なんで、こんなモノを後生大事にしまっていたのだろう……。
取材して書くことを生業にしていると、どんどんと資料がたまっていくもの。だから普段からため込まないように気をつけてはおります。
作家・吉村昭は作品を書き終えると、次に必要としている人のために資料を放出していたそうです。
ところが筆者の場合、ちょっと事情が違う。
「これもいつか役に立つかもしれない……」そう考えれば捨てるに捨てられず、しまいこんでしまうのであります。
けれども、そろそろ整理をする時がきたのではないか。そう思って資料棚をいじくっていると、グッとくるやら、自分に呆れるやら。そんな資料の数々を紹介してみたいと思います。
ということで、資料棚のファイルケースを、はじから順に空けてみたのですが、出るわ出るわ。とりわけ、児童ポルノ法やら東京都青少年健全育成条例の資料は、ダブりもいっぱい。そして、もう必要ないだろうモノが溢れかえっています。
例えば表現規制反対派からは「規制派の御用学者」のごときレッテルで非難され続けた首都大学東京の前田雅英先生が、各種の議会などで提出した意見書の類いは、山のように……。
八王子の山の中まで、お話をお伺いしにいった際、お土産のとらやの羊羹を「これは、受け取れません」と、固辞されたのが印象的でした。ま、持って帰るのも面倒くさいので、最後は受け取ってもらいましたけど。
児童ポルノ法関連では、2009年の改定騒動の際に、自民党の葉梨康弘衆議院議員が資料として配った自作のイラスト集が。「ジャニーズも乳首が映っていれば児童ポルノ」「自白は証拠の王様」「冤罪なんて起こらない」というぶっ飛んだ発言の数々も、今となっては懐かしいものです。
そんな資料と共に発掘されるのは、よくわからないグッズの数々。未開封の青林工藝舎創立十周年記念グッズとか、つくば万博の「絵入りはがき」。これらの催しに行った記憶がまったくないのですが、なんで私はこれを持っているのだろう……。
なんだかわからないグッズの山は尽きないもので、幸福実現党がコミケ会場前で配布していた、さとうふみやのイラスト入りのうちわが10枚も。まったく必要ないので、これは処分ということで……。
さらに、何かわからぬポスターを開けばアニメ雑誌「ニュータイプ」(KADOKAWA)の付録だった『星方武侠アウトロースター』のメルフィナのポスターが。いや、私はまだ伊東先生が続きを書いてくれると信じてずっと待ってますよ……。
でも、これなんかまだマシなほう。t.A.T.u.のアニメ化告知チラシを、まじまじと眺めて、結局この企画はなんだったのかと、改めて首をかしげるしかありません。さらに、一時、秋葉原を騒がせた、沢本あすかの告知チラシには、諸行無常を感じるばかり。今はどうしているのかと検索したら、フツーにブログで活動が告知されていて、さらに驚きであります。
その秋葉原といえば、今や語る人も少なくなった「秋葉原解放デモ」の資料も。昔は、自分の書いた記事をちゃんと切り抜いて保存していたことを思い出しました。いろいろあった出来事ですが、今や首謀者の皆さんもそれぞれに出世されて何よりです。
とまあ、多少は棚のスペースを空けることができるかと思って始めた作業。いざとなると、どれも捨てる勇気は起きません。あと50年も保管しておけば歴史的価値が出るかも知れない。かくて、ほぼすべては処分することなく、そっと棚に戻されたのでありました。
(文=昼間たかし)
秋葉原解放デモ、t.A.T.u.アニメ化チラシ……なんで、こんなんしまっていたのだろう……いつの間にか資料棚が歴史の宝庫になっていた話
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