今回は南ハイランドモルト、ロッホローモンド クラシックを飲みます。

エントリーモデルのノンエイジボトル

DSC_9253_01ロッホローモンド蒸溜所はローランドとハイランドの境界にあり、ローモンド湖の湖畔にあります。
同じローモンド湖の南にあったリトルミル蒸溜所の第二蒸溜所として、1814年にローモンド湖の北に蒸溜所が建設されました。しかしこの蒸溜所はしばらく後に閉鎖されてしまいます。

その後1966年に、リトルミル蒸溜所に近い場所に再建され、現在まで稼働しています。

ロッホローモンド蒸溜所の特徴としては、釜の形状がタマネギ型では無く、クビが太くまっすぐ上に伸びた形状を持つ蒸溜釜、ローモンドスチルを設けている点です。
これは、リトルミル蒸溜所で行われた3回蒸溜方式を2回で行えるよう考案された独自の釜になっています。
これ以外にも、たの蒸溜所でも一般的なタマネギ型のポットスチルも設置されています。

また、グレーンウイスキーも製造しており、使用しているのはニッカの宮城峡蒸溜所にもあるカフェ式蒸留器です。ここからシングルグレーンウイスキーもオフィシャルでリリースされています。

今回飲むクラシックは、ラインナップの中でもエントリーモデルに位置するノンエイジのボトルになります。
このボトルに使われる原酒も、ローモンドスチルとポットスチルでそれぞれ蒸溜された原酒を、選び抜いたオーク樽に貯蔵、熟成させたものになっているそうです。

程良くスモーキーなウイスキー

グラスからの香り、液色

グラスからはリンゴの甘い香りが先立ち、ブドウも追いかけるように感じられます。また軽くピートからのスモーキーさも得られます。
液色は少々濃いめの琥珀色です。

ストレート

先にピート由来のスモーキーさが感じられ、その後にカカオ、そしてリンゴ、ブドウの香りが続きます。
味わいは、アルコールからの辛みはそこそこで、後からほろ苦さが広がります。

ロック

ストレートに比べるとスモーキーさは薄めになり、代わりにライムのような爽やかな香りが先に訪れます。その後は黒こしょうのようなスパイシーな香り、石鹸を思わせるフローラルな香りが続き、フルーティさは影を潜めます。

味わいは、ビターな感じを持ちつつも軽い酸味を感じる程度になります。

ハイボール

先にピート、ライム、ブドウの香りがひとまとめに感じられます。奥からはリンゴの香りも得られます。
味わいは、苦みは弱めで、その後は軽い甘みが全体を支配します。

まとめ

ノンエイジのシングルモルトながら、豊かな香りと味わいがあり、飲み方によっても変化がしっかり感じられ、癖があるものの飽きの来ない仕上がりになっているように思えます。
複数のスチル、複数のモルトを使ってこそのボトルのように思えます。

近年ではスコッチウイスキーでもノンピートモルトを使う傾向がありますが、ピートから得られるスモーキーな香りがあってこそウイスキーを飲んでいる実感があり、シングルモルトでこれだけ豊かな香りを楽しめるのは有難いです。

700mL、アルコール度数40度、価格は2900円です。

<個人的評価>

  • 香り B: スモーキーさが先に訪れる。その後リンゴ、ブドウ、カカオ。加水でライム、黒こしょう。
  • 味わい C: ほろ苦さがメイン。加水が進むと酸味、甘さが強くなっていく。
  • 総評 B: ノンエイジのシングルモルトながら、豊かな香りが楽しめる。