そもそも解除については発出前日の1月7日、西村経済再生担当大臣が国会で「感染や医療のひっ迫といった状況を踏まえて、ステージ3の対策が必要となる段階になったかどうか」と答弁、人口10万人当たりの新規感染者数が25人(東京都では500人を下回ること)などの基準を示していた。
・【映像】緊急事態宣言の解除を訴える木村盛世氏に聞く
他方、直近7日間の感染者数の平均値(きのう時点)は前週比96%程度と、東京都が掲げる“7割以下”という目標は達成できておらず、下げ止まりの状況にもある。宣言解除後の感染再拡大、いわゆる“リバウンド”を懸念する声もあり、政府の感染症対策分科会の尾身茂会長は「(延長の)期間に徹底的に準備をするということが、これからのリバウンド防止のために私は必須だと思う」と指摘している。
4日の『ABEMA Prime』では、元厚生労働省医系技官で作家の木村盛世医師に話を聞いた。
■立憲民主党の「ゼロコロナ」はムチャクチャ
当然、変異株のことは考慮しなければならない。残念ながら変異しやすく広がりやすいのでRNAウイルスではあるし、それに伴って重症者も増えてくるが、特に毒力が強かったり、致死性が高ったりするわけではない。新型コロナウイルスばかりにかまけていて、ガンの手術が遅れたり、精神を病んでしまったりすれば、本当にすさんだ世の中になってしまう。やはり人々が幸福な人生を送れなくなるほどの感染症ではないだろう 。
■秋・冬になれば再び増えてくる可能性がある
確かに色々な基準を厳しくしていけば感染者数は減るかもしれない。しかしそれは一時的なものであり、春・夏には感染者数が減っても、秋・冬になれば再び増えてくる可能性がある。厚労省の人口動態統計のデータを見ると、春・夏になってくると肺炎の患者は減ってくるので、医療機関の余裕も出てくる。だから若い人たちの感染についてはある程度は甘受していかないと、いつまで経ってもだらだら続いていくことになる。人々に免疫がついてこないと、勝てない、治らない。このままでは、欧米の大きな波がきて収まったとしても、日本は最後まで今のような状況を繰り返していく国になるかもしれない。
■医師会と厚労省は医療提供体制の充実を
そもそも緊急事態宣言がなぜ出されたのかと言えば、医療提供体制が重症化対応に耐えられないという判断があったからだ。皆さんは感染者数のことを非常に気にされているが、日本の100倍近くの感染者数が出ている欧米に比べれば感染者数や死亡者を抑えられているし、ナンバリングするのもおこがましいくらい“さざ波状態”だ。そして病床数もある。しかし残念なことに日本は”医療総動員”になっておらず、ごく一部の医療機関だけが頑張っているため、何とか医療崩壊を起こさずに済んでいる状況にあるということだ。
■国産ワクチンも視野に入れなければならない
怖がっている高齢者もいるようだが、何としてでもやらなければ、社会、経済が回らなくなってしまう。今の“かかりつけ医制度”などということをやっていたのでは間に合わないので、体育館方式にする必要もある。一方で、ワクチンが入ってくるのか、という懸念もある。高齢者の人数を考えれば、やはり国産ワクチンも視野に入れなければならない。塩野義製薬が相当いいところまで行っているが、大規模な治験ができない日本の体質があるので、なかなか治験が進まない。これも打破しなければならない点だと思う。
■日本国民はどこの国民よりもがんばっている
もちろん日本医師会もがんばっているとは思うが、日本国民もこれ以上がんばれないというくらい、どこの国民よりもがんばっている。今以上を求めるのであれば、国も医師会も、ワクチンのことも含めて努力をしなくてはならないはずだ。
誰だって感染症にはかかりたくないし、私だってかかりたくない。ただ、風邪のウイルスを根絶することは不可能で、ある程度は付き合っていかなければならない。高齢になればどんなウイルスでも重症化して、死に至ることはある。それは私たちが生きている以上は仕方がないことだし、ゼロリスクということはあり得ない。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)



























