首相「関係一切ない」 桜を見る会、ジャパンライフ招待疑惑
安倍晋三首相は2日の参院本会議で、2015年の「桜を見る会」の招待状が発送されていた「ジャパンライフ」元会長について、「個人的な関係は一切ない」と述べた。野党が内閣府の内部資料を基に、首相の推薦枠による招待だったと主張していることに対しては、「個々の招待者や推薦元については個人に関する情報であるため、招待されたかどうかも含めて回答を控えている」と明言を避けた。
ジャパンライフは磁気治療器の預託商法で多額の資金を集め、経営破綻した。首相は、元会長との面識の有無を問われ「私が招待された多人数の会合などの場で同席していた可能性までは否定しないが、一対一の形で会ったことはない」と強調。妻の昭恵氏も「面識はない」とした。
同社が、宣伝チラシに招待状を印刷していたとされることに関しては、「一般論」と前置きした上で「桜を見る会が、企業や個人の違法不当な活動に利用されることは決して容認できない」と話した。
野党が「首相推薦枠」の根拠と指摘している招待状の区分番号は、「使用目的を終えたことから、内閣府において現時点でこれらに関する情報は保有していない」と答弁。政府が廃棄したと説明している招待者名簿のデータは「復元は不可能であるとの報告を受けている」と繰り返した。
桜を見る会の今後について、首相は「私自身の全責任において全般的な見直しを行っていく」と述べ、廃止は「現時点で考えていない」と否定した。
臨時国会の会期は9日までで、与党は野党が求める衆参の予算委員会での集中審議に応じない方針。首相が、今国会で桜を見る会に関する質疑に答えるのは2日が最後となる見通し。 (川口安子)