浜名湖殺人の死刑囚「懲罰公表は名誉毀損」 国を損賠提訴

2021.04.28

 2016年の浜名湖連続殺人事件で強盗殺人などの罪で死刑が確定した死刑囚(37)が国に110万円の損害賠償を求める訴えを静岡地裁に起こしたことが27日、分かった。刑事被告人として静岡刑務所に勾留されていた18年、同刑務所が懲罰を科したと報道機関に明らかにしたことは名誉毀損(きそん)に当たり、懲罰中を理由に面会を制限したことも「重要な権利侵害」としている。
 死刑囚は元同僚と知人の男性2人を殺害したとして強盗殺人などの罪に問われ、一審静岡地裁と二審東京高裁で死刑判決を受けた。最高裁の上告審判決直前だった21年2月13日付で上告を取り下げ、死刑判決が確定した。提訴は同22日付。
 訴状によると、死刑囚は18年2月23日に静岡地裁で死刑判決を受けた。同日、多くの報道機関が静岡刑務所を訪ねたが、刑務所職員は懲罰中を理由に面会を認めなかった。死刑囚は懲罰の公表を「社会的地位を低下させ、プライバシーの侵害」と主張。面会制限については、判決後に自らの意見を外部に公表したり控訴を第三者と相談したりする権利を挙げ「面会の自由が保障されるべきだった」としている。
 静岡刑務所は「関係各庁と協議の上、適切に対処する」とした。

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