ポールシフトの一件で社会的な批判を受けることとなった「宇宙友好協会」は、その後、日本国内の古代遺跡を太古の宇宙人来訪と結びつけた「古代宇宙飛行士説」を強力に推進しはじめる。1963年頃からは、アイヌ神話の神「オキクルミカムイ」が宇宙人だったと主張するようになり、1964年には北海道平取町に「ハヨピラのピラミッド」と呼ばれる記念碑も建設した。
■「宇宙友好協会」が与えた影響
ところで「宇宙友好協会」そのものは、60年代以降表立った活動をしていないが、この団体に所属していた元会員たちは、その後の著作物を通して日本のUFOシーンに少なからぬ影響を残している。たとえば、UFOを呼ぶために何人かで手をつなぎ「ベントラ、ベントラ」という呪文を唱えるやり方は、彼らが始めたものだ。また、「縄文時代の遮光器土偶は古代の宇宙飛行士を象っている」との説を広めたのも、やはり彼らだ。
そして、彼らの中には「近々地球規模の大災害が起こるが、選ばれた者だけが宇宙人に救済される」とする自称「予言者」たちが今も多数存在し、時期だけを更新しながら、ほとんど同じ内容を繰り返し主張し続けているのだ。
■近年の終末予言と、その実態
さて、2012年12月21日、「マヤ暦の終わりとともに世界に終わりが訪れる」と主張する「予言者」が大勢現れた。この時、ある者は「未知の惑星ニビルが地球に接近する」と唱え、またある者は「太陽系が『フォトンベルト(光の粒子が集まった帯)』なるものに突入する」とし、ポールシフトが起こるとも予言していた。