全国で水回りの修理トラブルが増加

いま全国で、とあるトラブルが増加しているという。 
それが…

この記事の画像(8枚)

トイレなど、水周りの修理に関するトラブルだ。 

国民生活センターによると、こうした修理に関する相談は2013年度から右肩上がりで増えており、2020年度はすでに全国の消費生活センターに931件寄せられている。 

その多くが、高額請求に関するものだという。 直撃LIVEグッディ!は、実際に高額な請求をされ、支払ってしまったという女性を取材。 

修理内容や支払いまでの経緯を聞いた。 

愛知県で母親と2人暮らしをする60代女性。トラブルのきっかけは、2週間前だったという。 

70万円請求された60代女性: 
うちの母親が尿取りパッドを使っているんですけど、どうやら詰まらせちゃったみたいで。トイレに行ってみたら、トイレの床が水浸し状態でした。初めてのことで慌ててしまって

女性は、慌てて修理業者を呼んだという。 

70万円請求された60代女性: 
検索したら1番最初のところなんですけど、そこでいいやと思って電話しました

家で一つしかないトイレが使えなくなり、スマホで検索した業者に依頼。 そこには「水のトラブル解決」「24時間対応」などと大きく書かれていたそうだ。 

70万円請求された60代女性:  
すごく対応が良かったんです。なんか明るくて、あいさつとか

1時間後に男性スタッフが訪問。
きちんと名刺を出してあいさつするスタッフに、女性は好印象を受けたという。 

ーー事前に「こういう作業をします」「これくらいの値段がかかります」など、ありましたか? 

70万円請求された60代女性: 
値段は、そのときは一切ないです。「今から、どこに詰まってるか分からないけど、ちょっとポンプで吸い上げてやってみます」って、本当に簡単な説明はありましたけど、料金は一切ないです 

ーー実際に作業はどうでしたか? 

70万円請求された60代女性:  
手前の方にあったらポンプで簡単に吸い取ることができるんだけど、ちょっとやっかいになるかもと言ってました。「これは1回便器を外さないといけない」って、「いいですか?」って言うので、便器を外してもらいました。母親が不自由で、直してもらわないと困っちゃうこともあって、気持ち的にも焦ったりはしたんですけど…

「便器を外す必要がある」と業者から言われた女性は、早く直してほしいという焦りもあり、同意してしまった。 

そして、水道業者は便器を取り外したところで、初めて料金についての説明を始めたという。 
その内容は…

トイレの修理1時間半で70万円を請求

70万円請求された60代女性: 
何時間かかっても一律50万円って言われました。その時に「えーっ、そんなに高いの?」って私も声が出たんですけど。薬品を使ったり、作業が大変なので、みたいな…

水道業者は「工事料金は通常時間制だが、今回の修理は大がかりなため、高額になる可能性がある」と説明し、何時間かかっても50万円という定額サービスを勧めてきたという。 

さらに…

70万円請求された60代女性: 
「今からの作業が50万円であって、今までやってきた作業については別料金になります」って言われたんです。結局いくらになるんですか?って聞いたら、70万円ですって。50万でも高いと思ったのに、70万円?って思って。そんな大金があるわけじゃないので「銀行におろしに行かないと」と言ったら「おろしてきてください」と言われて、おろしに行ったんです 

その後、およそ1時間半ほどで作業は完了。 水道業者の男性は70万円を受け取り帰っていったという。 

これが、水道業者が女性に手渡した明細書だ。 

作業内容が記載されている。 

圧力ポンプ8,000円から始まり、床下排水管内の作業として、通貫作業15万円、異物粉砕13万5000円、薬品散布16万5000円などの項目が…

果たして、これは適正な料金なのだろうか? 

薬品を並べたのはパフォーマンス

女性が以前、自宅をリフォームした時に水回りの施工を行ったという市指定の水道業者に、修理後のトイレと、業者が残した明細書を見てもらった。 

ーー床下排水管内の作業という項目が… 

市指定の水道業者・伊藤清さん: 
そんなもん、どういうもんだ?聞いたこともないし、それはなんだと 

ーー圧力ポンプ8,000円、便器の取り外しと取り付けに20,000円というのは? 

市指定の水道業者・伊藤清さん: 
それは(項目としては)いいわ。高いけどOKだわな。あとは何が書いてあるの? 

 ーー床下排水管の通貫作業、異物粉砕、異物除去、高圧洗浄など… 

市指定の水道業者・伊藤清さん: 
そんなもん何をしたの。何もしてないよ。そんなことはしてない

この水道業者によると、明細にある排水管などの修理を行った形跡はなかったという。

今回のようなトイレの詰まり修理で70万円もかかることはあり得ず、同じような作業をした場合、およそ1万5,000円ほどで直せるという。 

市指定の水道業者・伊藤清さん: 
これはいかんて。違法行為。許せないとか許すとかいうより、違法行為だって。便器自体の詰まりは直ってたもんな、別にいいんだけど。それに対しての料金が違法。そういう言い方をすればぼったくり 

70万円請求された60代女性: 
薬品も12個ぐらい廊下に並べてましたけど、あれも…? 

市指定の水道業者・伊藤清さん: 
パフォーマンス

この水道業者は、同業者として怒りをあらわにしていた。 

こうした水道工事トラブルを回避するには、どうすればいいのだろうか? 

予想をしてから業者に来てもらうこと

スタジオには、みずほ中央法律事務所の三平聡史弁護士を招き、話を聞いた。 

安藤優子キャスター:
トイレとか水道系は、今すぐ直してほしいじゃないですか。ふつうは修理って、事前に見積もりをもらって、これだったらOKですってなったら、金額を払うじゃないですか。水回りの工事も、もちろん事前に書面で見積もりをもらうのが好ましいのは分かっていますが、目の前でトイレの水があふれていたら、そんな余裕ないですよ。三平先生、そういう場合はどうしたらいいんでしょうか?

三平聡史弁護士: 
少なくとも口頭で、どういう工事を行って、どういう金額になるのかということは、業者の方がむしろ説明しないと、後から取り消しということにもなりかねないので。逆に頼んだ方は、積極的にどのような工事をしてどのくらいの金額が想定されるのか、幅というか上限を聞いてみるのは必要だと思います。標準の金額がどれくらいで、さらに上乗せがあるとしたらどういう場合なのか、なども含めて予想ができる状態にしてから、業者に来てもらうことが重要です 

 (「直撃LIVE!グッディ」9月23日放送分より)