雀突撃隊 VS おじさん と おばさん
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Photo by Zassou Z 撮影場所: 福島県 会津 某所 米ぬかを美味しそうに食べるスズメたち・・・お米よりも好きみたい
エサがほとんど無い冬場の鳥たちは過酷です。 特に目立つのがスズメ。
彼らは助け合って暮らしています。 思いやり深い優しい心の持ち主たちです。
スズメと言えば、昔から米を食べる害鳥として、農家から嫌われてきました。
中国ではかなりの嫌われようだったみたいです。
中国では20世紀の半ば頃、「4つの害 追放運動」 がありました。
「4つの害」 とは、ハエ、カ、ネズミ、そしてスズメです。 流石に日本ではそこまでスズメが嫌われてはいなかったでしょう。
人海戦術の得意な中国では、8万人もの少年によって 「スズメとり突撃隊」(すごい命名です!)が結成されました。
彼らはヒナもろともスズメの巣を破壊しました。飛んでる親スズメは、カネやドラを叩いて、飛び疲れて落ちてくるまで追いかけたと言いますから執念深いです。 どんなに長い時間追いかけたのでしょうか?
北京市内では約11億羽(当時の中国の人口の倍以上です。)が捉えられて、北京周辺にはスズメが1羽も見られなくなってしまったと言う事ですから、スズメとり突撃隊の猛烈ぶりは凄いものでした。 大虐殺です。
その結果 ・・・
投稿者: 雑草Z
・・・ スズメが餌にしていた害虫が急速に増え、コメは害虫にやられて凶作になってしまいました。
スズメは米を食べるから害鳥と言われていたのに、逆効果でした。
だから数年でスズメ退治は中止になりました。 orz。
まだ飛ぶ練習をしているヒナに口移しで餌を与える親スズメ ・・・ スズメの親の愛情たっぷり ・・・
日本ではそこまでおバカな事はしませんでしたが、やはりスズメを大量に捕獲した過去は色々あります。
日本の鳥取は、その名の通り、「鳥を取る」 のが好きな地域だったのでしょう。
エサが不足する冬の大雪の時期に、強いアルコールに長時間漬けておい た雑穀類を、庭や道、屋根や空き地に撒きました。
お腹を空かしたスズメたちは、大喜びで雑穀を食べて、酔っ払ってヘロヘロになり、飛べなくなって動けなくなりました。それらのスズメを、人々は手で簡単に捕まえたのです。
捕まえた数は千羽以上という事ですが、中国の 「スズメとり突撃隊」 と比べれば百万分の一くらいですね。(笑)
・・・ と、言うか、この方法を提案した鳥取市役所の農林部長は、中国に行ってこの方法を学んできたそうです。(笑)
実はお酒で酔わせるのは、中国のお家芸的な方法だったのです。だからこれも 「中国式」 でした。鳥取市ではこの方法を2回だけ行って止めたと言う事です。
さて、次は、今度こそ、日本オリジナルのユニークな方法を2つだけ紹介いたします。
その2つとは 「スズメのおじさん」 と 「スズメのおばさん」 です。
共に騙しの方法です。
「スズメのおじさん」 は、人は身を隠して、イタチの皮だけ見えるようにして動かして、竹笛を吹き鳴らしてスズメがイタチに襲われた時の悲鳴のような音を出します。
スズメたちは、イタチに襲われた仲間を助けようとやってきて、トリモチを塗った木の枝に止まって動けなくなったところを捕まえられたのです。
このイタチの皮が 「スズメのおじさん」 と呼ばれていました。
「スズメのおばさん」 は、田んぼに、飼い慣らしたオトリのカラスを2羽つないでおきます。そばにイネの穂を置いて、目を見えなくしたオトリのスズメを数羽放してイネを食べさせておきます。
農民がその田んぼの方にスズメの群れを追ってくると、スズメたちはカラスの 「おばさん」 のところへ集まって来ます。カラスがいるから大丈夫だと思うのです。
そこには稲の穂をつついて食べているオトリのスズメまでいますので、追われてきたスズメ達は、ここは安全とばかりに、気を許してコメをついばみ始めます。そこで仕掛けてあった網に捕らえられてしまうのです。
・・・ 何とスズメは、カラスを信頼していて、カラスのいるところなら安全だろうと安心するのだそうです。このスズメ達から信頼の厚いオトリのカラスが 「スズメのおばさん」 です。
以上、中国式と日本式、比べてのご感想は如何でしょう?
中国の方法は、力ずくの人海戦術と中国4000年の歴史による酒で酔わせる方法。「文化大革命」という名の大虐殺も思い出しました。
対して日本の方法は、良く言えば、スズメの習性を知り尽くした頭脳作戦。悪く言えば、スズメの仲間思いの心と信頼を悪用した非情なおとり作戦ですね。
どちらの方法も、結局スズメを殺してしまうのならば、残酷なことに変わりないのかも知れません ・・・
[編集長-ひとりごと]
スズメといえば、ベランダに置いているプランターで育てているハーブ類を食べてしまう憎いヤツらなんだけれど、あの愛くるしい動きや可愛いい姿が憎み切れない。。。
実家で飼っていた猫たちの 「お土産」(猫の恩返しとも いう)の犠牲になるのが、ほとんどスズメだった。
朝、猫のニャーニャアとうるさい鳴き声で起こされると、布団の枕元に血だらけのスズメだとかバッタが並んでいた。。。
猫の野生本能の為せる行動だとは、わかっちゃいるけど、たまんない!
一説には、猫が人間に感謝の記しとして持ってくるとか、人間に 「狩り」 の仕方をレクチャーしようとしているともいわれているけれど、
同じ獲ってくるのなら、天井裏で毎晩のように暴れまくっているネズミを獲ってくれよ~~~ と、何度、思ったことか。
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