベルを色で示すので直感的にわかりやすい。実際に「数値」が表示されるところはさすが。

空気の状態は数値のほか、イラストや色でわかりやすく表示され、室内の空気のコンディションが一目瞭然です。数値が減って色が変わると安心感があり、空気清浄効果を実感できます。

お手入れのしやすさは?

一般的な空気清浄機は月に一回程度、フィルターの掃除が必要ですが、本機は年に一度、フィルターを交換するだけでOK(*7)。フィルターはボタンを押せばカチッと外れ、簡単に着脱できます。フィルターの交換時期は、本体ディスプレイで確認が可能です。

なお、他社の空気清浄機の中には、フィルターが「10年交換不要」というものもありますが、「Dyson Purifier Hot+Cool™空気清浄ファンヒーター」は、掃除などはせず交換して高い性能を維持するスタイルを取っています。空気の「質」にこだわれば、こちらの方が安心だと思います。

画像: フィルターはワンタッチで着脱可能。機械が苦手という方でも交換は1〜2分で終了する。

フィルターはワンタッチで着脱可能。機械が苦手という方でも交換は1〜2分で終了する。

動作音は静か?夜も使える?

「Dyson Purifier Hot+Cool™空気清浄ファンヒーター」は、リビングやキッチンのみならず、さまざまな場所での使用が想定されています。特に、寝室で使うときに便利なのが「ナイトモード」機能です。セットしておけば静音運転に切り替わり、10段階ある風量が自動でレベル4以下に抑えられ、静かで心地よい風を送り届けてくれます。

画像: ディスプレイが薄暗くなり、静音運転に切り替わる「ナイトモード」を搭載。

ディスプレイが薄暗くなり、静音運転に切り替わる「ナイトモード」を搭載。

部屋の照明が暗いときは、LCDディスプレイが自動で減光されるほか、まぶしい明かりや運転音もそれほど気にならず、リラックスできる空間作りを行ってくれます。また、本機はアプリから操作が可能です。外からも室内の空気環境のモニタリングやコントロールができるので、帰宅前に部屋を暖めておいたり、電源の切り忘れに対応するといった便利な使い方もできます。

画像: 外出先でも、スマホアプリによる遠隔操作で室内の空気の状態を把握しコントロールできる。

外出先でも、スマホアプリによる遠隔操作で室内の空気の状態を把握しコントロールできる。

2021年ダイソンの空気清浄機
3つのラインナップ

ダイソンの空気清浄機ラインナップは、空気清浄機+扇風機+ヒーター機能付きの「Dyson Purifier Hot+Cool™空気清浄ファンヒーター」のほか、空気清浄機+ 扇風機のシンプルな空気清浄ファン「Dyson Purifier Cool™空気清浄ファン」、そして空気清浄機+扇風機に加湿機能が追加された「Dyson Pure Humidify+Cool™加湿空気清浄機」の3タイプ。空気清浄能力はどれも高く、欲しい機能に合わせて選べる点が嬉しいです。

2021新製品(NEW!
Dyson Purifier Hot+Cool™空気清浄ファンヒーター(HP07)

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▼詳しくはこちら

画像: Dyson Purifier Hot+Cool™空気清浄ファンヒーター www.dyson.co.jp

Dyson Purifier Hot+Cool™空気清浄ファンヒーター

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2021新製品(NEW!
Dyson Purifier Cool™空気清浄ファン(TP07)

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Dyson Purifier Cool™空気清浄ファン

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Dyson Pure Humidify+Cool™加湿空気清浄機(HP01)

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Dyson Pure Humidify+Cool™加湿空気清浄機

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まとめ

高性能な空気清浄機として一年中室内の空気を清浄しながら、夏は扇風機として、冬はファンヒーターとして活用できる「Dyson Purifier Hot+Cool™空気清浄ファンヒーター」は、空気の「質」が問われる今、ぴったりなアイテムだと言えそうです。健康に気を配りつつ、インテリアをシンプルにまとめたい人、また単身者からファミリーまで、あらゆるライフスタイルの「おうち時間」を充実したものにしてくれるでしょう。

2021年の最新モデル「Dyson Purifier Hot+Cool™空気清浄ファンヒーター」「Dyson Purifier Cool™空気清浄ファン」についてのお問い合わせ、詳しい製品情報については、それぞれの公式サイトよりご覧ください。

今回取り上げている「Dyson Purifier Hot+Cool™空気清浄ファンヒーター」は、5月26日より販売開始となります。なお、同時発表の「Dyson Purifier Cool™空気清浄ファン」は、2021年5月12日より販売開始となっております。

詳しい製品情報

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お問合わせ

https://www.dyson.co.jp/contact.aspx

*2 25m³の密閉した試験空間での45分後(HP07)の浮遊したウイルスへの効果であり、実使用空間での実証結果ではありません。ご使用の状況によって効果は異なります。試験機関:(一財)北里環境科学センター。試験方法:25m³の試験空間で日本電機工業会規格(JEM1467)の性能評価試験 にて実施。対象:浮遊したウイルス。試験機:HP07(最大風量時)。試験結果:45分後に99%捕集。 試験報告書:北生発2020_0561号。
*3 欧州規格EN1822に準拠し第三者機関SGS-IBR(米国)が実施したPM0.1の粒子を対象としたフィルター試験結果。このフィルターでは0.1μm未満の微小粒子状物質については、 除去の確認ができていません。また、空気中の有害物質のすべてを除去できるものではありません。PM 0.1とは0.1μmの大きさの微小粒子状物質です。
*4 欧州規格EN1822に準拠し、2020年に実施した、0.1µmの粒子を使い最大風量にて行ったフィルター性能自社試験結果。自社規格TM-100583に準拠し、0.1µmの粒子を使い最大風量にて行った実機の清浄能力を測定した試験結果。
このフィルターでは0.1μm未満の微小粒子状物質については、 除去の確認ができていません。また、空気中の有害物質のすべてを除去できるものではありません。PM 0.1とは0.1μmの大きさの微小粒子状物質です。
*5 最大風量に設定した場合。
*6 空気清浄機能は自社規格DTM801に準拠し、空気を送り出す自社試験結果、および自社規格TM-003711に準拠し、81㎥の空間で空気清浄能力を測定した自社試験結果。ヒーター機能は自社規格DTM961に準拠し、35㎥の空間を暖める能力を測定した自社試験結果。
*7 1日12時間使用の場合。使用時間に基づきます。フィルター寿命は、空気の汚れ具合によって異なります。

制作/特選街web編集部
撮影/疋田千里(Photographer)

時短調理器具「Toffy ハンディチョッパー」シリーズの新製品「マルチハンディチョッパー K-HC7」は、新たに5枚のカッターパーツを追加。千切り・薄切り・薄千切り・つま切り・おろしも簡単にできるようになった。手元を保護する安全ホルダーも備えている。

Toffy 
マルチハンディチョッパー K-HC7

●価格:2200円

ラドンナは、ハンドルを引くだけで刻む・泡立てる・混ぜるが手軽に行える時短調理器具「Toffy ハンディチョッパー」シリーズの新製品として、「マルチハンディチョッパー K-HC7」を発売した。

画像1: Toffy マルチハンディチョッパー K-HC7

新たに5枚のカッターパーツを追加したのが特徴で、千切り・薄切り・薄千切り・つま切り・おろしも簡単にできるようになった。手元を保護する安全ホルダーも備えているから、安心して使うことが可能だ。

画像2: Toffy マルチハンディチョッパー K-HC7

ほかに、液漏れを防ぐ内蓋や、調理した食材をそのまま保管できる保存蓋も付属する。本体サイズは、直径125ミリ×高さ145ミリ。

●問い合わせ先:ラドンナ ☎03-5620-2780

※この記事は『特選街』2021年5月号に掲載されたものです。
※価格は記事作成当時のものです。

プジョーと言えば、自動車からスクーター、自転車に至るまで幅広い乗り物を展開するフランスのモビリティプロバイダー。そのプジョーが参画していたグループPSAがフィアットやクライスラーが加わるFCAと合併し、世界第4位の自動車グループ「ステランティス」の一翼を担うようになったのが今年の1月のことだ。その成長戦略として据えているのが“パワー・オブ・チョイス”である。これは電気自動車(EV)やハイブリッド車(PHEV)を各ラインナップに設定する一方で、これらはすべてガソリンやディーゼルエンジン搭載車もラインナップする戦略を指す。今回はそのラインナップの試乗レポートをお届けする。

SUV 2008

軽快なガソリン車と重厚さのEV、クラスを超える上質な内装

画像: フルEVのプジョーSUV「e-2008 GT」

フルEVのプジョーSUV「e-2008 GT」

画像: プジョーSUV e-2008GT

プジョーSUV e-2008GT

プジョー「SUV 2008」は、Bセグメントのコンパクトカー「208」のクロスオーバーSUV。デザインコンセプトなどを「208」とは同じにするものの、SUVらしさを演出する樹脂製のホイールアーチを採用し、ホイールベースを70mm延長して実用性を高めた。ガソリン車の「SUV 2008」とEVの「SUV e-2008」を揃え、ベーシックな「Allure」と、レザーシートやフルLEDライトなど上質な装備を標準化した「GT Line」を用意している。

画像1: プジョーSUV 2008GT

プジョーSUV 2008GT

画像2: プジョーSUV 2008GT

プジョーSUV 2008GT

インパネは、各部に配されたカーボン柄のパネルやソフトパッドで仕上げており、Bセグとは思えないほどの質感を伝えてくる。GT Line専用のアルカンタラとチップレザーを組み合わせたシートのホールド感も心地良かった。コックピットに目をやると重要度に応じて情報を複数レイヤーで表示する「3D i-Cockpit」が先進的で楽しい。この基本仕様のまま、「2008」ではガソリン車とEVが選べるわけだ。

画像: 3D表示となる「i-Cockpit」を全車種に搭載(写真:2008GT)

3D表示となる「i-Cockpit」を全車種に搭載(写真:2008GT)

画像: クラスを超えた上質な府に気を持つインテリア(写真:2008GT)

クラスを超えた上質な府に気を持つインテリア(写真:2008GT)

ガソリン車は1.2L 直3ターボを積む。走り出すと組み合わせた8速ATが低回転域をうまくカバーして軽々と常用域の中間速度に達する。足まわりの仕上がりは引き締まった感じが好印象で、継ぎ目などの衝撃に遭遇しても不快な印象はほぼ感じさせない。凸凹が連続するとは若干跳ねる一面も見せるが、高い収束性のおかげで快適さは維持されていた。

画像: アルカンタラとチップレザーを組み合わせたシート(写真:e-2008GT)

アルカンタラとチップレザーを組み合わせたシート(写真:e-2008GT)

画像: ピアノタッチで操作できるスイッチは使い(写真:e-2008GT)

ピアノタッチで操作できるスイッチは使い(写真:e-2008GT)

一方のEVである「e-2008」。ガソリン車との外観の違いはフロントグリルをボディと同色で仕上げたことと専用バッジが与えられ、当然ながら排気口がないことぐらい。充電口がガソリン給油口と同じ位置にあるため、外観だけで違いを見分けるのは難しいだろう。

そのe-2008の電動パワートレインは最高出力100kW、最大トルク260Nmのモーターに50kWhのリチウムイオンバッテリーを組み合わせた。0-100km/h加速は8.5秒と驚くほどのパフォーマンスではないが、走り出せばアクセルに素早く反応する十分な速さを感じさせる。バッテリーの重さも加わり、段差の乗り越えでもクラスを超えた重厚感がある。この辺りが軽快さを身上とするガソリン車との大きな違いと言える。

画像: 急速充電器でチャージング中のe-2008。30分程度の利用となるため、出掛けた先で緊急避難的に使うことになる

急速充電器でチャージング中のe-2008。30分程度の利用となるため、出掛けた先で緊急避難的に使うことになる

e-2008の航続距離はWLTPモードで331km、JC08モードで385kmとなっているが、満充電して表示されるのはそれを下回る290kmほど。この辺りが実用走行距離と考えたい。それでもバッテリーを積んでも車内や荷室への影響を与えず、走りではむしろ重厚さを加えているあたりは大きな魅力となるだろう。

画像: 軽快なガソリン車と重厚さのEV、クラスを超える上質な内装

SUV3008

ガソリン+ディーゼルに加え、PHEVも登場。痛快かつ上質な走り

画像: プジョー「SUV3008GT」2L直4ディーゼルターボ

プジョー「SUV3008GT」2L直4ディーゼルターボ

同社のSUV戦略を支えてきたCセグメントのコンパクトクロスオーバーSUVがプジョー「SUV 3008」だ。ラインナップはガソリン車とディーゼル車に加え、マイナーチェンジを機にプラグインハイブリッド車(PHEV)を新たに追加。プジョー唯一の4WDともなる。グレードは内燃機関モデルとしてベーシックな「Allure」とハイパフォーマンスモデルの「GT」をラインナップし、それぞれにガソリンの1.6L直4ターボ、ディーゼルの2L直4ディーゼルターボを揃えた。PHEVは「GTハイブリッド4」は、1.6L直4ターボ+2モータ(前後)を搭載した最上位グレードとして位置付けられる。

画像: 抜群に使いやすいピアノタッチの操作スイッチ(写真:3008GT

抜群に使いやすいピアノタッチの操作スイッチ(写真:3008GT

画像: 目盛りを内側方向に刻む独特の表示方法を採用(写真:3008GT)

目盛りを内側方向に刻む独特の表示方法を採用(写真:3008GT)

デザインのポイントはフェイスリフトを受けたフロントマスクだ。新型3008では新世代のデザインが採用され、ボディ同色のストライプ模様が徐々にフロントグリルに溶け込むグラデーションの美しさは思わず心を奪われるほど。インテリアも落ち着き感と先進性をバランスよくまとめた上品さがあり、建て付けの精度が高いために満足度は極めて高い。

最初に試乗したのはディーゼルの「GT 」ブルーHDiだ。2L 直4ディーゼルターボエンジンはトランスミッションに8速ATを組み合わせる。中低速域のトルク感が高くレスポンスも俊敏で、このエンジンのおかげでワインディングロードの走りも痛快そのもの。プジョーならではの“猫足”ぶりを発揮しつつ、全高が高いSUVとは思えないしっかりとした足で峠道を走り抜ける。安定したハンドリングと高いスタビリティは格別ものだ。

画像: プジョー「SUV 3008 GT ハイブリッド4」は1.6Lガソリンエンジンに電気モーターを組み合わせたPHEVとなる

プジョー「SUV 3008 GT ハイブリッド4」は1.6Lガソリンエンジンに電気モーターを組み合わせたPHEVとなる

注目のPHEV「GT ハイブリッド4」は、前輪を1.6L直4ガソリンエンジンと110psの電気モーターでの組み合わせで、後輪には独立した112psのモーターが備わる。これによって、プジョーとしては最強のシステム出力300psを発揮することとなった。また、13.2kWhのバッテリーでの航続距離は最長64km(WLTCモード)のEV走行を可能としている。

画像: エンジンルーム内はガソリンエンジンと電気系ユニットで埋まる(写真:GTハイブリッド4)

エンジンルーム内はガソリンエンジンと電気系ユニットで埋まる(写真:GTハイブリッド4)

画像: 落ち着き感と先進性をバランスよくまとめたインテリア(写真:GTハイブリッド4)

落ち着き感と先進性をバランスよくまとめたインテリア(写真:GTハイブリッド4)

画像: テップレザーとアルカンタラを組み合わせたシートで上質さを演出(写真:GTハイブリッド4)

テップレザーとアルカンタラを組み合わせたシートで上質さを演出(写真:GTハイブリッド4)

画像: ヒルディセンドコントロールを搭載し、最大傾斜角が10度はありそうな下り坂をゆっくりと下りていける(写真:GTハイブリッド4)

ヒルディセンドコントロールを搭載し、最大傾斜角が10度はありそうな下り坂をゆっくりと下りていける(写真:GTハイブリッド4)

試乗ではしなやかさの中に重厚さが加わった印象だ。粗めの路面でも細かな振動を十分に吸収されており、とにかく乗り心地がいい。ハンドリングも素晴らしく、思った通りに素直にトレースしていく。ほどよく駆動配分してくれる4WDの効果であることは明らかだが、ハイブリッド4だけがリアサスペンションにマルチリンクを採用していることも大きいという。特にコーナーが連続する峠道では走るほどに楽しくなる。そんな思いにさせてくれるクルマとなっていることは間違いない。

画像: プジョーSUV3008 GTハイブリッド4

プジョーSUV3008 GTハイブリッド4

リフター

使い勝手の良さで群を抜く、フランス生まれのミニバン

画像: プジョー「リフター」商用車をべースにしただけあって優れたスペースユーティティを持つ

プジョー「リフター」商用車をべースにしただけあって優れたスペースユーティティを持つ

プジョーのSUVラインナップで異なるタイプが「リフター」だ。元々はフランス本国で商用車として使われているだけにスペースユーティリティに優れるが、それをベースによりカジュアルなアクティブなミニバンと仕上げているのだ。都会的なクロスオーバー感を前面に押し立て、使い勝手が良さを合わせ持つ。それこそが人気を支える大きなポイントになっていると言っていい。

画像: 前席シートは高めの配置により優れた前方視界を確保した

前席シートは高めの配置により優れた前方視界を確保した

画像: リアシートはシンプルながらたっぷりとしたサイズのシートが3連で並ぶ

リアシートはシンプルながらたっぷりとしたサイズのシートが3連で並ぶ

画像: たいていのものなら何でも入る大きな間口。ルーフには大型の収納ボックスが備わる

たいていのものなら何でも入る大きな間口。ルーフには大型の収納ボックスが備わる

しかも、使い勝手の良さは、使うほどに楽しくなる遊び心にあふれている。実際のところ、広大な荷室を中心として生み出される高い実用性は、日常生活でも圧倒的な便利さをもたらす。テールゲートの開口部は幅120cm、高さ100cmと巨大で、自転車だろうとちょっとした家具だろうとワケなく収納できる。ルーフ付近に用意したポケットもたっぷりとした容量があり、小物以上のモノをきちんと収納できる造りとなっている。この辺りの徹底ぶりは日本車にはお目にかかれない発想だ。

走りは1.5L 直4ディーゼルターボエンジンによって、トルクフルな力強い加速感を発揮する。300Nmという最大トルクを1750rpmで発生し、8速ATとの相性も良好であるため、常用域でも楽に走らせることができ、高速や峠道に行っても何ら力不足を感じることはない。しかもディーゼルとは思えない静粛性で快適にドライブできることだろう。

画像: 各所に多くの収納スペースを装備した機能的な造り

各所に多くの収納スペースを装備した機能的な造り

画像: プジョー「リフター」

プジョー「リフター」

リフターで難を言えば、リア左右ドアが完全な手動式であることだ。しかも、閉める時の力が結構必要で、慣れないと女性にはツライかもしれない。それと、ACC機能も備わっているのだが、全車速追従はしてくれるものの、レジューム機能は備えていないためもう一度設定する必要がある。渋滞時は少し煩わしいかも知れない。とはいえ、ユーティリティとしっかりとした走りを期待したい人にとっては最適な一台となるだろう。

文◆会田 肇(あいだ・はじめ)
1956年茨城県生まれ。大学卒業後、自動車系出版社の勤務を経てフリージャーナリストとして独立。カーAVやカーナビなど、カーエレクトロニクスの分野を中心にレポート活動を展開しつつ、カメラ系の評論も行う。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
▼日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ会員)
▼走りも楽しいエコカーの実力(イミダス)

スマートウオッチなどのウエアラブル端末を手がけるフィットビットから、JR東日本の交通系ICカード・Suicaに対応したCharge 4が登場した。GPS搭載の進化型フィットネス&ヘルストラッカーで、日々のワークアウトや屋外アクティビティ、健康状態のデータを記録することが可能だ。

フィットビットの進化型GPSトラッカーにSuicaの決済に対応したモデルが登場

スマートウオッチなどのウエアラブル端末を手がけるフィットビットから、JR東日本の交通系ICカード・Suicaに対応したCharge 4が登場。GPS搭載の進化型フィットネス&ヘルストラッカーで、日々のワークアウトや屋外アクティビティ、健康状態のデータを記録することが可能。

フィットビット
Fitbit Charge 4
実売価格例:1万8173円

多彩なベルトを楽しむことができる

画像: フィットビットの進化型GPSトラッカーにSuicaの決済に対応したモデルが登場

さらにSuicaへの対応によって、スマホや財布を取り出すことなく、この端末をタップするだけで全国の電車やバスなどの交通機関の利用や、加盟店での買い物が可能になった。

画像: 健康状態を細かくモニタリング。iPhoneやAndroidスマホでSuicaと最大6枚のクレジットカードやデビットカードを登録可能。

健康状態を細かくモニタリング。iPhoneやAndroidスマホでSuicaと最大6枚のクレジットカードやデビットカードを登録可能。

※価格は記事作成当時のものです。

この記事では、日々の暮らしに役立つ100均グッズを実際に使用してレポートします。今回は、ダイソーの「キッチン目安計」をレビュー。ざっくり計量ができる、見た目もかわいいアイテムです。同商品の基本情報や、実際に使ってみた際の個人的な感想や評価もまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

評価者のプロフィール

画像: 評価者のプロフィール

ちょいズボラなおひとりさま女子。一人暮らし歴は10年を超え、プチプラ便利グッズの追及に磨きがかかってきた。恋人ができると必ず「100均デート」に連れていき、自分と価値観が合うかどうかを判定する。

“はかり”のように見えて実は“目安計”

料理や郵送する時など、日常の中で重さを量る機会は意外と多いもの。自宅に1台はかりを備えておきたいですよね。そこで今回は、ダイソーの「キッチン目安計」をピックアップ。商品名にもある通り“はかり”ではなく“目安計”なのですが、ざっくり重さが分かればいいという方にはちょうどいい商品です。ネット上でも「小さいから置き場所にも困らない」「計量カップつきだから便利!」と大きな話題を集めているよう。100円ショップで購入できる目安計とは一体どんなものなのか、さっそくチェックしていきましょう。

画像: コンパクトなフォルムがなんともかわいらしい!

コンパクトなフォルムがなんともかわいらしい!

サイズ感が小さいから置き場所にも困らない!

あくまでも“はかり”ではなく“目安計”だという同商品。注意書きにも「目安として3%の誤差値は生じます。ご了承の上、お買い求めください」と書かれています。誤差が生じることを前もって宣言する正直さが逆にいいですよね。大きさは約11.5(幅)×17.7(高さ)×8.8cm(奥行)とコンパクトサイズ。ちょっとしたキッチンスペースや引き出しにもしまえるサイズ感です。重さも一般的なはかりと比べて軽く、持ち運びも楽々。アナログ式なので、デジタル式と違いレトロさを感じます。使用しない時は、インテリアとして飾ってもおしゃれですよ。

画像: 目安計がすっぽりはまる計量容器つき

目安計がすっぽりはまる計量容器つき

パッケージを開いてみると、目安計の他に計量容器もセットでついていました。容器には500mlまで目盛りが刻んであるため、液体も計量できてしまいます。使い方はとても簡単。水平な場所で容器を目安計の上にのせ、上部のダイヤルを回し0に合わせるだけ。目安計の土台と計量容器の底がピタっとはまる形状になっているので、ズレにくく安心して使えます。最大1kgまで計量できるので、日常使いにはちょうどいいかもしれません。

画像: 100円とは思えないしっかりとした形状

100円とは思えないしっかりとした形状

目安計の土台を軽く押してみたところ、ばねに重さがあり意外にしっかりした作り。100円なので簡単に壊れてしまわないか心配でしたが、そんなこともなさそうです。これなら目安計としての機能は十分果たしてくれるのではと期待が膨らみますね。念のため計量物は、計量容器の中央に静かにのせて使いましょう。

画像: キッチンに置いておくだけでもかわいい!「キッチン目安計」

キッチンに置いておくだけでもかわいい!「キッチン目安計」

実際に「キッチン目安計」を使用した人からは、「シンプルで使いやすく、インテリアにもぴったり!」「レトロな見た目がかわいいから、つい飾りたくなってしまう」「実験に使うわけでもないし、本当に適当でいい我が家には十分」と好評の声が。正確さよりもコスパ重視という方は、一度試してみてはいかがでしょうか?

◆文・撮影=片山鈴(編集ライター)
※価格や情報は記事作成時のものです。

※記事中の商品サイズは実物と異なる場合があります。

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