鳴門市が制作した昨年の「第九」動画(市提供)

 徳島県鳴門市は昨年に続き、ベートーベンの第九「歓喜の歌」の歌唱や演奏の映像を世界中から募り、つなぎ合わせて1本の動画にする。今年は新たに、楽器を演奏する動画も募る。「全ての人々は兄弟になる」と歌う第九を通し、長引く新型コロナウイルス禍の中での融和や連帯を訴えるとともに、鳴門の「第九」文化の継承を図る。

 動画は30日~5月20日に募集する。市ウェブサイトで公開する音源を使い、ドイツ語の歌詞で歌ったり、楽器を演奏したりする様子をスマートフォンやビデオカメラで撮影する。動画は無料ファイル転送サービスを使用して送信する。

 寄せられた動画は1人当たり7~10秒程度に編集し、約5分の作品にする予定。恒例の「第九」交響曲演奏会が開かれる時期に合わせ、6月6日午後1時半に動画投稿サイト「ユーチューブ」の鳴門市公式チャンネルで公開する。

 昨年は日独米の計108人から応募があり、20年6月に市内で予定していた第39回「第九」交響曲演奏会に合わせて公開した。演奏会は21年3月に延期された後に中止となり、主催する市と認定NPO法人鳴門「第九」を歌う会は来年度以降の開催を検討している。

 市文化交流推進課は「『なるとの第九』を絶やさないよう、多くの人に協力していただきたい」としている。問い合わせは同課、電話088(684)1538。