今ではすっかり見なくなりましたが、
80年代後半から90年代には、どこのテレビ局でも
素人のちびっこの歌合戦番組を時々やっており、
小学生は勿論、時には保育園の年長組の子供が、
歌詞の意味もまだ理解していないだろうに
大人の真似して変にコブシを効かせて
いっぱしの演歌を歌ってる姿を見て、
僕はなんとも胸糞悪く嫌な気持ちになったものでした。
今回紹介するレコードは、まさしくそれを具現化したもの。
柳田大介という少年の「風よおふくろに/ファイナルテニス」です。
詳しい経歴が判らず、検索しても上尾出身という事しか判りません。
小学4~5年生って所でしょうか。
リリースされたのは80年代後半で、自主制作ではないようで、
東芝レコードからのリリースです。
勝手な推測ですが、金持ちの大企業の会長あたりが、
孫可愛さが溢れ余って、『レコード出してみるか?』的な道楽心で
孫に歌わせたのではないか?と思っています。
驚いたのが、どうやらEPレコードが2パターンでリリースされているようです。
A面が風よおふくろに、で、B面がファイナルテニス。
A面がファイナルテニス、で、B面が風よおふくろに。
これらがジャケ違いでリリースされていた、という事です。
こういうやり方って、コレクター向け、あるいは、AKBや乃木坂みたいに
所謂ヲタ心をくすぐる売り方だと思うのですが、
果たしてどういう考えがあっての事だったのでしょう?
しかし、大介(呼び捨て)、ハッキリ言って”小憎たらしい”顔立ちですねぇ。
サル顔。
子供の頃の神木隆之介君や寺田心君のように
可愛らしく愛嬌があり目がクリクリした子供ならまだしも、典型的なサル顔。
デパートの便所にでも引っ張り込んで腹パンしたくなる顔ですね。
曲紹介に行きましょう。
まずは「風よおふくろに」。
クレヨンで書いた風の字体のタイトル。
白いジャケットの腕まくって、黒いベルトに白いスラックス。
山城新伍かよ。
ポケットに手突っ込んで、筆記体でのDaisukeの文字のアンダーシャツ。
もうね、『ブン殴りてぇ!』
歌詞を要約すると、田舎を出た息子が故郷に残した母親に対して、
心配かけてすまない、いつか帰るから、それまで元気で暮らしてくれ、
と、いうような内容。
曲調は演歌。
まだ変声期前のク○ガキが一丁前にコブシ効かせて歌っています。
上手ければ許せるけれど、たいして上手でなく、音程が時々フラフラ。
また、曲間には語りがあり、
父ちゃん 噂で聞いたけど
かぁちゃん寝たきりだって 本当なのか?
俺が行くまで かぁちゃん頼むぜ
これが見事な棒読み。
あー、腹立つ!
次は「ファイナルテニス」。
殴り書きしたような字体。
そもそもファイナルって何だよ?決勝戦って事か?
撮影したスタジオが「風よおふくろに」と同じという事がモロに判りますね。
曲調は、エースをねらえ!を意識したようなスポ根ものアニメソングですが、
いかんせん歌い方が演歌風。
白いボールが コートを走りゃ
パワースマッシュに 青春燃えて
右に左にスピンボール
技と技とに目が走る
テニス テニス
ファイナルテニス
ともあれ、このレコード製作に関わった人々は、僕からすれば全員重罪。
こんなので一般人から金を巻き上げようと画策したのですから。
でも、結局何枚売れたんだろう?
こんなの家族親戚くらいしか買わねーだろ、と思うのです。