1年1ヵ月で官僚辞めました
皆さんはじめまして。
某省で、1年1ヵ月の間官僚をやっておりました「りぜろ」と申します。
この度、2021年4月末にて退職し、晴れて官僚を辞めました。
そして現在、定職には就いておりません。
退職したことは親を含め親しい人には伝えましたが、
フリーターであることを親に伝えたら卒倒されそうです...!
このブログでは、私のこれからを備忘録として残していけたらと思っています。
この記事では、りぜろについての簡単な自己紹介をさせてください。
2020年4月、世界中が混乱の最中での入省
私は2020年4月に某省へ入省しました。
新型コロナウイルスの影響で、日本だけでなく世界中が大混乱の最中での入省でした。
入省を待っていた2020年3月は、計画していた卒業旅行もすべてキャンセル。
民間企業へ就職する予定の同級生達へは、3月上旬から中旬までには
入社式開催の有無が知らされている一方で、私が入省した某省は3月末まで毎日、
入省式開催の意向をコロコロと変える始末...
入省前から、「年度末で、相当忙しいんだろうなぁ」と色々察せられました。
結局、入省式は執り行われず4月1日から直接配属先へ赴き、
午前中はお世話になる方への挨拶や自席のパソコン設定等を行い
午後からは右も左もわからぬままに通常業務をやっていました。
退職した今の唯一の心残りは、同期との交流が必要最小限に制限されていたため、
未だ顔も合わせたことがない同期もいることです。
もしも、新型コロナウイルスなんてなくて、同期との交流が密であったなら、
もう少し違う未来もあったのかもしれないという気持ちもあります。
仕事のできる人間が良い上司であるとは限らない
直属の課長は、とても仕事熱心な方でした。いわゆる、仕事のできる人間です。
他の課や幹部との調整等、とてもスピーディな上、業務に関する知識も豊富だったので
所内、特に幹部の方からの信頼が厚い方だという印象でした。
一方で、私を含めた部下へは非常に厳しい課長でした。
不器用な私は目を付けられていたので、特に厳しく指導されていたと感じます。
ミスをして頻繁に課長の地雷を踏んでしまい、係長達と一緒に何度も謝罪をしました。
激しい口調で怒鳴る課長、全く責任はないのに土下座の勢いで謝ってくれる係長、
そんな状況に自分が情けなくなり何度も怒鳴られながら涙を流していました。
入省から半年を過ぎてからは、課長が私に直接指示を出すことはなくなり
係長を通しての指示のみとなりました。
課長が係長と話しているときの私の呼称は「あれ」でした。
今では、自分が同期の中でも特殊な環境に置かれていたということが理解できますが、
当時の私は自分の勘の鈍さや勉強不足が原因だと、自分を責めてばかりいました。
上司は部下を選べても、部下は上司を選べません。
上司は嫌いな部下とは極力関わらないよう、仕事を進めることもできるでしょう。
でも部下が自分の仕事を進めていくためには、必ず上司に確認を取る必要があります。
私は課長へ相談することが怖くなり、いつも期限ギリギリまで相談できず
タイトなスケジュールで修正をしなければならないという悪循環に陥っていました。
そんな毎日が続き、電車に乗っているときに
「今日この電車が脱線して、死ねたりしないかな...」
と考えるようになっていました。
それでも自ら自分の命を絶つ勇気はなく、毎朝出社することも出来ていました。
しかしある日、またミスをして課長に怒鳴られたことをきっかけに
ぷっつりと心の糸が切れてしまい、次の日から仕事へ行けなくなってしまいました。
いつも怒鳴られているのに、なぜその時はダメだったのかはわかりません。
もしかすると、それまでもずっとギリギリの気持ちだったのかもしれません。
初めての挫折、適応障害の診断
休職中に受診した精神科での診断結果は「適応障害」。
自分が憧れて入った官僚の道に適応できなかったという事実は
私にとって初めての挫折で、自分の心の弱さを強く実感させるものでした。
求職中は、省内の色々な方がメールや面談を通して私を心配し、励ましてくれました。
係長からは気付いてあげられなくてごめんねと、何度も謝られました。
泣きながら事情を聴いてくれた先輩もいました。
上司からの説得もあり、とりあえず復帰する方針で話しを進めていたのですが、
官僚として働き続けることへの違和感は拭えずにいました。
4月頭からの復帰が決まり、復職が目前に迫った3月末。
自分が職場へ戻ることに強い抵抗を感じていることに気付きました。
これからも、官僚としての道を走っていくのか。
周りには、毎日夜遅くまで骨身を削って働く同期達がいて、必死に官僚の道を走っている。
例え本心では辛くて苦しくても、足は動いている。とりあえず走っている。
でも私は足を止めてしまった。
休職したことで、同期がとても遠くに行ってしまったように感じました。
私はこの道をまた走るのか?走れるのか?
後ろからは、後輩達が新たなスタートを切って迫って来ようとしている。
毎日必死に官僚の道を走った先には、私の望む人生のゴールはあるのか?
悩み抜いた結果、私は官僚を辞めることに決めました。
10年、20年後に同期と会ったとき、その時の自分と同期を比較して
「絶対に後悔しない」と100%言い切れる自信はまだありません。
それでも今は、ずっと耳障りだったノイズが鳴り止んだように
とても静かにすっきりと晴れやかな気持ちです。
まだ次の道は決めれていません。不安もたくさんあります。
でも、これからは自分がやりたいと思うことだけをやっていこうと考えています。
皆さんの声援や励ましは、求職中からずっと私の心の支えでした。
これからも見守っていただければと思います。