スマートフォンやタブレットの出荷台数の増加率は、パソコンのそれを上回っており、世界中に急速普及しつつある。この中で、i-Phoneの情報処理能力は、30年前の大型コンピュータのそれよる遥かに高い性能を有している。併せて、メモリの集積度の向上、並びに電力消費量が低減されている。これらの性能向上は、半導体微細技術によるところが大きい。半導体は、現在全世界でロジックやメモリを中心に年々5から10%程度需要が伸びている。この中で特徴的なのは、ロジック回路やメモリから、イメージ、距離、臭い等の人間の五感を機能に有するセンサーに移りつつある。この中で、人間の神経処理に近いリアルタイムで信号処理できる機能が求められている。微細化による処理速度の向上が求められる。また、電子デバイスにおける世界の電力消費量は、2025年には現在の約7倍程度の電力が消費されるとされており、エネルギーの供給が課題となっている。そこで、微細加工による電子デバイスの開発により消費電力量の大幅な低減が要求されている。7 nm以下の線幅では、従来のCMOSトランジスタではリーク電流が多く九なり、beyond CMOSデバイスの開発がキーとなっている。このため、これまで、写真1に示すような干渉露光系により、写真2(a)および(b)にそれぞれ示す15 nm ライン・アンド・スペース(髪の毛の直径の約3000分の1の大きさ)および28 nmのホールのレジストパタンを形成してきた。今後は、sub nm級の微細化を図ると共に、新規デバイスへの応用研究も進める。加えて、微細加工用材料以外の機能性材料でもNewSUBARUの放射光による、微細領域での分析が可能な新規分析方法が求めれておりこれらの手法の確立を目指す。
EUV光による二束光干渉露光系の概要
15 nmL/Sおよび28 nmホールのレジストパタン形成例