「接種券のバーコードが読み取れない」「(カメラの)ピントが合わない」――新型コロナワクチンの接種を担う自治体からこうした声が出ている。タブレット端末を使った接種券の読み取り作業でトラブルが多発しているためだ。読み取り方法に問題があるとして、内閣官房IT総合戦略室(IT室)は5月11日、タブレット端末を固定し、スムーズに接種券を読み取るための専用スタンドを全国の自治体に配布すると発表した。
各自治体では現在、高齢者や医療従事者を対象に接種券を配布し、接種を順次始めている。接種会場では接種券に記載された18桁の数字「OCRライン」をタブレット端末のカメラと専用アプリで読み取り、接種した回数や場所を識別するスキームだが、正しく読み取れないケースが相次いでいた。
IT室は自治体向け資料の中で「端末を固定し、読み取り面から約7.5cm離すとスムーズに読み取れる」と案内していたが、接種券にはバーコードも記載されていることからバーコードを読み取ろうとしてしまう例もあったという。一部では「バーコードでも読み取れる」と政府が説明していたという報道も出ている。
これに対し、平井大臣は読み取り方法に関して「誤解があった」とした上で「読み取りは18桁の数字、OCRラインで行うものであって、バーコードで読み取るのではない」と説明。接種券の読み取り方法について、動画や画像入りのマニュアルで自治体に改めて周知する考えを示した。
IT室は全国の自治体に読み取り専用スタンドの希望台数を聞き取り、24日以降に配布する方針。
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