Wikipediaから非性愛が消えた日
項目が削除されました。
とるにたらないことかもしれませんが、今、Wikiの「無性愛/Aセクシュアル」を見ると、
このように書かれております。見過ごせません!
~「非性愛」なる実在しない用語について~
小谷野敦は、「ウィキペディアには「非性愛」の項目があるが、この語を含む著作、
論文ともにゼロである。」とツイッターで指摘した。(後に該当の項目は削除された)。
実際に、国立国会図書館のOPACには「非性愛」を含む資料は存在しない。/Wiki
以上、こんな状態です。また、削除理由にこんなことも記載されています。
●無性愛(en:Asexuality)とは別の事物であると整理され現在の内容になっている
が2006年1月に立項されて以来まったく出典がない。/Wiki
●ネットを調べてみたところ、「非性愛」をテーマにした個人のブログや掲示板など
を多数発見しました。この項目によってデマが拡散してしまったようです。/Wiki
先日、当ブログ「ノンセクの認知度」という記事で、ノンセクシュアル(非性愛)が普及した
のはごく近年だと書きました。本来のノンセクシャルという意味が、心理学用語で、
「セクシュアル・オリエンテーション(性的指向)をハッキリ自覚する前の子供を指す」だと
いうことも紹介しました。
そうなのです。今現在、このように広まり、私のアイデンティティとなった「ノンセクシュアル」
は、日本で新たに意味付けされた言葉なのです。――これは事実で、たしかにノンセクが
「恋愛感情のあるAセク」という意味合いで、セクシャリティー用語として使われているのは
日本だけです。
Wikiに載った時期などから見て、ノンセクシュアル/非性愛が広まったのは2006年頃だと
推測されます。そして、そのルーツは2ちゃんねるなどの匿名掲示板のようです。
それから2013年――約7年くらい。幅を持たせて10年くらいの間にこの「ノンセクシュアル」
という用語は浸透し、ふつうに使われるようになりました。
元からあるノンセクシュアル(non sexual)が、Aセクシュアルの派生のようなかたちで「恋愛
感情があるAセク」という日本発生の意味をプラスして使われ、馴染んできたのです。
既にノンセクシュアル(非性愛)だと自認して、「私は非性愛者です」とアイデンティティを
持っている方は日本にたくさん存在します。(いや、マイノリティーだから数でいうと少ない
かもしれませんが
実際、ノンセクシュアルというカテゴリーに入れたことで安心し、孤独感から解放された人も
複数いるのです。何より、この私がそうです!ノンセクシュアルと自認してからの方が心が
安らかです。前は異常なのか?精神病なのか?と苦悩していましたから
そんな私にとって、Wikiの乱暴な削除は結構ショックでした。
デマってなんですか?私のブログもデマを拡散するモノだと言いたいのでしょうか?
ノンセクシュアル(非性愛)はマイナーです。それでも、この10年くらいでノンセクを自認して、
生きている人はたくさんいるのです。タレントの牧村朝子(Twitter ID @ makimuuuuuu )さん
がツイッターで以下のようにツイートしていました。嬉しかったし、たいへん共感しました。
勝手ながら引用させて頂きます。
wikipedia「非性愛」のページが、「独自研究/デマ」という扱いをされて削除されちゃったみたい。たとえ著作や論文がなくても、たとえ日本独自の用語でも、「自分は無性愛じゃなく非性愛」というアイデンティティを持っている方はいたのになぁ
あるセクシャリティ用語に対し「間違ってる」という指摘がされるとき、わたしイベントで出会った「FtMレズビアン」の方をいつも思い出すの。FtMは男性だからレズビアンになりえないだろって、学問的には真実。でもその人がレズビアンって言葉に帰属意識を感じていたのも、同時に真実なのよね。
思うんだけどね、「正しいセクシャリティ用語」なんて本当は存在しないのよ。できるだけ傷つく人が少ないように、できるだけ見えなくなる人が少ないように、適当な線で分けているだけ。そして、その線自体に切りつけられている人も、どこにも入れられないままでいる人もいるのよ。
何が言いたいって、Wikiから「非性愛/ノンセクシュアル」という項目が削除されても、言葉
自体は使われ続ける限り消えないし、ノンセクシュアルを自認する人も消えません
当たり前のことだけれど記事にしておきたかったのです。
だって、Wikiはそれなりに影響力を持ったオンライン百科事典だから!今後、訂正や項目が
復活されない限り、非性愛なんて実存しない、デマじゃん!とか言われかねないから――。
長くなりましたが、私はこれからも当ブログでノンセクシュアルについて発信していきます!
日本Wikiにデマと言われようが、私はノンセク・アイデンティティを持つ人間で、ここに今も
生きて存在していますから!!!
にほんブログ村
↑よろしけば、励ましにポチっとお願いします。ランキング参加中
テーマ : セクシャルマイノリティー
ジャンル : 心と身体