東京地裁から破産手続き開始決定を受けた学校法人堀越学園の第1回債権者集会が18日、都内であり、破産管財人は、届け出を受けた債権が60億円にのぼる一方、配当に充てられる現在の資産評価額が330万円にとどまることを明らかにした。学校債の購入者ら一般債権者への配当には「到底回らない」と述べた。元理事長で長く経営の実権を握った堀越哲二氏が、約12億2500万円の債権を届けたことも明らかにした。
破産管財人の弁護士によると、17日までに債権があると届けたのは208人で、計約60億2500万円。そのうち税金や労働債権などを除く一般債権は約53億6千万円で、堀越学園が全国の約90人に発行した学校債も約1億9600万円が届けられた。
一方、現金や不動産などの資産評価額は約330万円。学校や幼稚園などの土地や建物には担保が設定されており、評価額ゼロとされた。売れた場合は担保権者に代金の一部を提供するよう求める方針だという。
最優先の税金などの債務が約6700万円あり、それ以上の回収ができなければ、教職員の賃金など労働債権にも配当できない。集会に出席した元男性教員は「(未払い賃金を)取り戻すのは難しいと思っていたが、本当に取れないと分かった」と肩を落とした。
債権者集会には約150人が出席。学校債の購入者からは「詐欺行為だ」と怒りの声が出たという。第2回集会は都内で来年2月5日の予定。
元理事長の堀越氏が届けた約12億2500万円の債権について、破産管財人は「認めない。破綻(は・たん)原因をつくった人に慰労金を払う理由はない」と取材に答えた。
美術品の所有権をめぐる民事手続きで裁判所に提出した2011年7月31日の理事会議事録では、堀越氏に12億円余の債権があり、堀越氏を除く5人の理事が承認したとされる。自身の特別慰労金1億円や退職金2186万円、学園への貸付金、学園設立者である養父母の退職金などだ。
破産管財人によると、堀越氏が学園所有のマンションを明け渡さないため、売却できない状況だという。また、堀越氏ら元理事が破産手続き開始決定前の今年5月、学園のバスなど自動車13台とピアノなど多数の楽器を売却したとし、「破産手続きを妨害している」と指摘した。(遠藤雄二)
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