【 岐阜・ホームレス殺害事件】“俺の父さん県警本部におるで”
渡邉さんとAさんが暮らしていた河渡橋西詰のテント(筆者撮影)
3月に岐阜市で起きた、ホームレスの渡邉哲哉さん(当時81歳)が襲撃され死亡した事件。加害者は当時、地元の朝日大学の学生2名を含む19歳の少年5人という、未成年の事件で殺人や傷害致死の容疑で逮捕された。
前編である《岐阜・ホームレス殺害事件》少年らの犯行をつぶさに見てきた「生き証人」の告白》では、渡邉さんと生活をともにし、事件当時もずっと一緒にいた“生き証人”であるAさんに、生々しい話をうかがった。
ふたりは3月だけでも少なくとも4度、少年らから投石を受け、その都度110番するために1キロほど離れたコンビニまで走っていた。そして3月25日未明、またも少年たちは石を投げつけ、執拗に2人を追いかけ渡邉さんを死に追いやった。
◆ ◆ ◆
事件後に警察から渡された便利な通報器
Aさんの話を聞けば聞くほど、「渡邉さんは死なずにすんだ」と思えてくる。警察の対応についても、疑念が深まる。
渡邉さんが命を落とす5日前、3度目の襲撃の夜も、二人は必死でコンビニまで走り110番通報していた。通報を受けて、パトカーでやって来た岐阜県警中署、北署の警官たちは、どやどやと近づくなり、護身用の鉄の棒を持っていた渡邉さんに向かって大声で「(棒を)おろせ!おろせ!」と、怒鳴るばかりで、「大丈夫ですか」と被害を案じる言葉もなかったという。
それを見たAさんは「でも、私は女性だから、身を守るために何か持ってないと不安です。女性は、何か持ってないと自分を守れないんです」と、警官たちに訴えたという。Aさんは、話の中で「私は女性だから」という言葉を、何度も繰り返した。女性が路上で生きていくことはいかに大変か、常に性的な暴力の危険にさらされる恐怖があるのだと、叫んでいるように思えた。
護身用の棒の件で、Aさんが悔しがるのには理由があった。事件後、渡邉さんが亡くなってから、Aさんには、女性刑事が「保護のため」と称して張りつくようになり、「護身のために」と、非常通報装置『ココセコム』を渡され、常に首にかけているようにと、言われた。
ボタンひとつで、セコムを通じて、警察に通報できるという「便利なもの」だった。でも、そんな「便利なもの」があったなら、なぜ、コンビニに走って通報していたとき、あるいは、護身用に「何か持っていないと不安なんだ」と訴えた自分に、「大丈夫です、これを持っていてください」と差し出してくれなかったのか。今になって、なぜ渡すのだろうか。あまりに口惜しくて、Aさんは女性刑事に、「あのとき、あなた方(警察)が、私にこれを渡してくれていたなら、渡邉さんは死なずにすんだのではないですか? 」と、問いつめたという。
すると、「まあまあ、そんな責めんといてよ」と傍らにいた男性刑事が笑い、女性刑事は「あれこれ理屈をこねて言い訳するだけだった」と、Aさんは吐き捨てるように言った。
「今度のことで、警察でも検察でもいろんな人に会った。いい大学を出て勉強はしてきた人たちかもしれないけど……ほんまに“社会音痴“やと思った」という。さらに言うなら、「人として」の痛みへの感性、共感力が欠落した「人間音痴」かもしれない、と私は思った。
長く、ホームレス支援に関わるなかで、私自身、野宿の人たちから学ばされたことは多い。路上で生きる人たちは、多くの場合、襲撃を受けても、自ら通報したり被害届を出さない。警察に訴えても「市民扱い」されず、「ここで野宿しているほうが悪い。出て行け」と、追い払われるのがわかっているからだ。
かつてに比べて野宿者も襲撃の数も、激減しているが、私が取材を始めた1995年から現在までの25年間で、渡邉さんを入れると23人の野宿者が、少年や若者らによる襲撃で亡くなっている。そのなかでも、この岐阜の事件は異例中の異例だった。
通り魔的な一過性の襲撃ではなく、同一犯とみられる加害者が、連日、計画的に、標的を定めて襲いに来ている。つまり予測できた事件であり、被害者自らが何度も通報し、警察に捜査を求めていた。それだけ強く、リアルに「命の危険」を感じていたからだ。
そして多くの場合、野宿者は、ひとりで寝ているところを襲われ、孤独に亡くなり、「死人に口無し」となってしまう。一緒に生活し、被害に遭い、状況をここまで証言できる生存者がいるということは、本当に珍しい、というか初めてのことだった。
逮捕の決め手になったのが防犯カメラ。でもそれも、渡邉さんが亡くなる以前、4度の襲撃の夜も作動していたはずだ。渡邉さんが死んでからではなく、少年たちが尊い命を奪ってしまう前に、通報を受けた時点ですぐに本気で防犯カメラを確認し、捜査していたら、エスカレートする暴行も食い止められたのではないか。なぜ死人が出てからでないと、真剣に動かないのか。遅すぎた警察の対応に、責任はないのだろうか。
警察側は「対応は適切だった。落ち度はない」という。しかし、疑念はさらに深まる。
少年の家族に警察関係者がいる可能性
実は、事件の日、襲ってきた少年の1人が、こんな不可解なことを渡邉さんに言ったのを、Aさんは聞いている。
「わたなべ~、アパート入るらしいなあ~? ここ出ていくらしいなあ~」
と。Aさんは、いったい何を言っているのだろうと不思議でならなかったという。
その謎が解けたのが、事件後、Aさんが生活保護の手続きのために、役所を訪ねたときだった。対応した生活福祉課の担当者が「実は、渡邉さんにもアパートをご用意していたんですよ。ですが、まさかこんなことになるとは、残念でした。もっと早く入っていただけたらよかったのに……」と言うのを聞いて、Aさんはそのとき初めて、合点がいった。
「(犯人と)いたちごっこになるから、ここを出て行け」と言っていた警察もしくは行政関係者が、渡邉さんをアパートへ入居させるための手筈を、本人も知らない間に水面下で進めていたのだと、と思い至った。
「でも、渡邉さん本人も私も知らないことを、なんであのとき、犯人たちが知っていたのか? いくら考えてもおかしい」と、Aさんは首をひねる。
もしAさんが聞き間違えたのではなければ、逮捕された少年の誰かが、警察もしくは行政関係者の動きを事前に知っていたことになる。そしてその日は、特に「今日はババアに用事がある!」と執拗にAさんを追いかけ回したのも、2人がアパートへ入居すれば最後の襲撃になると思っていたからなのか? と疑念もわいてくる。
また、別の日の襲撃の際には、こんな犯人の発言もAさんは聞いていたという。
「上から石を投げてきた男の1人が、“俺の父さん、県警本部におるでー(おるで=いるから)”と、威張るように言っていた。私と渡邉さんに言ったのか、仲間に言ったのかは、わからないけど、たしかに、そう言っていた」という。
渡邉さんが亡くなる事件前の一連の襲撃には、男女10人ほどが関わっていたとされる。そのため、逮捕された5人以外の発言かもしれないが、もしそれが事実であれば、犯行グループの中に警察関係者の家族がいることになる。少年らが在籍していた朝日大学には、実際「警察OB」が少なくないことも気になる。
事件後、取材に訪れるマスコミ、記者たちに、Aさんは同じことを伝えている。が、警察からは「記者にいろいろ話すな」と言われ、記者には「その件は裏が取れない、書けない」と言われたという。
確かに私も「裏は取れない」。逮捕された時点で未成年であった少年たちは、20歳となって成人同様に起訴された被疑者も含め、氏名も明かされず、詳細は不明である。真偽はまだわからないし、審理を待つしかない。でも、だからといって被害者のAさんの「証言」がこのまま闇に消されてしまってはならないと思う。Aさん自身は、こう主張している、という事実を、せめて私は伝えたいと思う。
そして、警察への疑念だけでなく、「教育」の面でも、この事件を未然に防ぐ重大な機会が、何度もあったことがわかってきた。
まず、10年前に、渡邉さんは放火の被害に遭っていた。渡邉さんの写真はないかと、Aさんに尋ねたところ、「写真もあったけど、10年前、テントに放火され全部、燃えてしまった」というので驚いた。留守にしていたときに何者かが火をつけたらしく、後ほど「未成年が補導された」と行政関係者から聞いたそうだが、地元ニュースにもならなかったという。「一般市民」の家が放火で全焼したら、大問題にされたはずだ。このときもやはり「ホームレスのテント」だから軽視されてしまったのではないか。
かつて姫路の橋の下で野宿していた人が、テントの中へ少年らに火炎瓶を投げられ、焼死した事件を取材したことがある。やはりそのときも、人が死ななければ報道もされなかった。
誰にでもホームレスになる可能性がある
さらに、放火事件の数年後には、近くの市立小学校の児童が渡邉さんに石を投げる事件も起こっていた。児童の年齢も人数もわからなかったが、教師2名が謝罪に来て「二度とこのような事が起こらないように、しっかり指導します」と約束したという。
この時点で、地域の学校、岐阜市すべての小学校・中学校で、「ホームレス」問題の人権教育に取り組むことができていたらと、残念でならない。「ホームレス」襲撃は、弱い立場の者を攻撃する「いじめ」と同じ根を持つ、重要な人権課題であると位置づけ、教育委員会・学校が率先して、襲撃防止の教育実践を推進していたなら、岐阜県全体の教育にも影響を与えたことだろう。なぜなら、過去、そのようにして、取り組んだ地域では、実際に襲撃が激減、または止まっている、からだ。
子どもの投石を軽んじてはならない。投石は、いわば蔑視と憎悪の塊だ。最初は小さな石が、次第に大きな礫となり、エスカレートし、暴走していく。さらに、相手が、身の安全を守れる家を持たない「ホームレス」の人となれば、いくら「殺すつもりはなかった」といっても、突然、あっけなく命までも奪いかねない。
その危険性を、親も教師もリアルに理解していない。子どもを加害者にしたくなければ「近づかないようにしましょう」という差別を助長するような「指導」ではなく、本気で貧困の構造を教え、本気で子どもたちの抱えるストレスの解消に、向き合うべきなのだ。
人は、なぜどのように「ホームレス」状態になるのか。本当に働くのが嫌で、好きこのんで野宿しているのか。ほとんどの人が廃品回収や日雇い労働などで働き、仕事を求めている。それぞれの人に、リストラ、失業、借金、事故、病気やケガ、天災、家族の死や離縁、家庭内暴力……など、野宿に至った背景があり、発達障害や知的障害など、見た目では理解されにくい障害を持っている人も少なくない。
そしてまさに「コロナショック」の中で、今後さらに職や家をなくす人々が急増するだろう。誰にでも「ホームレス」になる可能性があり、たとえ職を失い、家をなくし、税金を払えなかろうが、人としての権利と尊厳が脅かされることがあってはならない。
今回、逮捕された少年5人は、高校時代は甲子園を目指して汗を流した球児だったという。野球を続けるために入った大学、その先には実業団への就職など、を夢見ていたかもしれない。なのに、なぜ、こんな非道な「ゲーム」を繰り返すようになったのか。
今この自分に価値があると思えない自尊感情の低い人間は、その不安と劣等感から、より弱い立場に誰かを置いて攻撃し、貶め、支配しようとすることで、優越感を保とうとする。学校や職場のいじめも、DVも、「ホームレス」襲撃も、すべての「弱者いじめ」の根底に、無意識にせよ、加害者の劣等感、自己否定感がある。
彼らがどんな劣等感を抱えていたかはわからない。おそらくそれが自覚できていれば、こんな事件は起こさない。「勝てない自分には価値がない」という、自己否定が、「稼げない人間には価値がない」とみなす競争社会の中で「経済的敗者」に見える野宿者への憎悪と侮蔑を助長したかもしれない。
加害者少年たちの背景については、今後の公判のなかで解明されてゆくことを期待したい。
◆ ◆ ◆
5月下旬、『岐阜・野宿生活者支援の会』はじめ、私が関わる『ホームレス問題の授業づくり全国ネット』など4団体で、本事件にかかわった少年らが在籍していた朝日大学に、「ホームレス」問題の人権教育の実施などを求める要望書を、提出した。
そして、6月初旬、朝日大学において、要望書を提出した私たちとの話し合いの場が持たれることになった(私はリモート参加)。授業の時期はまだ確定できないが、岐阜の野宿支援者を中心に、教材DVD『「ホームレス」と出会う子どもたち』を使った授業の実施など、大学側もできることを前向きに検討したいといっている。
渡邉さんに起こった悲劇が二度と繰り返されないよう、子どもたちがこれ以上もう加害者にならないよう、岐阜の教育にとって、小さくても重要な「はじめの一歩」となることを願っている。
事件後、関係のない学生たちまでネットでの攻撃や誹謗中傷を受けるなど、多くの学生たちが傷ついてもいるだろう。「私刑」と称して、真偽が判らない「犯人の実名と顔写真」を晒すなど、おぞましい攻撃性も噴出している。それはたとえば「ホームレスは社会のゴミだから掃除しただけ」と、「ホームレス狩り」をある種の「正義」として正当化するような加害者の心理と地続きではないか。
暴力を、暴力で裁くのは、もう止めたい。私たちの社会は、これからさらに、光も闇も濃くなる。コロナ禍で、分断・紛争が激化する一方で、世界が模索している「もうひとつのやり方」、非暴力の方法で、いのちへの襲撃を、弱者いじめの連鎖を止めたいと、私は願う。
誰が、何が、渡邉さんの命を奪ったのか。少年らの罪が正当に裁かれ厳しく罰されることは当然のこととして、少年らだけが裁かれて解決することではない。
この社会を構成している私たちひとりひとりの意識、社会の共犯性を省みながら、少年らの審理を今後も追っていきたいと思う。そうして、過酷な被害を生き延びたサバイバーである女性Aさんが、今後、何を望むか、被害届を出して法に訴えたいか。彼女自身の意向に沿いながら、支援していきたいと思う。
今後とも、ひとりでも多くの方の、ご支援ご関心を、よせていいただけたら幸いである。
北村年子(きたむら・としこ)◎ノンフィクションライター、ラジオパーソナリティー、ホームレス問題の授業づくり全国ネット代表理事、自己尊重ラボ主宰。 女性、子ども、教育、ジェンダー、ホームレス問題をおもなテーマに取材・執筆する一方、自己尊重トレーニングトレーナー、ラジオDJとしても、子どもたち親たちの悩みにむきあう。いじめや自死を防ぐため、自尊感情を育てる「自己尊重ラボ Be Myself」を主宰し、自己尊重ワークショップやマインドフルネス講座も、定期的におこなっている。2008年、「ホームレス問題の授業づくり全国ネット」を発足。09年、教材用DVD映画『「ホームレス」と出会う子どもたち』を制作。全国の小中学・高校、大学、 専門学校、児童館などの教育現場で広く活用されている。著書に『「ホームレス」襲撃事件と子どもたち』『おかあさんがもっと自分を好きになる本』などがある。
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コブクロ黒田不倫、 過去にも起こっていた「訴訟トラブル」
コブクロ
5月11日、コブクロの黒田俊介が『文春オンライン』に、不倫疑惑と相手女性の自殺未遂疑惑が報じられたことについて、謝罪コメントを発表した。所属事務所は同日に公式サイトを通じて、
《記事に掲載されている女性、ご家族に対して大変ご迷惑をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます》
と、謝罪文を掲載。記事を全面的に認めるかたちとなった。しかし、その前日に起こしていた“ある行動”が公になったことで世間の非難にさらされている。
「不倫・自殺未遂報道をウェブで報じたわずか10分後、『文春』は続けざまに、黒田さんが東京地裁に掲載号の“出版差し止め”を請求する『仮処分命令申立書』を提出していたことも速報しました。
請求したとされるのが10日。つまり、謝罪文を出した黒田さんですが、その前日には記事を取り下げさせようと必死に動いていたということが明らかになってしまった。その往生際の悪さが露呈してしまったことも含めて、ネットが炎上中です」(スポーツ紙記者)
少数精鋭が裏目に出て
人気グループであるコブクロだが2016年には相方・小渕健太郎も“不倫疑惑”が報じられている。『週刊新潮』には、過去に不倫していたとする2人の女性の証言が掲載され、楽曲の作風らしからぬ生々しいやりとりにファン離れが起こったことも。それだけに今回の黒田サイドの動きには切羽詰まったものが感じられよう──。
コブクロのふたりの出会いは'98年、当時、ソロで路上ライブをやっていた黒田と小渕が意気投合し結成された。なかなか芽が出ずに路上ライブに明け暮れる日々のなか、今の事務所社長である坂田美之助氏に見出されたのがサクセスストーリーのはじまりだった。
「当時、和歌山在住の坂田さんが仕事のために大阪を訪れたことがきっかけで偶然、コブクロに会ったんです。彼らの歌に感動して、バックアップすることを決意、事務所を立ち上げることになりました。現在は大手事務所との提携を行なってはいますが、気持ちの面では“3人4脚”のかたちでこれまでやってきた。コブクロのホームページでも坂田さんが“3人の歴史”について熱く語っています」(レコード会社関係者)
しかし、その少数精鋭な運営ぶりが、今回の“出版差し止め”に関しては裏目に出てしまったようで、
「今回の黒田さんサイドの請求内容(「相手女性のストーキング行為を助長させる」として)では、差し止めが認められるようなことはほぼありません。これが大手の事務所だったならば、それくらいのことは承知していますし、『文春』がそれをまた記事にすることも読めたはず。請求すること自体が業界内では異例のことです。このような行動に出たのは“悪手”と言えるかもしれません。焦りがみてとれますね」(芸能プロ関係者)
過去にもあった“訴訟”
所属事務所『ミノスケオフィスコブクロ』は2人のみが所属する超少数精鋭で、所在地も和歌山県内にある。コブクロのふたりも「和歌山は第2の故郷」というほどなのだそうだが、そこでひっそりと事件が起こっていたことがあり……。
「2016年に大手コーヒーチェーン店の『コメダ珈琲』が和歌山県にあるコーヒーショップに対し、あまりに店舗外観や内装等が酷似しているということで、『不正競争防止法』に基づき、使用の差し止めおよび損害賠償を求めていたことが報道されました。
そのコーヒーショップの経営元がコブクロの事務所も属する坂田さんのグループ会社だったのです」(レコード会社関係者)
同店は店舗外観やインテリア、食器デザインに至るまで何から何まで『コメダ』と酷似していたということで訴えを受けた。人気のモーニング『シロノワール』にそっくりなメニューまであったらしい。2017年には外観などを改装するかたちで和解が成立したというが……。
「坂田氏は情熱的なところが非常に魅力的な方ですが、それゆえに猪突猛進なところもあると聞きます。コーヒーショップの“パクリ”の件についてもあまりに堂々としすぎていた。
'00年にコブクロが『ワーナーミュージック・ジャパン』と業務提携を結んだときも、はじめは泣いて頭を下げたのだそうですが、次第にコブクロが売れるようになるとワーナーの社員にも乱暴な物言いが目立ち始めたんだとか。両者との間に溝ができたところもあるようです」(前出・レコード会社関係者)
数々のラブソングを生み出してきたコブクロに訪れた2度目の不倫劇。どう切り抜けるか──。
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『特捜9』に“出演拒否”の津田寛治を直撃!
固く口を閉ざしたままの津田寛治。『9係』時代から出演を続けてきた主要人物の去就に現場は揺れている
井ノ原快彦が主演を務める『特捜9 season4』(テレビ朝日系)が好調だ。
「初回の13・2%から5話連続で2ケタ視聴率をキープ。第3話では、津田寛治さんが演じる刑事の村瀬が何者かに刺されるという衝撃的な事件が。一命をとりとめたものの重傷で、現場復帰できていません。村瀬抜きで、物語が進んでいます」(テレビ誌ライター)
刑事ドラマにはありがちな展開だが、これは降板のための伏線だという。
「津田さんが辞めたがっているという話は、前からありましたからね。シーズン4を受ける条件として、最初と最後しか出ないと言っていたそうです。離脱は既定路線なんでしょう」(テレビ朝日関係者)
『特捜9』は'06年から'17年にかけて放送された『警視庁捜査一課9係』シリーズの続編。『9係』時代から出演する津田は、新シリーズのやり方に不満があったようで……。
「『9係』は主演を務めた故・渡瀬恒彦さんの色が濃いドラマでした。スタッフとキャストの結束が強く、裏方や若手をも気遣う“渡瀬イズム”が浸透していたんです。渡瀬さんは'17年に亡くなり、井ノ原快彦さんがバトンを受けることに。主要キャストは続投しましたが、現場には不協和音が生じたといわれています」(スポーツ紙記者)
さらにキャストが辞めていくかも
主人公が30歳ほど若くなり、番組も若返りが必要だとして、ベテラン監督やプロデューサーがはずされたのだ。
「“渡瀬さんが作り上げてきた現場を壊された”と感じた人もいたようです。中でも津田さんは、渡瀬さんを慕っていただけにかなり強く反発していたそうです」(同・スポーツ紙記者)
それでも古参スタッフの解任は続き、シーズン3終了後には『9係』時代から唯一残っていたプロデューサーのA氏まで現場からはずれることに。
「Aさんも昨年末まで元気だったんですが、今年2月に急逝。シーズン3の時点で辞めたいと言っていた津田さんを引き留めたのもAさんでしたから、今回ばかりは津田さんの意思も固いのでは。井ノ原さんや制作陣は必死に引き留めていますが、功労者の急逝で現場には“落胆ムード”が漂っていて、このままだとスタッフやキャストがさらに辞めていくかも……」(前出・テレビ朝日関係者)
主要キャストなだけに、ドラマの崩壊も招きかねない津田の降板。その意思を確かめるべく、5月上旬、自宅から出てきた本人を直撃した。
─『特捜9』を降板するという話がありますが?
「いや、ちょっと……」
─シーズン4の前から、降板の意思が固かった?
「僕の口からは、何も話せません……」
口をつぐんだまま足早に去っていった。津田の所属事務所にも問い合わせたが、
「現時点で、弊社からお答えできることはありません」
と沈黙を守る。同様にテレビ朝日にも尋ねたが、期日までに返答はなかった。多くの難事件を解決してきた『特捜9』。チームの崩壊も、井ノ原の腕で阻止できる?
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コブクロの不倫報道日に陣内智則が謝罪会見、名曲封印へ
陣内智則と藤原紀香(2007年)
《記事に掲載されている女性、ご家族に対して大変ご迷惑をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます》
人気デュオ『コブクロ』の“大きい方”こと黒田俊介が5月11日、所属事務所のHP上にて謝罪のコメントを寄せた。同日の『文春オンライン』で、黒田が2019年から飲み会で知り合った女性と不倫関係にあったことを報じられてのことだった。
「記事によると、不倫相手は20代後半の戸田恵梨香似だというAさん。彼女本人による“告発”で、黒田は東京に“出張”する際も関西在住のAさんを同行させ、クレジットカードを渡すほどの入れ込みぶりだったとか。
ところが、“蜜月”は長く続かず、関係を断ち切ろうとする黒田となんとか連絡を取ろうとするAさんは、彼の代理人弁護士から“ストーカー”扱いをされ、そのショックからか、後にうつ病と診断された彼女は自殺を図ったのです」(スポーツ紙芸能デスク)
一命こそ取り留めたAさん。当の黒田は、彼女の母親に自殺を止めるよう説得を頼まれるも《私には止められません》と言ったのだという。
黒田は5月12日に発売する、不倫の詳細が掲載された『週刊文春』の出版差し止めを請求する仮処分命令申立書を東京地裁に提出するも、地裁はこれを棄却。誌面でも、黒田は弁護士を通じて不倫関係には答えることはなく、Aさんをストーカーと主張する一方で、彼女の母親に「見舞金」の名目で「300万円程度」を支払う、という解決案の提案をしていたとある。
相方の小渕も“不倫”を報じられた
この不倫騒動が事実であれば、『コブクロ』としてのイメージダウンは計り知れない。というのも、相方の小渕健太郎もまた2016年に『週刊新潮』に不倫疑惑を報じられているからだ。前出の芸能デスクが解説する。
「小渕もまた既婚者でありながら“女遊び”が絶えないとして、2人の女性が彼との“不倫”を告白していました。1人には結婚していることを隠し、またもう1人は身体の関係をもった途端に冷たくなった、というもの。
数々のラブソングを送り出してきたコブクロですが、それらは不倫から生まれたものなのか、と思われても致し方がない。特に代表曲の一つ『永遠にともに』は“また封印”されてしまうかもしれません」
奇しくも黒田の不倫を文春オンラインが報じた5月11日、「まことに申し訳ございませんでした!」と“謝罪会見”をしていた男がいた。自身のツイッターに《もう二度としたくなかったのに。。》と投稿した陣内智則だった。
同日放送の『芸能界常識チェック〜トリニクって何の肉!?』(TBS系)で、架空のスキャンダルに対する“正しい謝罪会見”ができるかどうか、という自身の出演企画を告知したものだったのだが、実際の放送でも神妙な面持ちで頭を深々と下げて“食い逃げ”を謝罪する陣内の姿があった。
そして告知ツイートに対しては、やはりというか、かつて陣内が開いた離婚会見をいじる声とともに、黒田の不倫報道を知ったフォロワーから《タイミングよすぎ》《コブクロに代わって》《永遠にともにの本人の方が》とのリプライが寄せられたのだった。
2007年5月、前妻の藤原紀香との結婚披露宴で、600人の出席者の前で『永遠にともに』をピアノの弾き語りで披露した陣内。すると同曲は結婚式の定番曲となり、陣内を真似て弾き語りをする新郎が後を絶たないほどに。
陣内さんのおかげで
ところが2年後、陣内の“不倫”が発覚してスピード離婚すると一転、どうしても縁起の悪いイメージが重なる同曲は使用されることは減っていった。コブクロの2人もまた……、
「コンサートでは『永遠にともに』を聞きに来るファンも多かったのですが、どうしても歌いにくい曲となってしまい、彼らも1度“封印”せざるをえなくなったのです。ファンからはかなり恨まれた陣内さんは当時、コブクロの2人に“謝られへんかな”と謝罪を申し入れることを周囲に相談していたみたいですね。
でも、そんな陣内さんの様子を耳にした黒田さんは、4〜5年経ってコブクロが同曲を“解禁”した際に関西人らしく、“いや〜、陣内さんのおかげで僕らも有名になりましたよ”と、笑いに変えてフォローしていましたよ。
とはいえ、その後に本人たちが立て続けに“不倫”騒動を起こしてしまったわけで、いくら“愛の名曲”と言えども世間には響かないでしょう。状況次第では、まさに“永遠に”封印となってしまうかもしれません」(レコード会社関係者)
今度は陣内が笑いに変えてコブクロの窮地を救う⁉︎
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昭和の有名画家・山下清の秘話「目を盗んで鹿に乗って……」
『裸の大将放浪記』で知られる山下清画伯
女優・冨士眞奈美が古今東西の気になる存在について語る当企画。今回は、名だたる画家とのユニークな交友について。
日本洋画界の巨匠がモデルに指名
年を重ねるにつれ、わかってくること、理解できることが増えていく。若い時分というのは、なかなかモノの価値というのがわからない。そのひとつに、絵の価値があるのではないかと思う。
かつて、『週刊朝日』が多士済々の15人の画家に表紙を描いてもらい、読者による人気投票を行う「表紙コンクール」という企画を、定期的に開催していた。東郷青児さん、三岸節子さん、梅原龍三郎さんなど名だたる画家たちが表紙を描くのだけれど、条件として必ず画家自身が選んだモデルを1人だけ立てて表紙用に描く──。
高峰秀子さん、原節子さんといった超有名な女優さんが選ばれる中、どういうわけかNHKに所属したばかりの新人女優である18歳の私に白羽の矢が立った。しかも、矢を立てたのは、日本の洋画界に多大に貢献された小磯良平さん。
あの迎賓館の大広間の壁画「絵画」や「音楽」を制作し、後に文化勲章を受章する巨匠が、なぜ名もないひよこを選んだのか、今になってもわからない。
当時の私は、もっとわからない。「小磯さんという先生はどうやらすごい人らしい」、その程度の理解しかない私は、言われるがままアトリエのある逗子に3回ほど通い、表紙はできあがった。
「表紙コンクール」すらよくわかっていない私の心とは裏腹に、小磯先生が描いた表紙は1位に選ばれた。『少女像』という形で、今でも時折展示されていると仄聞(そくぶん)する。
描き終わった後、画家の先生はそのデッサンをくださるとおっしゃったんだけど、価値というものがわからなかった私は、忘れていただかなかった。今だったら、飛び上がって、喜んでいただくのに。
山下清、鹿に乗ってはいけないと言われ……
もうひとつ、絵にまつわる印象的な思い出がある。1960年から2年間、日本各地の民謡・舞踊・郷土芸能を、ミュージカルで紹介する番組『東は東』のホスト役を滝田裕介さんが、ホステス役を私が務めていた。
毎週30分間、生放送する中で、山下清さんがガラス板に白いペンキで絵を完成させるというコーナーがあったので、山下さんとは2年間、いろいろな場所にロケでご一緒した。時には、山下さんと自衛隊を訪問して、一緒に戦車に乗ったり。奈良に行ったときは、マネージャーである弟さんが、「鹿に乗っちゃいけないよ」と注意したにもかかわらず、目を盗んで鹿に乗って、転倒したり。
山下さんは、笑うととってもかわいくて面白い方だった。でも、最後まで私の名前を覚えてくださらず「お、沖縄の女だな」と言われたことを覚えている。静岡県・三島市出身なんだけど、山下さんはお構いなし(笑)。
一度、山下さんのお誕生日に何かプレゼントをしたいと思って、「何が欲しいですか?」と尋ねると、「カラーテレビ」と即答されて固まったことがある。当時のカラーテレビは数十万円する超高級品。
安月給の私にはとうてい手が届かない。そこで、「もしカラーテレビをプレゼントしたら、私には何をお返ししてくださる?」と聞いてみると、「色紙」とひと言口にして、マジックペンを取り出した。
山下さんは、即興で色紙に花を描くと、「はい、これは3000円だな」といって私にプレゼントしてくれた。今や当時のカラーテレビよりも、はるかに価値がある色紙をいただいて、私はとてもうれしかった。大事に飾っていたのだけれど、色紙だから経年劣化する。
どうしようと思っていたら、飲み仲間である東京・新宿「どん底」のオーナーの矢野智さんが、「いいんだよ、こうすれば」と言いながら、山下さんが描いた花の下に、勝手に道を書き足してしまった。文字どおりの“道楽”。
色紙の価値はパッとなくなってしまったが、その色紙だって世界にたったひとつだけ。モノの価値って、結局は自分次第だと思う。
冨士眞奈美 ●ふじ・まなみ 静岡県生まれ。県立三島北高校卒。1956年NHKテレビドラマ『この瞳』で主演デビュー。1957年にはNHKの専属第1号に。俳優座付属養成所卒。俳人、作家としても知られ、句集をはじめ著書多数。
(構成/我妻弘崇)
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久保田悠来、撮影現場で目撃した杉咲花の“神業”
久保田悠来(39)撮影/渡邉智裕
「最初、衣装合わせがあって、メイクさんに髪の毛を切ってもらうことになったんですけど、その日3年に1度BK(NHK大阪放送局)がお湯が出ない日だったんです。なので、水でもいいですよということでシャンプーをしてもらったんですが、3月なのにありえないくらい水がキンキンに冷えていたんです(笑)。メイクさんも“こんなことほぼないんやけど”って笑いながら5分ほどシャンプーを。
おかげでスタッフさんたちと仲よくなりましたが、“ああ、これが東京ものへの洗礼か”と心の中で思いました(笑)」
夜の空気が似合う男
ついに最終週を迎えた『おちょやん』に第21週(4月26日~)から登場。NHK編成部の職員・四ノ宮一雄役で朝ドラ初出演を果たした久保田悠来。その現場では、こんな驚きがあったそう。
「ラジオドラマの顔合わせをするシーンの本読みが最初にあったんです。僕は本読みだから台本を読みながらやると思っていたんですが、杉咲花さんは本を一切読まずまるで本番のように完璧な状態。その空気感に僕も失敗できないなと思い“今日セリフ少なくてよかった”って思いました(笑)」
一方、5月13日スタートのドラマ『ラブファントム』(MBSほか)にはバーテンダーの深見役で出演。
「今回、朝ドラに出させていただきましたが、ちょっと夜の空気が似合う男と言われてきたので得意分野ではあります(笑)。主人公を演じる桐山漣くんの友人役なんですが、彼の主演作によく呼んでいただいているんです。普段から仲がいいので“また一緒なんだ、楽しみだね”って連絡を取り合ってます」
そんな久保田は6月で40歳。
「ずっと舞台をやってきた中で、映像にチャレンジし始めたのが30代。いろいろ思い出の作品はありますが、『仮面ライダー鎧武』( ’13年~)は印象的ですね。毎週、みなさんからリアクションをいただいて、みんなで楽しく撮影して。その感覚は朝ドラと似ている部分はあります。
40代は年齢にとらわれずいろんな役にチャレンジしたい。学生の役が来ればやりたいです(笑)。年齢を重ねて、役の間口は広がっているなって思いますね」
●昔から続けてます!
「筋トレを高校2年生から続けています。昔から海外の映画が好きで、どこか芸能の世界にも憧れがあって。ブラッド・ピットとかマッチョじゃないですか。男たるものこうあるべきだと(笑)。あと、当時『筋肉番付』がハヤっていて、あの番組に出ている人に負けたくなかったんです。だから、自宅で腹筋を何分間で何回とか番組を見ながら一緒にやってました(笑)」
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暴行容疑で逮捕のマスク拒否男、素顔は“温厚カードゲーマー”
マスク未着用がきっかけで暴行事件を起こし逮捕された有田雄大容疑者(カードゲームHPより)
またしても、「マスク着用」をめぐって事件がぼっ発した。
GW中に友人と福岡市・天神を旅行していた有田雄大(かずひろ)容疑者(27)が5月2日に暴行容疑で逮捕された。
「容疑者は友人2人と繁華街を歩いていたところ、路上で酔っぱらいの男性(55)に絡まれ、マスク着用を求められました。それでもみ合いになり、男性の顔を殴り転倒させ、後頭部を切るケガをさせた」(全国紙社会部記者)
犯行時には酒に酔っていた有田容疑者。警察の調べに対して「先に手を出されたから暴行した」と容疑を認めているが、相手の男性は逮捕されていない。
緊急事態宣言下に大阪から福岡へ旅行
GWで羽を伸ばして休みたいのはわかるが、現在、容疑者の住む大阪は新型コロナウイルスの感染拡大が収まるところを知らない、緊急事態宣言の真っただ中だ。旅先となった福岡も同様で、その繁華街をノーマスクで歩いていたのは軽率だったかもしれない。
繁華街の“3密”具合も相当なもののようで、
「GWになって一気にお客さんが増えましたね。外を出歩いている人も多いですし、飲食店もかなり混雑しています。みんな一応、マスクはしていますが……」(現場付近の飲食店関係者)
マスク着用に関するトラブルといえば、昨年9月に航空機内でマスク着用を拒み問題となったマスパセ(マスク未着用途中降機乗客)こと、奥野淳也容疑者(34)が記憶に新しい。
航空機の運航妨害で起訴されていた奥野容疑者だが、4月10日、千葉県内の飲食店にマスクを着用せずに入店してトラブルとなり、その際に客を殴ったとして威力業務妨害と傷害の疑いで5月6日に再度逮捕されている。
有田容疑者も同様に、普段からマスクをしていなかったのかと思いきや、送致の際はしっかりマスクを着用していた。その点で、頑なにマスク着用を拒む奥野容疑者とは状況が異なる。
素顔は温厚で静かなカードゲーマー
大阪府阪南市で生まれ育った有田容疑者。どんな人物なのかというと、
「しっかり挨拶もしてくれるいい子ですよ。よくしゃべる子で、高校のときは彼女を自宅に招いたりしていました。
二十歳を過ぎたころから髪を金髪に染めていましたが、グレている様子はなかった」(近隣住民)
トレーディングカードゲームが好きだという有田容疑者。過去には上級者向けのカードゲーマーを対象とした大会で入賞を果たした実績もある。
「有田さんは府内でカードショップの店員もやっていたこともあります。温厚な性格で、各店舗にある対戦スペースで、仲間と静かに対戦していました。
髪の色は金や緑など奇抜な感じで、服装も派手ですが、周りに迷惑をかけているのを見たことは一度もありません」(カードショップ店員)
最近は会社員として働き、カードショップに顔を出す機会も減っていたようだが、マスク着用を拒否するようなことはなかったという。
そんな容疑者が起こしてしまった今回の暴行事件。なぜ、こんなことになってしまったのだろうか。
実家に住む母親のもとを訪れたが、
「知りません。失礼します」
そう言って車から自宅へ駆け込んだ。母親もマスクはしっかり着用していた。
結果的に暴行を加えたことは反省すべきだが、路上でマスクをしていないだけで口論となり、事件化した今回の一件。
感染拡大するコロナウイルスへの警戒心は強く、マスクを着用していないだけでトラブルとなるケースは枚挙に暇がない。日本中で誰がいつ、どこで不祥事に巻き込まれるかわからない混沌とした状況だ。
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紗栄子に恋した“17歳”天才アーティストが別人格に
2020年3月に行われた復興支援プロジェクトで共演していた紗栄子とYOSHI(写真/産経ビジュアル)
今春スタートした阿部寛主演のドラマ『ドラゴン桜』(TBS系)。阿部扮する元暴走族の弁護士が低偏差値の高校を進学校に生まれ変わらせる─という人気ドラマシリーズが初めて放送されたのは'05年。今作は“その16年後”を描いた続編だ。阿部はもちろん、東大を目指す生徒役だった長澤まさみも大人として出演しているのも大きな話題になっている。
だが4月25日に放送された第1話で、阿部や長澤よりも話題をさらったのは紗栄子だろう。16年前、落ちこぼれ生徒のひとりとして出演していた紗栄子が、何の事前告知もなく登場したのだ。このサプライズにSNSには多くの声が寄せられたのだが、それもそのはず。
「彼女は今や芸能界きっての“カリスマ”インフルエンサーですからね。今更テレビに出る必要なんてないくらいの」(スポーツ紙記者)
公式YouTubeチャンネルの登録者数は22万人、インスタグラムは162万人ものフォロワーを抱えている。
「ファンのほとんどは、紗栄子さんと同世代の女性。彼女のファッションや美容テクはもちろん、気取らないライフスタイルも支持されています。シングルマザーとして2人の子どもとの時間を大事にしながら、仕事やボランティア活動にも全力投球する生き方に、みんな憧れているんですよ」(女性誌編集者)
当時はまだ17歳
昨年4月、所属事務所から独立すると、その発信力を生かして実業家としても本格的に活動をスタートさせる。自身のアパレルブランドを立ち上げただけでなく、栃木県内にあった広大な牧場を買い取り、牧場経営に乗り出した。
「最初は地元の人間も“本気でやりっこない”“どうせ芸能人の話題づくりでしょ?”なんて冷ややかな目で見ていたんだけれどね。東京からこっちに住民票まで移して、本当に本人が頑張っているもんだから、少しずつ“協力したい”っていう人が増えてね。寂れきっていた牧場が、今では週末になると観光客の車で駐車場はいっぱいだもん。大したもんですよ」(牧場関係者)
だが、その牧場経営に夢中になる少し前、彼女は“禁断の恋”に夢中になっていた。あろうことか、未成年の男子と極秘交際していたというのだ。“デキ婚”したメジャーリーガー・ダルビッシュ有をはじめ、小出恵介、実業家の前澤友作氏らと浮名を流してきた“恋多き女”とはいえ、相手が未成年とはにわかには信じがたいが……。その関係を知る数少ない知人が語る。
「相手はアーティストのYOSHI君です。当時、彼はまだ17歳で」
YOSHI─モデル、歌手、そして俳優としてマルチな才能を見せている超新星アーティストだ。'19年、ほぼ無名&演技未経験だったにもかかわらず、映画『タロウのバカ』で主演に大抜擢。しかも菅田将暉、仲野太賀という超売れっ子俳優を脇に従えてだ。
「菅田さんはYOSHIさんを大絶賛。彼に“すごい大物になる”“この才能を生かすも殺すも俺ら次第”とまで言わしめるほどでした」(前出・スポーツ紙記者)
ただ、その才能よりも自由奔放な言動のほうが話題になることが多かった。
「その映画の完成披露記者会見では先輩の菅田さんや仲野さん、映画監督にまで“タメ口”で大騒ぎしっぱなし。取材陣をあきれさせました。バラエティー番組に出演した際には、初対面の明石家さんまさんを“さんちゃん”呼ばわり。あろうことか“カンチョー”までしちゃって(苦笑)。出演後“何様”“礼儀知らず”“生意気で不快”と大炎上していましたね。そうそう“ドリカムを怒らせた”なんて報道もありましたっけ」(同・スポーツ紙記者)
そんな外野の声など“どこ吹く風”とばかりにYOSHIは一気にブレイク。
「『カロリーメイト』やパナソニックのワイヤレスイヤホンのCMに出演したかと思えば、週刊誌『AERA』の表紙も飾って。『ヨウジヤマモト』『カルバン・クライン』といった世界的ファッションブランドのビジュアルモデルにまで抜擢されたんです」(広告業界関係者)
事務所からも「ありえない」と反対され
そんなYOSHIが紗栄子と出会ったのも、そうした仕事のひとつだった。'20年3月、ふたりが参加した、大型台風被災地復興プロジェクト『YOUR RESTAURANT』だ。
「一緒に被災地を回るうちに、YOSHI君が紗栄ちゃんを本気で好きになっちゃったんです。最初のうちは紗栄ちゃんは“YOSHI君、息子みたいでかわいい”とやんわりかわしていたんですが、あまりのアプローチにだんだんほだされちゃって……」(知人、以下同)
昨年3月、緊急事態宣言発出直前のある日、YOSHIの所属事務所の社屋屋上で小さな慰労会が催された。
「年度終わりに社員や関係者、所属アーティストをねぎらうバーベキュー大会だったんですが、そこにYOSHI君が紗栄ちゃんを呼んだんです。ごくごく内輪の会だったので“なんで紗栄子さんが?”という空気だったって。それでさすがに“会社にはちゃんと伝えておこう”という話に」
そのバーベキューの後、紗栄子は自らYOSHIの事務所社長に電話をかけた。
「“YOSHI君と付き合いたい”と社長さんに直談判したんです。17歳の子どもと大人が、しかもYOSHI君とそう年の変わらない子どもまでいるのに、まさかそんな関係になるとは社長さんも夢にも思わなかったはず」
事務所社長は、その場で紗栄子にはっきりと言った。
「“それは絶対ダメ! ありえない”と電話口で大反対されたって」
だが、社長の怒りも言葉も、燃え上がってしまったふたりには届かなかった。反対を押しきって─いや、無視して交際を継続したという。家の外でも逢瀬を楽しむこともあった。あるときは超高級ブランド『セリーヌ』の旗艦店へ買い物に。
「彼女、そこでYOSHI君に、服や財布などをプレゼントしたんです。“70万円も使っちゃった”って。YOSHI君のお母さんは、外泊が増えたり、突然高価な物を持ち帰ってくるようになったYOSHI君を心配したみたいで。それで紗栄ちゃんが彼の実家に挨拶に行くことに。たしか去年の5月ごろです」
紗栄子の訪問を知ったYOSHIの母親もまた、声も出ないほど驚いた。無理もない、相手は有名人、それも息子の倍の年齢なのだ。
「“YOSHI君と仲よくさせていただいている紗栄子です”と挨拶しにきたって。彼女が帰った後、YOSHI君はお母さんから“お付き合いを考え直すように”と言われたそうです。事務所からもそう言われ続けていて」
すると、このころからYOSHIが明らかに変わっていく。仕事をたびたび無断で休んだり、マネージャーからの連絡も無視するように。
YOSHIの母は消え入りそうな声で……
「自分の大事な恋人と別れさせようとする事務所に“もう信じられない”“辞める”と言い放ったそうなんです」
決まっていたYOSHIの仕事のいくつかは白紙に。
「紗栄ちゃんは“私もYOSHI君を応援するよ”と、独立をすすめたそうです。YOSHI君はすっかりその気になって、ますます事務所やお母さんを遠ざけるように」
だが秋風が吹き始めるころになると、ふたりの関係にも隙間風が。紗栄子がYOSHIに別れを告げたのだ。
「紗栄ちゃんに“捨てられた”と感じたんでしょうね。ショックで、YOSHI君は自宅に引きこもってしまって。事務所も本人といっさいの連絡が取れない状態になっているそうなんです」
今年5月には大手レコード会社からアルバムをリリースする予定だったが、それも制作が中断したまま、完成のメドは立っていないという。
「今では、事務所とYOSHI君は契約をめぐって話がこじれてしまっている状態だそう。YOSHI君に“違約金”の話まで出ているそうです。お母さんは“あの人と出会った日から息子は顔つきも何もかも変わってしまった”と嘆いていました」
ただ、事情を知る、あるアパレル関係者は別の見方だ。
「YOSHI君は才能があるぶん、繊細で純粋。だから悩んだり迷ったりすることも多かった。それでたしかに紗栄子さんを頼るようにね。彼女はその相談に乗ってあげていたんです。恋愛とか、男女の仲ではなかったんじゃ……」
週刊女性は都内にあるYOSHIの自宅を訪ねた。インターホンを押すと、YOSHIの母親が消え入りそうな声で、ひと言だけ応じてくれた。
「はいはい……ちょっと突然すぎて……。すみません、私からは何もお答えできなくて。ごめんなさい……」
YOSHIの所属事務所社長に《紗栄子との交際》《紗栄子やYOSHIとの一連のやりとり》《YOSHIとの契約トラブル》について質問状を送ったところ、
「このたび、お問い合わせいただきました件に関しましては、コメントは差し控えさせていただきます」
と否定はしなかった。紗栄子にも取材を申し込むと、所属事務所を通じてこう回答した。
「YOSHIさんは紗栄子にとって大切な友人の1人です。保護者の方の許可のもと、またはマネジメントが同席のうえでお会いすることはありましたが、ご指摘のような関係ではございませんし、また、紗栄子が所属事務所からの独立をYOSHIさんにすすめたようなこともありません」
才能は生かすも殺すも大人次第、か─。
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Hey!Say! JUMP・中島裕翔&有岡大貴&薮宏太の“小さな悩み”
ニューシングル『ネガティブファイター』をリリースするHey! Say! JUMPを代表して、薮宏太くん、有岡大貴くん、中島裕翔くんの3人にインタビュー。
ネガティブを肯定する応援歌
――ニューシングル『ネガティブファイター』は作詞作曲がTik Tokで活躍するマルチクリエイターのうじたまい、振り付けが大人気ダンスボーカルユニット・新しい学校のリーダーズと、新進気鋭のクリエイターたちと組んでいますね。
有岡大貴(以下、有岡)「聴いてくださるみなさんに寄り添えるような、一緒に踊っていただけるような楽曲にしたい思いもあって、うじたさん、新しい学校のリーダーズさんと一緒にやらせていただきました」
薮宏太(以下、薮)「言葉の選び方や遊び方に新しいセンスを感じました。すぐに意味がわからなくても、語感がユニークだったり、とてもいいですよね」
中島裕翔(以下、中島)「“ネガティブ”とか“アンチ”とかマイナスなイメージのワードを使っているのに、イヤな気持ちにならないのが曲の持つ力であり、面白さ。ネガティブを肯定する応援歌になっています。人間ってネガティブになってしまう瞬間が必ずあると思うけど、ひとりじゃないよ、僕たちも同じ気持ちだから頑張っていこうねっていう曲です」
有岡「“前を向いて行こう”っていう曲はあるけど、意外と“後ろ向きでもいいじゃん”っていう曲は少ないよね」
中島「無理にポジティブに切り替えるんじゃなくて、この曲は緩やかでいいよって言ってくれているんだよね」
――振り付けはいかがでしたか?
薮「元気だし華やかだしエネルギッシュだし。(新しい学校のリーダーズは)もうバネが違う!」
有岡「振り付けを教えてもらうときに、初めてお会いしたんですけど、長年一緒にやってきたかのような雰囲気で(笑)。休憩を入れるタイミングもバッチリだったもんね」
薮「そうそう。俺らが疲れてきたのを察すると“次やったら休憩入りましょう”って言ってくれる(笑)」
中島「手のひらで転がされてたね(笑)」
――お気に入りポイントは?
有岡「僕は途中で入る呪文のようなセリフ。みなさんが歌ってくださるときは自由に文言を変えてもらってアレンジしてほしいです」
薮「僕はやっぱり歌詞の“ぴえんこえてぱおん”ですね。絶対に自分では出てこないワードなので、歌っていて楽しくなるし素敵です」
中島「最近また流行っているシティポップじゃないですけど、どこか懐かしさもあるメロディーでありながら歌詞は新しいし、振り付けもすごくキャッチーで、冒頭のマッスルダンスも印象的。最初からギアがポンと上がる明るさとかわいさがあるんですよ。元気の押し売りにならない、いろいろな要素をまぜ合わせた化学反応がいいなと思います」
どんなお悩みも解決します!
――有岡さん主演の『探偵☆星鴨』(日本テレビ系、毎週月曜、深夜12時59分〜)の主題歌ですが、探偵の星鴨に依頼するならどんなことを頼みたいですか?
有岡「小さなトラブルから大きな事件まで扱いますから、どんな依頼でも受けますよ?(笑)」
中島「じゃあ、うちの浄水器のカートリッジなんですが、交換時期が書いてなくていつから使っているのかがわからないんですよ。どうやって調べればいいですか?」
有岡「マンションの管理会社に連絡するか浄水器メーカーのホームページを調べるかですが、僕から言わせてもらったら替えたほうがいいですね」
中島「わ~、解決した~(笑)」
薮「僕は、(サッカーの)南アフリカワールドカップのときに買ったレコーダーをもう10年くらい使ってるんです。全然故障してないけど容量が少なくて、1クールで2本の連続ドラマ録ったら、ほかは何も録画できないんですよね。どうしたらいいですか?」
有岡「見終わったらすぐ消すとか、外付けハードディスクを買うとかあると思いますけど、僕から言わせてもらったら買い替えましょう」
薮「ありがとうございます!」
中島「(有岡に向かって)僕らは何の探偵モノもやったことないけど、お悩みある?」
有岡「最近、手のひらが乾燥してるのか、ちょっとしたところに引っかかったりするんです。どうしたらいいですか?」
薮「レジ袋開けにくいとか、紙をめくりにくいとか?」
有岡「レジ袋は最近使ってないけど、紙がめくりにくいのはある!」
中島「“(星鴨が事件を解決したときの決めゼリフで)見えた! 輝く一番星!”。いろいろな方法があると思うんだけど、僕から言わせてもらうならハンドクリームを塗る! さらにその上からラップを巻くとか」
薮「指サックするとか(笑)」
有岡「指サック!?(笑) 解決しました、ありがとうございます!」
中島「じっちゃんの名にかけて解決しました(笑)」
薮「ほかのドラマがまざってるから(笑)」
“30代”について、どう思う?
ーー有岡くん、4月15日に30歳のお誕生日を迎えましたね
有岡「誕生日になった瞬間、ちょうど仕事でメンバーと一緒にいたんです」
薮「どうやってお祝いするか、みんなソワソワしてたからね(笑)」
有岡「歌いながら“おめでとう”って言ってくれてありがたかったよ」
薮「自分ではそんなに感じないけど、まわりから30代を意識させられることが多くなるよね。小さいころから仕事してるスタッフさんから“もう30代!?”って驚かれたり」
中島「俺は(30代まで)あと3年くらいあるけど、30代って漠然と何かが変わりそうな意識はある。ひとりの人間として、男として、アイドルとして、いろいろ考えるタイミングなのかな」
有岡「デビューしたての10代のころ、番組の収録で共演したアナウンサーさんや芸人さんたちが楽しげにしゃべっていて、その雰囲気のまま収録が始まる感じに憧れがあったんです。最近ようやく、スタッフさんや共演する方たちとの年齢が近くなってきて横の広がりが増えた気がするのがうれしいですね」
中島「30歳の記念に自分で何かプレゼント買う予定は?」
有岡「うーん(しばらく悩んで)。いいスーツ!」
薮&中島「おお、いいじゃんいいじゃん!」
有岡「自分に合ったオーダーのスーツがあったらいいかも」
(編集部からの“メンバーからもらいたいものは?”の質問に)
有岡「(テレながら)いつも大きな愛をもらってます!」
ーー最近何かと戦った?
薮「ゆで卵を味付け卵にしたくて、6個パックをぜんぶ茹でて味付けのタレにつけようとしたとき、6個中3個が半熟すぎてカラ剥き中に割れちゃったんです。卵のカラ剥きとの戦いに(半々なので)引き分けました(笑)」
有岡「水回りの掃除! 最近できてなかったからガッツリ取り組んで格闘しました(笑)。こだわっているのはお風呂のあとに水気を取ること。今までワイパーで拭き取ってたんですけど、誕生日に電動で水を吸い取る機械をいただきました。超便利です!」
中島「夜中にお菓子を食べようかな~という誘惑と戦って勝ちました(笑)。小腹が減ってくるような夜に映画を見るとき、ふだんはお菓子食べないのについチョコとかをつまみたくなっちゃうんですよね」
ーー最近ネガティブになったことは?
薮「普段からあまりネガティブにならないんですけど、こないだマンションのポストの暗証番号が何回やっても開かなくなったんです。そしたら右回しと左回しを勘違いしていて、しばらく落ち込みました(笑)」
有岡「ふだんは寝たらだいたいリセットできて、引きずらないほう。でも、最近、ベッドに入ってから漫画を読みはじめたら止まらなくなってしまったことがあって。睡眠時間が少なくなって、俺は何をしてるんだってネガティブになりました(笑)」
中島「海外の方と話す機会があって、ちゃんと会話が通じるかなと一瞬ネガティブになりました。でもある程度、意思疎通できたと思います。僕は、ふだんからネガティブなタイプ。つい先々のことを考えては思いつめがちな心配症です」
『ネガティブファイター』
5月12日リリース
初回限定盤1・2 各1375円、通常盤 1170円
※すべて税込み
取材・文/熊谷真由子
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ドン・ファン元妻を打ちのめした「汚部屋」での夫婦生活
須藤早貴容疑者(インスタグラムより)
事件は発生から3年を前に急展開を迎えた。2018年5月に和歌山県田辺市の自宅で急性の覚醒剤中毒で死亡した野崎幸助氏(享年77)について、妻であった須藤早貴容疑者(25歳)が殺人容疑で逮捕されたのだ。
「密室での毒殺事件。出入りしている人間は限られている。県警は明らかにしていませんが、当日の死亡直前の飲食物については確認しており、その中に致死量の覚醒剤を盛られたことは確かです。そのため、自宅内にいた、早貴容疑者と、家政婦の女性の二人に県警は注目していました」(県警担当記者)
二人の女性について、事件発生当初からマスコミが追いかけ回していたのだが、県警は須藤容疑者と野崎氏の「奇妙な夫婦関係」に、注目していた。
「野崎氏の著書とされる『紀州のドン・ファン 美女4000人に30億円を貢いだ男』(講談社)によると、早貴容疑者との出会いは、羽田空港で転倒した際に、やさしく手を差し伸べてきた、だそうですが、野崎氏が生前に付き合っていた女性は、すべてが金銭を支払った相手といいます。早貴容疑者もそんな中の一人で、ある人物に謝礼を払って斡旋させたのです。過去には、そうやって紹介された女性に、自宅から金品を盗まれるという被害にもあっていたのに。とにかく女性は好きだった」(同)
2018年2月8日、その前年から「交際」があったという早貴容疑者と野崎氏は籍を入れる。そのまま結婚生活が始まるかと思いきや、いきなり「別居」となった。当時のことを野崎氏の会社関係者(以下会社関係者A)が語る。
「早貴容疑者は『東京の部屋を整理する』という理由で、結婚直後から東京に帰ったままだったんですよ。それで、結婚の条件である『月に100万円』のお手当てだけは受け取っていた。これには、社長もキレて『離婚するかどうか、はっきりせい』と、早貴に決断を迫ったのです」
二人の結婚には100万円を支払うという「覚書」が存在していた。つまり、月100万円の援助交際の延長線上の「結婚」だったのである。
「それで4月に早貴はイヤイヤ田辺にやって来たんですが、夫婦には見えませんよね。家事はすべて家政婦のTさんがやってるし、早貴は、何かと外に出て、自宅に立ち寄らないようにしていた。運転免許を取りたいと、自動車学校に通い始めたのです」(会社関係者A)
この時の早貴容疑者と野崎社長のやりとりなどは会社の人間ならみんな知っていたという。社長は100万円をたてに夫婦生活を求めてきたと思えば、早貴容疑者を怒鳴ることや、離婚を口にすることもあった。
「社長は気分の浮き沈みが激しい人。機嫌がいい時はやさしいが、悪いと怒鳴り散らすし、金についても渋くなる。早貴について『もう離婚や』などと叱責することもあったと聞きます。あと、早貴容疑者のアダルトビデオ出演が話題になっていますが、社員は結婚する頃には全員知っていましたね」(会社関係者A)
夫婦には見えない野崎氏と早貴容疑者。別の会社関係者(以下会社関係者B)の目からはどう見えていたのか。
夫婦の食事の時でもずっとスマホを見ていた早貴容疑者
「社長が女性に金を払うのはいつものことです。好みの女性を紹介してくれる複数の業者から、ひっきりなしに写真などが送られてきていました。会社事務の担当は、いつもそうした女性の口座にお金を振り込んでいましたよ。早貴とは結婚していましたが、社長はそれまで変わらず『別の女性の紹介』も受けていました」
結婚生活とはほど遠い二人の関係であるが、二人と食事を同席した時には、さらに異様な光景を目にしたという。
「食事に行った時、車から早貴が先に降りて、スタスタと先に歩いて行くんです。それを社長がヨチヨチ歩きで後ろからついていく。早貴は社長をまったく気にしない様子でした。食事の時にも会話もないし、ずっとスマホを見てます。夫婦ということを周囲に知られたくないようでした」(会社関係者B)
野崎氏は、数年前に脳梗塞も経験しており、その後遺症で歩くのにも支障があったのだ。
「それでも、社長の男としての意地なんでしょう。人前に出る時には、イブ・サンローランのスーツを着てますし、杖なんか絶対に使わなかった。そうしたこだわりはありましたね。でも、あれだけは……」
野崎氏の知人が口を濁すのは、高齢である野崎氏の身体的な衰えについてである。
「脳梗塞の後遺症なのでしょう。ここ最近は、シモのほうが本当に緩くなっていて、社長と会っていると、失禁することが多くなった。オムツもつけるようになっていました」(野崎氏の知人)
野崎氏の自宅は二階建てで、トイレと風呂がそれぞれの階に設置されている。二階の風呂は野崎氏の専用で、一階の風呂を家政婦の女性と早貴容疑者が使っていた。このことについて前出の野崎氏の会社関係者Aはこう話をしていた。
「社長のお風呂を掃除するんだけど、浮いているのです、アレが。社長は垂れ流しだから。だから、早貴は、社長とは別の一階のお風呂を使っています」
豪邸と言われる野崎氏の自宅だが、実際は「汚部屋」だったという。
店屋物の食べカスと犬の臭いと、アレの臭いで……
「社長の居室は、絨毯にところどころ黒い染みがあるんです。社長の愛犬のイブちゃんが粗相をしたものらしく、それが固まっていて。それを避けなくてはいけなくて。また、社長は『イブが粗相をした』と、従業員に掃除を言いつけるんですけど、部屋に行くと『これ、犬のじゃない』ということが何度もあったんですよ。社長の部屋は、何らかの食べカスと犬の臭いと、アレの臭いで、気分が悪くなることがありました」(会社関係者A)
そうした部屋に毎晩、須藤容疑者は呼ばれていた。また、早貴容疑者は“夫婦生活”について知人にこう語っていた。
「社長はキスだけで満足するから、それ以上はやっていないって」
しかし、ほぼ同時期に社長と交際があったという女性は「社長は最後まで要求してきていました。不完全ですが」という証言がある。野崎氏の女性への執着は、老いてもなお盛んで、誰もが認めるものだった。
「若い女の子にとって、社長はとにかく我慢が必要な相手だったはず。その点だけは、ちょっとだけ早貴に同情するんですが……」
冒頭の県警担当記者は、今回の逮捕をそう受け止めた。
結婚前の須藤容疑者のものと思われるインスタグラムには、海外旅行時の高級ホテルやビジネスクラスのシャンパンなどが並んでいた。ブランド物などが大好きで、月100万円の手当てに飛びついた須藤容疑者にとって、野崎氏との汚部屋での結婚生活は予想外で、耐えがたいものだったと思われる。
「須藤容疑者への取り調べは、何度も行なわれて、ウソ発見器にまでかけられている。かなりつよいメンタルがないと、否認し続けることは難しいと思います。物証が出ていないことが、須藤容疑者が強く出られるところなのでしょうが、県警は物証ナシでも状況証拠の積み重ねで起訴して有罪に持ち込むこめると踏んでいるようです」(冒頭の県警担当記者)
法廷で早貴容疑者の真実が明かされることはあるのだろうか。