「あったか市政」 めざします

「あったかシティさいたまプラン21」(あったかプラン21)

コロナ禍を通じてさいたま市の医療・保健体制のぜい弱さや、命と健康、地域経済を守るうえで公(おおやけ)たる行政の役割が十分に果たされてこなかったことが明るみに出ました。今度の市長選挙では当面のコロナ対策と、コロナ禍の教訓を市政運営にどう生かすのかが問われます。 今回の市長選挙にあたりコロナ禍の教訓も取り入れて、「あったかシティさいたまプラン21」(あったかプラン21)政策を作りました。

1.コロナ禍から誰ひとりとり残さないさいたま市政に

(1)コロナ禍から市民の命とくらしを守る

当面の課題としてコロナ対策を強力に推進します。国の施策が不十分であるにもかかわらず「国の動向を注視」し、追随し続けてきた清水市政から転換して、市民の命と健康、くらしと地域経済を守り支えるために全力をあげます。コロナ禍で経済的困窮下にある学生を支援します。PCR等検査対象を希望者まで広げるとともに、医療・保健体制を抜本強化し、困った時に誰もが必要な支援を受けられるようにします。
  1. 感染抑制のためPCR検査の対象を大きく広げます。緊急に医療機関、障害者施設、保育所、学童保育、学校などの職員へ定期検査(自己負担なし)を行います。ワクチンや治療薬が十分普及するまで、「いつでも誰でも何度でも」希望者が全員検査を受けられる制度を早急に整えます。
  2. ワクチン接種は幅広くスムーズにできるような体制を整えます。
  3. 医療機関への支援を拡大します。最前線でたたかう医療関係者に特別手当を支給します。
  4. 感染者数が増える中でひっぱくしている保健所体制のさらなる強化にとりくみます。
  5. コロナ対策の総合生活相談窓口をつくります。
  6. 地域経済が厳しい状況です。苦しむ市内小規模企業者・個人事業主へ直接支援の上乗せをします。
  7. 運営が厳しい飲食店には店舗に対する補助金を出します。
  8. 市でフードパントリーの補助をします。
  9. 福祉・教育の充実、市民負担軽減のとりくみを進めます(詳しくは2.「あったかシティさいたま」5つの柱)
  10. コロナ禍で文化の灯が消えないよう文化・芸術関係者の活動を支援します。

(2)パンデミック(コロナ禍)に強いさいたま市をつくります

コロナ禍を通じて医療・保健体制のぜい弱さがあらわになりました。ところが清水市政には医療・保健体制の計画的な増強計画がありません。さらに人口集中するほどにパンデミックに弱くなります。医療・保健体制の増強と集約型のまちづくりを見直します。
  1. 全国最低の医師数・看護師数・病院ベッド数(人口あたり)を改善し、緊急時でも医療体制を支えられるようにします。コロナ対策でも医療体制の要を担ってきた公立・公的病院の拡充を進めます。国の医療体制削減・医療費負担増に反対します。
  2. さいたま北部医療センターを国の再編統合から外し、地域病院としてニーズに応えられる機能を充実させます。
  3. 保健所体制を強化するため、各行政区にある保健センターに感染症対策機能を持たせます。
  4. 集中型より分散型の都市づくりをめざします。人口が集中するほど感染症に弱くなります。2都心4副都心構想そのものと、これに付随した大型公共事業計画は市民目線で再検討を行い、思い切った見直しをはかります。
  5. 学校や保育所など子育て関連の施設でソーシャルディスタンスに配慮できる施設整備を進め、必要な人員配置を市の責任で行います。

2.「あったかシティさいたまプラン」5つの柱

(1)税金の使い方を市民第一に変え、市民にあたたかい市政をめざします

さいたま市は政令市第3位の財政力がありますが、大型公共事業に多額の税金投入をし続け、市民のために使われているとは言えません。厳しい市民のくらしと地域経済に向き合って、税金の使い方を見直して、市民のくらし第一に変えます。 誰もが住んで良かったと思える、安心して住み続けられるくらしを支える「あったかシティさいたま」を実現します。
  1. 清水市政のもとで巨大施設を次々建設してきたハコモノ行政をやめます。今後計画されている大型公共事業はゼロベースで見直します。これによって将来負担を減らし、「あったかプラン21」をすすめる財源を生みます。
  2. 清水市長は国のいうがままに、公共施設マネジメント計画で公共施設面積の削減と複合化を進めてきましたが、必要な施設が抑制され、複合化で公共施設が巨大化して税金の浪費につながっていることから同計画をゼロベースで見直します。
  3. 医療・福祉・教育などの分野での削減・抑制はやめます。医療・福祉・子育て支援・教育などの分野を自治体が最優先的にやるべき仕事と位置づけ、財政投入を積極的に行います。削減・抑制で生まれた財政調整基金をはじめとした基金690億円(2019年度決算)の一部を活用します。
  4. 国民健康保険税の連続値上げ計画を中止して値下げをします。18歳以下の子どもは免除します。
  5. 介護保険料が2021年度値上げされますが、低所得者中心に値下げします。
  6. 高すぎる水道料金を大幅黒字と内部留保を活用して値下げします。水道民営化はしません。
  7. 学校給食費の2020年度値上げ分を撤回し、値下げします。段階的な値下げによる給食費無料化へ道筋をつけます。
  8. 市長給与を3割カットし、高額な退職金を大幅に引き下げます。

(2)くらし・福祉を第一にするさいたま市に

清水市政は削減・抑制に加え、自助・自己責任を前面に福祉施策を展開してきましたが、コロナ禍を通じて重要性が浮き彫りになったケアを市政の柱に位置付けます。くらしを支える雇用を守るため地方自治体として積極的に雇用と仕事を生み出すとともに地域経済を支えている小規模企業、商店、農業を守り支えます。
  1. 清水市政のもとで「福祉施策の再構築」で毎年20億円あまり削ってきた高齢者・障害者・難病患者への支援制度を元に戻します。
  2. 加齢性難聴の人に補聴器の助成制度をつくります。すべての公共施設にヒアリングループを設置します。
  3. ケアを重視するさいたま市をめざします。ケアワーカー(福祉分野の労働者)の低すぎる賃金を改善するため市独自の処遇改善を拡充します。施設整備も国・県の制度を全面的に活用するとともに市の上乗せも行い、公的支援を強めて推進します。
  4. 生活困窮の際に気軽に相談できるよう、生活保護の運用を改善し、生活保護は憲法上の権利であることに鑑み、市民の暮らしと命を守ることを最優先にし、扶養照会を本人の同意なしに行わないなど、市民に寄りそって運用します。
  5. 税金の滞納は生活困窮のサインとして、滞納の取り立てに終始するのでなく、滞納してもさまざまな制度ができるようにして、市民の暮らしを支えます。
  6. 手話言語条例やケアラー支援の条例、介護や児童等福祉にかかわる虐待防止条例など、市が福祉充実に積極的にとりくむための条例の制定を目指します。ヤングケアラーの実態を把握し、必要な支援を行います。
  7. 動物愛護センターを充実させ、市民との共同で保護・譲渡のとりくみをすすめます。殺処分をゼロにします。
  8. 小規模企業や商店、農業への支援制度を関係者の要望にこたえる形で充実します。
  9. 住宅リフォーム助成や商店リフォーム助成、公契約条例の制定の実現を目指します。
  10. 市営住宅を増やすとともに、低賃金の借り上げ住宅を整備します。
  11. 市職員の非正規・外部委託推進を転換します。市民サービスを最前線で支える職員が市民に責任を負って仕事をするためにも正規職員を増やし、必要な部署への配置を充実させます。

(3)子どもが輝くさいたま市へ

さいたま市では人口が増え、子どもの数も増えています。コロナ禍の元で様々なひずみが子どもに押し寄せているもとで、保護者も含めた多面的なケアが求められています。子育てを支える仕組みを民間任せにしてきた清水市政から転換し、「公助」で安心して子育てができる、あたたかい支援が届くさいたま市にします。 さいたま市の教育行政は、国の施策を積極的に取り入れる一方で、10万人拍手やグローバルスタディ、GIGAスクール構想、巨大義務教育学校など学校現場を無視して上から押し付けるトップダウンばかりで、現場に様々なひずみを生んでいます。子どもの権利を基礎に置き、保護者・教員が共同して教育行政を進めます。
  1. 民間保育所への支援を強めると同時に、清水市政の公立保育所・公立放課後児童クラブを新たに作らない方針から転換し、必要に応じて公立での施設整備もします。待機児童をゼロにします。
  2. 公共施設マネジメント計画(第二次アクションプラン)における公立保育所の民間譲渡・廃止計画は必要な地域に保育サービスが提供されなくなるおそれがあり、公的責任の放棄につながりかねません。施設計画の視点ではなく、保育と福祉の観点から見直します。
  3. 大規模マンション建設や大規模開発で人口増が見込まれる地域には計画的に子育て需要にこたえる施設整備(公立も含む)を業者の協力も得てすすめます。
  4. 民間保育所の保育士の処遇改善にさらに上積みをし、看護師配置への補助金の創設など子どもの命をまもる体制を手厚くします。
  5. 放課後児童クラブ(学童保育)の支援員処遇や施設整備に国の補助金をほとんどつかってこなかった清水市政から転換し、国の補助制度をフルに活用して大きく底上げします。民間学童の運営に苦労する保護者の負担を軽くするための支援を充実させます。
  6. 教育長のトップダウンのやり方ではなく、子どもの権利を基礎に置き、保護者・教員が共同して教育行政を進める、みんなでつくる教育に変えます。
  7. 国が少人数学級に動き始めましたが、不十分です。県や他の政令市に見習ってさいたま市独自で対象を広げ、スピードアップをはかることで、小学校と中学校と市立高校での35人学級を4年間で実施します。実現後は30人学級導入を段階的に行います。
  8. 過大規模校対策が必要な地域への学校建設を積極的に進めます。
  9. 小1から中3まで児童生徒を一つの学校で教育する「義務教育学校」は更に大規模化を招く恐れがあります。学校建設は学ぶ子どもたち本位の目線で行います。
  10. 市立知的特別支援学校や夜間中学校を整備して、子どもたちの学びを保障します。
  11. さいたま市独自の給付型奨学金制度を創設して大学生を支えます。
  12. 子どもがのびのび遊べる自由公園を各区に作ります。
  13. 市内の公園遊具安全化、再設置を早急に進めます。

(4)十区十色に輝く、安心・元気に住み続けられるさいたま市へ

市内10区どこでも安心して住み続けられる都市づくりを市民参加ですすめます。今、清水市政で開発が2都心4副都心に集中しており、区ごとの施設、インフラなどの格差が大きくなっています。十区十色に輝く、集中型から分散型の都市をつくるうえで、身近な公共施設やきめ細かな公共交通が必要です。防災対策も拠点に集中するだけでなく、身近にあってこそ市民の命を守ることができます。長期的な災害対策や未来の住環境に影響を及ぼす気候変動対策も緊急の課題です。再生可能エネルギーの普及など温室効果ガスの削減に強力にとりくみます。
  1. 区ごとの権限を強め公と住民がとともにつくる街づくりをめざします。
  2. 公民館やコミュニティー施設などを集中・豪華型から身近に小規模・分散型で増やします。
  3. 公民館の改修、エレベーター設置、トイレの洋式化を一気に進めます。
  4. 地域を結ぶ公共交通のあり方を見直して、コミュニティーバスやデマンド型タクシーなど身近な交通手段を積極的に活用します。そのためにルート増、土日の運行、運賃を100円に値下げ、など利用しやすくします。
  5. 東日本大震災から10年、台風19号被害から2年がたちます。地震・水害対策を強力に進めます。家屋・商店・農業など被災者への支援を上乗せします。
  6. 市内河川の水害対策を強力に進めます。また、ゲリラ豪雨に対応できるよう下水管を太いものに変えます。下水道普及率が低い地域には力を入れて整備を進めます。
  7. 避難所生活の改善にスフィア基準の視点を積極的にとりいれます。防災対策全般をジェンダーの視点から見直して強化をはかります。学校体育館のエアコン整備を進めます。
  8. 気候変動対策のかなめとして2050年までに温室効果ガス実質ゼロに向け、排出量削減を市政の柱に位置付けます。再生可能エネルギーの普及を一気に進めるため、太陽光発電などへの補助の拡充をします。原発ゼロへのとりくみを国に求めます。
  9. 市民、駅利用者に愛され続けてきた七里駅の桜を残します。

(5)ジェンダー平等、憲法の理念が生きるさいたま市を目指します

憲法と地方自治法でうたわれる基本原則、「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」(憲法第92条)、「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする」(地方自治法第1条の2)、に立脚して市政を進めます。立憲主義と平和主義・民主主義を市政運営でも生かします。
  1. ジェンダーの視点を市政の各分野に積極的に生かします。
  2. 副市長に女性を登用します。
  3. 2025年までに市の職員の女性管理職の比率30%を実現します。
  4. さいたま市は九条俳句不掲載訴訟で最高裁まで争い、敗訴が確定しました。市民活動に行政が違法に介入した反省に立ち、再発防止はもちろん、表現の自由や市民活動の自由を尊重した市政運営にとりくみます。
  5. 核兵器禁止条約が発効したことを歓迎するとともに、「平和都市宣言」を「非核平和都市宣言」へ発展させます。国に同条約の批准を求めます。

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