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岡田正彦「歪められた現代医療のエビデンス:正しい健康法はこれだ!」

コロナワクチン、治験過程に欠陥…開発元の製薬会社、過去に論文・販売で詐欺的行為

文=岡田正彦/新潟大学名誉教授
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 この会社のやり方は、出来上がった製品をベンチャー企業などから買い取り、あるいは会社ごと買収し、その製品を違法な手段で販売して巨額の利益を得るというものです。新型コロナワクチンも、ドイツのベンチャー企業バイオエヌテックが開発したもので、さらに元を正せばモデルナ社が導入したものと同じ技術でした。

 ワクチン開発で3番目に名乗りをあげた「アストラゼネカ社」も同罪です。2010年、ある精神病薬について、未認可の効能を医師に宣伝し、違法に売り上げをのばしたという罪状で540億円の賠償金を命じられ、支払いに応じています【注5】。医師たちを高級リゾートに招待したり、講演を依頼し多額の謝礼を支払ったりと、お粗末な内容でした。

 同社のCEOを名指しで批判した記事が、英国の医学専門誌に掲載されたこともあります【注6】。同社が発売しているコレステロール治療薬(スタチン系と呼ばれる薬のひとつ)を売るため、意味不明な論文を数多く作り出し、世間に間違った情報を与えたという内容で、タイトルも「スタチン戦争:アストラゼネカが撤退すべき理由」と、まるで週刊誌の見出しです。同社のデータは信用できないので、この薬の処方はただちに止めるべし、と一線の医師たちへの警告で締めくくられていました。

論文に疑問点

 さて、この3社は昨年の暮れ、ときを同じくしてコロナのワクチンの治験を終了し、論文を発表しました【注7など3編】。いずれも体裁は立派で、多くの医師たちを納得させるに十分でした。しかし私の目には、疑惑のデパートとしか映りません。

 医薬品を評価する研究方法はすでに確立しています。基本は、大勢のボランティアを公平に2グループに分け、一方に本物の薬を、他方に偽薬(プラセボ)を割り当て、長期間、観察するという方法です。これら3つの論文もその方法に従っていました。

 しかし、効果を見届ける期間が7~14日間と短く、免疫もまだ十分にできていない時期に終了していました。一刻も早くワクチンを世に広めたいというのが表向きの理由だったようですが、不利な事実が露呈する前に調査を打ち切ったというのが真相ではないでしょうか。薬の調査結果を会社にとって都合よく見せる常套手段がこれなのです。

 感染を防ぐ割合がプラセボに比べ90~95パーセントと、信じがたいほど高い値ですが、そもそも調査の参加者たちは公平にグループ分けされていたのでしょうか。統計計算では、2つのグループに数人分のデータを加えたり外したりするだけで、結論が大逆転することがあります。それを防ぐためグループの分け方を仔細に報告するのが研究者の義務となっていて、年齢や性別はもちろん、居住地や基礎疾患の種類、生活習慣なども開示しなければなりません。しかしそれが、いっさいなされていないのです。

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