【 ガスライティングを現行法によって「犯罪」として説明するためのページ 】
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本ページの目指すところは、
『被害者自身が法的な説明能力を持って、「ガスライティング」を「犯罪」として明るみに出す』
になります。
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【 インデックス 】
2005年8月25日 第二回 今回から、具体的な法律のお話になります。 前回 お話しました理由により、現行刑法によって「ガスライティング」を「犯罪」として説明することを目指して進めてまいります。「被害者自身が法的な説明能力を持つ」という趣旨もありますので、ガスライティングに関する具体的なお話を交えつつ、段階を踏んで整理させていただきます。
はじめに、現行刑法についてです。現行刑法は、「第一編 総則」と「第二編 罪」から構成されます。通常、刑法を語る場合には、「総論(刑法Ⅰ)」と「各論(刑法Ⅱ)」という分け方がなされ、それぞれが「第一編 総則」と「第二編 罪」に対応します。「第一編 総則」では、刑法の適応範囲はどこまでか、犯罪とはなにか、刑罰とはなにか、違法性とはなにか、責任とはなにか、共犯とはなにか、といった各犯罪に共通の規定が定められています。「第二編 罪」では、殺人の罪、傷害の罪、脅迫の罪、名誉に対する罪、といった個別的な犯罪の成立要件が規定されています。
今回は、「総論」から、「犯罪」を説明するために最低限必要な規定を考えてみます。ある行為が「犯罪」と認められるためには、次の3つの要件を満たす必要があるとされています。
1. 構成要件該当性 2. 違法性 3. 有責性
「犯罪」と認めるための必要条件ですので、一つ一つご説明いたします。 【1. 構成要件該当性】 「構成要件該当性」とは、その行為が、刑法の禁止する行為の型に当てはまることといいます。例えば、脅迫された、と主張し、それが犯罪であると主張するためには、刑法222条の「脅迫」に書かれている罪に該当することを説明しなければなりません。構成要件に該当する行為を、「実行行為」といいます。 ここで、ガスライティングに関してですが、ガスライティングでは、「実行行為」と取れる行為が少ないにもかかわらず、人の人権を侵害し、社会的、私的な弱体化を謀ることが可能です。ただし、過去の判例にも見られるのですが、特定の条件下(具体的な状況下)であることが考慮され、社会通念的に「犯罪」とは考えられない行為が「犯罪」と認められるケースもあります。例えば、「出火お見舞い申し上げます、火の用心に御注意」という趣旨の文面の葉書に対し、「脅迫罪」の成立を認めたケースです。その判決理由には『2つの派の抗争が熾烈になっている時期に、一方の派の中心人物宅に、現実の出火もないのに、「出火お見舞い申し上げます、火の用心に御用心」、「出火お見舞い申し上げます、火の用心に御注意」という趣旨の文面の葉書が舞い込めば、火をつけられるのではないかと畏怖するのが普通であるから、右は一般に人を畏怖させるに足る性質のものであると解して、本件被告人に脅迫罪の成立を認めた原審の判断は相当である』(最判昭和35年3月18日刑集14巻4号416頁)という判例です。葉書の文面だけを取ってみれば「これを如何に解釈しても出火見舞いにすぎず、一般人が右葉書を受け取っても放火される危険があるとの畏怖の念を生ずることはないであろうから」という断りを入れながらも、「2つの派の抗争が熾烈になっている時期に、一方の派の中心人物宅に、現実の出火もないのに」という条件の下で、「脅迫罪」の成立が認められているのです。 ガスライティングには、考慮すべき「具体的な状況」が存在します。被害者に対する個々の行為が、連続した一連の行為であり、人の人権を侵害し、社会的、私的な弱体化を謀る行為であることを、被害者側に意識させているということです。この具体的な状況下にいることが説明できる場合、例えば、「ほのめかし」行為が、被害者に、生命の危険などの、法益に対する危険を意識させるものであり、刑法222条の「脅迫」に該当すると判断してもらうことも、可能だと思います。こういった個々の具体的な「罪」に関しましては、今後、このページにおいて、「各論」を語る際に詳しくお話しする予定です。 それでは、「構成要件該当性」の話に戻ります。 次に、構成要件該当性をどう説明するかです。構成要件該当性の説明には、通常、「行為」、「結果」及び「因果関係」の説明が必要になります。はじめに、「行為」についてです。犯罪は行為でなければなりません。思考は罰せられません。また、実行行為の形態には、作為と不作為があります。作為とは、「何かをすること」であり、不作為とは、「何かをしない」ことです。作為はわかりやすいと思いますので、不作為についてご説明いたします。不作為が犯罪となる考え方は、「何もしないことによって被害者の状況が悪化する」ことであり、かつ主体が「作為義務」のある者ということになります。作為義務とは法律上の義務です。おそらく、法律上の義務としてできるはずの対応をせずに、被害者の状況を悪化させる警察の対応も、ガスライティングにおける「不作為」になるのではないかと考えています。法的な「行為」の考え方については、ガスライティングを犯罪と説明するに当たって、なんら支障は無いと思います。 「結果」とは、「刑罰法規が保護する利益(保護法益)の侵害またはその危殆化」と説明されます。この点につきましては、ガスライティングが、少なくとも「個人法益に対する罪」であることが明らかであることを説明できれば足ります。具体的には、今後、「各論」で規定されている個々の罪に当てはめることで説明を行ってまいりますが、例えば、自分の落ち度ではなく、ガスライティングの一連の行為によって退職を余儀なくされた場合には、威力業務妨害となり、「自由意志」という法益に対する侵害という「結果」になる、といった説明です。「個人法益に対する罪」だけではなく、関与している団体やガスライティングのシステムによっては、「社会法益」、もしくは「国家法益」に対する罪であることも予想されます。 「因果関係」とは、「結果」と「行為」のつながりの説明です。その「行為」がなければ、その「結果」が生じなかったという説明になります。 ガスライティング行為を、構成要件に当てはめることが、不可能ではないという感触を得られましたでしょうか? 【2. 違法性】 「違法性」とは、その行為に処罰するだけの害悪がある、ということです。「構成要件該当性」だけではなく、「処罰に値する」という説明が必要ということになります。違法性を説明する必要がある理由は、「やむを得ずにした行為」や「正当な理由のある行為」を罰してはいけない、または減罰する必要があるという考え方から来ているようです。皆さんも聞き覚えがあると思いますが、正当防衛、緊急避難、法令行為、正当業務行為といった法規がこれに相当します。ガスライティング加担者側の行為が、こういった法規に当てはまる場合には、罰されないか、厳罰される可能性もあるということです。しかし、ガスライティングが「やむを得ず」「正当な理由があって」行われているはずは無いと思います。この「やむを得ずにした行為」「正当な理由があってした行為」なのかどうかを判断するには、次の「有責性」も大きな判断材料になると思われます。ここをつついてみたい方は、「可罰的違法性」という言葉を調べられてみるとよいかもしれません。具体的になればなるほど、賛否両論があります。 【3. 有責性】 「有責性」とは、犯罪と主張する行為において、故意(刑法38条1項の「罪を犯す意思」のこと)があったかどうか、期待可能性(具体的な状況の下で行為者に適法行為に出ることを期待できること)があったかどうか、責任能力(法の命令・禁止の意味を理解して、違法な行為を思いとどまることができる能力)があったかどうか、などが説明できるということになります。責任能力については、心神喪失かどうか、心神耗弱かどうか、未成年かどうか等が考慮されます。故意や期待可能性については、更なる議論が必要ですので、今後、ガスライティングにおける具体的な行為との関連の中でお話できればと考えています。
今回は、「犯罪」を説明するために最低限必要な規定から、ガスライティングを考えてみました。いかがでしょうか。 まとめますと、ガスライティングを犯罪であると説明するためには、ガスライティング加担者の個々の行為が、一連の行為であることを説明し、「構成要件該当性」、「違法性」及び「有責性」を有する説明が必要ということになります。そしてそれが不可能ではないという可能性も示すことができたかと思います。 尚、3つの用件の中で、一番重要なのは「構成要件該当性」であり、「違法性」と「有責性」に関しては、賛否両論も存在することを記しておきます。 次回からは、より具体的にガスライティングの手口について言及していきたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。
2005年8月20日 第一回 本日より、このページの活動を開始させていただきます。 私は法律の専門家ではありませんが、一部の検察や警察が「ガスライティング」に加担していると考えられる現状では、「被害者自身が法的な説明能力を持つ」ことが必要だと考え、この活動を始めることにいたしました。ですので、私自身が法律を勉強することから始める事になります。被害者の皆様と「同じ目線で」「わかりやすく」違法性を訴えていければと思いますので、ご意見、ご質問や「それはちがうよ」といったご指摘を、どうぞよろしくお願いいたします。「被害者自身が法的な説明能力を持つ」という目的がありますので、できるだけ法律に関する解説(私の理解する範囲で)も加えながら、このページを進めてゆきたいと考えています。
AGSASサイトでは、「ガスライティング犯罪」という言葉を多く使用しています。「犯罪」と主張するからにはやはり、事実を公表するだけではなく、法的な説明が必要だと考えます。そして「犯罪」として主張するには、現行の刑法及び刑事訴訟法に依存した説明を行うという事になります。刑法の存在意義は「国民の生活を守り国民の人権を保護する」ですので、まさに私たち「ガスライティング」被害者がこの法律によって保護されるべきだと考えます。
第一回のはじめに、なぜ現行法ではないといけないのかという点です。どうせ活動するのなら「ガスライティング規制法」を目指すべきではないかと思われるかも知れません。現行法にこだわる理由は、「事後法の禁止」という概念が存在するためです。これは、その行為を行ったときに違法だと言えなかった行為は、その行為を違法だとする法律ができた後からでは処罰されないという概念です。つまり、将来的に「ガスライティング規制法」ができたとしても、現在行われている行為は処罰されないのです。ですので、現行法でどこまで「ガスライティング」の違法性を指摘できるかを考えることとします。もし、現行法で何もできないと言うことになれば、それはそれで現行法の穴を指摘できることになりますので、全くの無駄にはならないかと思います。海外のサイトなどでは、「世界のどの国の司法制度をもってしても起訴することができない完全犯罪」といわれていますが、自分で調べてみないことには納得できません。人権侵害行為を堂々と行うことが、現行法にまったく引っかからないとは思えないからです。
次に、なぜ刑法かと言う点です。「ガスライティング」では、国内外を問わず、「民事で解決するべきだ」という隠れ蓑が使われています。被害者が警察に相談すると、「そういったことは法規に触れないので捜査できない。民事で、損害を受けたことを証明してください。」と言われるわけです。そうすると被害者の負担は大変なものになります。捜査権のない被害者が、全て自分で調査、証明しなければならないわけですから。「ガスライティング犯罪ネットワーク」のような組織的犯罪こそ、国家がその義務をもって解決すべき問題だと思うのです。そうでなければ「国民の生活を守り国民の人権を保護する」という刑法のお題目は、「ガスライティング」被害者には適用されないと言うことになります。そして事実上、「ガスライティング」被害者になってしまったら、国民である義務だけを課せられ、人権は守られないということになります。
そういったいくつかの理由により、当面は現行刑法を中心に「ガスライティング」を「犯罪」として説明できるかどうかを展開していこうと思います。もちろん、必要な箇所では他の法律にも言及いたします。次回は、刑法(総論)と「ガスライティング」について議論を展開していきます。
2005年8月20日(2007年4月26日更新) Takahiro Tozaki |
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